岐阜県美濃市、うだつが上がる町並みをポタリングで巡るガイド

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岐阜県美濃市には、江戸時代の商家建築が軒を連ねる「うだつの上がる町並み」があり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。秋には美濃和紙のあかりで町を彩る「美濃和紙あかりアート展」が開催され、長良川沿いの里山ではのんびり自転車を走らせるポタリングも楽しめます。人口およそ1万9千人という小さな町に、歴史的景観と伝統工芸、自然散策という異なる魅力が同時にそろっているのは珍しいことです。この記事では、うだつの上がる町並みの成り立ちから、美濃和紙とあかりアート展の見どころ、ポタリングのおすすめコース、レンタサイクルの利用方法まで、2026年07月15日時点でわかっている情報として整理します。

目次

美濃市は岐阜市から車で30分、金森長近が築いた城下町

美濃市は、岐阜市の北方に位置し、車ではおよそ30分で行き来できる距離にあります。長良川鉄道の美濃市駅からもアクセスでき、東海北陸自動車道の美濃インターチェンジから国道156号を経由すれば5分ほどで町の中心部に着きます。名古屋方面からも高速道路で1時間程度なので、日帰りで訪れやすい立地です。

町の成り立ちは戦国時代末期にさかのぼります。織田信長と豊臣秀吉に仕え、のちに飛騨高山の初代藩主となった武将、金森長近がこの地に小倉山城を築き、城下町として町割りを整えたのが美濃の町のはじまりとされています。長良川の水運を活かした商業の町として発展し、なかでも和紙の生産と流通の拠点として大きく栄えました。江戸時代には「美濃紙」の名で全国に知られる高級和紙の産地となり、その商いで財を成した豪商たちが、競うように立派な家屋を建てていきました。城下町としての町割りがそのまま和紙商人たちの町へと姿を変えていった経緯は、美濃市の歴史を理解するうえで欠かせないポイントです。

うだつの上がる町並みは1999年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された

美濃市の観光の中心となっているのが「うだつの上がる町並み」です。うだつとは、隣家との境目、屋根の両端に取り付けられた小さな防火壁のことです。もともとは火災の延焼を防ぐための実用的な設備でしたが、江戸時代に入ると、うだつを立派に飾り立てることが豪商のステータスシンボルになっていきました。彫刻や装飾を凝らしたうだつを上げるには相応の費用がかかったため、「うだつが上がらない」という言葉は、出世できない、金銭的に恵まれないという意味の慣用句として今も使われています。逆に言えば、うだつを上げられる商家は、それだけ繁栄していた証だったわけです。

美濃市の町並みには、江戸時代から明治にかけて建てられた、うだつを備えた町家がいまも数多く残っています。本町通りを中心としたエリアでは、白壁と黒い格子戸、そして装飾豊かなうだつが軒を連ね、時代をさかのぼったような風情が漂います。この歴史的景観の価値が認められ、1999年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。岐阜県内では、高山市の三町・下二之町大新町伝統的建造物群保存地区と並ぶ、貴重な歴史的町並みのひとつです。

旧今井家住宅など見どころの商家建築

町並みの中には、江戸時代中期の商家の姿を伝える国指定重要文化財の旧今井家住宅をはじめ、造り酒屋や和紙問屋を営んでいた商家建築が点在しています。旧今井家住宅では美濃和紙の展示や町並みの資料展示も行われており、うだつの意匠をじっくり観察できる貴重なスポットです。通りには古民家をリノベーションしたカフェや雑貨店、和紙製品を扱う店舗も並んでいるため、散策しながらショッピングやグルメを楽しむこともできます。

美濃和紙は奈良時代の戸籍用紙にまでさかのぼる1300年の歴史を持つ

美濃市を語るうえで欠かせないのが美濃和紙です。福井県の越前和紙、高知県の土佐和紙と並んで、美濃和紙は日本三大和紙のひとつに数えられています。

その歴史は古く、奈良の正倉院には大宝2年、702年に作られた美濃・筑前・豊前の3国の戸籍用紙が現存しており、日本最古の紙のひとつとされています。この記録から、美濃和紙には少なくとも1300年以上の歴史があります。奈良時代には写経用の紙としても使われ、平安時代には京都の貴族や僧侶のあいだでも高い評価を得ていたことが、当時の書状に登場する美濃紙の名からうかがえます。

