堺・百舌鳥古墳群をレンタサイクルでポタリング!完全ガイド

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堺・百舌鳥古墳群をレンタサイクルでポタリングする体験は、世界遺産を自転車で気軽に巡ることができる、日本でも数少ない贅沢な観光スタイルです。堺市は「自転車のまち」として知られており、観光向けのレンタサイクルサービスが充実しているため、初めて訪れる方でも手軽にポタリングを始めることができます。ポタリングとは、目的地を厳密に決めずに散歩感覚で自転車をのんびり走らせる楽しみ方のことで、距離や速度にこだわらずマイペースで楽しむ自転車遊びを指します。

百舌鳥古墳群は東西・南北それぞれ約4キロメートルの範囲に大小さまざまな古墳が点在しており、徒歩では広すぎ車では小回りが利かないこの距離感が、まさに自転車での散策にぴったりです。この記事では、百舌鳥古墳群の見どころからレンタサイクルの借り方、おすすめのポタリングコース、周辺の立ち寄りスポット、注意点まで、堺でのポタリングに必要な情報をすべてお伝えします。

目次

百舌鳥古墳群とは — 世界遺産に登録された堺の古代遺産

百舌鳥古墳群は、大阪府堺市の北西部に位置する古墳群で、古墳時代の最盛期であった4世紀後半から5世紀後半にかけて築造されました。エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦始皇帝陵と並んで世界三大墳墓の一つに数えられる仁徳天皇陵古墳を中心に、かつては100基を超える古墳が存在していました。第二次世界大戦後の宅地開発により半数以上が失われましたが、現在も半壊状態のものを含めて44基の古墳が残されています。

2019年7月6日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催された第43回世界遺産委員会において、「百舌鳥・古市古墳群 古代日本の墳墓群」として世界文化遺産に登録されました。百舌鳥エリア(堺市)の23基と古市エリア(羽曳野市・藤井寺市)の26基、合計49基の古墳が構成資産となっています。

古墳には前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳という4つの種類があります。これらの型式は日本列島各地の古墳の規範となった標準的なもので、墳丘は葬送儀礼の舞台として幾何学的なデザインが施され、埴輪などの土製品で飾り立てられた建築的傑作でした。大阪湾からの眺めを意識した場所に古墳が築かれたともいわれており、海上からの壮大な景観が想像されます。

百舌鳥古墳群の主要な古墳をレンタサイクルで巡る

仁徳天皇陵古墳 — 日本最大の前方後円墳

百舌鳥古墳群の中心的存在である仁徳天皇陵古墳は、日本最大の前方後円墳です。5世紀に築造されたとされ、墳丘長は約486メートルに達します。三重の濠を含めた全長は約840メートル、陵域面積は約47万平方メートルにも及ぶ壮大なスケールです。エジプトのクフ王のピラミッドや中国の秦始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓の一つとして広く知られています。墳丘は三段に築かれ、周辺には10基以上の中小古墳(陪塚)が配置されています。正面には拝所が設けられており一般参拝が可能です。古墳の周囲には遊歩道が整備されており、自転車であれば約2.8キロメートルの距離を快適に一周することができます。

履中天皇陵古墳 — 濠の水面に映る美しい墳丘

百舌鳥古墳群で2番目に大きい前方後円墳が履中天皇陵古墳です。墳丘長は約365メートルで、日本国内でも3番目の大きさを誇ります。仁徳天皇陵古墳の南西に位置し、5世紀前半に築造されたとされています。濠の水面に映る墳丘の姿が美しいことで知られており、周辺は静かな住宅街に囲まれているため、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと古墳を眺めることができます。

御廟山古墳 — 住宅街にたたずむ大型古墳

御廟山古墳は百舌鳥古墳群で4番目の大きさを持つ全長約203メートルの前方後円墳です。百舌鳥本町に位置し、応神天皇陵の第2候補として陵墓参考地に指定されており、宮内庁が管理しています。住宅街の中にひっそりとたたずむ姿が印象的で、周囲からその大きさを実感することができます。

