冬の別府・鉄輪温泉ポタリング|湯けむり絶景と坂道ライドを楽しむ完全ガイド

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別府・鉄輪温泉の冬のポタリングは、湯けむりが最も美しく立ち上る季節に温泉街を自転車でめぐる特別な体験です。冬の冷たい大気との温度差によって湯けむりがはっきりと見えるため、坂道ライドを楽しみながら「21世紀に残したい日本の風景百選」で富士山に次ぐ第2位に選ばれた絶景を堪能できます。大分県別府市の鉄輪温泉は約400本もの湯けむりが立ち上る国の重要文化的景観に選定されたエリアで、鎌倉時代から続く歴史ある湯治場の風情を感じながら、地獄めぐりや地獄蒸しグルメ、共同浴場めぐりといった多彩な楽しみ方ができます。この記事では、冬の鉄輪温泉でのポタリングの魅力から、坂道ライドのコツ、湯けむりの絶景スポット、温泉や地元グルメの楽しみ方まで、充実した冬の温泉サイクリングを実現するための情報を詳しくお伝えします。

目次

鉄輪温泉とは|一遍上人が開いた歴史ある湯治場

鉄輪温泉は、大分県別府市に位置する別府八湯のひとつで、日本を代表する温泉地として知られています。その起源は鎌倉時代にさかのぼり、建治2年(1276年)に時宗の開祖である一遍上人が念仏行脚の途上でこの地を訪れた際、猛り狂う地獄地帯を鎮め、湯治場(鉄輪むし湯)を開いたのが始まりとされています。

当時、この地域の人々は地面から吹き出す熱湯や噴気に苦しめられていました。一遍上人はこれを鎮め、「むし湯」「熱の湯」「渋の湯」など、現在も受け継がれている温泉を作り上げました。鉄輪温泉のメインストリートである「いでゆ坂」には、一遍上人にちなんで名付けられた「上人湯」という共同浴場があり、いでゆ坂の中腹には一遍上人の像が祀られています。自分の体の悪い部分と同じ場所にお湯をかけることで、病気平癒を祈る人が多く訪れています。

重要文化的景観としての価値

鉄輪温泉を中心とした町並みは、いたるところから湯けむりが立ち上り、独特の景観を形成しています。この景観は2012年(平成24年)9月19日に、明礬温泉とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」として重要文化的景観に選定されました。

地上に吹き上げる高温の沸騰泉は気液分離装置により温泉水と温泉蒸気とに分離されます。温泉水は配管で各集落へ送られ、高温の蒸気は「湯けむり」となって空中に高く排出され、温泉場らしい雰囲気を醸成しています。通りのいたるところから蒸気が噴き出す景色は、まさに別府ならではの風景です。

別府には約400本もの湯けむりが立ち上っていますが、そのほとんどが鉄輪温泉エリアに集中しており、その壮観な眺めは訪れる人々を魅了してやみません。別府の湯けむりは、NHKによる「21世紀に残したい日本の風景百選」において、富士山に次いで全国第2位に選出されており、この景観がいかに日本人の心に響くものであるかを物語っています。

温泉の泉質と冬のサイクリングに最適な理由

鉄輪温泉にはさまざまな泉質の温泉がありますが、代表的なものが塩化物泉です。塩分を含むため保温効果が高く湯冷めしにくいのが特徴で、「熱の湯」とも呼ばれています。よく温まり、湯冷めもしにくいという性質は、冬のサイクリングで冷えた体を温めるには最適な温泉といえます。

温泉の湧出量では日本最大である別府の源泉の大半が鉄輪に集中しており、豊富な湯量を誇ります。鉄輪温泉は明礬温泉とともに湯治場の色彩が強く、今なお木賃宿や旅籠の起源を持つ古い宿泊施設が旅館や貸間として残っています。

冬の別府・鉄輪の気候とポタリングに適した服装

冬の気温と天候の特徴

別府の冬は、比較的穏やかで乾燥しているのが特徴です。12月の気温は最高気温11度、最低気温4度、平均気温7度となっています。1月は一年で最も冷え込む時期で、最高気温8度、最低気温2度、平均気温4度です。2月は最高気温9度、最低気温2度、平均気温5度となります。

雪は年に数回しか降らず、積もることは珍しいです。特に別府の市内中心部から鉄輪エリアまでは積雪の心配はほぼありません。ただし、九州と四国の間にある豊後水道からの冷たい風が吹き抜ける沿岸部では、寒さがより厳しさを増すことがあります。

