倉吉の白壁土蔵群を玉川沿いにポタリングで巡る旅は、山陰を代表する歴史的町並みと水辺の景観を、自転車のスピードで余すところなく味わえる旅のスタイルです。鳥取県のほぼ中央に位置する倉吉市は、玉川沿いに白壁と赤瓦の土蔵群が連なり、「山陰の小京都」とも呼ばれてきました。この町をのんびりと自転車で走るポタリングは、徒歩よりも広い範囲を回れ、車では見過ごしてしまう石橋の細部や路地裏の表情までも楽しめる、もっとも倉吉らしい旅のかたちです。本記事では、倉吉ポタリングの基本情報からおすすめコース、レンタサイクルの料金、季節ごとの楽しみ方、周辺温泉との組み合わせまで、玉川沿いの旅を計画するうえで知っておきたい情報を、現地で迷わないかたちで丁寧に整理してお伝えします。

倉吉の白壁土蔵群とはどんな場所か
倉吉の白壁土蔵群とは、鳥取県倉吉市の中心部、打吹山(うつぶきやま)のふもとに広がる伝統的な町並み保存地区のことです。地区名は正式には「倉吉市打吹玉川」といい、室町時代に打吹城の城下町として形成され、江戸時代には鳥取藩の陣屋町として栄えた歴史を持ちます。
国の重要伝統的建造物群保存地区(いわゆる伝建地区)に最初に選定されたのは1998年(平成10年)12月25日のことで、当初の指定面積は約4.7ヘクタールでした。その後、2010年(平成22年)には西仲町・西町などの区域が追加選定され、現在は総面積約9.2ヘクタールにまで広がっています。保存地区の中には白壁の土蔵群が約40棟、本町通りに面した町家が約90棟と、多くの伝統的建造物が現存しています。
この地区の特色は、豊かな意匠を持つ商家町家が並ぶ本町通りと、土蔵群と石橋が連続する玉川沿いの景観が一体となっている点にあります。赤褐色の石州瓦の屋根、軒まわりの海老状に曲がった腕木や持送り板、腰格子や繊細な出格子など、地域の職人技術が随所に息づいています。
玉川沿いの景観こそポタリング最大の見どころ
倉吉ポタリングの最大の見どころは、玉川(たまがわ)沿いに連なる白壁土蔵群と石橋の景観です。玉川はかつて打吹城の外堀として掘られたといわれる水路で、現在はせせらぎの音を立てながら土蔵群の足元を静かに流れています。
玉川沿いでとくに印象的なのが、随所に架けられた石橋の存在です。緩やかな反りを持つ一枚石の石橋が玉川の各所に残っており、そのたたずまいが町全体の風情に深みを与えています。自転車を降りて橋の上に立ち、流れる水面と白壁の土蔵を眺めるひとときは、ポタリングならではの贅沢な時間といえるでしょう。
玉川は歴史的に見ても重要な境界線でした。玉川を境に北側には仏具屋・畳屋・樋屋(とゆや)といった職人町が形成され、南側には商家が集まっていたのです。川ひとつを挟んで商人と職人の暮らしが共存していた往時の町割りを、自転車でゆっくり川沿いを走りながら感じ取れるのも、ポタリングならではの旅のおもしろさです。
白壁と赤瓦に込められた山陰の知恵
倉吉の建築を象徴する白壁と赤瓦には、それぞれに合理的な理由があります。
漆喰と焼杉板が組み合わさる壁の意匠
白い漆喰壁は、壁の上半分を覆うかたちで施されています。漆喰は防水・耐火性に優れ、商品や財産を蓄える蔵を守るために最適な素材でした。一方、壁の下半分には黒い焼杉板の腰壁が用いられています。焼杉は表面を炭化させることで耐腐朽性・耐火性を高めており、雨水の跳ね返りや湿気にも強い素材です。白と黒のコントラストは、機能性と美観を兼ね備えた日本建築の知恵の結晶ともいえます。
山陰の風土が育てた石州瓦
