ゆめしま海道は、愛媛県上島町の弓削島、佐島、生名島、岩城島の4つの島を3本の橋で結ぶ全長約6.1kmのサイクリングロードです。2022年3月20日に岩城橋が開通し全線完成を迎えたこの海道は、信号ゼロ、トンネルゼロという環境で初心者やファミリーに最適なポタリングスポットとして注目を集めています。上島町が掲げる「まよってであってめくりん」というコンセプトは、計画通りに進まない旅の中で予想外の風景や人々との出会いを楽しみながら島々をめぐることを意味しており、ゆめしま海道ならではの魅力を端的に表現しています。
瀬戸内海に浮かぶ上島町は、しまなみ海道の東側に位置し、サイクリストたちの間では「ミニしまなみ」とも呼ばれる人気のエリアです。しまなみ海道と比べて距離が短く高低差も少ないため、のんびりとしたポタリングを楽しみたい方に最適な環境が整っています。この記事では、ゆめしま海道の魅力から各島の見どころ、アクセス方法、おすすめのモデルコースまで、上島町でのポタリングを満喫するための情報を詳しく紹介します。サイクルフリー制度を活用すれば自転車分の船代が無料になるため、気軽に離島サイクリングを体験することができます。

ゆめしま海道とは何か
ゆめしま海道とは、愛媛県上島町に位置する4つの有人島を橋で結んだサイクリングロードのことです。上島町は有人7島と無人18島の計25島から構成される全国でも珍しい離島のみの自治体であり、2004年10月に弓削町、生名村、岩城村、魚島村が合併して誕生しました。
ゆめしま海道を構成する3本の橋について詳しく説明します。最も古い弓削大橋は1996年に完成した斜張橋で、弓削島と佐島を結んでいます。高さは約21mと比較的低く設計されており、橋の上からは瀬戸内海の多島美を望むことができます。次に完成した生名橋は2011年の開通で、佐島と生名島を結んでいます。橋の高さは約25mで、こちらもサイクリング初心者でも楽に渡れる低めの設計となっています。そして最も新しい岩城橋は2022年3月20日に開通しました。橋長916m、幅7.5m、主塔高137.5mの斜張橋であり、総事業費約183億円をかけて建設されました。支間長475mを誇る岩城橋は3橋の中で最大規模であり、水路部には橋脚を設けず船舶通行に配慮した設計が採用されています。この岩城橋の完成により、ゆめしま海道は全線開通となり4つの島すべてが橋でつながりました。
ゆめしま海道のポタリングコースの特徴
ゆめしま海道のサイクリングコースは、しまなみ海道と比較して多くの点で初心者に優しい特徴を備えています。推奨コースの距離は約10kmから22km程度と短めであり、高低差も少ないためサイクリング初心者に最適です。
最大の特徴は信号がゼロという点です。さらにトンネルもゼロであり、ストレスフリーなサイクリングを約束してくれます。海と道の距離が近いため、波の音を聴きながら穏やかな瀬戸内の風景を楽しむことができます。交通量の少ない一般道であることもゆめしま海道の魅力であり、しまなみ海道が高速道路併設であるのに対し、ゆめしま海道は離島の生活道路がメインのため、車通りも人通りも少なく、より静かで穏やかなサイクリングが楽しめます。
比較的標高の低い場所を結んでいるため、海をより間近に感じながら走ることができるのも特徴です。しまなみ海道ファンのサイクリストからは「ミニしまなみ」とも呼ばれており、本家しまなみ海道と組み合わせて楽しむサイクリストも多くいます。
上島町へのアクセス方法
上島町は完全な離島地域であるため、アクセスには必ずフェリーまたは高速船を利用することになります。主要なアクセスルートは3つあり、それぞれに特徴があります。
因島からのアクセスは最も利用しやすいルートの一つです。土生港(長崎桟橋)から生名島の立石港へのフェリーは本数が多く、早朝から23時頃まで運行されています。運賃も手頃で、車両の乗船も可能です。生口島からのアクセスは、洲江港から岩城島の小漕港まで三光汽船のフェリーで約5分という短時間で渡ることができます。朝6時台から20時台まで1時間に2〜3往復運航しており、車両での乗船も可能です。このルートは生口島の東側外周コースからすぐにアクセスできるため、しまなみ海道サイクリングの途中で立ち寄るのに便利です。今治からのアクセスは、芸予汽船の快速船が今治港から岩城港、佐島港、弓削港、生名港を経由して因島土生港(中央桟橋)まで運航しています。ただし、フェリー便は廃止されたため車両の乗船はできません。