サイクリング時の服装選びのポイント

冬のサイクリングでウェア選びを失敗しがちなのは、走り始めの寒さでウェアを選んでしまい、走っているうちに暑くてたまらなくなることです。目安としては、1kmほど走って体が温まったときに、暑すぎず寒すぎない状態が適切な服装といえます。

秋冬のサイクリングでは「保温」と「汗冷え」のバランスが重要となります。インナーは「保温性」「吸汗性」「速乾性」を兼ね備えたものを選ぶことが大切です。気温が一桁台に達することもある冬季には、フリースジャケットとウィンタービブタイツの組み合わせがおすすめです。

下半身は裏起毛のレーシングパンツを着用し、寒がりの人はアンダーパンツを追加するとよいでしょう。走行中に暑くなってきたらジャージやベストの前ファスナーを開けて温度調整を行い、汗冷えだけは避けることが重要です。

一般的な服装としては、ダウンやウールのコートなど厚手のアウターは必須です。首元や手足の防寒も忘れずに行いましょう。マフラーや手袋、厚手の靴下、携帯カイロなどがあると安心です。

鉄輪温泉周辺のサイクリングコースと坂道ライドのコツ

別府の地形とサイクリング環境

別府は火山性の温泉地であり、東側が瀬戸内海に面し、残りの三方が山という地形となっています。由布・鶴見岳を背に、なだらかに別府湾に下る扇状の地形が特徴的です。

別府市を南北に自転車で走る分には、それほど健脚を要求されません。別府八湯のうち、浜脇温泉、別府温泉、亀川温泉は、一般的な自転車でも楽に回ることができます。しかし、鉄輪温泉へのアクセスは注意が必要です。鉄輪バス停の標高は約133mあり、別府市内から東西に自転車で走るのは登り坂となり、相応の体力が求められます。

坂道ライドを楽しむためのコツ

ヒルクライム(坂道走行)では、重いギアで踏み込むこぎ方ではなく、軽めのギアを使い回転数を増やすこぎ方が向いています。重いギアを踏み続けると筋肉の負担が大きく、疲労感が早めに来てしまいます。

ペースをなるべく一定にすることも重要なポイントです。走る速度を一定にするのではなく、息の上がり具合を一定にすることを意識しましょう。勾配が急になる箇所では速度が落ちても構わないので、無理をせずに自分のペースを保つことが大切です。

はじめのうちは、勾配が緩いコースを選ぶのがコツです。その目安になるのが「走行距離」「獲得標高」「平均勾配」の3つの要素となります。

おすすめのサイクリングルート

別府湾岸・シーサイドルートは、「潮風さわやかシーサイドルート」とも呼ばれ、別府湾と国道10号に挟まれた自転車・歩行者道を走るコースです。距離は約7kmで、平坦基調で道幅も広いためビギナーでも安心して走ることができます。コース上には別府海浜砂湯、的ヶ浜公園(スパビーチ)、うみたまご(大分マリーンパレス水族館)、高崎山自然動物園などがあり、サイクリングの合間に観光も楽しめます。

別府・大分ルートは、別府を出発して西大分まで海岸沿いを走るルートです。田ノ浦ビーチやかんたん港園で海を眺めながら休憩できます。130年以上の歴史がある竹瓦温泉は風情ある外観が魅力的で、サイクリングの締めにおすすめです。

地獄めぐり発見コースは、別府観光のハイライト「地獄めぐり」のスポットを自転車で巡りながら、途中で温泉も楽しめるコースです。ただし、鉄輪エリアは坂道が多く、道幅が狭い箇所もあるため注意が必要です。

レンタサイクル情報

JR別府駅にある「ワンダーコンパスベップ」では電動アシスト自転車をレンタルできます。レンタル料は1日3,500円(最大8時間)で、発券機は英語表記もあり外国人観光客も利用しやすくなっています。

Space Beppuでもレンタサイクルサービスがあり、1時間プラン500円、3時間プラン1,000円で利用可能です。営業時間は10時から17時となっています。

由布岳登山口から自転車で下りながら、城島高原パーク、別府ロープウェイ、地獄めぐり、鉄輪温泉などを満喫するダウンヒルプランもあり、返却場所も柔軟に対応できるサービスがあります。

湯けむりの絶景スポット|冬が最も美しい理由

湯けむり展望台からの絶景

鉄輪の湯けむり、雄大な鶴見岳、季節によってさまざまに色を変える扇山、その風景を一望できるのが湯けむり展望台です。別府市鉄輪8組に位置し、利用料金は無料、定休日もありません。

