湯河原のほたるの宴は、毎年初夏に万葉公園で開催されるホタル観賞イベントです。2026年は5月29日(金)から6月7日(日)まで実施される予定で、温泉街の夜を幻想的な光が彩ります。神奈川県最南端の湯河原町は、東京・横浜から特急で約1時間半という好アクセスでありながら、古式ゆかしい温泉街の情緒をいまに残す大人の旅先として親しまれてきました。万葉公園を起点に、温泉街や不動滝を電動アシスト付き自転車「旅チャリ」でポタリングすれば、起伏に富んだ地形でも軽やかに巡ることができ、昼は文学の小径や渓流、夜はほたるテラスでホタルの舞と、初夏の湯河原を余すところなく満喫できます。本記事では、湯河原のほたるの宴・万葉公園・ポタリング・温泉街を軸に、開催情報、観賞のコツ、おすすめポタリングコース、温泉の泉質、グルメ、周辺観光まで、旅の計画に必要な情報を一気通貫でお伝えします。

湯河原のほたるの宴とは ── 万葉公園を舞台にした初夏の幻想
湯河原のほたるの宴とは、毎年初夏に万葉公園で開催されるホタル鑑賞イベントのことです。会場となる万葉公園内の「ほたるテラス」周辺には、地元で大切に育てられたゲンジボタルが舞い、漆黒の闇に淡い黄色の光が点々と揺れる、幻想的な空間が広がります。
このイベントの最大の特徴は、地域全体でホタルを育てる文化が根付いていることです。公園内の「ほたるの家」で幼虫から飼育されたホタルは、毎年3月頃に地元の小学生たちの手で公園の人工河川へと放流されます。放流されたホタルは自然の中で成長し、初夏に成虫となって光を放つため、ほたるの宴は単なる観賞イベントではなく、地域ぐるみの自然教育と里地里山の保全活動の集大成という側面を持っています。
また、万葉公園内だけでなく、湯河原町を流れる藤木川・千歳川・荒崎川にも自然のホタルが生息しており、イベント期間中は町全体が淡い光に包まれます。澄んだ清流と豊かな緑が残る湯河原の自然環境が、ホタルにとっての好適地となっているわけです。温泉街の宿に泊まり、夕食後に浴衣のまま万葉公園へ歩いていけば、まさに非日常の世界へと足を踏み入れる感覚を味わえます。
2026年ほたるの宴の開催情報 ── 日程・時間・会場
2026年のほたるの宴は、5月29日(金)から6月7日(日)まで開催される予定です。開催時間は午後7時30分から午後9時で、係員不在となる午後10時以降も公園内には入れますが、安全のため時間内の来場が推奨されています。
開催概要を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | ほたるの宴 |
| 開催期間 | 2026年5月29日(金)〜6月7日(日) |
| 開催時間 | 午後7時30分〜午後9時(係員滞在時間) |
| 会場 | 万葉公園 ほたるテラス |
| 所在地 | 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上566 |
| 入場料 | 無料 |
| キッチンカー出店 | 金・土・日曜日(入口広場) |
| 駐車場 | 万葉公園第2駐車場(12台・1時間100円) |
入場料は無料で、誰でも気軽に立ち寄れるのがほたるの宴の魅力のひとつです。期間中の金・土・日曜日には公園入口広場にキッチンカーが出店し、軽食や飲み物を楽しめるため、ホタル観賞の前後の時間も充実させられます。会場では手持ち提灯や絵馬の販売もあり、縁結びの神様として知られるタヌキ神社に奉納することもできます。暗がりに灯る提灯のほのかな光が、ホタルの光と相まって非日常の空間を演出します。
