函館山のふもとに広がる元町エリアは、洋館や教会が立ち並ぶ異国情緒あふれる街並みを、自転車でのんびり巡る「ポタリング」に最適なスポットです。坂道沿いには歴史的建造物をリノベーションしたカフェが点在しており、洋館の見学と坂道カフェ巡りを一度に楽しめるのが最大の魅力となっています。幕末の開港以来、ロシアやイギリス、アメリカなど諸外国の文化が融合した元町エリアは、パステルカラーの建物や石畳の坂道が続く美しい景観で多くの観光客を惹きつけてきました。近年はこのエリアを電動アシスト自転車でのんびり散策する「ポタリング」スタイルが注目を集めており、徒歩だけでは回りきれない広範囲のスポットを効率よく巡ることができます。この記事では、函館山・元町エリアのポタリングで訪れたい洋館や坂道、おすすめの坂道カフェ、具体的なモデルコース、レンタサイクル情報から注意点まで、現地を満喫するために必要な情報を詳しくお伝えします。

函館・元町エリアとは?歴史と洋館が彩る街並みの魅力
函館の元町エリアは、安政6年(1859年)の開港以来、西洋文化が色濃く残る歴史的な地区です。函館山の山麓に広がるこの一帯は「伝統的建造物群保存地区(通称・でんけん地区)」に指定されており、幕末から明治・大正・昭和にかけて建てられた洋風建築が数多く残されています。特に目を引くのが、1階が和風・2階が洋風という「上下和洋折衷」の独特な木造建築です。パステルカラーに彩られた建物が坂道沿いに並ぶ風景は、まるでヨーロッパの街角を思わせます。
また、このエリアには19本もの坂道が存在し、それぞれに歴史的な名前や由来があります。坂の上からは函館港や市街地を一望でき、坂道と海と教会が織りなす風景は函館を代表する景観として広く知られています。さらに、近年は歴史的建造物をリノベーションしたカフェや雑貨店が次々とオープンしており、散策の合間に立ち寄れるスポットが充実しています。建物の歴史を感じながら、こだわりのコーヒーやスイーツを楽しめるのは、元町エリアならではの体験です。
ポタリングとは?函館の坂道散策に最適な自転車旅
ポタリングとは、英語の「potter(ぶらぶらする)」に由来する和製英語で、目的地を厳密に決めず、のんびりと自転車で街を散策する楽しみ方のことです。ロードバイクのような本格的なスポーツサイクリングとは異なり、普段着で気軽に楽しめるのがポタリングの大きな魅力となっています。
函館でのポタリングは、特に元町エリアの観光と相性が抜群です。徒歩だけでは疲れてしまう坂道の多いエリアも、自転車を使えば効率的に回ることができます。また、少し離れたベイエリアや五稜郭方面へも足を延ばしやすくなるため、限られた旅行日程でもより多くのスポットを訪れることが可能です。ポタリングに最適な時期は5月中旬から10月中旬にかけてです。特に初夏の6月から7月は気温が過ごしやすく緑も美しい季節で、秋の9月から10月は紅葉と澄んだ空気の中でのサイクリングが楽しめます。服装は動きやすいカジュアルな格好が基本ですが、坂道では意外と汗をかくため脱ぎ着しやすい上着を持参すると便利です。函館は海が近く風が強い日もあるので、ウインドブレーカーがあると安心です。
函館のレンタサイクル情報と料金比較
函館市内では観光客向けのレンタサイクルサービスが複数提供されています。坂道の多い元町エリアを巡るなら、電動アシスト付き自転車の利用を強くおすすめします。
| サービス名 | 貸出場所 | 料金 | 営業時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 電動レンタサイクル「はこりん」 | キラリス函館1階(JR函館駅前) | 朝制1,100円/4時間1,650円/1日2,420円 | 10:00〜17:30 | 電動アシスト付き |
| BAYはこだてレンタサイクリング | 金森赤レンガ倉庫BAYはこだて | 1台1,650円 | 10:00〜17:00 | 3段切り替えギア付き、4月下旬〜10月末営業 |
| HELLO CYCLING | 複数ステーション | 15分200円/12時間2,500円 | 随時利用可 | 電動アシスト付き、乗り捨て可能 |