この展望台からの夜景は、平成22年8月に「日本夜景遺産」に認定されました。鶴見岳や扇山の暗闘を背景に、鉄輪温泉のホテル・旅館群の明かりや、新別府から別府中心部への光群が広がる絶景を楽しめます。

特に冬の時期は、大気との温度差により湯けむりがはっきりと見えるため、一番の見ごろとされています。日没後の約20分間の薄暮の時間帯「トワイライトタイム」は目を見張る美しさで、特におすすめです。土曜・日曜・祝日やイベント時には湯けむり自体がライトアップされます。

アクセスは、大分自動車道「別府インターチェンジ」より車で約11分、JR別府駅から車で約20分です。駐車場は無料ですが大きくなく、10台以下しか駐車できません。なお、展望台は住宅街にあるため、近隣住民への配慮が求められます。

いでゆ坂からの眺めと散策の楽しみ方

いでゆ坂は鉄輪温泉のシンボル的ストリートで、ゆるやかな坂になっています。明るい色合いの石畳と周囲の古い建物がノスタルジックな景観をつくり出しており、湯けむりが立ち込める様子は情緒たっぷりです。

坂を歩きながら、あちこちから立ち上る湯けむりを間近に見ることができます。自転車を押して散策するのも一興です。

地獄めぐりの楽しみ方|7つの地獄の見どころ

地獄めぐりとは

鉄輪・亀川の地獄地帯は、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していました。「豊後風土記」にも記されており、近寄ることもできない忌み嫌われた土地であったことから「地獄」と称されるようになりました。

べっぷ地獄めぐりは、100度近い温泉の源泉を見る観光施設です。7つの地獄のうち、海地獄・血の池地獄・龍巻地獄・白池地獄は多様な色彩と形態であることから国の名勝に指定されています。

7つの地獄それぞれの特徴

海地獄は、今から約1,200年前の鶴見岳噴火とともにできた熱泉です。水面が海のようなコバルトブルーに見えることから海地獄という名前が付けられました。温度は約98度あり、泉質は酸性で温泉成分に硫酸鉄を多く溶解しているため鮮やかなコバルトブルーに見えます。

鬼石坊主地獄は、733年(天平5年)に編纂された豊後風土記にも登場する古い地獄です。灰色の熱泥が沸騰する様子が坊主頭に似ていることから「鬼石坊主地獄」と呼ばれるようになりました。

かまど地獄は、1丁目から6丁目まで6つの地獄があり、バラエティ豊かです。気温や天候によって色が変わる地獄もあり、足湯や飲む温泉など地獄を体験できるのも魅力となっています。

鬼山地獄は、別名「ワニ地獄」と呼ばれ、1923年(大正12年)に日本で初めて温泉熱を利用したワニの飼育を始めた場所です。現在は80頭を超える多種のワニを飼育しており、週末には飼育員による餌やりが行われています。

白池地獄は、国指定名勝にもなっている優雅な地獄です。噴出時は無色透明の熱湯ですが、温度と圧力の低下により自然と青みを帯びた白色に染まります。

血の池地獄は、日本最古の天然の地獄です。奈良時代に編纂された「豊後國風土記」には「赤温泉」と記されており、1300年以上前から存在しています。酸化鉄の成分で噴気までが赤く染まります。

龍巻地獄は、間欠泉の地獄で、噴出周期が短いのが特徴です。屋根がなければ約50mも吹き上げる力があり、周りは一気に湯気に囲まれます。

効率的な回り方

最も効率よく回れるルートは、鉄輪エリアの5つの地獄を先に見てから、亀川エリアに移動して2つの地獄を見るという順番です。具体的には、海地獄、鬼石坊主地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄、血の池地獄、龍巻地獄の順番がおすすめとなります。一気にめぐると大体2時間から2時間半で回ることができます。

鉄輪温泉の共同浴場めぐり|地元の温泉文化に触れる

共同浴場の魅力と利用のポイント

鉄輪温泉エリアには、一般の方がお金を払って入浴できる共同温泉(公衆浴場)が8つあります。周辺には地元の人も利用する9か所の共同浴場があり、地域の温泉文化に触れることができます。

共同浴場は、通常の立ち寄り日帰り温泉と違って、その温泉独特のルールがある場合があります。また、タオルや石けん等を置いていない共同浴場が多いため、事前に準備しておくことが望ましいです。