赤い瓦は「石州瓦(せきしゅうがわら)」と呼ばれ、島根県石見地方を産地としています。焼成温度が1200度以上と非常に高く、これによって硬質で密度の高い瓦に仕上がります。山陰地方の冬は積雪や凍結が起きるため、凍害(瓦が凍結と解凍を繰り返すことでひび割れる現象)への耐性が求められました。石州瓦はこの点に優れており、山陰地方一帯の屋根を赤く染める独自の景観を生み出してきました。赤瓦と白壁の組み合わせは、まさに山陰の風土に育まれた美のかたちです。
ポタリングとは何か、倉吉が適している理由
ポタリング(pottering)とは、目的地に急いで向かうのではなく、のんびりと自転車をこぎながら町や自然の中を散策する旅のスタイルです。英語の「pottering(うろうろする、ぶらぶらする)」を語源とし、スポーツサイクリングとは異なり、ゆったりしたペースで景色や出会いを楽しむことを最大の目的としています。
倉吉はこのポタリングに非常に適した町です。中心部の起伏は比較的緩やかで、白壁土蔵群を中心とした主要な観光スポットがコンパクトな範囲にまとまっています。道幅が広すぎず狭すぎない旧市街の路地は、自転車で走るとちょうどよいスケール感があり、車道と路地を自由に使い分けながら動き回ることができます。
倉吉の旅でポタリングを選ぶ最大の理由は、玉川沿いの景色をじっくりと味わえることです。バスや車では一瞬で通り過ぎてしまう石橋の細部、土蔵と水面が作り出す反射の美しさ、路地裏の小さな祠や昔ながらの商店など、自転車のスピードだからこそ発見できる宝が倉吉にはたくさんあります。
レンタサイクルの料金と借り方
倉吉でのポタリングには、JR倉吉駅内の観光案内所でレンタサイクルを借りるのが便利です。観光案内所の営業時間は9時から16時で、13時から14時の間は窓口が閉まる時間帯となります。
電動アシスト自転車の料金は1日2,000円(4時間で1,000円)、一般的な自転車は1日1,000円(4時間で500円)が目安です。倉吉駅から白壁土蔵群のある中心部まではおよそ4キロの距離で、自転車であれば約15〜20分で到着できます。バスでも約12分とそれほど大きな差はありませんが、途中の景色を楽しんだり、自由に寄り道をしたりできる自転車のほうが旅の充実度は格段に高まります。
白壁土蔵群観光案内所でもレンタサイクルの貸し出しを行っています。周辺地図や観光ガイドも入手できますので、出発前に立ち寄って情報収集をしておくと安心です。
おすすめポタリングコースは玉川から打吹公園へ
倉吉のポタリングコースとして基本となるのが、玉川沿いを中心に白壁土蔵群、赤瓦の館、打吹公園を組み合わせたルートです。
まず倉吉駅を出発し、自転車で東へ向かいます。市街地を抜けるとやがて白壁土蔵群のエリアに入り、玉川のせせらぎが聞こえてきます。玉川沿いの道をゆっくりと走りながら、石橋のひとつひとつを渡り、土蔵群のさまざまな表情を楽しみましょう。本町通りでは古い商家の建物が続き、路面の石畳と相まって情緒豊かな雰囲気を味わえます。
赤瓦の館では自転車を停めて、カフェや工房に立ち寄るのがポタリングらしい過ごし方です。おなかが空いたら地元食材の料理を、疲れたらコーヒーを一杯。時間をかけてゆっくりと倉吉の文化を体感できます。
土蔵群を満喫したあとは、すぐ近くにある打吹公園(うつぶきこうえん)へ向かいましょう。打吹公園は日本さくら名所100選にも選ばれた桜の名所で、春には満開の桜が公園を淡いピンクに染めます。打吹山を背景に、桜の木々の下を自転車で走る体験は、春の倉吉旅のハイライトとなります。
赤瓦の館は土蔵を活かした複合施設群