「はこりん」はJR函館駅前のキラリス函館1階で貸し出しを行っており、朝制(10時から12時30分まで)が1,100円、4時間まで1,650円、1日(10時から17時30分まで)が2,420円となっています。電動アシスト付きなので、坂道の多い元町エリアの散策に最適です。「BAYはこだてレンタサイクリング」は金森赤レンガ倉庫のBAYはこだてで貸し出しており、1台1,650円で10時から17時まで利用可能です。3段切り替えのギア付きで貸出場所が元町地区に近いため周辺の観光名所へのアクセスが便利ですが、営業期間は4月下旬から10月末までとなっています。シェアサイクル「HELLO CYCLING」は電動アシスト付きのシティサイクルが15分200円、12時間2,500円で借りられます。複数のステーションがあるため乗り捨ても可能で、ルートの自由度が高いのが特徴です。
元町エリアの坂道ガイド:ポタリングで巡る絶景の坂
函館・元町エリアの坂道は全部で19本あるとされ、それぞれに個性的な名前と歴史があります。ポタリングで巡るなら特に外せない坂道をご紹介します。
八幡坂:函館で一番景色のいい坂道
八幡坂は函館の坂道の中で最も有名で、テレビCMやドラマのロケ地としても度々使われています。坂の名前はかつて坂の上に函館八幡宮があったことに由来し、明治11年(1878年)の大火の後に八幡宮は谷地頭に移転しましたが、坂の名前はそのまま残りました。八幡坂の最大の魅力は、坂の上から海に向かってまっすぐに伸びる石畳の景観です。坂道の先に函館湾が広がり、正面には摩周丸(旧青函連絡船)が係留されている姿が見えます。この一直線に海へと続く景色は「函館で一番景色のいい坂」と称されており、夜になるとライトアップされた坂道が幻想的な雰囲気を醸し出します。ポタリングでは坂の上で自転車を止めて写真撮影を楽しみ、坂を下る際には海に向かって緩やかに走る爽快感を味わうのがおすすめです。
基坂:元町散策の起点となる緩やかな坂
基坂は函館から札幌へ向かう函館本道の起点であり、里数を計る「元標」が建てられたことからこの名がつきました。元町エリアの中心に位置し、坂の上には旧函館区公会堂が建ち、その向こうに函館山がそびえています。基坂は他の坂道に比べて比較的緩やかな勾配で自転車でも走りやすいのが特徴です。坂の両側には歴史的な建造物が並び、元町公園を中心としたエリアの散策の起点としても最適な場所となっています。坂の上からは函館港と市街地のパノラマが楽しめます。
大三坂:日本の道100選に選ばれた異国情緒の坂
大三坂は「日本の道100選」にも選定された美しい坂道です。安政4年(1857年)の記録によると、もともと坂の下に住んでいた木下という人の名前から「木下の坂」と呼ばれていましたが、その後大三印義兵衛という「郷宿(ごうやど)」ができたことから大三坂と呼ばれるようになりました。大三坂の両側にはカトリック元町教会をはじめとする教会群が建ち並び、石畳の道と教会の尖塔が織りなす景観はまさに異国情緒そのものです。秋にはナナカマドの紅葉が坂道を彩り、四季折々の美しさを楽しむことができます。
チャチャ登り:アイヌ語に由来する急勾配の絶景坂
大三坂からさらに上へと続く急な坂道がチャチャ登りです。「チャチャ」とはアイヌ語で「おじいさん」を意味し、あまりの急勾配のため登る人が前かがみになる姿がおじいさんが腰を曲げて歩く様子に似ていることから名づけられました。チャチャ登りの頂上からの景観は絶景で、函館聖ヨハネ教会の十字形の屋根越しに函館の市街地と海を見渡すことができます。ここからの眺めは函館を代表する撮影スポットのひとつで、多くのガイドブックやポスターに使われています。自転車で登るのはかなりの急勾配であるため、電動アシスト自転車でない場合は自転車を押して歩くことをおすすめします。
二十間坂:道幅約36メートルの函館最幅の坂道
道幅が二十間(約36メートル)あることからこの名がついた坂道で、元町エリアの坂道の中では最も幅が広いのが特徴です。明治時代の大火を教訓に防火帯として広い幅で整備されたという歴史があります。道幅が広いため自転車でも走りやすく、ポタリングのルートに組み込みやすい坂道です。坂の上からは函館湾を見渡すことができ、夜にはライトアップされた石畳が美しく輝きます。