なお、ホタルの出現数は天候・気温に大きく左右されるため、訪問前に湯河原温泉観光協会の公式観光サイトで最新の発生情報を確認することをおすすめします。雨の日や風の強い日、気温が急に下がる夜は活動が少なくなる傾向があります。一方で、曇りで蒸し暑い夜は多くのホタルが舞うといわれており、観賞のベストコンディションです。
万葉公園とは ── ほたるの宴の舞台となる湯河原のシンボル
万葉公園とは、湯河原温泉街の奥、千歳川の上流に沿って広がる広大な緑地公園のことです。万葉集に詠まれた草花が植えられており、「日本の歴史公園100選」にも認定されている格式高い公園で、湯河原観光のシンボル的存在となっています。
公園の名前は、万葉集に由来します。万葉集4500首の中で唯一、温泉が湧き出る様子を詠んだ歌が湯河原温泉を指すと伝えられており、その歌が刻まれた石碑が公園の入口に置かれています。訪れる者をいにしえの時代へといざなう、湯河原の歴史と文化を象徴するスポットです。
公園内の見どころを順に紹介します。入口を入ると、まず「文学の小径」と表示された石のトンネルが現れます。トンネルを抜けると目の前に清涼な滝が広がる景観は万葉公園の名物であり、多くの観光客がカメラを向ける定番フォトスポットになっています。公園の奥には湯権現とも呼ばれる「熊野神社」が鎮座しており、温泉の神様として古くから地元の人々に篤く信仰されてきました。
無料の足湯も公園内に設けられており、滝のせせらぎを聞きながら疲れた足を癒すことができます。観光の合間にふらりと立ち寄れる手軽さも人気の理由です。さらに公園内には、かつての足湯施設「独歩の湯」をリニューアルした日帰り温泉複合施設「湯河原惣湯 Books and Retreat」が誕生しました。源泉かけ流しの温泉に浸かりながら、季節の食材を使った食事や本の貸し出しサービスも楽しめる、現代の旅人が求める「上質なリトリート体験」が完結する場所です。湯河原惣湯は惣湯テラスと玄関テラスの二棟構成で、それぞれ異なる雰囲気の空間が広がっています。
ホタルの生態を知ればほたるの宴がもっと楽しめる
ほたるの宴をより深く味わうために、ホタルの生態を知っておきましょう。日本に生息する代表的なホタルは、ゲンジボタルとヘイケボタルの二種類です。
ゲンジボタルは体長12〜18ミリと比較的大きく、約2〜4秒おきにゆっくりと大きな黄色い光を放つのが特徴です。本州・四国・九州に分布し、清流に生息する巻き貝のカワニナを幼虫のエサとするため、水質の良い流れのある川の近くに多く見られます。アルカリ性で有機汚染の少ない澄んだ水が生息条件となるため、ゲンジボタルの存在は水環境の豊かさを示す指標とされています。万葉公園周辺の千歳川や藤木川はまさにこの条件を備えており、ゲンジボタルが自然発生する場所として知られています。成虫の出現時期は5月下旬から6月下旬頃が最盛期で、ほたるの宴の開催期間とほぼ重なります。
ヘイケボタルはゲンジボタルより一回り小さく、体長10ミリ前後です。約1秒おきに点滅するやや細かな光が特徴で、流れのない池や水田など、ゲンジボタルとは異なる環境を好みます。出現時期はゲンジボタルより少し遅く、6月から8月頃まで長く楽しめるため、湯河原では二種のホタルがリレーするようにシーズンを彩ります。
ホタルの成虫の寿命はわずか1〜2週間という短さです。その短い命の間に交尾と産卵を終え、次世代へと命をつなぎます。私たちが目にする光は、オスとメスが互いを呼び合うためのものです。はかない命が生み出す光だからこそ、毎年この季節を心待ちにする人が後を絶たないのでしょう。光のリズムや色の違いを意識して観察すれば、二種のホタルの違いを実際に見分けることもでき、ほたるの宴がさらに奥深い体験になります。
湯河原温泉街をポタリングで楽しむ ── 旅チャリ完全ガイド
