ナショナルサイクルルート 第3次候補7ルートをポタリングで楽しむ完全ガイド

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ナショナルサイクルルート 第3次候補とは、2026年3月23日に開催された審査委員会で提示された、全国の優れたサイクリングルート7本のことです。福島県の「ふくしま浜通りサイクルルート」、山梨県・静岡県の「フジイチ 富士山一周サイクリングルート」、新潟県の「雪国魚沼 Golden Cycle Route」、石川県の「いしかわ里山里海サイクリングルート」、鳥取県の「鳥取うみなみロード」、熊本県の「あまいち」、福井県の「わかさいくる」の7ルートが審査対象となり、2026年夏頃の正式指定が見込まれています。

これらの新候補ルートはいずれも100km超の長距離コースですが、目的地を定めずにゆったりと走る「ポタリング」というスタイルで楽しめば、初心者でも無理なく地域の魅力を堪能できます。本記事では、ナショナルサイクルルート制度の概要、第3次候補7ルートの具体的な特徴、そして各ルートをポタリングで楽しむための実践的なヒントまでを、サイクルツーリズム未経験の方にもわかりやすく解説します。日本を代表するサイクリングコースの最新情報と、新しい自転車の楽しみ方を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

ナショナルサイクルルート 第3次候補の概要と注目ポイント

ナショナルサイクルルート 第3次候補とは、国土交通省が認定する「日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルート」の追加指定に向けて、2026年に審査が進められている7つのルートのことです。2026年3月23日、東京都千代田区で令和7年度第1回ナショナルサイクルルート審査委員会が開催され、全国のモデルルート117本の中から7ルートが候補として提示されました。

第3次候補が注目される理由は、これまでの指定ルートにはなかった新しいテーマや地域特性を持つ点にあります。震災復興、世界遺産、雪国文化、里山里海、砂丘景観、リアス式海岸、御食国の食文化と、それぞれが固有のストーリーを持っており、サイクリストに多彩な体験を提供します。

審査委員会では7ルートの提示後、2026年4月以降に現地視察が順次行われ、夏頃には正式指定の可否が決定する見通しです。執筆基準日である2026年5月29日時点では、現地視察と各ルートの最終評価が進行中の段階にあります。

第3次候補7ルートの位置づけ

第3次候補に選ばれた7ルートは、地理的にも全国に分散しており、東日本から九州までをカバーしています。総延長や地域性で見ると次のような特徴があります。

ルート名都道府県総延長主な特徴
ふくしま浜通りサイクルルート福島県178km震災復興と海岸線
フジイチ 富士山一周サイクリングルート山梨県・静岡県163km世界遺産の富士山一周
雪国魚沼 Golden Cycle Route新潟県3コース構成雪国文化と黄金の田園
いしかわ里山里海サイクリングルート石川県里山里海周遊能登の伝統文化
鳥取うみなみロード鳥取県152km鳥取砂丘と日本海
あまいち熊本県天草周遊九州初の候補
わかさいくる福井県若狭周遊御食国の食文化

このうち「わかさいくる」については、現時点で一部の指定要件を満たしていない点があるとされ、審査委員会では翌年以降の審査とすることが検討されています。

ナショナルサイクルルート制度とは何か

ナショナルサイクルルート制度とは、国土交通省が2019年に創設した、日本を代表するサイクリングルートを国が認定する制度のことです。この制度の目的は、優れた観光資源を走行環境やサポート施設、情報発信などと連携させたサイクルツーリズムの推進により、新たな観光価値を創造し、地域創生を図ることにあります。

単に景色が美しいだけでは認定されません。ルートとしての走りやすさ、サポート施設の充実度、情報発信の質といった多角的な観点から厳しく審査されます。国内外のサイクリストが安心して走れる環境を整備することで、インバウンド観光客の誘致にもつなげる狙いがあります。

制度創設の背景には、日本各地に素晴らしいサイクリングロードが存在するにもかかわらず、その魅力が国内外に十分に伝わっていないという課題がありました。国が「お墨付き」を与えることで、ルートの認知度を高め、整備水準の向上を促すことが目指されています。

