若狭おばま古刹めぐりポタリング完全ガイド|モデルコースと見どころを紹介

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若狭おばまの古刹めぐりポタリングモデルコースは、福井県小浜市にある国宝や重要文化財を有する歴史ある寺社を自転車で巡る観光ルートです。「海のある奈良」「みほとけの里」と称される小浜市では、主な観光スポットが10キロメートル圏内にコンパクトにまとまっており、急な上り坂が少ないため自転車での散策に最適な環境が整っています。本記事では、1200年以上の歴史を持つ古刹を効率よく巡るためのモデルコースから、レンタサイクル情報、各寺院の見どころ、さらには御食国若狭ならではのグルメ情報まで、若狭おばまでのポタリング旅行を計画する際に知っておきたい情報を網羅的にお伝えします。

目次

若狭おばまが古刹めぐりポタリングに最適な理由

福井県小浜市は、古代より大陸や朝鮮半島からの玄関口として栄え、都との深い交流によって育まれた豊かな文化と歴史を持つ街です。若狭湾に面したこの地域には、国宝や重要文化財に指定された仏像や建造物が数多く現存しており、その数は130寺以上にのぼります。

小浜市がポタリングに適している最大の理由は、その地形にあります。山と海に囲まれた里エリアに街が広がり、主要な観光スポットが10キロメートル圏内に集中しているため、1日から2日あれば主要な寺社を無理なく巡ることができます。また、急な上り坂が少ないため、自転車初心者や体力に自信がない方でも安心して楽しめる環境となっています。

「海のある奈良」という呼び名は、この地に伝わる仏像の質と量が奈良に匹敵するほど豊かであることを示しています。奈良時代には「御食国(みけつくに)」として朝廷に塩や海産物を献上しており、現在も「御食国若狭と鯖街道」として日本遺産に認定されています。2024年7月には、小浜市と若狭町の日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国若狭と鯖街道~」が、日本遺産認定地域の最上位のランクとなる「日本遺産プレミアム」に全国で唯一選定されました。

若狭の歴史と仏像文化の特徴

若狭地方の仏像には、「若狭風」とも呼ばれる独特の雰囲気があります。渡来した文化や周辺の豊かな物資と、都の洗練された文化や伝統技術とが、鯖街道をはじめとする複数の街道を通じて若狭と京都を行き来した歴史が、この地域特有の仏像文化を育みました。

若狭の仏像をよく調べると、一部を除いてはローカル色豊かな地方作像が多く見られます。名の知れた寺院だけでなく、浦部の小さな草庵や山間の小堂にも至るところに仏像が散在しており、地域全体が「みほとけの里」として大切に守られてきた歴史を感じることができます。

特徴的なのは、若狭の仏像は阿弥陀様と観音様が多いという点です。その美しさと優しい雰囲気に心が癒されると多くの参拝者から愛されています。ただし、後述する明通寺の仏様は例外で、威厳あるお姿で強い個性を発揮しており、他の若狭の仏像とは異なる印象を与えます。

鯖街道とは何か

福井県小浜市から京都への道を「鯖街道」と呼びます。鯖街道は、若狭国などの小浜藩領内と京都を結ぶ街道の総称で、主に魚介類を京都へ運搬するための物流ルートでした。運ばれる海産物のうち最も割合が高かったのが鯖であったことから、この名称で呼ばれるようになりました。

鉄道や自動車道が開通する以前、若狭から京へ通じる道は山地を越える狭小な山道でした。若狭湾で取れたサバは行商人に担がれ、徒歩で京都に運ばれました。冷凍技術のなかった当時は、生サバを塩でしめる方法が取られ、京都まで輸送するのに丸1日を要しました。京都に着くころにはちょうど良い塩加減になったといわれており、この輸送方法が後の「鯖寿司」文化を生み出す要因となりました。

鯖街道では、若狭からさまざまな海産物や海を渡ってきた文化が運ばれ、京からも雅な文化や工芸品などが若狭に運ばれていました。これは一本の道ではなく、「若狭街道」(朽木ルート)、「針畑越え」(針畑越ルート)、「西近江路」など複数の道から構成されています。

この鯖街道の歴史を学べる施設として「鯖街道ミュージアム」があります。小浜市の文化財や伝統芸能、祭礼などを紹介しており、飛び出す鯖や北前船に乗船できるトリックアートなど楽しさ満載の施設となっています。2020年3月8日「鯖の日」にオープンし、屋外広場は鯖街道の起点から京都・出町までを道標と針畑峠を模した築山、琵琶湖を模した砂利敷等で表現しています。