代表的な共同浴場の特徴

すじ湯温泉は、鉄輪の石畳にぴったりな和風建築の外観が特徴です。入口正面にある賽銭箱へ100円を入れてから入浴します。営業時間は6時30分から20時までです。

熱の湯温泉は、鉄輪のなかでも古い市営の共同浴場で、駐車場もあり、入浴料は無料です。営業時間は6時30分から21時までとなっています。

上人湯は、向かいの「まさ食堂」で100円を支払い、入浴札を受け取ってから入浴します。営業時間は10時から17時までです。一遍上人にちなんで名付けられた歴史ある共同浴場となっています。

渋の湯は、永福寺のすぐ下にあり、ロッカー代100円が入浴料となります。高温の湯が竹枝を流れる間に冷めて適温になる「竹製冷却装置」も必見です。

鉄輪むし湯の特別な体験

鉄輪温泉の象徴ともいえるむし湯は、鎌倉時代の1276年に一遍上人によって開かれたと伝えられています。

ユニークな入浴方法が特徴で、1メートル四方の木戸を開けて中に入ると約8畳ほどの石室があり、温泉の噴気で熱せられた床の上には石菖(せきしょう)という薬草が敷き詰められています。その上に横たわって蒸されるのです。

具体的な入浴の流れは次のとおりです。まず蒸し湯前に軽く下半身を洗い、蒸し湯用の浴衣を羽織ります。蒸し風呂は頭を下げて這いながらやっと入れるくらいの小さい入口から入ります。この小さい入口は、中の室温を下げないための工夫です。床には特殊な薬草が敷かれており、8分すると呼ばれますが、追加で2分延長もできます。

室温は80度近い温度で、火を使わずに温泉の蒸気を通すことでキープされています。全身から汗が吹き出し、床に敷き詰められた薬草の石菖の香りで呼吸が楽になります。

利用料金は510円で、Tシャツと短パンを持参するか、レンタル浴衣210円を利用します。営業時間は6時30分から20時(最終受付19時30分)です。定休日は第4木曜(祝日の場合は営業、翌日休み)となっています。施設の入口には無料の「足蒸し」もあり、鉄輪温泉の散策で疲れた足を癒すのに利用できます。

地獄蒸しグルメを堪能する|江戸時代から続く伝統の調理法

地獄蒸しとは何か

地獄蒸しは、摂氏98度、100%地熱エネルギーの温泉噴気を利用した、別府鉄輪温泉では江戸時代から用いられてきた伝統の調理法です。食材をざるにのせ「地獄蒸し釜」と呼ばれる約100度の蒸気が噴き出す釜の中に入れ、蓋をするだけという至ってシンプルな調理法となっています。

塩分を含む温泉蒸気で一気に蒸すため、食材本来の旨味が閉じ込められます。油分を使わないためとてもヘルシーで、素材の旨味や栄養をぎゅっと閉じ込めた食材には、温泉の滋味も加わり、味わいはより一層深いものになります。

主な食材とメニュー

魚介やお肉、野菜や卵などオーソドックスな素材から、豚まんや蒸して提供する「やせうま」や「だんご汁」といった郷土料理など変わり種もあります。卵やさつまいも、鶏の手羽など幅広い食材で楽しめます。プリンや蒸しパン、蒸しリンゴなどスイーツ作りもおすすめで、蒸しピザはとろりチーズと生地のもちもち食感が人気です。

おすすめの地獄蒸し体験スポット

地獄蒸し工房鉄輪は、休日ともなれば行列ができる人気の地獄蒸しスポットです。地獄釜の貸し出しを行っており、持ち込んだ食材で手軽に地獄蒸し料理を体験することができます。摂氏98度、100%地熱エネルギーを利用した本格的な地獄蒸しが楽しめます。

地熱観光ラボ縁間は、バリエーション豊かな食材を揃え、大分県佐伯市の鶴見市場から毎日新鮮な魚介類を直接仕入れています。「地熱ぷりん」は温泉の噴気で蒸しあげることで生まれる独特な濃厚さが特徴です。

蒸士茶楼は、「50度洗い」と「低温スチーム」という食材の下ごしらえにこだわり、「汽鍋(チーコー)」で作る薬膳スープが看板メニューとなっています。

ひょうたん温泉では、盛り合わせせいろや丸鶏のせいろ蒸しなどがあり、素材も調味料もすべて地産地消にこだわっています。温泉入浴と合わせて地獄蒸しグルメを楽しめます。

周辺の温泉施設とおすすめ宿泊施設

ひょうたん温泉の魅力

鉄輪温泉を代表する大規模施設で、露天風呂や滝湯、蒸し湯など全8種類の温泉を楽しむことができます。男湯には19本の瀧湯があり、約3メートルの高みから落ちてくる湯で疲れを癒せます。