サイクルフリー制度の活用方法
上島町にはサイクルフリー制度という、サイクリストにとって非常にお得な制度が用意されています。この制度を利用すると、町外から自転車で訪れる方は自転車分の船代が無料になります。
利用方法は非常に簡単です。港などに置いてあるサイクルフリー券、または印刷した券に必要事項を記入して、運賃支払い時に渡すだけで利用できます。この制度により、気軽にゆめしま海道へアクセスすることが可能となっています。サイクリング目的で上島町を訪れる際は、ぜひこの制度を活用することをおすすめします。
ゆめしま海道のレンタサイクル情報
ゆめしま海道では独自のレンタサイクルシステムが整備されており、複数のターミナルで自転車を借りて、エリア内の他のターミナルで乗り捨てることも可能です。
料金は電動自転車が1,650円(小学生以下1,100円)、その他の自転車が大人1,100円(小学生以下550円)となっています。乗り捨てを希望する場合は、保証金として自転車1台につき1,100円が加算されます。貸出場所は弓削島のせとうち交流館、生名島の生名立石港事務所、岩城島の岩城観光センター、魚島の魚島観光センターの4か所です。営業時間は8:30から17:15までで年中無休(臨時休業あり)となっており、上島町内であればどのレンタサイクルターミナルにも返還が可能です。
上島町の条例では自転車に乗る際のヘルメット着用が推奨されています。レンタサイクルを利用の方には無料でヘルメットの貸し出しを行っているため、安全のために必ず着用してサイクリングを楽しみましょう。
おすすめポタリングモデルコース
ゆめしま海道でのポタリングを最大限に楽しむためのモデルコースを紹介します。
基本周回コース(約10km) は、ゆめしま海道の4島(弓削島、佐島、生名島、岩城島)を橋で渡りながら周回するコースです。アップダウンが少なく、初心者や子ども連れのファミリーでも楽しめます。
弓削島スタートコース(約22km) は、弓削島からスタートして弓削大橋を渡り佐島へ向かいます。佐島を通過して生名橋を渡り生名島へ、さらに岩城橋を渡って岩城島まで行き、フェリーで生口島へ渡るルートです。距離は約22kmと短めで、観光や体験を楽しむ時間的余裕があります。
しまなみ海道との組み合わせコースは、大三島のWAKKAから伯方島までサイクリングし、木浦港(伯方港)から弓削島にフェリーで渡り、ゆめしま海道をサイクリングします。最後は岩城島から生口島にフェリーで渡り、WAKKAまで帰還するコースです。しまなみ海道とゆめしま海道の両方を楽しめる贅沢なルートとなっています。
弓削島の見どころとおすすめスポット
弓削島は上島町の中心地であり、役場などの行政機関も集まっています。ゆめしま海道の中でもカフェやショップが最も充実しているエリアです。
しまでCafeは弓削島の中心地にある島で唯一のカフェです。弓削島をはじめ上島町や瀬戸内の特産品を販売しており、焼き立てパンや柑橘類も人気となっています。サイクリストのサイクルオアシスとして指定されており、島の情報収集にも最適な場所です。営業時間は9:00から18:00(L.O. 17:30)で毎日営業しています。
弓削塩は古代の製塩法を忠実に再現した「東寺献上 弓削塩」として大人気のお土産です。しまでCafeでは塩作り体験も行っています。ゆげ海の駅舎ふらっとはサイクリストたちと地元民の交流・休憩の場として親しまれており、サイクルオアシスに登録されています。トイレ、コインランドリー、シャワー、Wi-Fi、自転車用空気入れなど、サイクリストにうれしいサービスが揃っています。
防波堤アート「天の花」 は弓削島の海岸線を走ると見えてくる防波堤に描かれたアート作品です。「瀬戸内かみじまアートプロジェクト2019」の受賞作品であり、日月美輪さんによって制作されました。また、弓削島には環境省「快水浴場百選」に認定された海水浴場があり、夏には多くの海水浴客で賑わいます。
佐島の見どころと隠れた魅力
佐島は1周約10km、人口は500人弱の小さな島です。島内にはスーパーもコンビニエンスストアもありませんが、ゆめしま海道の中でも最も小さく独特の風情を感じることができます。