ナショナルサイクルルートの厳格な指定要件

ナショナルサイクルルートに指定されるためには、複数の厳しい要件をクリアする必要があります。要件は大きく分けて「ルート設定」「走行環境」「サポート施設」「情報発信」の4つの観点で構成されています。

ルート設定面では、原則として総延長おおむね100km以上であることが求められます。島しょ部については例外も設けられていますが、基本的には複数の自治体を跨ぐロングライドを想定したルートが必要です。

走行環境については、矢羽根などにより自転車通行空間が整備されていることが必須条件となります。通行空間の整備率は8割以上で「良好」、5割以上で「概ね整備」と評価されます。路面表示や案内看板も設置されている必要があり、海外サイクリストにも対応できるよう、日英2か国語以上やピクトグラムでの案内が求められます。

サポート施設として重要なのが「ゲートウェイ」と「サイクルステーション」です。ゲートウェイはルート近傍の主要アクセスポイント、つまり空港や鉄道駅、道の駅などに整備されるサイクリスト受入施設で、レンタサイクル、着替え場所、サイクルラック、シャワー、宅配ロッカーなどの機能を備えます。一方サイクルステーションは、ルート上におおむね20kmごとに整備されていることが必須条件で、空気入れや工具の貸し出し、補給食の購入ができる拠点として機能します。

情報発信面では、ルート情報を多言語で提供するWebサイトやスマートフォンアプリの整備も求められます。

ナショナルサイクルルート 第3次候補7ルートの詳細

ここからは、第3次候補に挙げられた7ルートの魅力を順番に紹介していきます。各ルートはそれぞれ独自のテーマと景観を持ち、ポタリングで楽しむ際の見どころも異なります。

ふくしま浜通りサイクルルート(福島県)

ふくしま浜通りサイクルルートは、総延長178kmの福島県浜通り沿岸部を縦断するルートです。最大の特徴は、2011年の東日本大震災と原子力災害からの復興が続く地域を舞台とする点にあります。復興の歩みを体感しながら走ることができる、「ホープツーリズム」的な要素を持つ唯一無二のルートです。

太平洋の雄大な海岸線を走りながら、被災地の現在の姿と復興の足跡を目の当たりにできます。震災遺構の保存施設や、復興を遂げた街並みを訪れることで、単なるサイクリングを超えた深い学びの体験が得られます。沿岸部の新鮮な海産物を味わえる食堂や漁港も点在しており、グルメポタリングの観点でも魅力的なルートです。

平坦な海岸線が多く走りやすいため、ポタリング初心者にも適しています。

フジイチ 富士山一周サイクリングルート(山梨県・静岡県)

フジイチは、総延長163kmで世界遺産・富士山を一周するという明快なコンセプトのルートです。山梨県と静岡県の両県にまたがり、富士五湖や富士山麓の高原、河口湖、山中湖などの美しい湖畔を走ります。

富士山を常に視野に収めながら走るルートは、国内外への訴求力が極めて高く、インバウンド観光客にも人気が高まりつつあります。高原の清々しい空気の中でペダルを踏む気持ちよさは格別です。ルート上にはカフェや温泉施設も多く、ゆっくりとポタリングを楽しめる環境が整っています。

富士山の姿は季節によって大きく変わります。春の新緑、夏の凛々しい姿、秋の紅葉と雪の対比、冬の白銀の姿と、四季それぞれに異なる表情を見せてくれます。ポタリングで気が向いたときに立ち止まり、富士山の絶景を写真に収める楽しみは、フジイチならではの体験です。

雪国魚沼 Golden Cycle Route(新潟県)

雪国魚沼 Golden Cycle Routeは、新潟県南部の魚沼地域を走るルートで、「雪国」を体感できる独自の魅力を持っています。主に魚沼市を走る「北魚沼コース」、南魚沼市と湯沢町を走る「南魚沼コース」、ヒルクライムを楽しめる「三国川ダムコース」の3コース構成となっています。