別府ICから10分、別府駅からバスで25分のアクセスしやすい立地にあります。源泉十割かけ流しにこだわっており、質の高い温泉体験ができます。

おにやまホテル

2025年2月に大幅リニューアルを実施しました。2024年に完成したユニバーサル仕様の客室「湯楽」(55平米)や、2025年に完成したモダンプレミアムルーム(47平米)など、快適な客室が揃っています。地獄めぐりの拠点としても便利な立地です。

灯りの宿燈月

源泉掛け流しの温泉宿で、冬限定の贅沢プランも用意されています。おおいた和牛しゃぶしゃぶ付プラチナプランなど、グルメと温泉を両方楽しめる滞在が可能です。

明礬温泉へのアクセス

別府八湯の中で最も標高の高い場所に位置するのが明礬温泉です。源泉かけ流しの露天風呂は標高350メートルと別府一の高さを誇ります。鉄輪温泉から車で約7分、路線バスで約8分とアクセスも便利です。

明礬温泉と鉄輪温泉はともに湯治場の色彩が強く、「別府の湯けむり・温泉地景観」として重要文化的景観に選定されています。両温泉を自転車でめぐるのも楽しい体験となります。

貸間(かしま)で楽しむ湯治体験

昔から湯治宿として栄えた鉄輪温泉では、かつて農閑期に多くの人々が体の休息を求め、心身を癒しに訪れていました。その時に利用したのが「かしま(貸間)」と呼ばれる湯治宿で、自炊して長期滞在するスタイルが一般的でした。

貸間は当時、鉄輪地区の普通の民家に農家の人々がお米を持参して、お部屋を借りて滞在したのが始まりとされています。現在もこの伝統を受け継ぐ湯治宿が残っており、昔ながらの滞在スタイルを体験できます。

ふるさとの宿みかさやは、心身を癒す良質の温泉として岩風呂、石風呂、竹の露天風呂の3つを備えています。お客様専用の台所があり、自由に自炊ができます。

柳屋(サリーガーデンの宿)は、鉄輪名物の地獄蒸しでつくる食卓と、「べっぴんの湯」を源泉かけ流しで楽しめます。中庭にしつらえた石造りの地獄釜があり、宿泊客はいつでも地獄釜を使って自炊ができます。

入湯貸間陽光荘は、中庭に当たる場所に地獄釜が1階・2階にあり、部屋を出てすぐ目の前が調理場となっています。持ち込んだ食材で地獄蒸し料理を楽しむことができます。

しんきや旅館は、湯煙ただよう鉄輪温泉街の中心近くにあり、自炊施設も整っていて湯治には便利な宿です。自炊場には温泉の蒸気を使った地獄釜があり、地獄蒸し料理も楽しめます。素泊まりで1人あたり5,000円から10,000円程度で宿泊できます。

旅館みゆき屋は、古くからの湯治場としての雰囲気を残す鉄輪温泉にあり、2つの貸切露天風呂と蒸し湯の3つの温泉を用意しています。素泊まりでリーズナブルに宿泊でき、食料や飲料の持ち込みもできます。

湯治の宿大黒屋は、別府鉄輪温泉街にある湯治宿で、源泉かけ流しの温泉を楽しめます。食事は温泉の湯気を使った地獄蒸しと呼ばれる料理が楽しめます。

貸間へのアクセスは、大分自動車道別府ICから10分、JR日豊線別府駅から鉄輪行きバスで25分、福岡空港から高速バスで鉄輪口下車徒歩5分です。長期滞在して自転車でゆっくり周辺を巡るのも、贅沢な過ごし方といえます。

冬のポタリングプラン例|半日・1日の楽しみ方

半日プラン(約4時間)の過ごし方

別府駅でレンタサイクル(電動アシスト推奨)を借りることからスタートします。まずは海沿いの平坦なルートでウォーミングアップを兼ねて走り、体を温めます。その後、鉄輪方面へ向かい、坂道ライドを楽しみます。

鉄輪温泉に到着したら、まずは湯けむり展望台で絶景を楽しみます。冬の澄んだ空気の中、立ち上る湯けむりは格別の美しさです。その後、いでゆ坂を散策し、共同浴場で冷えた体を温めます。地獄蒸し工房で軽食をとり、余裕があれば地獄めぐりの一部を見学します。