江戸時代に入ると、美濃和紙は薄く均一で丈夫という特性を活かし、高級な障子紙として全国に知られるようになりました。江戸幕府にも障子紙を納入し、幕府から手厚い保護を受けるほどの評価を確立していきました。この時期、美濃の町は和紙の生産と商いで大いに栄え、その富がうだつの上がる立派な町家群を生み出す原動力になったのです。和紙の商いと町並みの豪華さが表裏一体の関係にあったことは、美濃市を訪れる際に知っておきたい背景です。

本美濃紙は2014年にユネスコ無形文化遺産に登録された

なかでも、楮のみを原料とし、伝統的な流し漉きの技法で漉かれる「本美濃紙」は、特に高い評価を受けてきました。その技術は1969年に国の重要無形文化財に指定され、2014年にはユネスコの無形文化遺産保護条約に基づく代表一覧表に、「和紙:日本の手漉和紙技術」として登録されています。これは埼玉県の細川紙、島根県の石州半紙とともに登録されたもので、美濃和紙が世界的に価値を認められた工芸技術であることを示す出来事でした。

紙漉き体験は美濃和紙の里会館で所要20分ほど

美濃市内には美濃和紙の里会館があり、和紙の歴史や製法をパネルや展示で学べるほか、実際に紙漉き体験ができます。これまでに30万人以上が体験してきたというこの施設では、職人が実際に使っているのと同じ道具を用い、楮100パーセントの原料で紙を漉くことができ、所要時間は20分程度です。障子紙のようなきれいな和紙を漉き上げる伝統的な流し漉きコースでは、かえでなどの植物や色の型抜き紙を漉き込んでオリジナリティを出すこともできます。美濃判の和紙に動物や花の型を置き、シャワーで水をかけて模様を浮かび上がらせるコースもあり、子どもから大人まで楽しめる内容です。紙漉き体験の料金は別途500円、施設への入館料は大人500円、小中学生250円で、体験は予約制で1日11コマの時間割が組まれていますが、当日でも空きがあれば受け付けてもらえる場合があるということです。自分の手で漉いた和紙は、旅の記念として持ち帰ることができます。

美濃和紙あかりアート展2026は10月11日から11月30日まで二部制で開催される予定

美濃市を象徴するイベントが、毎年秋に開催される美濃和紙あかりアート展です。1994年から続くこのイベントでは、公募で集まった美濃和紙製の創作あかり作品がうだつの上がる町並み全体に展示され、夜の町を柔らかな光で彩ります。全国から寄せられる作品は例年数百点規模にのぼり、和紙の透け感や質感を活かした造形の美しさが来場者を魅了しています。

2026年は第33回の開催となり、会期は第1部が10月11日から10月23日まで、第2部が10月24日から11月30日までの二部構成で行われる予定です。点灯時間は両部とも午後5時から午後9時まで、入場は無料となっています。第1部では、その年に新たに応募された作品の展示と審査が行われ、審査を経て大賞をはじめとする各賞が選ばれます。第2部では展示作品が入れ替わり、歴代の優秀作品があらためて町並みに灯される構成になっているため、期間を変えて訪れると異なる作品世界を楽しめます。

歩行者天国Dayは10月17日に予定されている

2026年10月17日には、町並みが歩行者天国となる歩行者天国Dayが予定されています。この日は車両の通行が規制され、来場者は道いっぱいに広がる和紙あかりの作品群をゆったり鑑賞しながら散策できます。夜になると、うだつを構える古い町家の軒先や通りのあちこちに幻想的な光を放つ和紙のオブジェが灯り、昼間とはまったく異なる幽玄な表情を見せる町並みは、写真映えするスポットとしても人気です。開催期間や詳細な情報は公式サイトのakariart.jpで随時更新されているため、訪問前に確認しておくとよいでしょう。

応募部門は一般・小学生・中学生・ファミリーの4部門

美濃和紙あかりアート展は、来場して鑑賞するだけでなく、プロ・アマを問わず誰でも作品を出展できる公募制のイベントです。応募部門は一般部門、小学生部門、中学生部門に加え、親子で一緒に作品づくりに取り組めるファミリー部門も新設されました。応募料は一般部門が1作品につき1,500円ですが、小学生部門・中学生部門・ファミリー部門は無料です。小学生部門・中学生部門・ファミリー部門それぞれの大賞受賞作品には、賞状とあわせて3万円の賞金が贈られます。応募はWEB申込みに対応しており、作品写真の提出には毎年9月末ごろの期限が設けられています。