湯河原温泉街のポタリングには、湯河原温泉観光協会が提供する電動アシスト付きレンタサイクル「旅チャリ」の利用がおすすめです。湯河原は千歳川の谷あいに広がる起伏の多い地形であるため、電動アシスト付き自転車であれば坂道でも楽々と走れ、初心者や女性、シニアの方でも無理なく観光を楽しめます。
貸出場所は、万葉公園内の湯河原惣湯玄関テラス2階にある湯河原温泉観光協会(営業時間9時〜17時)をはじめ、町内に複数箇所が用意されています。料金の目安は1時間500円、3時間1,000円、1日2,000円(当日午後5時返却)で、半日プランや終日プランから自分の旅程に合わせて選べる仕組みです。最新の料金や貸出条件は観光協会に直接問い合わせると確実です。
ポタリングの魅力は、徒歩よりも広範囲を巡れて、車では見落とす細部まで味わえる絶妙な速度感にあります。温泉街の昔ながらの木造旅館、川沿いの遊歩道、文豪たちの言葉が刻まれた文学碑、地元の人だけが知る路地の風景── これらは時速10〜15キロほどのポタリングだからこそ発見できる湯河原の素顔です。千歳川沿いの遊歩道は、川のせせらぎと緑の木々に包まれながら走れるため、心身ともにリフレッシュできる絶好のルートとなっています。
電動アシスト付き自転車のもうひとつの利点は、汗だくにならずに観光できる点です。初夏の湯河原は日中の気温が25度を超える日もありますが、アシスト機能のおかげで上り坂でも体力を温存でき、夜のほたるの宴まで体調を整えた状態で迎えられます。ポタリングと温泉、そしてホタル観賞という一日の流れを無理なくこなすために、旅チャリの活用は理にかなった選択です。
おすすめポタリングコース ── 万葉公園・不動滝・真鶴を巡る
旅チャリで巡れるおすすめポタリングコースを三つご紹介します。体力や時間に応じて選べるラインナップです。
ひとつ目は「万葉公園・不動滝めぐり 約5キロコース」です。湯河原駅をスタートし、温泉街を抜けて万葉公園、不動滝を経由して駅に戻る周回コースで、距離が短いため初心者向きです。温泉街では昔ながらの旅館や老舗商店が立ち並ぶ風情ある街並みをゆっくり眺めながら走ることができ、万葉公園では無料の足湯で疲れを癒せます。不動滝では落差約15メートルの迫力ある滝を間近に体感でき、滝の近くには甘酒などを楽しめる茶屋もあるため、ひと息つくのに最適です。
二つ目は「真鶴半島一周 約15キロコース」です。湯河原駅から海沿いを走り、隣町の真鶴半島を一周します。相模湾の青い海を眺めながら走る開放感は格別で、半島の先端からは三ツ石と呼ばれる奇岩群が望めます。やや距離はありますが、電動アシストのおかげで海沿いの起伏も余裕を持ってこなせます。
三つ目は「椿ライン山岳コース」です。湯河原の代表的な山岳ルートで、新緑の季節には美しい景観が広がり、本格的なサイクリストにも人気の難コースとして知られています。電動アシスト付きでも相応の体力が必要ですが、登り切った先に広がる眺望と達成感は格別です。
三つのコースの特徴を表で比較します。
| コース | 距離 | 難易度 | 主な見どころ |
|---|---|---|---|
| 万葉公園・不動滝めぐり | 約5キロ | 初級 | 温泉街・万葉公園・不動滝 |
| 真鶴半島一周 | 約15キロ | 中級 | 相模湾・真鶴半島・三ツ石 |
| 椿ライン山岳コース | 山岳 | 上級 | 新緑の山岳景観 |
ほたるの宴の期間中であれば、午前から午後にかけて万葉公園・不動滝めぐりコースを走り、湯河原惣湯で温泉と食事を楽しみ、夕方に旅チャリを返却してから夜のホタル観賞に向かう、という流れが最も無理のない楽しみ方です。
温泉街散策で味わう湯河原の情緒 ── 千歳川と文学の小径