元町エリアの洋館と歴史的建造物の見どころ
元町エリアには明治から大正にかけて建てられた洋館や歴史的建造物が数多く残されています。ポタリングで巡りながら、函館の異国文化の歴史に触れることができます。
旧函館区公会堂:ブルーグレーとイエローの優美な洋館
元町公園の上に建つ旧函館区公会堂は、明治43年(1910年)に建てられた左右対称のコロニアルスタイルの木造建築です。ブルーグレーとイエローの外壁が特徴的で、優美なバルコニーからは函館港を一望できます。この建物は当時の函館の豪商・相馬哲平の多額の寄付によって建設されたもので、完成当時は東北以北で最も洗練された会館として知られていました。大正天皇が皇太子時代に宿泊されたこともあり、その部屋は「御座所」として当時の姿が再現されています。国の重要文化財に指定されており内部の見学が可能です。2階の大広間は華やかなシャンデリアと柱が印象的で、当時の社交場としての華やかさを偲ぶことができます。営業時間は火曜日から金曜日が午前9時から午後6時まで、土曜日から月曜日が午前9時から午後7時までとなっています。
旧イギリス領事館:ヴィクトリア調の洋館でアフタヌーンティー
基坂の途中に建つ旧イギリス領事館は、大正2年(1913年)に建てられたヴィクトリア調の洋館です。昭和9年(1934年)まで実際にイギリス領事館として使用されていました。館内には当時の領事執務室を再現した部屋や函館開港の歴史を学べる展示室があります。イギリスの雰囲気を味わえるティールームでは本格的な英国式アフタヌーンティーを楽しむことができ、バラが咲くイングリッシュガーデンも見どころのひとつです。開館時間は4月から10月が午前9時から午後7時、11月から3月が午前9時から午後5時で、入館料は一般300円です。ティールームは4月から10月が午前10時から午後6時、11月から3月が午前10時から午後4時30分まで営業しています。
元町教会群:異なる宗派が隣接する世界的にも珍しい光景
元町エリアには異なる宗派の教会が隣接して建つ珍しい光景が見られます。これは幕末の開港以来、様々な国の宣教師が函館を訪れたことに由来しています。
函館ハリストス正教会は日本初のロシア正教会の教会で、白壁と緑色の屋根が美しい建物です。現在の建物は大正5年(1916年)に再建されたもので、昭和58年(1983年)に国の重要文化財に指定されました。この教会の鐘の音は有名で、地元では「ガンガン寺」の愛称で親しまれており、平成8年(1996年)には「日本の音風景100選」に選ばれています。
カトリック元町教会は安政6年(1859年)に創建された日本最古のカトリック教会のひとつです。現在のゴシック様式の建物は大正12年(1923年)に再建されたもので、尖塔が特徴的な美しい外観を持ちます。教会内部の祭壇はローマ教皇から贈られたものとして知られています。
函館聖ヨハネ教会は明治7年(1874年)にイギリスの宣教師によって創設された、北海道で最初の英国国教会系(現・日本聖公会)の教会です。現在の建物は昭和54年(1979年)に建てられたもので、十字形の屋根が特徴的なモダンなデザインとなっています。これらの教会が至近距離に集まっている光景は世界的にも珍しいとされ、函館の多文化共生の歴史を象徴する存在です。
その他の洋館・歴史的建造物
元町エリアには上記以外にも数多くの歴史的建造物が点在しています。旧相馬邸は明治41年(1908年)に建てられた豪商・相馬哲平の邸宅で、和洋折衷の建築様式が見られます。旧北海道庁函館支庁庁舎は元町公園内にある洋風建築で、現在は函館市の観光案内所として利用されています。金森赤レンガ倉庫群はベイエリアに位置する明治時代の倉庫群で、現在はショッピングモールやレストランとして活用されています。元町エリアからベイエリアへは自転車で数分の距離であり、ポタリングのルートに組み込みやすいスポットです。
坂道カフェ巡りで味わう函館ならではの時間
元町エリアの魅力のひとつが、歴史的建造物をリノベーションしたカフェの数々です。坂道散策の合間に趣のあるカフェでひと休みするのは、このエリアならではの楽しみ方となっています。