いたすけ古墳 — 市民が守った古墳保存のシンボル

いたすけ古墳は主軸の長さが約146メートルの前方後円墳です。墳丘は三段に築成され、くびれ部の南側には造り出しが残存しています。かつて宅地開発の危機に瀕した際に市民の保存運動によって守られた歴史があり、古墳保存運動のシンボルとしても重要な存在です。濠にはタヌキが住み着いていることでも知られ、運が良ければ愛らしい姿を見ることができます。

ニサンザイ古墳 — 古墳築造技術の集大成

ニサンザイ古墳は百舌鳥古墳群の南東端に位置する全長約300メートルの大型前方後円墳で、全国でも7番目の大きさを誇ります。5世紀後半から末にかけての築造と考えられており、百舌鳥古墳群の中では最も新しい時期に造られた大型古墳の一つです。前方部が大きく広がった姿は百舌鳥古墳群の中でも最も精美とされ、古墳築造技術の集大成ともいえる美しいフォルムが特徴です。

堺のレンタサイクルでポタリングを始める方法

堺市では複数のレンタサイクルサービスが提供されており、観光客が手軽に自転車を借りてポタリングを楽しむことができます。自分の旅のスタイルに合ったサービスを選ぶことで、より快適な古墳巡りが実現します。

サービス名料金貸出場所特徴
堺観光レンタサイクル電動アシスト1,000円/日、普通自転車500円/日堺駅観光案内所、大仙公園観光案内所スタッフによる案内あり、観光向け
さかいコミュニティサイクル(HELLO CYCLING)時間制市内293か所のステーションアプリ予約、乗り捨て可能
瓦町公園地下レンタサイクル500円/日(現金のみ)堺東駅前の瓦町公園地下堺東駅利用者に便利

堺観光レンタサイクルは、堺市と堺観光コンベンション協会が運営する観光向けサービスです。貸出場所は南海本線「堺駅」下車すぐの堺駅観光案内所と、JR阪和線「百舌鳥駅」より西へ約350メートルの大仙公園観光案内所の2か所があります。百舌鳥古墳群に近い大仙公園観光案内所で借りれば、すぐに古墳巡りを始めることができます。スタッフがマップやおすすめスポットの案内もしてくれるので、初めて訪れる方にも心強いサービスです。

さかいコミュニティサイクル(HELLO CYCLING)は、堺市がOpen Street株式会社と協定を締結して運営しているシェアサイクル事業です。スマートフォンアプリを使って予約・利用する方式で、好きなステーションで借りて別のステーションで返却できるため、行きと帰りで異なるルートを楽しむことも可能です。ポタリングの途中で気になるスポットがあれば自転車を停めてゆっくり散策し、また別の場所から乗り始めるという柔軟な使い方ができるのが魅力です。

瓦町公園地下レンタサイクルは、堺東駅前の瓦町公園地下に位置し、1日1回500円の先払い制で利用できます。南海高野線「堺東駅」を利用する場合に便利な貸出場所で、堺東駅周辺には旧市街地の観光スポットも多いため、古墳巡りと合わせて堺の歴史散策を楽しみたい方にもおすすめです。

おすすめのポタリングコースと所要時間

堺市では百舌鳥古墳群を巡るサイクリングモデルコースが複数用意されており、所要時間や体力に合わせて選ぶことができます。

手軽に楽しむ1時間コース

時間があまりない方や体力に自信がない方におすすめの入門コースです。仁徳天皇陵古墳と履中天皇陵古墳の2つの大型古墳を中心に巡ります。大仙公園観光案内所でレンタサイクルを借り、まず仁徳天皇陵古墳の正面拝所を訪れます。そこから仁徳天皇陵古墳の外濠沿いに走り、その壮大なスケールを体感した後、履中天皇陵古墳の周辺を巡って大仙公園に戻るルートです。短時間ながらも百舌鳥古墳群の魅力を十分に感じることができます。