豪雪地帯ならではの自然環境に加え、コメ文化の豊かさ、そして秋の「黄金の景観」が他ルートとの差別化要素です。「魚沼産コシヒカリ」の産地として有名な南魚沼の田園風景は、秋に訪れると黄金色に輝く稲穂が広がり、その美しさに圧倒されます。

冬には豪雪に閉ざされる地域が、サイクリングシーズンには豊かな緑と清流に彩られる変貌ぶりも見どころです。温泉地も多く点在しており、ポタリング後の疲れを癒すことができます。地域のコメを使った日本酒の酒蔵めぐりもポタリングの楽しみとして人気を集めています。

いしかわ里山里海サイクリングルート(石川県)

いしかわ里山里海サイクリングルートは、石川県の里山と里海の文化をつなぐルートです。能登半島の豊かな自然と伝統文化を自転車で体感できる点が特徴で、2024年の能登半島地震からの復旧が続く中での候補選定となりました。震災からの復興を応援するという意味でも注目されています。

里山・里海文化の厚みが魅力で、伝統的な漁村の景観や棚田、古い街並みなどが随所に残っています。能登の海産物は新鮮さと豊富さで知られており、港町の食堂でのランチはポタリングの大きな楽しみとなります。

里山エリアでは、静かな農道をのんびりと走りながら、日本の農村風景を満喫することができます。春は田植えの風景、夏は緑深い田園、秋は黄金の稲穂と収穫の季節と、それぞれの季節に異なる表情の里山が楽しめます。

鳥取うみなみロード(鳥取県)

鳥取うみなみロードは、総延長152kmで鳥取県の海岸線を中心に走るルートです。鳥取砂丘をはじめとした変化に富む海岸線が最大の特徴で、日本有数の景観を誇ります。大山(だいせん)の雄大な眺めや温泉など、多彩な観光資源も豊富に揃っています。

鳥取砂丘のそばをサイクリングするという非日常的な体験は、他のルートにはない魅力です。砂漠のような景観が広がる砂丘の近くを走り、日本海の波音を聞きながらペダルを踏む感覚は格別といえます。

滞在型ルートとしての可能性が高く、温泉に泊まりながら数日かけてゆっくりと走るスタイルがポタリング派には特に人気となりそうです。鳥取県は松葉ガニや20世紀梨など地域特産品も豊富で、グルメポタリングの観点からも魅力的なルートに仕上がっています。

あまいち(熊本県)

あまいちは、九州初のナショナルサイクルルート候補として注目される、熊本県の天草諸島を巡るルートです。「あまいち」という愛称で知られており、九州の中でも有数の景観を誇る天草地方を自転車で巡ることができます。

リアス式海岸と点在する島々の美しい風景は、訪れる人々を魅了します。天草キリシタンの歴史を感じられる史跡なども数多く残っており、歴史探訪ポタリングとしても楽しめる奥行きのあるルートです。

熊本は阿蘇山などの観光地で広く知られていますが、天草エリアのサイクリングルートはまだ知名度が高くなく、穴場的な魅力があります。新鮮な魚介類や熊本ラーメンなど、グルメも充実しています。

わかさいくる(福井県)

わかさいくるは、福井県の若狭エリアを走るサイクリングルートです。若狭湾の美しい海岸線と、福井県内陸部の豊かな自然を組み合わせたルート構成となっています。

なお、わかさいくるについては、現時点で一部の要件を満たしていない点があるとされており、審査委員会では翌年以降の審査とすることが検討されています。今後の整備進捗に期待が集まる状況です。

若狭は古くから「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、朝廷に食材を供給してきた豊かな食文化の地域です。新鮮な魚介類はもちろん、福井名物の越前ガニなども楽しむことができます。若狭塗りなどの伝統工芸も見どころの一つとなっています。

ポタリングとは?サイクリングとの違いをわかりやすく解説

ポタリングとは、特に目的地を定めることなく、自転車で散歩するようにゆったりと走るスタイルのことです。英語の「pottering about(うろうろする、ぶらぶらする)」が語源とされており、日本では「ゆるポタ」という愛称でも親しまれています。