このイベントは、日本三大和紙の産地のひとつである美濃の和紙文化を発信し、うだつの上がる町並みの活性化とブランド化を図ることを目的に、1994年に美濃市観光協会が美濃市制40周年記念事業として初めて開催しました。運営には毎年100名を超える地域の実行委員やボランティアが携わっており、地域住民の手によって育てられてきた祭典です。こうした地域密着の取り組みが評価され、2002年には第6回ふるさとイベント大賞で総務大臣賞を受賞しています。単発のライトアップ企画ではなく、四半世紀を超えて続く地域行事に育った点は、美濃和紙あかりアート展の大きな特徴といえます。

ポタリングは長良川と曽代用水沿いの13キロコースが基本

美濃市の魅力は町並みだけにとどまりません。長良川と支流の曽代用水沿いに広がる里山の風景は、自転車でのんびり走るポタリングに向いたフィールドです。ポタリングとは、ロードバイクでの長距離走行とは異なり、景色を楽しみながらゆったりしたペースで自転車を走らせるスタイルの自転車旅で、初心者や体力に自信のない人でも気軽に楽しめます。

3つの世界遺産をめぐるサイクリングコースがある

美濃市のポタリングコースとして知られているのが「3つの世界遺産とうだつの上がるまちサイクリング」です。このコースでは、ユネスコ無形文化遺産の本美濃紙、世界かんがい施設遺産の曽代用水、世界農業遺産に認定された清流長良川の鮎という、美濃市が誇る3つの資産をめぐりながら走ることができます。

資産名認定・登録区分登録年
本美濃紙ユネスコ無形文化遺産2014年
曽代用水世界かんがい施設遺産2015年
長良川の鮎世界農業遺産認定済み

コース内には美濃八幡神社や、かつて名鉄美濃町線が走っていた旧名鉄美濃駅の跡地なども点在し、歴史散策的な楽しみも味わえます。うだつの上がる町並みエリアはフリー散策の時間として組み込まれることが多く、自転車を降りてショッピングやグルメを楽しむこともできます。コースの距離は平坦で走りやすい13キロ前後で、広々とした盆地の風景や、大きく広がる空、里山ならではの田園風景を眺めながら、地元住民との何気ない交流も楽しめるとされています。運動としてハードすぎず、心身のリフレッシュにちょうどよい強度で走れることが、ポタリングという楽しみ方の醍醐味です。

郡上八幡までの43キロロングライドコースも選べる

もっと長く走りたい人には、美濃市から長良川沿いを北上し、郡上八幡まで至る43キロほどのロングライドコースも用意されています。清流長良川のせせらぎを聞きながら走り、途中には昔ながらの町並みが残る城下町の風景も楽しめるため、ポタリングというよりはやや本格的なサイクリングを楽しみたい人に向いています。美濃市周辺には木曽川沿いを走る木曽ポタロードのような近隣エリアのサイクリングルートも整備されており、岐阜県南部一帯を巡る旅程を組むことも可能です。走る距離や体力に応じてコースを選べる自由度の高さも、美濃市のポタリングが幅広い層に支持されている理由のひとつです。

レンタサイクルは道の駅美濃にわか茶屋と美濃和紙の里会館の2拠点

美濃市内には観光客向けのレンタサイクルを提供する拠点がいくつかあり、手ぶらで訪れてもポタリングを楽しめる環境が整っています。

うだつの上がる町並みの近くにある道の駅美濃にわか茶屋では、一般用の自転車11台、子ども用4台が用意されており、利用料金は1回200円です。坂道や長距離の移動が不安な人向けには、電動アシスト自転車も9台用意されています。内訳は一般タイプが5台、スポーツタイプが2台、幼児を同乗させられるタイプが2台で、こちらの利用料金は1回500円です。貸出時間は午前9時から午後5時までで、電話での事前予約もできます。道の駅では郷土料理も味わえるため、ポタリングの出発前や到着後に食事を楽しむこともできます。

美濃和紙の里会館でもレンタサイクルを取り扱っており、一般用自転車5台が1回200円、電動アシストのスポーツタイプ3台が1回500円で借りられます。紙漉き体験と組み合わせて、和紙の歴史を学んでからポタリングに出発するという過ごし方もおすすめです。

貸出拠点一般用自転車電動アシスト自転車利用時間
道の駅美濃にわか茶屋11台・1回200円9台・1回500円午前9時〜午後5時
美濃和紙の里会館5台・1回200円3台・1回500円施設営業時間内