Uターンブルーラインは佐島の南端まで行った人だけが見ることができる珍スポットです。南北に長い佐島の山中のアップダウンの道を約5kmほど走ったつきあたりに、「Uターン」を示した珍しいブルーラインがあります。行き止まりには綺麗な渚があるのみですが、わざわざ訪れる価値のある場所として多くのサイクリストに知られています。
長磯の浜(かくれビーチ) はUターンブルーラインの先にある、ゆめしま海道屈指の絶景ビーチです。隠れビーチとして知られ、美しい砂浜と透明度の高い海が広がります。
西方寺(極太眉毛の仁王像) はSNSでも話題になった極太眉毛の仁王像がいるお寺です。一般的な仁王像に比べて丸みのある体が特徴であり、強く見えるようにと総代が太い眉毛を描き込んだそうです。ユニークなフォトスポットとして人気があります。
生名島の見どころとアクセスの便利さ
生名島はほとんどアップダウンがなく、非常に走りやすい島です。因島からのフェリーアクセスが便利で、ゆめしま海道への玄関口として利用されることも多くなっています。
生名橋記念公園は佐島から生名島へ渡ってすぐにある公園で、2011年に開通した生名橋を記念して作られました。トイレや駐車場も完備されています。「ゆめしま海道」の石碑があり、生名橋をバックに記念撮影ができる人気のフォトスポットです。
防波堤アート「みんなのクジラ」 は「瀬戸内かみじまアートプロジェクト2019」で描かれた武田充生さんの作品です。地元の子供たちや学生ボランティアと協力して創られました。青い海と空に映えるフォトジェニックなアートで、記念撮影に最適です。
サウンド波間田キャンプ場は島のほぼ北端にあるきれいに整備されたキャンプ場です。目の前の海岸では海水浴もでき、夏はキャンプ客で賑わいます。また、生名島の東海岸には古代の巨石信仰に関する遺跡があり、歴史に興味のある方にはおすすめのスポットとなっています。
岩城島の見どころと青いレモンの魅力
岩城島は「青いレモンの島」 として知られる、レモン栽培が盛んな島です。積善山の三千本桜は特に有名で、春には多くの観光客が訪れます。
積善山(せきぜんざん) は岩城島の中央部に位置し、「岩城富士」とも呼ばれる標高370mの山です。山頂には360度の大パノラマが広がる展望台があり、瀬戸内海に浮かぶ島々や遠くには中国山地と四国山地まで望むことができます。積善山三千本桜は標高約370mの積善山に植えられた3,000本以上の桜の総称です。ソメイヨシノ、大島桜、陽春、八重桜、山桜、しだれ桜、神代曙などの桜が山道沿いに咲き誇り、山を抱くように咲く様子は「天女の羽衣」と呼ばれています。1955年頃から島民が植樹を始め、お祝い事や記念日のたびにその数を増やしてきました。
いわぎ桜まつりは毎年桜の時期に開催されるお祭りです。登山路では岩城島の特産品であるレモンを使用したレモンティーや柑橘系のフルーツを観光客に振る舞う「お接待」が行われています。2025年は3月22日から4月6日の19:00から22:00に、いわぎ桜公園にて桜ライトアップが実施される予定です。
青いレモンは岩城島を代表する特産品です。雨が少ない温暖な気候を活かした柑橘類の栽培が盛んであり、秋から12月の間に収穫される緑色のレモンは「青いレモン」として有名です。防腐剤やワックスを使用していないため皮まで安心して食べられます。レモネードスタンドでは、旬の柑橘やくだものを使ったドリンクやスイーツが楽しめます。レモンポークは岩城島特産の青いレモンで育てられた上島町自慢のブランド豚です。レモンポーク丼やとんかつなどのメニューが楽しめ、しまでCafeのイチオシメニューはレモンポークのソテーとなっています。
岩城島にも防波堤アート「海のおとを聴く」 があります。「瀬戸内かみじまアートプロジェクト2019」で制作されたアート作品で、一緒に耳を澄ませたくなるような作品です。
上島町のグルメと島の味覚
上島町では新鮮な海の幸や島ならではのグルメを楽しむことができます。
寿司居酒屋ととやは上島町役場の敷地内にある寿司をメインにした居酒屋です。京都の寿司割烹で修業した大将が作る握り寿司が自慢で、新鮮な瀬戸内の魚介を堪能できます。摘み菜料理は上島町・弓削島の野山や海で育った22種類の摘み菜を四季折々に丁寧に調理した料理です。見て愉しい、食べておいしいヘルシー料理として人気があります。フェスパのレストランではインランド・シー・リゾート フェスパにて、近海で獲れる新鮮な魚介をはじめ上島町産の食材にこだわった会席料理やランチメニューを楽しめます。弓削商船カレーは商船や実習船で50年シェフを務めた前川さんが作るカレーで、弓削商船高等専門学校の学生たちをはじめ地域内外の多くの人を魅了しています。Kitchen 313 Kamiyugeでは島の柑橘を使ったジャムのベーグルが人気です。