かつて造り酒屋や醤油屋として使われていた蔵や商家建築は、現在「赤瓦」と名付けられた複合施設群として活用されています。それぞれ「赤瓦○号館」として指定されており、陶芸体験工房・彫刻館・竹工芸教室・ギャラリーのほか、地元食材を使った日本料理・洋食レストラン・喫茶店・蕎麦屋など、多彩な施設が土蔵の中に入居しています。
ポタリングの途中に立ち寄って倉吉の地場産品を味わったり、手仕事の体験をしたりするのもおすすめの楽しみ方です。外観は昔のまま、中身は現代のニーズに合わせてリノベーションされており、歴史的建築の保存と活用がうまく両立しています。観光案内所も近くにあり、まち歩きマップや観光ガイドサービスも利用できます。
旧国鉄倉吉線廃線跡を桜のトンネルで走る
白壁土蔵群からさらに足を伸ばすと、旧国鉄倉吉線の廃線跡を活用したサイクリングルートがあります。昭和60年(1985年)に廃線となった旧国鉄倉吉線の跡地は、現在では約3.9キロにわたる桜並木のサイクリングロードとして整備されました。
春になると、廃線跡の両側に植えられた桜の木が枝を伸ばし合い、見事な「桜のトンネル」を形成します。その下を自転車でゆっくりと走る体験は、言葉では言い表せない美しさです。廃線跡という場所の持つ独特のノスタルジー、枕木や架線柱が残る鉄道の面影、そして頭上を覆う満開の桜という三つの要素が重なる光景は、倉吉ならではの唯一無二の景色です。
例年の見頃は3月下旬から4月上旬にかけてです。この時期の倉吉は観光客も多く、地元の「倉吉春まつり」も開催されており、旅のにぎわいがひときわ増します。
倉吉東郷自転車道で旅の範囲を広げる
さらに自転車旅の範囲を広げるなら、「倉吉東郷自転車道」もおすすめです。白壁土蔵群のある倉吉市内を起点に、東郷湖(湯梨浜町)周辺へと続くこのルートは、走りやすさと風景の変化が楽しめるコースとして鳥取県内で高い人気を誇ります。
途中、はわい温泉や東郷温泉といった温泉地を経由し、中国庭園の燕趙園(えんちょうえん)にも立ち寄れます。温泉でひと休みしながら自転車を楽しむ「温泉ポタリング」は、山陰の旅ならではの贅沢な過ごし方です。
ポタリングのおすすめシーズンと気候
倉吉でのポタリングに最もおすすめなのは、春(3月下旬〜5月)と秋(10月〜11月)の二つの季節です。
春は打吹公園や旧国鉄廃線跡の桜が咲き誇り、視覚的な美しさが際立つ季節です。桜のピーク期は混雑することもありますが、自転車なら渋滞に関係なく自由に動き回れるのが大きな利点です。
夏は鳥取県内全体が晴天になりやすく日照時間が長い反面、気温が上昇するため早朝や夕方の時間帯を選ぶと快適に走れます。
秋は観光客が比較的少なく、空気が澄んでいるため、打吹山の緑や玉川の水面が美しく映える季節です。柿の実が色づく頃の倉吉の町並みもまた格別の風情があります。
冬は山陰特有の曇り空が続き、積雪もあるため、ポタリングには不向きな季節となります。ただし、雪が積もった白壁土蔵群の景色は非常に幻想的で、写真好きにはたまらない被写体です。
倉吉ポタリングと三朝温泉・関金温泉の組み合わせ
倉吉のポタリングは、近隣の温泉地と組み合わせることでさらに旅の幅が広がります。
世界有数のラジウム泉として知られる三朝温泉
倉吉からさらに南へ30分ほど走ると、世界有数のラジウム泉として知られる三朝温泉(みささおんせん)に到着します。倉吉でのポタリングと三朝温泉での入浴を組み合わせる「走って浸かる」スタイルの旅は、旅好きのサイクリストの間でも人気があります。ただし、白壁土蔵群から三朝温泉まではアップダウンがあるため、電動アシスト自転車を活用するのが賢明です。