湯河原温泉街の魅力は、自転車だけでなく徒歩でこそ感じられる風情も豊富にあります。駅から温泉街へと続く千歳川沿いの道は、木々が生い茂り川のせせらぎが耳に心地よい、情緒あふれる散策路です。
特に注目したいのが「文学の小径」と呼ばれる石畳の道です。ここには、湯河原を愛した文豪・歌人たちの言葉が刻まれた石碑が点在しています。元記事によれば、夏目漱石、与謝野晶子、島崎藤村、芥川龍之介といった名だたる文豪たちがこの地を訪れ、作品のインスピレーションを得たといいます。国木田独歩の「湯河原行き」の一節を刻んだ石碑もそのひとつで、歩くたびに文学の息吹が立ちのぼってくる小径です。
美術の世界でも、竹内栖鳳や横山大観らが湯河原を愛し、療養と創作の場として長逗留した記録が残されています。温泉街のそこかしこに文学碑や石碑が点在するのは、こうした文化的背景の蓄積によるものです。
温泉街には老舗旅館が軒を連ね、日帰り入浴を受け付けている施設も多くあります。「湯の里 杉菜」などの施設では源泉かけ流しの温泉で疲れを癒すことができ、ポタリングの後に立ち寄れば至福のひとときが過ごせます。徒歩での散策と自転車でのポタリングを組み合わせれば、湯河原の温泉街を多角的に堪能できます。
不動滝 ── 万葉公園からポタリングで訪れる絶景パワースポット
不動滝は、湯河原温泉から少し奥に入った場所にある落差約15メートルの滝です。「不動」の名が示す通り、古くから不動明王を祀る信仰の場として地元の人々に親しまれてきたパワースポットでもあります。
滝の轟音とともに大量のマイナスイオンが放出されるため、訪れるだけで心身が浄化される感覚を味わえます。滝壺近くまで近づける遊歩道が整備されており、夏でもひんやりとした空気が漂う別天地です。滝の近くには足湯施設もあり、滝を眺めながら足を浸けるという贅沢な体験が可能です。さらに参道には甘酒などを提供する茶屋があり、散策の途中で一服できます。
旅チャリでのポタリングコースにもこの不動滝は含まれており、万葉公園とセットで訪れるのが王道の観光ルートとなっています。ほたるの宴の開催期間中は、昼間に万葉公園と不動滝を訪れて自然のエネルギーをチャージし、夕方以降にほたるテラスで幻想的なホタルの光に包まれるという流れが、心身ともに充実した一日を演出してくれます。
湯河原温泉の泉質と特徴 ── 美肌の湯として親しまれる療養泉
湯河原温泉の泉質は、保温性に優れた療養泉で、古くから「美肌の湯」として親しまれてきました。湯河原温泉には109本もの源泉があり、すべて泉質名の付く「療養泉」に分類されています。主な泉質は塩化物泉・単純温泉・硫酸塩泉の3種類で、最も多い「含石膏-弱食塩泉(ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉)」が全源泉の半数近くを占めています。
この泉質の特徴は、食塩成分(ナトリウム・塩化物)と石膏成分(カルシウム・硫酸塩)を兼ね備えた複合的な温泉であることです。塩分の量がほどほどで刺激が少なく、湯上がりに肌がしっとりとした感触になるといわれており、敏感な肌の方でも入浴しやすいと評判です。
含石膏-弱食塩泉は、湯ざわりがやわらかで、湯上がりの肌になめらかさを感じる方が多い泉質といわれています。長く湯治場として親しまれてきた湯河原で「美肌の湯」と呼ばれてきたのは、こうした湯ざわりの良さに由来します。なお、湯上がりの感じ方には個人差があり、ここでの記述は一般的に語られている評判をもとにしたものです。
療養泉の一般的な適応症としては、神経痛・筋肉痛・関節痛・疲労回復・冷え性・慢性消化器病などが挙げられています。ポタリングで体を動かした後に源泉かけ流しの温泉にゆっくり浸かれば、心身ともにくつろぐひとときが過ごせます。湯河原で過ごす一日は、運動・温泉・自然観賞という三つの要素が組み合わさり、現代的なリトリート体験そのものになります。