上島町の宿泊施設情報
ゆめしま海道周辺にはサイクリストにも対応した宿泊施設が揃っています。
インランド・シー・リゾート フェスパは弓削島にあるリゾート施設で、宿泊、レストラン、温泉などを備えています。周辺観光の拠点として便利です。ゲストハウスみちしおは「ゆめしま海道」を「のんびりサイクリストの聖地」にしていきたいというコンセプトで運営されているサイクリスト向けの宿です。工具や備品を揃えており、サイクリストのニーズに応えています。
しまなみ海道側ではWAKKAが人気です。しまなみ海道の真ん中、大三島にあるオーシャンビューのツーリズム総合施設であり、コテージ、ドームテント、ドミトリーと3種類の宿泊タイプがあります。自転車積載タクシーやボートタクシー、レンタサイクル返却代行、出張修理など、サイクリストをサポートするサービスが充実しています。WAKKAを拠点にゆめしま海道を周遊するコースも人気となっています。
しまなみ海道とゆめしま海道の違いと比較
しまなみ海道とゆめしま海道は、どちらも瀬戸内海の島々を結ぶサイクリングルートとして人気がありますが、それぞれに異なる魅力があります。
| 比較項目 | しまなみ海道 | ゆめしま海道 |
|---|---|---|
| 全長 | 約60km | 約6.1km |
| 橋の数 | 6本 | 3本 |
| 道路形態 | 高速道路併設 | 一般道路 |
| 交通量 | 比較的多い | 非常に少ない |
| 知名度 | 国際的に有名 | 隠れ家的存在 |
| 信号 | あり | ゼロ |
しまなみ海道は本州と四国を結ぶ全長約60kmの大規模な海道で、本四高速3ルートの中で唯一自転車歩行者道が設置されています。国内外のサイクリストや自転車愛好家に大変人気があり「サイクリストの聖地」として知られています。一方、ゆめしま海道は全長約6.1kmとコンパクトで、愛媛県上島町の弓削島・佐島・生名島・岩城島の4つの島を3本の橋で結んでいます。
ゆめしま海道の隠れ家的な魅力として、しまなみ海道に比べて知名度が低くアクセスにフェリーが必要な点が挙げられます。旅行客が少ないため、秘境探訪のような気分を味わえるのが大きな魅力です。離島とは言え、しまなみ海道の因島とゆめしま海道の生名島の距離はたったの300メートルほどであり、頻繁に行き来しているフェリーで気軽に寄り道ができます。日程に余裕があるサイクリストには、しまなみ海道に加えてゆめしま海道も組み合わせて走るプランがおすすめです。
瀬戸内かみじまアートプロジェクトと防波堤アート
2019年に始まった瀬戸内かみじまアートプロジェクトは、島の美しさや豊かさに寄り添うアートを町に創ることを目的にスタートしました。島の防波堤をキャンバスとした「防波堤アート」を企画し、全国のアーティストから応募のあった作品の中から3作品を選定して地域住民と共に完成させました。
弓削島には日月美輪さんの作品「天の花(そらのはな)」、生名島には武田充生さんの作品「みんなのクジラ」、岩城島には「海のおとを聴く」 が設置されています。これらの防波堤アートは、サイクリング中のフォトスポットとして人気を集めています。また、2022年3月には「YUMESHIMA CIRCLE」や「YUMESHIMA TOY ガチャリ」といった新しいアート作品も完成しています。
弓削商船高等専門学校の歴史と文化的背景
弓削島には100年以上の歴史を持つ弓削商船高等専門学校(国立弓削商船高専)があります。1901年(明治34年)1月11日に「組合立弓削海員学校」として創立され、優秀な船乗りを育てるための教育機関として歩みを始めました。
明治時代、日本の海運業の発展に伴い優秀な船員の育成が急務となっていました。商船学校は当時全国に11校ありましたが、現在は5校(富山・新湊、三重・鳥羽、広島・大崎上島、山口・周防大島、愛媛・弓削)に減少しています。そのうち3校が瀬戸内地域に集中しているのは、この地域が古くから海運の要衝であったことを示しています。