サイクリングとポタリングの最大の違いは、目的と強度にあります。通常のサイクリングは「目的地まで走る」「距離を稼ぐ」「トレーニングする」といった目的意識が強い傾向があります。一方、ポタリングは「気の向くままに走る」「景色を楽しむ」「立ち寄りたいところに立ち寄る」という自由さが特徴です。

ポタリングでは速度や距離にこだわる必要はありません。疲れたら休み、気になるお店があれば立ち寄り、美しい景色に出会えばゆっくり眺める。そんなゆとりのある自転車の楽しみ方がポタリングです。

ポタリングの魅力は、徒歩では遠すぎ、車では早すぎる「ちょうどよいスピード感」にあります。街の細かいところに気づきながら、ある程度の距離を走ることができる、自転車ならではの特性を最大限に活かした楽しみ方といえます。

サイクリングとポタリングの比較

両者の違いをより具体的に把握するため、主な観点で比較すると以下のようになります。

観点通常のサイクリングポタリング
目的目的地への到達・距離景色や寄り道を楽しむ
平均速度比較的速いゆっくりめ
1日の走行距離数十km〜100km超数km〜数十km程度
服装サイクルウェア中心カジュアルウェアでも可
自転車ロードバイク等ミニベロ・クロスバイク・eバイクなど
立ち寄り補給・休憩中心カフェ・観光・撮影など多様

このように、ポタリングはより気軽に、より自由に自転車を楽しむスタイルだといえます。

ナショナルサイクルルート 第3次候補をポタリングで楽しむ方法

ナショナルサイクルルートはいずれも100km以上の長距離ルートですが、全行程を走る必要はありません。ポタリングスタイルで楽しむなら、エリアを絞った「部分走破型」のアプローチが現実的です。

まず重要なのが、アクセスしやすいエリアから始めることです。ナショナルサイクルルートには鉄道駅近くにゲートウェイ施設が整備されており、そこでレンタサイクルを借りることもできます。電車で目的のエリアまで行き、そこからポタリングするスタイルは、体力的な負担も少なく初心者にも向いています。

次におすすめなのが、ルートのハイライトだけを走る「スポット型ポタリング」です。例えばしまなみ海道なら尾道から最初の島・向島までの区間だけを走り、向島の景色を楽しんで戻るといった楽しみ方です。第3次候補のルートでも、それぞれの見どころを絞り込んでスポット的に走るスタイルが推奨されます。

サイクルステーションを活用することも大切です。ナショナルサイクルルートにはおおむね20kmごとにサイクルステーションが整備されています。休憩や補給のタイミングを意識しながら走ることで、無理のないポタリングが楽しめます。

地域のガイドツアーに参加するのも一つの方法です。ナショナルサイクルルートでは地域のサイクリングガイドが整備されており、ガイドとともに走ることで地域の魅力をより深く知ることができます。

第3次候補ルート別のポタリング楽しみ方

第3次候補の各ルートは、それぞれポタリングとの相性が異なります。ルートごとに最適な楽しみ方を意識すると、より充実した体験ができます。

ふくしま浜通りサイクルルートは、平坦な海岸線が多く走りやすいため、ポタリングに向いています。復興の街並みを見ながらゆっくりと走り、地元の食堂で新鮮な魚介類をいただくスタイルがおすすめです。

フジイチは富士山を常に眺めながら走れる絶景ルートで、写真を撮りながらのフォトポタリングに最適です。富士五湖周辺には多くのカフェや土産物店があり、立ち寄りながらゆっくりと周遊できます。

雪国魚沼Golden Cycle Routeは、秋の黄金の田園風景の中をゆっくりとポタリングするのが特におすすめです。地元の農家直売所で魚沼コシヒカリのおにぎりを買って、田んぼのあぜ道でいただく体験は格別といえます。

いしかわ里山里海サイクリングルートは、能登の伝統文化を訪ねる歴史ポタリングに向いています。輪島塗の工房を訪ねたり、能登の伝統的な漁村集落を散策したりしながら走るスタイルがおすすめです。