茶房 菊泉:大正時代の酒問屋別邸で味わうお団子
茶房菊泉は大正10年(1921年)に建てられた酒問屋の別邸を利用したカフェで、元町エリアを代表する古建築カフェのひとつです。2024年4月に新しい経営者を迎えてリニューアルオープンしました。店内には囲炉裏や古い棚など大正時代の面影が色濃く残っています。名物は小さな火鉢で自分で焼いて食べるお団子で、焼きたての香ばしいお団子は格別の味わいです。また、昔懐かしいクリームソーダも人気メニューのひとつとなっています。歴史ある建物の中でタイムスリップしたかのようなひとときを過ごすことができます。
茶房 ひし伊:蔵の静寂の中で楽しむこだわりの一杯
茶房ひし伊は大正14年(1925年)に建てられた質屋の蔵を利用したカフェで、重厚な外観が印象的です。石川啄木の妻・節子が利用したこともあるという歴史ある建物で、蔵の内部はリノベーションされ和洋が入り交じるモダンな空間となっています。併設のアンティークショップには明治・大正時代の骨董品が並び、見ているだけでも楽しめます。こだわりのコーヒーと手作りのケーキを、静かな蔵の中で味わうことができます。
元町茶寮:格子窓越しに大三坂を眺めるカフェ
元町茶寮はカトリック元町教会の斜め前に位置するカフェで、和洋折衷住宅の雰囲気を残した建物が特徴的です。格子窓から見える大三坂の景色はまるで絵画のようだと評判です。店内は木をふんだんに使った温かみのあるインテリアで、ゆったりとした時間が流れています。コーヒーやスイーツだけでなくランチメニューも充実しており、坂道散策の途中で腹ごしらえをするのにも最適です。窓際の席からは行き交う観光客や教会の姿を眺めながら、函館の時間を楽しむことができます。
select coffee shop peacepiece:好みのカップで味わうスペシャルティコーヒー
八幡坂の近くにある自家焙煎のコーヒー専門店で、こだわりの一杯を楽しむことができます。店内にはさまざまなカップ&ソーサーが並んでおり、好みのカップを選んでコーヒーを淹れてもらえるというユニークなサービスが人気です。豆の産地や焙煎方法にこだわったスペシャルティコーヒーを提供しており、コーヒー好きにはたまらないお店です。坂道を歩いた後の一杯は格別の味わいとなるでしょう。
cafe water:大三坂ビルディングのヘルシーランチ
cafe waterは2022年7月にオープンしたカフェで、大三坂ビルディングの中に位置しています。ベジタブルプレートなどのヘルシーなランチメニューが人気で、地元の食材を活かした料理を楽しむことができます。明るく開放的な店内からは大三坂の景色を眺めることができ、散策の合間のランチスポットとしておすすめです。
旧茶屋亭:明治時代の蔵で大正ロマンを感じるひととき
旧茶屋亭は明治時代に建てられた蔵を利用したカフェで、国の伝統的建造物に指定されている建物です。大正ロマンを感じさせるレトロな雰囲気の中で、コーヒーやスイーツを楽しむことができます。石造りの重厚な外観と内部の木造のぬくもりが調和した空間は、元町エリアならではの贅沢なカフェ体験を提供してくれます。
函館・元町エリアおすすめポタリングモデルコース
函館山・元町エリアを中心としたポタリングの具体的なモデルコースをご紹介します。目的や体力に合わせて、自分に合ったコースを選んでみてください。
元町洋館めぐりコース(所要時間:約2〜3時間)
出発地点はJR函館駅周辺のレンタサイクル拠点です。まずは海沿いの道を走り、金森赤レンガ倉庫群を通り抜けてベイエリアを楽しみます。赤レンガ倉庫群のレトロな雰囲気と港の風景は、ポタリングの気分を盛り上げてくれます。ベイエリアから二十間坂を上り元町エリアへ向かいます。二十間坂は道幅が広いので自転車でも走りやすく、坂の上に出たらまずは旧函館区公会堂を訪問します。ブルーグレーとイエローの美しい外観を堪能し、内部を見学した後はバルコニーからの函館港の眺望を楽しみましょう。