小浜八ヶ寺の概要と拝観情報

小浜市内に現存する神社仏閣の中でも、国宝や国・市指定の重要文化財などに指定される古刹を中心に八つの寺院が「八ヶ寺」と呼ばれています。具体的には、羽賀寺、明通寺、国分寺(若狭国分寺)、萬徳寺、神宮寺(若狭神宮寺)、多田寺、妙楽寺、圓照寺の8寺院です。

八ヶ寺の拝観料は共通で400円となっています(20名以上360円、50名以上320円、小学生まで無料)。8か寺はすべて事前連絡を必要とせず、いつでも観光客を迎え入れてくれる点が嬉しいポイントです。ただし、神宮寺については2月15日から3月5日の期間はお水送りの準備のため拝観不可となりますのでご注意ください。

以前は8か寺を循環する「国宝めぐりバス」が2008年度まで運行されていましたが、現在は廃止されています。そのため、手軽に八ヶ寺をまわるにはレンタサイクルの利用がおすすめです。1日ですべてを回るのは難しいため、2日間に分けてゆっくり巡ることをおすすめします。

明通寺の見どころと拝観案内

明通寺は、大同元年(806年)に征夷大将軍・坂上田村麻呂によって創建されたと伝えられる歴史ある寺院です。本堂と三重塔が国宝に指定されており、老木立ち並ぶ自然の中に時代を経た荘厳な姿を見せています。小浜市を訪れたら必ず立ち寄りたい寺院の一つです。

国宝の本堂は正嘉2年(1258年)に建立されました。入母屋造桧皮葺で、桁行5間(14.72メートル)、梁行6間(14.87メートル)の規模を誇ります。三重塔は文永7年(1270年)の建立で、総高22.12メートルの桧皮葺木造三重塔婆です。国内でも鎌倉建築を代表する建造物として評価されており、日本海側随一を誇る国宝・三重塔として知られています。その歴史は1200年を超えます。

平安後期作の国指定重要文化財として、木造降三世明王立像(像高252.4センチメートル)、木造深沙大将立像(像高256.6センチメートル)、木造不動明王立像(像高161.8センチメートル)などを所蔵しています。明通寺の仏様は、若狭の他の仏像とは異なり、威厳あるお姿で強い個性を発揮している点が特徴です。

明通寺の拝観時間は9時から17時(16時30分最終受付)で、12月から2月は16時30分までとなります。定休日はなく年中無休で拝観可能です。拝観料は500円で、八ヶ寺共通の400円とは異なりますのでご注意ください。アクセスはJR東小浜駅から車で10分、舞鶴若狭自動車道小浜ICから車で15分です。所在地は福井県小浜市門前5-21となります。

萬徳寺の庭園と仏像

萬徳寺は、応安年中(1368年から1374年)に安芸円明寺の覚応法印がこの地にあった天台宗極楽寺を正照寺と改め、真言宗を広めたことに始まります。天文13年(1544年)には祈願所となり、罪人は入寺すれば助かるという若狭唯一の「駆け込み寺」となりました。慶長7年(1602年)に現在の寺号「萬徳寺」に改められました。

萬徳寺最大の見どころは、なんといっても庭園です。山の斜面を利用した「埋石式山水庭園」で、その面積は約1,800平方メートルに及びます。大小約200本のモミジの木が植わっており、白・緑・赤・黄と色鮮やかに映える壮観な景色は「日本紅葉百選」にも選ばれています。5月から6月にはツツジも見事で、春から秋にかけて美しい景色を楽しむことができます。

本尊である阿弥陀如来坐像は平安後期の作と伝えられ、ヒノキ材の寄木造で「上品下生」の来迎印を結んでいます。秋の山もみじの朱が枯山水の庭園に映え、春はツツジが見ものとなる、四季折々の美しさを持つ寺院です。所在地は小浜市金屋74-23です。

神宮寺とお水送りの神事

神宮寺は、注連縄が結ばれた神仏習合のお寺で独特の雰囲気を醸し出しています。古くからの信仰を肌で感じることができる特別な空間となっており、紅葉の見頃は11月中旬から12月中旬頃です。所在地は小浜市神宮寺30-4となります。