見どころ満喫の2時間コース

仁徳天皇陵古墳の周囲約2.8キロメートルをぐるっと一周するコースがメインとなります。日本最大の前方後円墳の巨大さを自転車で走りながら体感できる人気のコースで、一周する中で場所によって変わる古墳の表情を楽しめます。さらに大仙公園内の堺市博物館に立ち寄り、VR体験で古墳を上空から眺める映像を楽しむこともできます。博物館では古墳の歴史や出土品について詳しく学ぶことができるので、古墳巡りがより深い体験となります。

古墳群を網羅する本格派3時間コース

百舌鳥古墳群を構成する代表的な古墳をすべて巡る充実のコースです。仁徳天皇陵古墳から出発し、履中天皇陵古墳、いたすけ古墳、御廟山古墳、ニサンザイ古墳などを順に訪れます。古墳ごとに異なる形や大きさ、周辺の雰囲気の違いを比較しながら巡ることができ、古墳時代の壮大なスケールを存分に味わえます。途中で大仙公園や百舌鳥古墳群ビジターセンターに立ち寄るのもおすすめです。のんびりペースで途中の休憩やカフェ立ち寄りを含めれば、半日たっぷり楽しめるコースとなります。

百舌鳥古墳群周辺の観光・文化スポット

百舌鳥古墳群ビジターセンターで古墳の全体像を知る

仁徳天皇陵古墳の拝所近くに設置された無料のガイダンス施設が百舌鳥古墳群ビジターセンターです。百舌鳥・古市古墳群の世界遺産としての価値や魅力を知ることができます。最大の見どころは、壁面や床面に投影される超高精細な8K空撮映像です。地上からは見ることができない古墳のさまざまな形を、上空から撮影した迫力ある映像で体感できます。レンタサイクルの貸出サービスや手荷物預かりも行っており、古墳巡りの拠点として活用できます。展望デッキからは仁徳天皇陵古墳の緑豊かな姿を間近に望むことができ、記念撮影スポットとしても人気があります。

堺市博物館のVRツアーで古墳の内部を体験する

大仙公園内に位置する堺市博物館は、堺市の歴史・美術・考古・民俗に関する資料を展示している施設です。百舌鳥古墳群から出土した埴輪や副葬品の実物を見ることができ、古墳時代の文化を深く理解するのに最適な場所です。特に注目したいのが仁徳天皇陵古墳VRツアーで、凸版印刷が制作した高精細なVRコンテンツにより、築造当時の古墳の外観や石室内部をバーチャルで体験できます。通常は立ち入ることができない古墳の内部を映像で探検できるという、他では味わえない貴重な体験です。VRツアーは1日9回実施されており、大人(中学生以上)800円、小人(7歳以上の小学生)500円で当日受付で参加可能です。10名以上の団体は事前予約もできます。

シマノ自転車博物館 — 日本唯一の自転車博物館

2022年3月25日に堺市堺区南向陽町にリニューアルオープンした、日本唯一の自転車博物館です。「自転車のはじまり・ひろがり・これから」をテーマに、クラシック自転車から現代のオリンピック出場車まで約570台もの自転車が展示されています。自転車の起源から現代に至るまでの歴史、科学・技術、健康や環境保全など、未来に向けた自転車の価値について学ぶことができます。1階の無料体験ゾーンでは堺市と自転車の関わりについて気軽に見学でき、クラシック自転車(レプリカ)の体験試乗では100年以上前に海外で発明された自転車に実際に乗ることができます。自転車好きにはたまらない施設であり、ポタリングの途中に立ち寄るのにぴったりです。

大仙公園と日本庭園でポタリングの疲れを癒やす

大仙公園は仁徳天皇陵古墳と履中天皇陵古墳の間に広がる緑豊かな都市公園で、面積は約38.5ヘクタールあります。園内には堺市博物館、日本庭園、茶室、児童の森などが点在しており、ポタリングの途中の休憩スポットとして最適です。芝生の上でお弁当を広げたり、日本庭園で静かなひとときを過ごしたりすることができます。春には桜が美しく咲き誇り、花見ポタリングの目的地としても人気があります。