続いて基坂を下り旧イギリス領事館へ向かいます。ヴィクトリア調の洋館を見学した後、ティールームで英国式のティータイムを楽しむのも良いでしょう。その後は大三坂方面へ移動し、カトリック元町教会や函館ハリストス正教会を巡ります。教会群のエリアは道が狭いので、自転車を降りて押し歩きながら見学するのがマナーとしても安全面でもおすすめです。最後に八幡坂の上に立ち、海へとまっすぐ伸びる石畳の景色を堪能してから坂を下り、ベイエリア方面に戻ってゴールとなります。
坂道カフェ巡りコース(所要時間:約3〜4時間)
カフェをメインに楽しみたい方向けのコースです。JR函館駅周辺からスタートし、まずは元町エリアに向かい茶房菊泉で名物のお団子とクリームソーダを楽しみます。大正時代の建物の中でのんびりとした函館時間を味わいましょう。続いて大三坂方面へ移動し、元町茶寮で格子窓越しの坂道の風景を眺めながらコーヒーを一杯味わいます。カトリック元町教会のすぐ近くなので、教会見学と組み合わせるのがおすすめです。
昼食は大三坂ビルディング内のcafe waterでベジタブルプレートを。地元食材を活かしたヘルシーなランチで午後のポタリングに備えます。午後は八幡坂近くのselect coffee shop peacepieceで好みのカップを選んでスペシャルティコーヒーを堪能し、坂道を眺めながら至福のコーヒータイムを過ごします。最後に茶房ひし伊で蔵の中の静かな空間にて手作りケーキとコーヒーを楽しみ、併設のアンティークショップで掘り出し物を探すのも楽しいひとときです。カフェからカフェへと自転車で移動するこのコースは、まさにポタリングの醍醐味を味わえるプランとなっています。
函館湾岸ポタリングコース(所要時間:約4〜5時間)
元町エリアだけでなく函館湾周辺も含めた少し長めのコースです。JR函館駅から函館朝市を訪れ、新鮮な海鮮丼で腹ごしらえをするところから始まります。函館朝市には250店舗以上の店が軒を連ねており、活きたイカの刺身やウニ丼など北海道ならではの海の幸を堪能できます。朝市から海沿いの道を走り、金森赤レンガ倉庫群を経由して元町エリアへ向かいます。洋館や教会群を巡った後、函館山ロープウェイの山麓駅付近まで上ります。
元町エリアの散策後は西部地区を抜けて外国人墓地方面へ向かいます。函館湾を望む高台にある外国人墓地は開港の歴史を感じられる場所です。帰りは海沿いの道を通って函館駅方面へ戻り、途中で緑の島に立ち寄ると函館湾と函館山を一望できる穏やかな公園でひと休みできます。
函館山の夜景と昼間の楽しみ方
元町エリアのポタリングと合わせて函館山を楽しむ方法もご紹介します。
ミシュラン三つ星の夜景スポット
函館山からの夜景は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星を獲得した世界的に有名な夜景スポットです。標高334メートルの山頂展望台からは、くびれた砂州に広がる函館の街の灯りが両側を海に挟まれてきらめく姿を見ることができます。函館山へのアクセスは函館山ロープウェイが最も一般的です。山麓駅は元町エリアの中にあるため、ポタリングの途中に立ち寄ることができます。自転車はロープウェイには持ち込めないので、山麓駅付近に駐輪してからロープウェイに乗りましょう。
昼間の函館山の眺望とハイキング
夜景が有名な函館山ですが、昼間の眺望も素晴らしいものがあります。晴れた日には津軽海峡の向こうに青森県の下北半島が見え、函館の街並みと海の青さを堪能できます。函館山には約600種類の植物が自生しておりハイキングコースも整備されているため、体力に余裕があれば自転車を山麓に置いてハイキングを楽しむのもおすすめです。
注目の裏夜景スポット
函館山の反対側(裏側)から見る夜景は「裏夜景」と呼ばれ、近年注目を集めています。函館山からの定番の夜景とは異なるアングルで函館の街の灯りをパノラマで見渡すことができます。自転車なら裏夜景スポットへのアクセスも比較的容易で、ポタリングならではの楽しみ方です。
元町エリア周辺のグルメ情報
ポタリングの楽しみは景色やカフェだけではありません。函館は北海道有数のグルメ都市であり、元町エリア周辺にも美味しいお店が数多くあります。
函館朝市で味わう新鮮な海の幸