弓削商船の発展に大きく貢献したのが、初代校長の小林善四郎氏です。東京の三菱商船学校を第2期生として卒業した小林氏は、当時の村長の給料の約10倍という高額の報酬で招聘されたと言われています。小林校長は学生を厳しく指導し、船員に必要な体力と精神力を養成しました。また、他の商船学校では練習船での事故が多発していた中、安全性の高い船会社の船での実習を採用するなど先進的な教育方針を打ち出しました。
現在の弓削商船高等専門学校は、商船学科、電子機械工学科、情報工学科の3学科で運営されています。尾道と今治を結ぶしまなみ海道から近い弓削島に位置し、日本の海運界や地域産業界への貢献、多様化する現代のものづくりに対応できる技術者の育成を目指しています。学校の沿革は1901年の弓削海員学校設置に始まり、1908年に愛媛県立弓削商船学校と改称、1940年に文部省直轄となり、1967年に弓削商船高等専門学校として現在の形になりました。
魚島群島でさらなる離島体験を楽しむ
上島町にはゆめしま海道の4島以外にも、魚島群島という魅力的な離島があります。魚島群島は燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ2つの有人島(魚島、高井神島)と江ノ島などの無人島からなります。本土の今治市まで30km、弓削島まで13km離れた場所に位置し、地理的好条件から周辺海域が好漁場として知られています。
魚島は弓削港から高速船で約50分の場所にあり、人口約110人の漁師の島です。上島町の島々の中でも非日常感と海の美しさでは一番と言われています。デベラ漁やたこ壺漁が盛んで、港にたくさんのたこ壺が並ぶ風景はまさに島ならではの光景です。篠塚公園には「村上水軍」の財宝伝説が残っており、亀井八幡神社にある篠塚広重の宝篋印塔は重要文化財に指定されています。魚島港から徒歩15分ほどの場所にある「大木海水浴場」は、ビーチを独り占めできるような穴場の海水浴場です。
高井神島(マンガの島) は瀬戸内海の中央燧灘に浮かぶ人口わずか11人の小さな島です。大正10年に初点灯した塔高12mの白い灯台が島のシンボルとなっています。島の北端には船乗りの神様を祀っている関道神社があり、豊島や弓削島などを見渡すことができます。高井神島の特徴は民家や公民館の壁に描かれた漫画・アニメの壁画です。「Dr.コトー診療所」のキャラクターなどさまざまな壁画が観光資源となっており、「マンガの島」としてブランディングを進めています。「民宿なたおれの木」があり、宿泊しながら島の独特の雰囲気を楽しむことができます。
魚島群島へのアクセスは、しまなみ海道の因島にある土生港から出ている船を利用します。弓削島、豊島を経由し、所要時間は概ね45分から60分ほどです。運賃は因島から魚島まで大人1,010円、小人510円となっています。おすすめのレジャーとしては、釣りのほか穏やかな海でのカヌーやカヤック、SUP、神社や灯台へのハイキングがあります。
ゆめしま海道を走ったサイクリストの体験談
ゆめしま海道を実際に走ったサイクリストたちの体験談を紹介します。
あるサイクリストは「離島ということで交通量が少ないぶんだけ、快適度ではしまなみ海道より上。しかも、信号を見た記憶がありません。そういう天国のようなコースなんです」と評しています。また別の方は「海って飽きないな〜。車通りも人通りもあまりない静かな場所だからこそ、海の音が際立って波音に耳を澄ませボーっとする。サイクリングの足を止めて浜辺で静かにただ時間を過ごすのも瀬戸内ならではの非日常な魅力です」と、ゆめしま海道ならではの体験を語っています。「ゆめしま海道に上陸してからあっという間の、1時間ほどのサイクリングでした。ゆめしま海道は信号機が一切ないというのも売りにしているようです。たしかに人も車もあんまり通らないし、サイクリストはしまなみ海道よりある意味快適に走れるかもしれない」という声もあります。
ゆめしま海道が初心者におすすめされる理由は複数あります。まずアップダウンがしまなみ海道より少なく、短い距離で4つもの島を楽しめることです。そして信号がゼロという環境は、自転車に不慣れな方でもストレスなく走ることができます。また、船でしか行けない離島という特別感も魅力です。4つの離島が橋で繋がっているという珍しいロケーションは、初めての自転車旅にぴったりの環境と言えるでしょう。
ポタリングを楽しむための服装と持ち物
ゆめしま海道は比較的平坦なコースですが、サイクリングに適した服装を心がけましょう。動きやすい服装、日焼け対策の帽子やサングラス、飲み物などは必須です。また、上島町の条例でヘルメット着用が推奨されていますので、レンタサイクルを利用する場合は無料で借りることができます。