なお、長良川鉄道の美濃市駅でも電動アシスト自転車のレンタルを行っていましたが、2026年3月30日をもって美濃市駅でのレンタサイクル取り扱いは終了しました。駅を起点にレンタサイクルを利用したい場合は、道の駅美濃にわか茶屋か美濃和紙の里会館を利用先として検討する必要があります。いずれの施設でも、利用申込みの際には承諾書への記入と身分証明書の提示が必要で、未成年者が利用する場合は保護者の署名または同伴が原則となっているため、家族連れで訪れる際は確認しておくとスムーズです。

町歩きの合間に立ち寄りたいカフェと食事処

うだつの上がる町並みとその周辺には、古民家をリノベーションしたカフェや食事処が点在しており、散策やポタリングの合間に立ち寄るのにちょうどよい場所です。

みのカフェmakanaは、大人向けのハワイアンをコンセプトにした落ち着いた雰囲気のカフェで、地元食材を使ったランチが楽しめます。営業時間は午前9時から午後4時までで、月曜と金曜が定休日です。近くには美濃町家Mam’sという、国産の米粉や小麦など体にやさしい素材にこだわった焼き立てパンの店もあり、地元の人にも観光客にも長年親しまれています。

古民家を改装した空間で有機栽培のお茶やティースタンドを楽しめるはっぱすたんども、おすすめのスポットのひとつです。営業時間は午前8時から午後3時までで、水曜と木曜が定休日です。甘いもの好きには、和菓子屋が営む甘味処、茶房とみやが人気を集めています。生クリームとわらび餅、つぶあんを組み合わせたクリームわらび大福が看板商品で、伝統的な和菓子と洋風のアレンジが融合した味わいを楽しめます。

しっかり食事を楽しみたいなら、大正時代創業という老舗食堂、山水本店がおすすめです。うどんや定食など、昔ながらの味を趣のある店内の雰囲気とともに味わえます。営業時間は午前11時から午後2時半、そして午後5時から午後9時までで、水曜が定休日です。ほかにも、東市場町に位置するカフェ食堂きのゑなど、町並みの風情を感じながら食事ができる店が点在しています。

お酒好きには、創業1772年という老舗の造り酒屋も見逃せません。うだつを構える立派な建物自体が見どころのひとつであり、この蔵元が手がける銘酒「百春」は、美濃の地酒として地元でも人気を誇っています。町並み散策やポタリングの記念に、お土産として購入するのもよいでしょう。

曽代用水は江戸時代の農家が主導して築いた350年の農業用水

ポタリングコースの途中で出会う曽代用水も、美濃市の魅力を語るうえで欠かせない存在です。曽代用水は、長良川から取水し、岐阜県関市から美濃市にかけて広がる農地およそ1,000ヘクタールを潤す、幹線延長およそ17キロメートルの農業用水路です。江戸時代に地元の農家が主導して建設したという、全国的に見ても珍しい成り立ちを持つ用水であり、建設から350年ほどが経過した現在も、地域の農業を支え続ける現役の施設です。

この歴史的価値と、長期間にわたり地域の発展に貢献してきた実績が国際的に評価され、2015年10月、曽代用水は世界かんがい施設遺産に登録されました。これは岐阜県内で初めての登録事例で、美濃市周辺が本美濃紙、曽代用水、長良川の鮎という3つの世界的な遺産・認定を同時に持つエリアである理由のひとつになっています。地元では、次世代にこの用水の歴史を伝えるため、地域の小学生を対象にした出前授業も行われており、暮らしに根づいた遺産として受け継がれています。ポタリングで水路沿いを走りながらこうした背景を思い浮かべると、旅の味わいが変わってくるはずです。

美濃橋や小倉山城跡など町並み周辺の見どころ

うだつの上がる町並みやあかりアート展、ポタリングとあわせて訪れたい観光スポットも、美濃市には点在しています。

長良川に架かる美濃橋は、大正5年、1916年に完成した歴史的な構造物で、国の重要文化財に指定されています。現存する近代吊り橋としては日本最古級とされ、鮮やかな赤色の橋体が長良川の清流に映える景観をつくっています。自動車の通行はできず、歩行者や自転車でゆっくり渡りながら景色や写真撮影を楽しめるスポットで、ポタリングの休憩ポイントとしても立ち寄りやすい場所です。

町並みの背後にそびえる小倉山には、小倉山城跡があります。関ヶ原の戦いでの功績により美濃の地を治めることとなった金森長近が、慶長6年、1601年に隠居城として築いたのがこの城です。現在は石垣などの遺構が残るのみですが、春には桜の名所としても知られ、飛騨・美濃地域の桜の名所33選にも数えられています。町並み散策の合間に少し足を延ばして高台に登れば、うだつの上がる町並みを見下ろす眺望も楽しめます。