JR函館駅のすぐそばにある函館朝市は、250店舗以上が軒を連ねる巨大な市場です。新鮮な海鮮丼やイカ刺し、ウニ、カニなど北海道の海の幸を存分に楽しむことができます。早朝から営業しているため、ポタリングの前に立ち寄って朝食をとるのがおすすめです。特に人気なのが「どんぶり横丁」で、新鮮な海鮮をたっぷり乗せた丼ものを手頃な価格で味わえます。活イカの刺身は函館ならではの名物で、透き通ったイカの身は甘みが強く格別の美味しさです。
ベイエリアと元町エリアのグルメスポット
金森赤レンガ倉庫群があるベイエリアにはレストランやスイーツショップが集まっています。函館名物のラッキーピエロ(ご当地ハンバーガーショップ)やハセガワストア(やきとり弁当で有名なコンビニ)など、函館ならではのB級グルメも楽しめます。元町エリアでのランチは前述のカフェでの食事のほか、洋食レストランや和食処も充実しています。函館は洋食文化が根づいた街でもあり、歴史ある洋食店でハンバーグやオムライスを味わうのもおすすめです。
ポタリングで巡る際の注意点とコツ
元町エリアでのポタリングをより快適に楽しむためのポイントをお伝えします。
坂道対策と安全走行のポイント
元町エリアは坂道が多いため、電動アシスト付き自転車の利用を強くおすすめします。特にチャチャ登りのような急坂は普通の自転車では登ることが困難です。電動アシストがあれば坂道のストレスを大幅に軽減でき、観光を存分に楽しむことができます。下り坂ではスピードが出やすいので、ブレーキを適度にかけながら慎重に走ることが大切です。石畳の坂道は雨天時に滑りやすくなるため特に注意が必要です。
歩行者への配慮と駐輪マナー
元町エリアは観光客が多く歩く地区であるため、歩行者への配慮が欠かせません。特に教会群の周辺や坂道の上では自転車を降りて押し歩くことを心がけましょう。歩行者優先のマナーを守ることで、お互いに気持ちよく観光を楽しむことができます。観光スポットやカフェを訪れる際は指定の駐輪場所に自転車を停め、歩道や建物の入口を塞がないよう注意しましょう。
季節ごとの楽しみ方と天候への備え
春(4月から5月)は桜と新緑が美しい季節で、函館公園や五稜郭の桜と合わせて楽しめます。夏(6月から8月)は観光のベストシーズンで気温も過ごしやすく、秋(9月から11月)は紅葉が美しい季節で特に大三坂のナナカマドの紅葉は見事です。冬(12月から3月)は積雪があるためポタリングには不向きな季節となります。函館は海に囲まれた街で天候が変わりやすいため、出発前に天気予報を確認し雨具やウインドブレーカーを準備しておくと安心です。
体力配分のコツ
ポタリングは気軽に楽しめるアクティビティですが、坂道の多い元町エリアでは思った以上に体力を消耗します。無理をせずこまめに休憩を取りながら巡ることが大切です。坂道沿いのカフェを休憩ポイントとして活用すれば、体力回復と観光の両方を楽しむことができます。
まとめ:函館・元町エリアのポタリングで洋館と坂道カフェを満喫しよう
函館山・元町エリアのポタリングは、歴史ある洋館、個性豊かな坂道、趣のあるカフェを効率よく巡ることができる函館観光の楽しみ方です。旧函館区公会堂や旧イギリス領事館などの洋館は明治・大正時代の華やかな文化を今に伝えており、八幡坂や大三坂などの坂道はそれぞれに歴史と個性があります。歴史的建造物をリノベーションした茶房菊泉や茶房ひし伊などのカフェでは、建物の歴史を感じながらこだわりのコーヒーやスイーツを味わうことができます。
ポタリングだからこそ味わえる、風を感じながらの坂道の爽快感、ふと目に入った路地裏の洋館への寄り道、予定になかったカフェでの思わぬ出会い。そうした偶然の発見こそが、ポタリングの最大の魅力です。函館を訪れた際にはぜひ電動アシスト自転車を借りて、元町エリアのポタリングに出かけてみてください。坂道を上り下りしながら洋館や教会を眺め、お気に入りのカフェを見つける旅は、きっと忘れられない函館の思い出になるでしょう。函館山・元町エリアは、歴史と文化、自然と美食が凝縮された、ポタリングに最適なフィールドです。自分だけのペースで、自分だけのルートで、この魅力あふれる街を存分に楽しんでいただければ幸いです。









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