鳥取うみなみロードは、鳥取砂丘周辺のポタリングが特に魅力的です。砂丘の近くを走り、日本海の広大な景色を眺めながらのんびりと走る体験は、非日常感に満ちています。

あまいちは、天草の海と島の景色を楽しむポタリングに最適です。入り組んだリアス式海岸の景観を眺めながら走り、地元の海産物を味わうグルメポタリングが楽しめます。

わかさいくるは、御食国としての豊かな食文化をテーマにしたグルメポタリングが向いています。若狭湾沿いの漁港を巡り、新鮮な魚介類や伝統工芸に触れる旅が魅力です。

ポタリングのテーマ別楽しみ方

ポタリングには様々な楽しみ方があります。テーマを決めてルートを考えるのも一つのアプローチで、目的が明確になることで旅の充実度が高まります。

グルメポタリングは人気の高い楽しみ方です。気になるカフェ、評判のパン屋、地元の食堂、産直市場など、食をテーマに立ち寄り先を決めながら走ります。ナショナルサイクルルート 第3次候補はいずれも地域の食文化が豊かなエリアが多く、グルメポタリングとの相性は抜群です。

花や自然をテーマにしたポタリングも魅力的です。春なら桜や菜の花、夏はひまわりやあじさい、秋は紅葉、冬は雪景色と、季節ごとに異なるテーマが楽しめます。第3次候補ルートには、それぞれの季節に美しい自然景観が広がるスポットが数多くあります。

歴史・文化をテーマにした「歴史ポタリング」も人気です。神社仏閣を巡る御朱印集め、城下町の古い街並み散策、史跡めぐりなど、自転車でゆっくりと地域の歴史を学びながら走るスタイルです。あまいちの天草キリシタン史跡や、いしかわの伝統工芸など、第3次候補には歴史ポタリングに適したエリアが豊富にあります。

写真撮影をメインにした「フォトポタリング」もおすすめです。美しい景色に出会ったら気軽に自転車を停めて撮影できるのが、ポタリングの良さです。SNSとの相性がよく、特に景観に優れたフジイチや鳥取うみなみロードではフォトポタリングを楽しむサイクリストが増えています。

ポタリングに適した自転車の選び方

ポタリングに使う自転車に特に制限はありませんが、いくつかのタイプが特に向いています。それぞれの特性を理解して、自分のスタイルに合った1台を選びましょう。

ミニベロ(小径車)は、コンパクトで扱いやすく、都市部でのポタリングに特に適しています。車輪が小さいため軽快に動かせ、狭い路地や人通りの多い観光地でも扱いやすいことが特徴です。

クロスバイクは、ロードバイクとマウンテンバイクの中間的な特性を持ち、舗装路でのポタリングに適した万能タイプです。比較的リーズナブルな価格帯の製品も多く、ポタリング入門として選ぶ人も多くなっています。

電動アシスト自転車(eバイク)は、近年ポタリングの世界でも注目度が高まっています。坂道や長距離でも疲れにくく、体力的に不安がある方でも無理なくポタリングを楽しめます。ナショナルサイクルルートの多くにはアップダウンがある区間も含まれており、eバイクとの相性は良好です。eバイクを選ぶ場合は、タイヤが26インチ以上のモデルで、本体重量が20kg以下のものを選ぶと、充電が切れた場合にも比較的楽に走れます。

自転車タイプ別の比較

主要な3タイプの特徴を比較すると、次のような違いがあります。

自転車タイプ適したシーンメリット注意点
ミニベロ都市部・短距離取り回しが軽快長距離は疲れやすい
クロスバイク万能・舗装路全般価格と性能のバランスが良好重量はやや重め
eバイク長距離・坂道含むルート体力を温存できるバッテリー残量に注意