大仙公園内の日本庭園は、堺市制100周年を記念して造られた築山林泉廻遊式庭園で、1989年3月に開園しました。面積は約2.6ヘクタールで、昭和の小堀遠州とも称された作庭家・中根金作が手がけた本格的な庭園です。園内には花木に囲まれた風情豊かなあずまや「青苔亭」、映波橋・印月橋、杜若池、飛流瀑など、美しい池と流水が配されています。春は梅や桜、初夏は花菖蒲や紫陽花、秋は紅葉と、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。入園料は大人200円、小中学生100円と手頃で、庭園内では景色を楽しみながらお抹茶と和菓子をいただくこともできます。ポタリングで古墳を巡った後に、静かな日本庭園で一息つく時間は旅の思い出をより深いものにしてくれます。

さかい利晶の杜で千利休と与謝野晶子の世界に触れる

堺が誇る二人の偉人、千利休と与謝野晶子にちなんだ文化観光施設がさかい利晶の杜です。千利休は1522年に堺で生まれ、わび茶を大成して日本の茶の湯文化の基礎を築いた茶聖です。施設内では茶の湯体験ができ、抹茶と和菓子を楽しむことができます。古墳巡りの後に堺の文化に触れるのに最適なスポットです。

堺のグルメとポタリング途中の立ち寄りスポット

ポタリングの楽しみは古墳だけではありません。堺は歴史ある商業都市として独自の食文化を育んできました。自転車で巡りながら、堺ならではのグルメを楽しむのもポタリングの醍醐味です。

堺の和菓子文化は、千利休が完成させた茶の湯文化と深いつながりがあります。400年以上の歴史を持つ老舗和菓子店が今も営業を続けており、茶の湯に合う上品な菓子を作り続けています。本家小嶋のけし餅やくるみ餅など、堺名物の和菓子を自転車を停めてゆっくり味わうのは、ポタリングならではの贅沢です。

堺は日本有数の刃物の産地としても知られています。プロの料理人が使う包丁のシェアは国内でも非常に高く、その切れ味は世界的に評価されています。堺伝統産業会館(堺伝匠館)では、堺の伝統的な刃物づくりを見学することができます。お土産として堺の包丁を購入するのも良い思い出になります。

また、堺は茶の湯発祥の地であり、老舗のお茶屋さんが数多く残っています。つぼ市製茶本舗は170年以上の歴史を持つ茶商で、リノベーションされた江戸時代の町家でお茶と和菓子を楽しむことができます。ポタリングで疲れた体を堺のお茶で癒やすのは格別なひとときです。

百舌鳥古墳群ポタリングの準備と注意点

服装・持ち物とベストシーズンの選び方

ポタリングは気軽なサイクリングなので、特別な装備は必要ありません。動きやすい服装とスニーカーがあれば十分です。ただし、日焼け止めと帽子は持参しておくと安心です。古墳の周囲は日陰が少ない場所も多く、特に夏場は紫外線対策が欠かせません。水分補給用のペットボトルや水筒、充電を十分にしたスマートフォンも忘れずに準備しましょう。

百舌鳥古墳群のポタリングは四季を通じて楽しめますが、特におすすめなのは春と秋です。春(3月下旬から4月)は桜のシーズンで、大仙公園や古墳の濠沿いに桜が咲き誇り、桜吹雪のトンネルの中を自転車で走る体験は格別です。気温も穏やかでポタリングに最適な季節です。秋(10月から11月)は気温が下がり始め、紅葉が古墳の緑と美しいコントラストを見せます。コスモスや曼珠沙華など秋の花も楽しめ、爽やかな風を感じながら快適にペダルを漕ぐことができます。夏(7月から8月)は気温が高くなるため午前中の早い時間帯に出発するのがおすすめです。冬(12月から2月)は寒さが厳しいものの、観光客が少なく静かな古墳を独り占めできるメリットがあり、防寒対策をしっかりすれば冬の澄んだ空気の中でのポタリングも味わい深いものになります。