神宮寺では、毎年3月2日に奈良・東大寺の二月堂への「お水送り」の神事が行われます。この神事は約1,300年にわたって続いており、若狭と奈良を結ぶ深い縁を今に伝えています。東大寺では3月12日にお水取りが行われますが、これは東大寺二月堂のご本尊に捧げる水を汲み上げる神事のことで、二月堂境内にある「若狭井」からお水を組み上げます。小浜のお水送りは、このお水取りの10日前に行われます。

「二月堂縁起絵巻」(天文14年・1545年)によれば、実忠が修二会の最後に神名帳に記した1万3千7百余座の神々の名を読み上げ祈念したところ、遠敷明神だけが遅刻してこれを聞き逃しました。これを悔やんだ遠敷明神は二月堂のほとりに「香水」を奉じると約束し、すると黒と白の鵜が岩を割って飛び出し、その岩から泉が湧いたので石を敷いて「閼伽井」としたという伝説があります。

お水を送る約束は一度も破られることなく、約1,300年続いています。小浜の「若狭神宮寺」の「閼伽井」で汲んだ水を様々な行によって清めたのち、若狭神宮寺から約2キロメートル離れた「鵜の瀬」と呼ばれる河原に松明行列で閼伽水を守護しながら移動します。その「鵜の瀬」から閼伽水を遠敷川に流すと、10日間かけて奈良の「若狭井」に届くとされています。

修二会は天平勝宝4年(752年)に良弁の高弟実忠によってはじめられたと伝えられています。「不退の行法」として引き継がれ、戦時中なども一度も中止されることなく行われてきた歴史ある神事です。お水送りが終わると若狭に春がやってくる、お水取りが終わると関西に春がやってくると言われており、どちらも春の訪れを告げる行事として親しまれています。

羽賀寺と妙楽寺の魅力

羽賀寺は「鳳凰の羽が賀(よろこ)ぶ」という名前を持つ、行基開創の真言宗の古刹です。木造十一面観音菩薩立像は女帝元正天皇の御影と言われ、「小浜のべっぴんさん」として有名です。国指定重要文化財の仏像を所蔵しており、その美しい観音様は多くの参拝者を魅了しています。所在地は小浜市羽賀82-2です。

妙楽寺は、本堂が小浜市内で最も古い鎌倉時代の建立という歴史を持ちます。御本尊の二十四面千手観音菩薩立像は、昭和まで秘仏として33年に1度の御開帳でのみ厨子が開かれていたため、表面の漆箔がしっかりと残っています。長年守られてきた秘仏ならではの美しい状態を見ることができる貴重な仏像です。所在地は小浜市野代28-13で、JR小浜線小浜駅から車で15分、舞鶴若狭自動車道小浜ICから約5キロメートルの場所にあります。

多田寺と圓照寺と国分寺

多田寺は、天皇の眼病を治し、多くの人の病を治した勝行上人が開いたお寺です。「出世薬師」とも呼ばれ、病気平癒のご利益があるとされて多くの参拝者が訪れます。所在地は小浜市多田27-15-1です。

圓照寺は臨済宗南禅寺派の寺院で、本尊は大日如来です。庭園は自然地形を利用した回遊式庭園で、モリアオガエルの生息地としても知られています。自然豊かな環境の中で静かな時間を過ごすことができます。所在地は小浜市尾崎22-15で、JR小浜線小浜駅から車で15分、舞鶴若狭自動車道小浜ICから約5キロメートルです。

国分寺は若狭国分寺として知られる古刹で、八ヶ寺の一つに数えられています。奈良時代に聖武天皇の詔により全国に建立された国分寺の一つで、日本の仏教史において重要な位置を占める寺院です。

若狭彦神社と若狭姫神社の参拝ガイド

若狭彦神社と若狭姫神社は、上社・下社の2社からなり、上社(小浜市龍前)を「若狭彦神社」、下社(小浜市遠敷)を「若狭姫神社」といいます。別称として郡名から「遠敷明神」とも呼ばれます。両社を併せて上下宮とも若狭一の宮とも総称し、平安時代の延喜式にも名神大社として記載された若狭の国きっての格式の高い古社です。

社伝によると、和銅7年(714年)9月10日に両神が示現した白石の里に上社・若狭彦神社が創建されました。翌霊亀元年(715年)9月10日に現在地に遷座し、下社・若狭姫神社は養老5年(721年)2月10日に上社より分祀して創建されました。天安3年(859年)には「若狭比古神」の神階が正二位勲八等に、「若狭比咩神」の神階が従二位にそれぞれ昇叙されています。