ナショナルサイクルルート 第3次候補のような景観の良いルートをポタリングするなら、クロスバイクかeバイクが特におすすめです。

ポタリングに必要な装備と服装

ポタリングを始めるにあたって、特別な装備は必要ありません。ただし、快適に楽しむためのポイントはいくつか押さえておきましょう。

服装については、ストレッチ性のある動きやすいカジュアルウェアで十分です。競技サイクリングのようなピタピタのウェアでなくても、ある程度体に沿ったスタイルのほうが風の抵抗を受けにくく、長く走っても疲れにくくなります。季節に合わせた服装で、着脱しやすいレイヤードスタイルがおすすめです。

持ち物として必ず用意したいのが、飲み物です。ポタリング中はこまめな水分補給が大切で、ウォーターボトルをボトルホルダーに入れておくと便利です。タオルや日焼け対策用品、サングラスなども用意しておくと快適に走れます。スマートフォンはナビや写真撮影に欠かせないアイテムで、充電切れに備えてモバイルバッテリーも持参するとよいでしょう。

ヘルメットは自転車での走行時には着用が推奨されています。日本では2023年から自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務となりました。安全のためにも、ヘルメットの着用を習慣づけることが大切です。

ナショナルサイクルルートのサイクルステーションやゲートウェイ施設では、空気入れや工具の貸し出し、補給食の購入ができます。長距離のポタリングでは、これらの施設を積極的に活用して、安全で快適な旅を楽しみましょう。

既存のナショナルサイクルルートとの比較

第3次候補ルートの位置づけをより深く理解するため、既存の指定ルートも整理しておきます。第1次・第2次指定の合計6ルートは、いずれも日本を代表するサイクリングコースとして高い評価を得ています。

第1次ナショナルサイクルルートは、2019年11月に3ルートが指定されました。「つくば霞ヶ浦りんりんロード(茨城県)」は総延長約180kmで、霞ヶ浦湖畔の平坦なルートが初心者にも走りやすいことで人気です。「ビワイチ(滋賀県)」は琵琶湖を一周する約200kmのルートで、近江の歴史的な街並みと名物グルメも魅力です。「しまなみ海道サイクリングロード(広島県・愛媛県)」は総延長約70kmで、瀬戸内海の島々を橋でつなぐ絶景ルートとして米CNNでは「世界で最もすばらしい7大サイクリングコース」にも選出されています。

第2次ナショナルサイクルルートは、2021年5月に3ルートが指定されました。「トカプチ400(北海道帯広市周辺)」は総延長403kmの大規模ルートで、十勝平野の雄大な自然と酪農地帯の風景が楽しめます。「太平洋岸自転車道(千葉県〜和歌山県)」は総延長1,487kmという日本最長のサイクリングルートで、太平洋沿岸を縦断します。「富山湾岸サイクリングコース(富山県)」は総延長102kmで、富山湾越しに立山連峰を望む絶景が最大の魅力です。

第3次候補が正式指定されれば、現在の6ルートに加えて合計で最大12〜13ルートとなり、日本のサイクルツーリズムの選択肢がさらに広がります。

サイクルツーリズムの広がりと地域への貢献

ナショナルサイクルルート制度の拡充とともに、日本各地でサイクルツーリズムへの関心が高まっています。サイクルツーリズムとは、自転車を活用した観光促進の取り組みのことで、地域経済への貢献という観点からも注目されています。

自転車旅行者は、車での移動に比べて地域に滞在する時間が長く、地元のお店や食堂を利用する傾向があります。地域の細かい魅力に触れる機会も多く、リピーターになりやすいという特性もあります。ポタリングのような「ゆっくり楽しむ」スタイルのサイクリストは、特に地域への経済効果が大きいとされています。

また、サイクルツーリズムは環境負荷が低い持続可能な観光の形としても評価されています。二酸化炭素を排出しない自転車での移動は、環境問題が注目される現代において、エコツーリズムとしての側面も持っています。

インバウンド観光客の誘致という観点でも、サイクリングツーリズムは有望な分野です。ヨーロッパをはじめ、自転車で旅する文化が根付いた国々からの訪日観光客に、日本の美しい自然と文化を自転車で体感してもらうことは、高い訴求力を持ちます。ナショナルサイクルルートは、日本の「自転車大国」としての魅力を世界に発信するための重要な取り組みとなっています。