湯河原のグルメ ── ポタリングの合間に味わう地の味
湯河原のグルメは、海の幸とご当地グルメ、そして伝統菓子が三本柱です。相模湾に面した立地を生かした新鮮な海産物に加え、町ぐるみで育てたB級グルメと昔ながらの和菓子が旅人を出迎えます。
湯河原は相模湾に面しているため、新鮮な海の幸が豊富です。地元で水揚げされた金目鯛・マグロ・タコなどを使った海鮮丼や寿司は観光客に根強い人気を誇ります。特に地元の魚屋が手がける食事処では、目利きが厳選した素材を使った鮮度抜群の一品を味わえます。
近年注目を集めているご当地グルメが「坦々やきそば」です。町内の17店舗で提供されているこのB級グルメには、湯河原柑橘系と温泉玉子系の2種類があり、それぞれの店が独自のアレンジを加えています。食べ歩きをしながら各店の味を比べるのも、湯河原ならではの楽しみ方です。
甘いものが好きな方には「きび餅」が外せません。もち米ときび粉を練り上げたコシのある食感と、香ばしいきなこの風味が絶妙な伝統菓子で、湯河原を訪れた際の定番土産となっています。また「みかん最中」は神奈川県指定銘菓にも選ばれた湯河原の看板商品で、温州みかんの産地としても知られる湯河原らしい一品です。
湯河原惣湯 Books and Retreatのカフェでは、季節の地元食材を使った料理が提供されており、温泉に浸かった後に旬の味を堪能するという流れが人気です。ポタリング中の休憩スポットとして立ち寄るのも理にかなった選択で、午前から走り回った体に栄養と水分を補給しながら読書を楽しめます。
周辺観光スポット ── 湯河原からひと足延ばす
湯河原を拠点に、近隣の見どころも組み合わせれば旅の充実度がさらに増します。
「しとどの窟」は湯河原町の北西に連なる城山にある洞窟で、源頼朝ゆかりの史跡です。1180年の石橋山合戦で平家に敗れた頼朝が身を隠したと伝わる場所で、夏でも涼しく昼でも薄暗い秘境感は訪れる者を歴史の世界へと引き込みます。真鶴町側にも同名の洞窟があり、頼朝はここから安房国へと船出したとされています。
「白雲の滝」は湯河原温泉を流れる藤木川の上流にある落差約30メートルの滝で、絹糸を垂らしたような繊細な流れが特徴です。湯河原に数多くある滝の中で最も美しいと評されており、不動滝と合わせて訪れれば湯河原の渓谷美を存分に味わえます。
「幕山」は湯河原の背後にそびえるハイキングコースとして人気の山で、頂上に立つと伊豆大島・新島・真鶴半島・三浦半島・房総半島などが一望できる絶景が広がります。梅の季節には山麓の幕山公園に数千本の梅が咲き乱れ、一面が白とピンクに染まる光景は圧巻です。
「城願寺と城山」は源頼朝に重用された武将・土肥実平の菩提寺で、境内には樹齢900年以上とも伝えられる大銀杏があります。秋の黄葉は壮観で、寺の背後にある城山の頂上にはかつて土肥城址があり、真鶴半島や相模湾を一望できます。
「真鶴半島と三ツ石」は湯河原の隣町・真鶴町に位置する自然の宝庫です。半島の先端にある三ツ石は三つの巨岩が並ぶ独特の地形で、「かながわ景勝50選」にも選定されています。磯遊びや釣りのスポットとしても人気で、湯河原からのポタリングコースに組み込めば、温泉街・自然・海をワンセットで楽しめる充実の一日になります。
四季を通じた湯河原の魅力 ── 初夏のほたるの宴だけではない
湯河原は、初夏のほたるの宴だけでなく一年を通してさまざまな表情を見せる温泉地です。
春(3〜4月)は幕山公園の梅が見ごろを迎え、一帯が梅の香りに包まれます。「湯河原梅林梅の宴」として多くの観光客を集めており、梅の開花情報に合わせて訪れる人が後を絶ちません。