若狭彦神社のご祭神は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと・山幸彦)、若狭姫神社は豊玉姫命(とよたまひめみこと・乙姫)で、どちらも海上安全、海幸大漁の守護神として広く信仰されています。「彦火火出見尊(山幸彦)」と「豊玉姫命(乙姫)」は夫婦神であり、夫婦の関係にある両社の縁結びパワーは全国区で知られています

二つの神社の間は1.5キロメートルあり、両社を訪れることでよりバランスのとれた運気を得られるとされています。若狭彦神社(上社)には、2本の杉が根元で1本になっている「夫婦杉」があり、夫婦円満や良縁成就の効力があるといわれています。

若狭姫神社(下社)には、随神門をくぐった先にパワースポットとして有名な「千年杉」があります(幹周6.0メートル、樹高30メートル、樹齢約500年)。「千年杉」を眺める場所へ立ち、健康長寿、子孫繁栄を祈ると強いエネルギーをいただけるとされています。若狭姫神社は安産・育児に霊験があるとされ、境内には子種石と呼ばれる陰陽石や、乳神様とよばれる大銀杏などがあります。

なお、「若狭彦神社」(上社)には社務所がないため、ご祈祷や御朱印などはすべて「若狭姫神社」(下社)での対応となります。

レンタサイクル情報の比較

若狭おばまの古刹めぐりポタリングを楽しむには、レンタサイクルの利用が便利です。主要なレンタサイクルスポットは3か所あり、それぞれ特徴が異なります。

施設名場所普通自転車(8時間)電動アシスト(8時間)台数営業時間
東小浜駅サイクリングセンターJR東小浜駅内大人1,010円・子供500円1,520円70台9時〜17時
若狭おばま観光案内所JR小浜駅前1,600円(8.5時間)20台9時〜18時(貸出17時まで)
小浜市まちの駅小浜駅徒歩7分1,000円1,500円10時〜17時

寺社巡りには東小浜駅サイクリングセンターからのスタートがおすすめです。台数が70台と最も充実しており、明通寺までの坂道や神宮寺・若狭彦神社・萬徳寺・若狭姫神社などを回るのに便利な立地となっています。登り坂を考慮して電動アシスト付自転車を借りることをおすすめします。

若狭おばま観光案内所は小浜駅前という便利な立地ですが、台数は20台とやや少なめで、シーズン中の土日などはすべて出払ってしまう可能性があります。普通自転車とスポーツタイプの2種類があり、いずれも電動アシスト付きです。冬期は営業時間が異なり、年末年始は休業となります。

おすすめモデルコースの紹介

若狭おばまの古刹めぐりポタリングには、いくつかのモデルコースがあります。所要時間や体力に合わせて選ぶことができます。

コース1「若狭の古刹をめぐるポタリング」は、小浜市公式の若狭おばま観光サイトで紹介されているモデルコースです。所要時間は約2時間半で、春・夏・秋の季節に適しています。若狭姫神社(約15分滞在)から若狭彦神社(約15分滞在)、神宮寺(約20分滞在)、萬徳寺(約20分滞在)と巡るルートで、パワースポットと美しい庭園を効率よく楽しめます。

コース2「小浜歴史探訪サイクリング」は、小浜市から京都へと続く鯖街道を走る約13.4キロメートルのサイクリングコースです。古から行き交う人々が積み重ねてきた歴史と風土が息づいている道で、遠敷川の清流を眺めながら、奈良東大寺の「お水送り」神事にゆかりのある寺社を訪ね、歴史ロマンに浸ることができます。

コース3「小浜八ヶ寺巡り」は、2日間かけてゆっくりお参りする本格的な古刹巡りコースです。1日ですべてを回るのは難しいため、余裕を持った計画をおすすめします。1日目は羽賀寺、妙楽寺、圓照寺、多田寺を、2日目は明通寺、神宮寺、萬徳寺、国分寺、若狭彦神社、若狭姫神社を巡るプランが効率的です。

コース4「寺院巡りコース」は、羽賀寺から国宝指定の明通寺など寺院を巡りながら小浜の歴史を感じられるコースです。坂上田村麻呂公創建の明通寺の三重塔は日本海側随一の塔で、本堂とともに国宝に指定されており、見逃せないスポットとなっています。