自転車マナーと安全に走るためのポイント

自転車は手軽な乗り物ですが、交通ルールとマナーを守ることが大切です。堺市内の道路は自転車道が整備されている区間もありますが、住宅街の中を走る場面も多くあります。歩行者優先を心がけ、歩道では徐行しましょう。古墳の周辺は散歩やジョギングをしている方も多いので、スピードの出しすぎには注意が必要です。並走は禁止されているため、グループで走る場合は一列で走行することが求められます。イヤホンをつけての運転やスマートフォンを操作しながらの運転は法律で禁止されていますので、絶対にやめましょう。レンタサイクルを駐輪する際は所定の駐輪場所を利用してください。古墳の周辺にも駐輪スペースが設けられている場所があります。

百舌鳥古墳群へのアクセス方法

百舌鳥古墳群への最寄り駅はJR阪和線「百舌鳥駅」です。大阪市内の天王寺駅からJR阪和線で約15分とアクセスが良く、百舌鳥駅から仁徳天皇陵古墳の正面拝所までは徒歩約5分で到着します。大仙公園観光案内所でレンタサイクルを借りる場合も、百舌鳥駅から徒歩約5分です。

南海本線を利用する場合は「堺駅」が便利です。堺駅の観光案内所でレンタサイクルを借り、市内の旧市街地を巡りながら古墳群に向かうルートも楽しめます。南海高野線「堺東駅」からは瓦町公園地下のレンタサイクルを利用でき、堺東駅周辺には商店街や飲食店が多いためポタリング前後の食事にも困りません。

関西国際空港からは南海線で堺駅まで約30分で、遠方からの旅行者でも到着後すぐにポタリングを始めることができます。大阪メトロ御堂筋線「なかもず駅」からも百舌鳥古墳群へのアクセスが可能で、なかもず駅からは自転車で約10分ほどの距離です。

半日で楽しむ百舌鳥古墳群ポタリングのモデルプラン

百舌鳥古墳群を半日で効率よく巡る具体的なモデルプランをご紹介します。

午前9時30分にJR百舌鳥駅に到着し、駅から徒歩約5分で大仙公園観光案内所へ向かいます。ここでレンタサイクルを借りましょう。電動アシスト自転車を選ぶと一日を通して快適に走ることができます。スタッフにおすすめスポットやルートを相談するのもおすすめです。

午前10時には百舌鳥古墳群ビジターセンターを訪れ、8K空撮映像で古墳群の全体像を把握します。展望デッキから仁徳天皇陵古墳を眺め、これから巡る古墳群への期待を高めましょう。午前10時30分に仁徳天皇陵古墳の正面拝所を訪れ、日本最大の前方後円墳の荘厳な雰囲気を味わいます。ここから外濠沿いに自転車で約2.8キロメートルを一周し、場所によって変わる古墳の表情を楽しみます。

午前11時15分には大仙公園に戻り、堺市博物館でVRツアーを体験します。築造当時の古墳の姿や石室内部を仮想体験でき、出土した埴輪や副葬品の展示も見学できます。正午には大仙公園内の芝生でランチタイムを取り、緑に囲まれたのんびりした時間を過ごしましょう。

午後はいたすけ古墳へ向かい、市民の保存運動で守られた古墳の歴史に思いを馳せます。運が良ければ濠に住むタヌキに出会えるかもしれません。続いて御廟山古墳で住宅街の中にたたずむ大型古墳のスケールを体感し、ニサンザイ古墳では百舌鳥古墳群で最も精美とされる美しいフォルムを鑑賞します。最後に履中天皇陵古墳を訪れ、百舌鳥古墳群で2番目に大きい古墳の壮大さを味わいます。

午後2時45分頃に大仙公園観光案内所に戻ってレンタサイクルを返却すれば、充実した半日ポタリングの完了です。時間に余裕があれば、シマノ自転車博物館やさかい利晶の杜に立ち寄るのもおすすめです。

与謝野晶子ゆかりの地をポタリングで巡る

堺は「情熱の歌人」与謝野晶子の故郷でもあります。古墳巡りのポタリングと合わせて、晶子ゆかりの地を自転車で巡るのもおすすめです。

与謝野晶子生家跡には「海こひし潮の遠鳴りかぞへつつ少女となりし父母の家」と刻まれた歌碑が建てられています。歌碑周辺の石組みは碑に刻まれた歌にちなんで海の波をイメージした配置になっており、所々に散りばめられた青色タイルが光る水面を表現しています。