夏(7〜8月)は相模湾の海水浴シーズンです。湯河原海水浴場や真鶴の岩海岸は水質が高く、ファミリー層にも人気があります。夏の夜には花火大会も開催され、夜空を彩る大輪の花が温泉街の夏を演出します。
秋(10〜11月)は温泉街を彩る紅葉の季節です。千歳川沿いの木々が赤・黄・橙に染まり、温泉宿の露天風呂から眺める紅葉は格別の趣があります。
冬(12〜2月)は温泉の本番です。冬の寒さの中で入る源泉かけ流しの温泉は格別の温もりをもたらし、湯河原は神奈川県内でも比較的温暖な気候であるため、冬でも過ごしやすいのが嬉しいポイントです。
このように、湯河原はどの季節に訪れても固有の楽しみがあるオールシーズン型の温泉地です。ほたるの宴をきっかけに湯河原を訪れた方が、別の季節にもリピーターとして戻ってくる── そんな魅力に満ちた町なのです。
湯河原温泉とほたるの宴を結ぶ歴史 ── 古から続く湯の郷
湯河原温泉は、万葉集にも詠まれるほど古い歴史を持つ温泉地です。江戸時代には万病を癒す湯として称えられ、江戸幕府にも献上された由緒正しい湯として知られていました。江戸後期の温泉番付では「東の小結」にも選ばれており、その泉質の高さは古くから折り紙付きでした。
明治29年(1896年)に鉄道が開通すると、東京方面からのアクセスが格段に改善し、観光客が一気に増加しました。それまで一部の湯治客のものであった湯河原温泉が、広く一般の旅人に開かれた瞬間でもあります。
文人墨客に愛された歴史は今もなお温泉街の随所に息づいており、文学の小径や万葉公園の歌碑がそれを物語っています。万葉集の歌に温泉が詠まれた古代から、文豪たちが滞在した近代、そしてホタルを地域で育てる現代へと、湯河原は時代を超えて自然と文化を大切にしてきた町です。ほたるの宴は、その長い歴史の中で湯河原が培ってきた自然との共生の精神が、現代的なイベントとして結実したものといえます。
ほたるの宴を最大限楽しむ宿泊のすすめ
ほたるの宴は日帰りでも楽しめますが、最大限に堪能したいなら宿泊がおすすめです。夕方に温泉でゆっくり旅の疲れを落とし、夕食後に万葉公園へ向かい、ホタル観賞後に再び温泉で温まってから就寝する── この流れは日帰りでは真似できない贅沢な一日となります。
湯河原には源泉かけ流しの温泉旅館が多数あり、宿によっては館内着のままで近くを散策しながらホタル観賞に行ける立地にあります。宿泊者向けにホタル観賞の案内サービスを実施している宿もあるため、宿泊先選びの際に確認してみるとよいでしょう。
期間中の週末、特に金・土・日は混雑が予想されるため、宿泊を計画する場合は早めの予約が肝心です。基準日である2026年5月16日の時点で、開催開始まで2週間を切っており、人気の宿はすでに予約が埋まり始めている可能性があります。週末の宿泊を希望する場合は、できるだけ早めに動くのが安心です。
ほたるの宴へのアクセスと観賞のコツ
ほたるの宴のアクセスは、公共交通機関の利用が最もスムーズです。JR東海道本線の湯河原駅からバスに乗り約10分、「落合橋」バス停で下車すればすぐに会場です。湯河原駅は東京(品川)から特急で約75分、横浜から約60分、小田原からは約10分の位置にあり、首都圏からの日帰り利用も十分可能です。
車でのアクセスは、東名高速道路の厚木ICから小田原厚木道路経由で国道135号を約60分です。ただし、ほたるの宴の期間中は駐車場が混雑することが予想され、万葉公園第2駐車場は12台しか収容できないため、公共交通機関の利用が強く推奨されています。
ホタル観賞のコツとして押さえておきたいポイントをまとめます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 到着時間 | 開始直後はホタルの活動が活発で人出も分散しているため早めに |