季節ごとの古刹めぐりの楽しみ方

若狭おばまの古刹めぐりは、季節によって異なる魅力を楽しむことができます。

春(3月から5月)は、3月2日にお水送りの神事が行われ、若狭に春の訪れを告げます。萬徳寺では5月から6月にかけてツツジが見頃を迎えます。新緑の季節は自転車での散策に最適な気候で、気持ちよくポタリングを楽しめます。

夏(6月から8月)は、緑が美しい季節で、木陰の涼しさを感じながら古刹を巡ることができます。日差しが強いため、早朝や夕方のポタリングがおすすめです。水分補給をこまめに行い、熱中症対策を万全にしてお出かけください。

秋(9月から11月)は、萬徳寺の紅葉を楽しむベストシーズンです。「日本紅葉百選」にも選ばれた萬徳寺の庭園では、白・緑・赤・黄と色鮮やかに映える壮観な景色を楽しめます。神宮寺の紅葉の見頃は11月中旬から12月中旬頃で、神仏習合の独特な雰囲気の中で美しい紅葉を堪能できます。

冬(12月から2月)は、冬季は拝観時間が短くなる寺院もあるため、事前に確認が必要です。神宮寺は2月15日から3月5日はお水送りの準備のため拝観不可となります。積雪や路面凍結の可能性があるため自転車での移動には注意が必要ですが、静かな雪景色の中での参拝も趣があり、人の少ない時期ならではの静寂を楽しむことができます。

御食国若狭おばまのグルメ情報

古刹めぐりの合間に楽しみたいのが、御食国若狭ならではの美食です。小浜市は奈良時代には朝廷に塩や海産物を献上しており、現在でもその食文化が息づいています。

小鯛のささ漬けは、若狭・小浜地域を代表する海産加工品です。日本海で育った7から8センチメートルほどのレンコ鯛を3枚におろし、塩と酢に漬けて作られます。上品な味わいが特徴で、お土産としても人気があります。

焼き鯖寿司は、かつて若狭湾に面する小浜市から海のない京都に鯖などの海産物を届ける過程で生まれたグルメです。炭火でじっくりと焼かれた鯖を使った押し寿司は絶品で、小浜を訪れたら必ず味わいたい一品です。

へしこは、福井を代表する郷土料理で、鯖を塩漬けにした後、ぬか漬けにした保存食です。独特の風味があり、お酒のおつまみやお茶漬けにも最適です。

でっちようかんは、小浜で長く愛されている銘菓で、甘いもの好きにはたまらない一品です。

おすすめのお店としては、創業260年余の「鯖」専門店「朽木屋」(福井県小浜市小浜広峰39)があり、浜焼き鯖とへしこを扱っています。2階にはお食事処もあり、ゆっくり食事を楽しめます。「濱の四季」は「御食国若狭おばま食文化館」の向かいにあり、「鯖街道御膳デラックス」では小浜よっぱらいサバ刺身、鯖の醤油干し、竜田揚げ、へしこ、煮物などが楽しめます。昭和35年創業の「すし政」は若狭湾で獲れる新鮮な海鮮にこだわる寿司屋で、焼き鯖寿司は定番のにぎりと珍しいちらしで楽しめます。寿司飯には福井県産コシヒカリと地元「とば屋」の米酢を使用しています。

その他の観光スポット

古刹めぐりと合わせて訪れたい観光スポットもご紹介します。

若狭フィッシャーマンズワーフは、小浜港に建つ観光拠点です。蘇洞門めぐり遊覧船乗り場に隣接し、小浜湾を眺めながら買い物や食事を楽しむことができます。「あそぶ・たべる・つなぐ」をコンセプトに、選りすぐりの若狭の銘品を多数取り揃えている物販コーナーと、若狭の海が育んだ美味の数々をご用意しているレストランがあります。駐車場は150台分が無料で利用できます。

蘇洞門(そとも)は、内外海半島北側の海岸にある海蝕洞で、日本海の荒波が創りあげた海の芸術です。約6キロメートルにわたる断崖美と地獄門、網掛岩、夫婦亀岩、白糸の滝、大門・小門などと名付けられた奇岩、洞門、洞窟などが豪壮な景観をなし、若狭湾国定公園を代表する景勝地となっています。蘇洞門めぐり遊覧船は約60分のクルージングで、大人2500円、小学生1200円、小学生未満無料で楽しめます。営業時間は3月から11月の9時30分から15時30分(最終出航)です。