さかい利晶の杜の「与謝野晶子記念館」では、晶子の生涯や作品について詳しく知ることができます。堺市内には晶子と与謝野鉄幹がはじめてデートしたと伝わる浜寺公園など、二人のエピソードにゆかりのある場所や歌碑・文学碑が点在しています。堺市では晶子の歌碑巡りコースも設定されており、文学好きにはたまらないポタリングルートとなっています。

堺が「自転車のまち」と呼ばれる理由

堺市が「自転車のまち」と呼ばれるのには歴史的な理由があります。明治時代に堺の鉄砲鍛冶の技術が自転車部品の製造に転用されたことがきっかけで、堺は自転車産業の中心地として発展しました。現在でも多数の自転車関連メーカーが堺市に拠点を構えており、世界的な自転車部品メーカーであるシマノも堺市に本社を置いています。

このような歴史的背景から、堺市は自転車を活用したまちづくりに積極的に取り組んでいます。市内各所にサイクルポートが設置され、自転車マップや周遊マップが無料配布されています。堺市の公式サイトでは「百舌鳥古墳群自転車周遊マップ」がPDF形式で提供されており、スマートフォンにダウンロードしておくと便利です。

堺の街は比較的平坦な地形で、自転車で走りやすい環境が整っています。高低差が少ないため電動アシストなしの普通自転車でも十分に楽しめますが、夏場や長距離を走る予定がある場合は電動アシスト自転車を選ぶと快適です。

おすすめの写真撮影スポットでポタリングの思い出を残す

ポタリングの楽しみとして、古墳群の写真撮影も欠かせません。地上から見ると森のようにしか見えない古墳も、視点を変えると前方後円墳の美しい形がはっきりと見えます。

堺市役所21階展望ロビーは、地上約80メートルの高さから360度の展望が楽しめる回廊式のフロアです。入場無料で、仁徳天皇陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群の全体像を俯瞰できる貴重なビューポイントです。眼下に広がる堺の街並みの中に緑の小山のように点在する古墳群の配置を目で確認できるので、ポタリングの前に訪れて古墳の位置関係を把握しておくと、より効率的に巡ることができます。遠くには六甲山、あべのハルカス、金剛山なども見渡すことができ、大阪平野の広がりも実感できます。南海高野線「堺東駅」からすぐの場所にあるので、ポタリングのスタート前に立ち寄りやすいスポットです。

百舌鳥古墳群ビジターセンターでは、8K空撮映像を背景にした記念撮影が可能です。まるで空から古墳を見下ろしているかのような臨場感あふれる写真を撮ることができ、SNS映えするスポットとして人気があります。

仁徳天皇陵古墳の拝所前は、鳥居と濠、そして背後に広がる古墳の緑が一枚の写真に収まり、世界遺産を訪れた記念にふさわしい一枚が撮れるスポットです。朝の光が正面から差し込む午前中が特に美しい撮影タイミングです。

古墳の濠沿いを自転車で走りながら、水面に映る古墳の姿を撮影するのもおすすめです。特に風のない日は水鏡のように古墳が映り込み、幻想的な写真が撮れます。履中天皇陵古墳の濠は特に水面が美しく、写真愛好家に人気のポイントです。

世界遺産の古墳群を風を感じながら自転車で巡る時間は、日常では味わえない特別な体験になります。レンタサイクルが充実し、平坦な地形で走りやすく、見どころが適度な距離に点在している堺は、まさにポタリングのために生まれたようなまちです。世界遺産の古墳群はもちろん、千利休ゆかりの茶の湯文化、伝統の刃物、老舗の和菓子、日本唯一の自転車博物館など、自転車で巡るからこそ出会える堺の魅力がここにはあります。1500年以上前に築かれた壮大な古墳群を、風を感じながらレンタサイクルで巡るポタリングに、ぜひ出かけてみてください。

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