春に美濃市を訪れるなら、明治後期から続く伝統行事、美濃まつりも見逃せません。色とりどりの美濃和紙で作られた花みこしが町を練り歩く春の風物詩で、和紙の産地ならではの華やかな祭礼として、多くの見物客を集めています。あかりアート展が秋の風物詩だとすれば、美濃まつりは春の風物詩として、季節を変えて美濃市を訪れる楽しみを与えてくれます。

秋の紅葉は大矢田神社もみじ谷、春の桜は小倉公園が名所

うだつの町並みや和紙文化と並んで、美濃市には四季折々の自然を楽しめるスポットも点在しており、訪れる季節によって異なる表情を見せてくれます。

秋の紅葉スポットとして知られているのが大矢田神社もみじ谷です。国の天然記念物にも指定されているこの一帯には、およそ3,000本ものヤマモミジが自然の樹林として広がっています。春には鮮やかな新緑と白いシャガの花のコントラストが美しく、秋になると神社一帯が紅色に染まります。ポタリングや町並み散策とあわせて、季節ごとに再訪したくなるスポットです。板取川沿いにおよそ30本植えられた助右衛門サのもみじも、11月中旬から下旬にかけての紅葉シーズンにはライトアップが行われ、夜には幻想的な雰囲気を楽しめます。

春の桜であれば、小倉山城跡がある小倉公園が市内随一の名所として知られ、飛騨・美濃地域の桜の名所33選にも数えられています。桜の季節に町並みを訪れれば、うだつの上がる古い商家の風景と満開の桜が織りなす、美濃市ならではの春景色を楽しめます。春は桜、秋は紅葉とあかりアート展というように、季節を変えて何度でも訪れたくなる懐の深さも、美濃市の魅力のひとつです。

日帰りモデルプランは午前ポタリング、午後町並み、夕方あかりアート

美濃市への交通アクセスは複数のルートがあります。鉄道を利用する場合は、長良川鉄道の美濃市駅で下車し、うだつの上がる町並みまで徒歩10分ほどです。長良川鉄道は岐阜県関市の美濃太田駅から郡上市の北濃駅までを結ぶローカル線で、車窓から長良川の清流や里山の風景を楽しみながら移動できます。

車で訪れる場合は、東海北陸自動車道の美濃インターチェンジから国道156号を経由して5分ほどです。名古屋方面からは高速道路を利用して1時間程度、岐阜市内からは車で30分ほどとアクセスしやすい立地です。

日帰りでうだつの上がる町並みとポタリング、和紙あかりアートを楽しむモデルプランとしては、午前中に美濃市駅または道の駅美濃にわか茶屋でレンタサイクルを借り、曽代用水沿いや長良川沿いをポタリングで巡りながら美濃八幡神社などの見どころを訪れます。昼前後にうだつの上がる町並みに戻り、自転車を返却してから徒歩でゆっくり町並みを散策し、旧今井家住宅の見学やカフェでのランチを楽しみます。夕方以降、秋の開催時期であれば美濃和紙あかりアート展の点灯時間である午後5時以降まで滞在し、ライトアップされた幻想的な町並みを堪能してから帰路につくという流れであれば、無理なく楽しめるでしょう。歩行者天国Dayに合わせて訪れれば、車の通行を気にせず、じっくりと光のアート作品を鑑賞できます。

美濃市は歴史・工芸・自然・グルメがコンパクトにまとまった町

美濃市のうだつの上がる町並みは、江戸時代から続く商家建築と、1300年の歴史を誇る美濃和紙の文化が色濃く残る、全国でも珍しい歴史的景観です。ユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙の技術、世界かんがい施設遺産の曽代用水、世界農業遺産の長良川鮎という、複数の世界クラスの資産が一つの町に集まっている点も大きな魅力です。

昼間は歴史的な町並みをゆっくり散策し、周辺の里山を自転車でポタリングしながら清流と田園風景を楽しみ、秋には和紙あかりアート展の幻想的な光景に浸る。美濃市は、一日を通してさまざまな楽しみ方ができる、奥行きのある観光地です。レンタサイクルも複数の拠点で用意されており、手ぶらで訪れても気軽にポタリングを満喫できる環境が整っています。歴史と工芸、自然、グルメがコンパクトにまとまった美濃市は、日帰りでも十分に満足感を得られる旅先です。

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