ナショナルサイクルルート 第3次候補についてよくある疑問

ナショナルサイクルルート 第3次候補について、多くの方が抱きやすい疑問とその回答をまとめます。

第3次候補ルートはいつ正式に指定されるのかという質問が最も多く寄せられます。これに対しては、2026年3月23日に審査委員会が開催され、4月以降の現地視察を経て、2026年夏頃の指定が想定されています。最終的な指定の可否は審査委員会の判断によって決まります。

翌年以降の審査が検討されている「わかさいくる」はどうなるのかという疑問もよく聞かれます。わかさいくるは現時点で一部の要件を満たしていないとされ、翌年以降の審査が検討されています。今後の整備進捗次第で、改めて評価される見通しです。

ポタリング初心者でもナショナルサイクルルートを楽しめるのかという不安を持つ方も少なくありません。実際にはレンタサイクルやサイクルステーションが整備されているため、初心者でも無理なく楽しめる環境が整っています。ハイライト区間だけを走るスポット型ポタリングなら、体力に自信がない方でも十分に楽しめます。

第3次候補ルートを走る際の費用感も気になるところです。レンタサイクル料金は地域によって異なりますが、1日あたりの基本料金に加え、eバイクなら追加料金がかかる場合もあります。宿泊や食事を含めた総予算を事前に試算しておくとよいでしょう。

ナショナルサイクルルート制度の今後の展望

第3次候補ルートについては、2026年夏頃のナショナルサイクルルート指定が見込まれています。審査委員会での議論を経て、現地視察が進められ、最終的な指定の可否が決定する流れです。

7ルートの中には、震災復興を体感するふくしま浜通り、世界遺産の富士山を周回するフジイチ、そして九州初指定を目指すあまいちなど、それぞれ異なるストーリーを持つルートが揃っています。指定されれば、現在の6ルートに加えて合計で最大12〜13ルートとなり、日本のサイクルツーリズムの選択肢がさらに広がります。

ナショナルサイクルルート制度は、単なるインフラ評価から一歩進み、地域価値をどう世界に伝えるかというフェーズに入ってきたという議論もあります。走りやすいルートを整備するだけでなく、地域の物語や文化をどのようにサイクリストに伝えるか、地域全体でのおもてなしをどう充実させるか、といった観点での取り組みが求められています。

第3次候補の各ルートは、地域の独自性を活かしたストーリー作りに注力しており、こうした新しい時代のサイクルツーリズムを牽引する役割を担うことが期待されています。

まとめ:ナショナルサイクルルート 第3次候補とポタリングで広がる新しい旅

ナショナルサイクルルート 第3次候補は、2026年3月23日の審査委員会で提示された7つの新たなサイクリングルートで、2026年夏頃の正式指定が見込まれています。ふくしま浜通り、フジイチ、雪国魚沼、いしかわ里山里海、鳥取うみなみロード、あまいち、わかさいくるという各ルートはそれぞれ独自の魅力を持ち、日本のサイクルツーリズムに新たな選択肢をもたらします。

これらのルートを「ポタリング」というスタイルで楽しむことで、競技的なサイクリングとは異なる、ゆとりある旅の体験ができます。目的地を決めずに気ままに走り、景色に見とれ、地元のグルメを楽しみ、歴史や文化に触れる。そんなポタリングの楽しみ方は、ナショナルサイクルルートの魅力を最大限に引き出してくれます。

第3次候補のルートが正式に指定されれば、日本のサイクルツーリズムはさらなる発展を遂げることでしょう。ふくしま浜通りの復興の海岸線、富士山を一周するフジイチの絶景、新潟の黄金の田園、石川の里山里海の文化、鳥取の砂丘と日本海、天草の美しい入り江、若狭の豊かな食文化。それぞれのルートが持つ固有の魅力が、世界中のサイクリストを引き寄せることが期待されます。

自転車と一緒に、日本の四季折々の風景の中へ。ナショナルサイクルルート 第3次候補をポタリングで楽しむ新しい旅が、あなたを待っています。

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