飲食店と計画的なプランニングの重要性
ゆめしま海道は決して飲食店の多いエリアではありません。特に西側の岩城島・生名島は飲食店が限られています。事前に営業日や営業時間をよく把握して、計画的にプランを組むことをおすすめします。弓削島は比較的飲食店やカフェが充実しているので、食事は弓削島で済ませるのが安心です。時間配分についても、ゆめしま海道のサイクリング自体は短時間で完走できますが、各島の観光スポットを巡ったりカフェで休憩したりする時間を考慮してプランを立てましょう。フェリーの時刻表も事前にチェックしておくと安心です。
おすすめの季節とベストシーズン
ゆめしま海道は一年を通じて楽しめますが、季節ごとに異なる魅力があります。春の桜シーズン(3月下旬〜4月上旬) は積善山の三千本桜が見頃を迎え、多くの観光客で賑わいます。2025年のいわぎ桜まつりでは3月22日から4月6日の期間にいわぎ桜公園にて桜ライトアップが実施される予定です。秋は青いレモンの収穫シーズンで、新鮮なレモンを使った特産品を楽しめます。夏は海水浴やキャンプと組み合わせて楽しむことも可能です。
上島町観光の多彩なアクティビティ
サイクリング以外にも、電動キックボード、シーカヤック、SUP、ヨットセーリングなど多彩なアクティビティが楽しめます。瀬戸内海は波が少なく穏やかなため、初心者でもマリンスポーツに挑戦しやすい環境です。
上島町の魅力は自然や景観だけではありません。島の人々との温かい交流も旅の大きな楽しみの一つです。いわぎ桜まつりでの「お接待」やしまでCafeでの島の情報提供など、島の人々のおもてなしの心に触れることができます。
フォトジェニックな撮影スポット
ゆめしま海道はフォトスポットとしても人気があります。3つの斜張橋はどれも美しいフォルムを持ち、瀬戸内海の多島美を背景にした写真は絶好のSNS映えスポットとなっています。防波堤アートや各島の風景も、思い出の一枚を撮るのに最適です。生名橋記念公園にある「ゆめしま海道」の石碑は、生名橋をバックに記念撮影ができる人気のフォトスポットとなっています。
イベント情報と最新の動向
サイクリングしまなみは「瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会」として、しまなみ海道を舞台にした大規模なサイクリングイベントです。2024年は10月27日(日曜日)に開催されました。上島町ゆめしま海道を走るコースとして「YUMESHIMA75(Fコース)」と「INNOSHIMA70(Cコース)」の2つが設定されていました。
しまなみ ゆめしま やまなみサイクルスタンプラリー2025は、しまなみ海道、ゆめしま海道、やまなみ街道を自転車でめぐるスタンプラリーです。エリアを制覇するごとに参加賞が贈られるほか、2つ以上のエリアを制覇すると特産品や宿泊券が当たるプレゼントに応募できます。また、西日本最大級のスポーツ自転車フェス「CYCLE MODE RIDE OSAKA 2025」 の「ジテンシャ×旅ブース」に上島町も出展予定です。
まよってであってめくりんの魅力
「まよってであってめくりん」というコンセプトは、上島町の島々で「迷って」、新しい発見に「出会って」、島をぐるりと「めぐりん」と巡る旅を意味しています。計画通りに行かない旅も楽しみの一つであり、予定外の場所で素敵な風景に出会ったり、地元の人との会話から新しい発見があったりします。そんな偶然の出会いを大切にしながら上島町の島々をめぐることで、きっと忘れられない思い出になることでしょう。
上島町は信号とトンネルがひとつもない珍しい自治体です。この環境は自転車旅を楽しむには最高の条件と言えます。車を気にせず自分のペースでゆっくりと島めぐりができるのは、現代の日本ではなかなか得られない貴重な体験です。離島のサイクリングコースは、その魅力を一度知ってしまったらやみつきになると言われています。船でしか行くことができない島々には、しまなみ海道の島々とはまた違った独特の雰囲気があります。瀬戸内の穏やかな海と空、のんびりとした島時間。日常を離れ、自転車でゆっくりと島を巡る旅は、心に残る特別な体験となることでしょう。









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