三丁町(さんちょうまち)は、小浜市の小浜香取・飛鳥地区にある茶屋町で、現在も古い家並みが残っています。福井県内に残る数少ない花街であり、千本格子の家々が軒を連ね、情緒豊かな通りが残っています。西組の町並みは「小浜市小浜西組」の名称で国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。「蓬嶋楼(ほうとうろう)」は150年の歴史がある建物で、土日祝のみ見学が可能です。NHKドラマ「ちりとてちん」のロケ地にもなりました。

福井県立若狭歴史博物館は、福井県小浜市遠敷にある歴史博物館で、「みほとけ」「祭りと芸能」「歴史」の3分類からなる展示構成で若狭地域の歴史を幅広く解説しています。特に「若狭のみほとけ」では平安時代や鎌倉時代の仏像を展示しており、普段見ることのできない近さや角度から仏様を眺めることができます。立体的な映像とナレーションを交えた鯖街道のプロジェクションマッピングは見ごたえがあります。料金は一般・大学生310円、高校生以下・70歳以上・身障者手帳をお持ちの方は無料です。

御食国若狭おばま食文化館は、食にまつわる歴史・文化や伝承料理などを展示する「ミュージアム」、郷土料理などを作り味わう「キッチンスタジオ」、伝統工芸を肌で感じる「若狭工房」、癒しを提供する「濱の湯」があり、若狭おばまの魅力を満喫できる施設です。調理体験では鯖の押しずしやくずまんじゅうなどが作れます。特に若狭塗箸は、江戸時代より小浜藩主酒井忠勝公が奨励したこともあり、現在も塗箸全国シェア70パーセント以上を占める市の重要な産業となっています。伝統工芸士指導のもと、世界にひとつだけの「マイ箸」を制作することもできます。入場料は無料で、体験料は調理体験1,000円から、加工体験600円から1,900円です。

旅の計画に役立つ実践的なアドバイス

1泊2日で若狭おばまを満喫するモデルプランをご紹介します。1日目は午前中にJR小浜駅または東小浜駅に到着してレンタサイクルを借り、若狭姫神社、若狭彦神社、神宮寺、萬徳寺を巡ります。昼食は焼き鯖寿司や海鮮丼を味わい、午後は三丁町の町並み散策を楽しみます。夕方には若狭フィッシャーマンズワーフでお土産を購入し、小浜市内の宿に宿泊します。

2日目は午前中に明通寺(国宝の本堂と三重塔)を拝観し、羽賀寺、妙楽寺、多田寺などを巡ります。昼食は御食国若狭おばま食文化館周辺で取り、午後は天候が良ければ蘇洞門めぐり遊覧船、または福井県立若狭歴史博物館見学を楽しんでから帰路につきます。

日帰りで訪れる場合は、若狭姫神社(パワースポットとして有名な千年杉)、若狭彦神社(夫婦杉で縁結び祈願)、明通寺(国宝の本堂と三重塔)、萬徳寺(美しい庭園)の4か所を中心に巡るのがおすすめです。

ポタリングを楽しむ際の注意点として、寺院では静かに参拝し他の参拝者の迷惑にならないよう心がけること、撮影が禁止されている場所もあるため事前に確認すること、自転車は所定の場所に駐輪すること、交通ルールを守り安全運転を心がけることが大切です。

アクセス方法と交通情報

若狭おばまへのアクセスは、電車の場合はJR小浜線を利用します。京都方面からは湖西線経由で敦賀駅まで行き、JR小浜線に乗り換えて小浜駅または東小浜駅で下車します。

車の場合は舞鶴若狭自動車道を利用し、小浜ICで下車します。小浜ICから各寺院へは車で5分から15分程度です。

レンタサイクルは小浜駅を降りて左手の観光案内所と、東小浜駅の構内で貸し出しています。台数としては東小浜駅の方が70台と多く、小浜駅の方は20台です。寺社巡りには東小浜駅からのスタートがおすすめです。

若狭おばまの古刹めぐりポタリングは、1200年以上の歴史を持つ寺社仏閣を自分のペースで巡ることができる贅沢な体験です。国宝や重要文化財に指定された仏像や建造物、美しい庭園、パワースポットとして知られる神社など、見どころが満載です。鯖街道の歴史を感じながら、「海のある奈良」「みほとけの里」として知られる小浜の魅力を存分に味わってください。電動アシスト自転車を利用すれば坂道も楽々クリアでき、体力に自信がない方でも安心して古刹巡りを楽しむことができます。

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