1日プラン(約8時間)の過ごし方

午前中は別府湾岸のシーサイドルートを走り、高崎山自然動物園やうみたまごなどを見学します。昼前に鉄輪温泉へ移動し、地獄蒸し工房で昼食をとります。

午後は地獄めぐりを2時間ほどかけてじっくり見学します。その後、いでゆ坂周辺の共同浴場めぐりを楽しみ、鉄輪むし湯で汗を流します。夕方は湯けむり展望台でトワイライトタイムの絶景を鑑賞し、別府駅へ戻ります。

ポタリング時の注意事項

電動アシスト自転車でも鉄輪温泉への坂道は「まあまあな運動」になります。無理のないペース配分を心がけることが大切です。下り坂では爽やかな風を楽しめますが、スピードの出しすぎには注意が必要です。

鉄輪エリアは道幅が狭い箇所もあるため、歩行者や車に十分注意して走行しましょう。また、温泉に入る際は、サイクルウェアから着替える必要があるため、着替えを持参することをおすすめします。

鉄輪温泉と周辺の見どころ|サイクリングの合間に立ち寄りたいスポット

地獄温泉ミュージアム

雨水が温泉水として生成されるまでの地中の旅を追体験し、自然の恵みと人々の営みの循環を学び楽しむアカデミック・エンターテイメント施設です。地獄めぐりと合わせて訪れることで、温泉についてより深く理解することができます。

永福寺と一遍上人の足跡

鉄輪温泉を開いたとされる一遍上人が開祖の寺院です。毎年秋には一遍への感謝を込めて、鉄輪にある共同浴場・渋の湯で一遍上人の木像に湯かけを行う「鉄輪湯あみ祭り」が開催されています。

鶴見岳の絶景

別府市にある活火山で、標高は1,375メートルです。日本三百名山のひとつで、東側山麓の扇状地には別府八湯が広がっています。別府ロープウェイが中腹の別府高原駅(標高503メートル)から山頂の鶴見山上駅(標高1,300メートル)まで通じており、10分足らずで登ることができます。山頂からは別府市街や別府湾、南方に城島高原を見おろすことができます。

ボランティアガイドと歩く湯けむり散歩

自転車を降りて鉄輪温泉をより深く知りたい方には、ボランティアガイドによる「湯けむり散歩」がおすすめです。NPO法人鉄輪湯けむり倶楽部のガイドが、湯治場の情緒あふれる鉄輪の路地裏を案内してくれます。

鉄輪の路地裏を歩けば、「地獄蒸し釜」あり、屋台あり、古い湯治場の跡ありと、見どころが尽きません。どこの路地を歩いても、必ずといっていいほど圧巻の湯けむりに出会うことができます。

「ゆけむりもくもくツアー」というガイドツアーもあり、地獄蒸し工房鉄輪、むし湯、すじ湯通り、銀座通り、谷の湯通り、湯けむり通りなどを約1時間半かけてめぐります。鉄輪を愛するガイドならではの視点で、奥深い鉄輪温泉の魅力を発見できます。鉄輪地獄蒸しを利用したおやつ付きのツアーもあり、温泉街の雰囲気を存分に味わえます。

1組限定の貸切ツアーでは、食材を調達し、湯治宿の地獄釜でオリジナル地獄蒸しセットを作る体験もできます。自転車でのポタリングと組み合わせて、歩きとガイドの案内で温泉街を深く知る時間を設けるのも、充実した滞在のひとつの形といえるでしょう。

冬の鉄輪温泉ポタリングで得られる特別な体験

冬の別府・鉄輪温泉は、湯けむりが最も美しく立ち上る季節です。自転車でめぐるポタリングは、温泉街の風情を肌で感じながら、適度な運動と温泉浴を組み合わせた贅沢な体験となります。

坂道ライドは体力を使いますが、その分達成感も大きいです。冷えた体を温泉で温め、地獄蒸しの郷土料理を味わい、湯けむりの絶景を楽しむ。そんな充実した一日を過ごせるのが、冬の鉄輪温泉ポタリングの魅力です。

一遍上人が開いた歴史ある湯治場の風情を残しながらも、現代の旅行者を温かく迎え入れる鉄輪温泉。ぜひ一度、自転車とともに訪れてみてはいかがでしょうか。湯けむりの向こうに、心と体を癒す特別な時間が待っています。

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