| 服装 | 目立たない暗い色を選び、夜の雰囲気を壊さない |
| 天候 | 曇りで蒸し暑い夜が好条件、雨や強風の日は出現が少なめ |
| 照明 | 懐中電灯は極力使用せず、必要なら赤いセロファンで光を弱める |
| 食事 | 金・土・日はキッチンカーで地元の味を楽しむ |
ホタル観賞時にはフラッシュ撮影が固く禁止されています。強い光はホタルの生態に悪影響を与えるだけでなく、周囲の来場者にも迷惑となるため、スマートフォンで撮影する場合はフラッシュをオフにし、画面の明るさも最低限に調整してください。ホタルを捕まえることも禁止されています。自然の命を尊重しながら、静かに光を楽しむのがほたるの宴の作法です。
湯河原のほたるの宴・ポタリングに関するよくある疑問
湯河原のほたるの宴やポタリングについて、訪問前によく寄せられる疑問にお答えします。
「ほたるの宴の入場料はかかるのか」という質問については、入場料は無料で、誰でも自由に観賞できます。会場となる万葉公園自体も入園無料の公園です。
「雨の日でもホタルは見られるのか」という疑問については、雨の日や強風の日は活動が少なくなる傾向があります。曇りで蒸し暑い夜が観賞のベストコンディションといわれており、訪問前に天候と公式観光サイトの発生情報を確認するのが確実です。
「ポタリングの旅チャリは予約が必要か」については、繁忙期や週末は予約をしておくと安心です。基準日(2026年5月16日)から開催まで2週間ほどしかないため、ほたるの宴の期間中の利用を予定するなら早めに観光協会へ確認することをおすすめします。
「子ども連れでも楽しめるか」という点については、ほたるの宴は入場無料で家族連れにも好評です。万葉公園は遊歩道が整備されており、ベビーカーでの散策もある程度可能ですが、夜の観賞時間は足元が薄暗くなるため、小さな子どもの手はしっかりと握っておきましょう。
「湯河原と熱海はどう違うのか」については、湯河原は大型リゾートホテルよりも日本旅館が主体で、温泉街の情緒を静かに味わう大人の旅先という性格が強い温泉地です。熱海とはひと味違う、落ち着いた雰囲気を求める旅人に選ばれ続けています。
まとめ ── 湯河原のほたるの宴とポタリングで体感する初夏の旅
湯河原のほたるの宴は、万葉公園を舞台にした初夏の幻想的なホタル観賞イベントです。2026年は5月29日(金)から6月7日(日)まで開催される予定で、地元で大切に育てられたゲンジボタルが淡い光を放ちます。電動アシスト付き自転車「旅チャリ」を活用したポタリングを組み合わせれば、起伏に富んだ湯河原の地形も軽やかに巡れ、温泉街・万葉公園・不動滝・千歳川沿いの遊歩道といった見どころを効率よく回ることができます。
湯河原温泉は109本もの源泉を擁する療養泉の宝庫で、保温性と美肌の両面に優れた含石膏-弱食塩泉が町を支えています。ポタリングで適度に体を動かし、源泉かけ流しの湯で体を温め、夜は万葉公園のほたるテラスでホタルの舞に身を委ねる── この一連の流れこそが、湯河原ならではの初夏の楽しみ方です。
東京や横浜から特急で約1時間半という近さでありながら、本物の温泉街の情緒、豊かな自然、深い歴史と文化、そしてホタルの幻想的な光── 重層的な魅力を一度に体感できる温泉地は、日本でもそう多くはありません。2026年の初夏、湯河原のほたるの宴と万葉公園、温泉街のポタリングを軸にした旅を計画してみてはいかがでしょうか。きっと、日常を忘れさせてくれる忘れがたい時間が待っています。









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