三朝温泉の源泉は無色透明・無味無臭の美しい泉質で、温泉街の路地には足湯もあり、自転車を停めて気軽に足を浸けることができます。
開湯1,300年の歴史を持つ関金温泉
もうひとつ、倉吉周辺でポタリングとの組み合わせが楽しめる温泉地が関金温泉(せきがねおんせん)です。倉吉市の南部、倉吉駅から南へ約7キロほどに位置し、開湯から約1,300年の歴史を持つ古湯として知られています。源泉は無色透明・無味無臭の清らかな泉質で、その澄んだ美しさから「白金(しろがね)の湯」とも呼ばれています。
倉吉の白壁土蔵群から関金温泉へは、電動アシスト自転車を使えば南へ上る山道も比較的楽にこなせます。温泉地には日帰り入浴施設や足湯も整っており、ポタリングの仕上げにひと風呂浴びるプランが人気です。倉吉市街から自転車で走り、緑が深くなってきたところに関金温泉の静かな湯の町があらわれる──この緩やかな変化のグラデーションも、倉吉ポタリングの大きな魅力です。
倉吉へのアクセス方法
遠方から倉吉を訪れる場合、鉄道では山陰本線のJR倉吉駅が玄関口となります。鳥取市方面からは特急スーパーはくとで約40分、米子市方面からは特急で約50分、大阪・神戸方面からも特急で直接アクセスできます。
倉吉駅から白壁土蔵群へは路線バスが便利で、駅バス乗り場の2番乗り場から「市内線西倉吉方面行」に乗り、約12分で「赤瓦・白壁土蔵」バス停に到着します。徒歩5分ほどで土蔵群のエリアに入れます。バスは多くの時間帯で約10分間隔で発車しており、待ち時間が短い点も便利です。
鳥取中部を周遊するなら、倉吉白壁土蔵群・三朝温泉・東郷温泉などを巡れる路線バスの2日間乗り放題パス(1,300円)も発売されており、自転車と組み合わせた賢い移動も可能です。
車でのアクセスは、鳥取自動車道の倉吉インターチェンジが最寄りで、鳥取市内から約50分、米子市内から約40分の距離です。高速道路を使えば大阪・神戸方面からも日帰り旅行の圏内に入ります。
倉吉を支えた倉吉絣と稲扱千刃
白壁土蔵群を生んだ倉吉の経済的繁栄の背景には、二つの特産品の存在がありました。倉吉絣(くらよしかすり)と稲扱千刃(いなこきせんば)です。
倉吉絣は、鳥取藩の商業都市として栄えた倉吉で独自に発展した木綿の絣織物で、藍色を基調とした細やかな絣模様が特徴です。江戸中期から明治時代にかけて全国に流通し、絣の生産と販売によって多くの商家が富を蓄え、その財力が現在残る立派な土蔵や町家の建設につながりました。
稲扱千刃は、稲穂から籾(もみ)を取り除くために使用する農具のことです。機械化される以前は全国の農家にとって必需品で、倉吉の職人が作った稲扱千刃は品質の高さで知られ、各地に売りさばかれていました。職人と商人が玉川を挟んで共存していた倉吉の町割りは、この産業構造を反映したものといえます。
倉吉の商人たちは稲扱千刃や絣を販売するために全国へ行商に出向き、そこで得た商業ネットワークと資金力が城下町・陣屋町としての倉吉の繁栄を下支えしました。白壁土蔵群が「商家町」の伝建地区として選定されているのは、こうした産業と商業の歴史が背景にあるからです。
打吹山と打吹公園の歴史
白壁土蔵群のすぐ背後に控える打吹山(標高204メートル)は、倉吉の歴史を語るうえで欠かせない存在です。室町時代、伯耆国(現在の鳥取県中部・西部)の守護であった山名氏が打吹山に城を築き、これが打吹城のはじまりとなりました。
打吹城はその後、戦国時代を経て南条氏・尼子氏・毛利氏と主を変えながらも、伯耆国の政治の中心であり続けました。しかし江戸時代に入り、1615年(元和元年)の「一国一城令」によって打吹城は廃城となり、以後は麓の陣屋を中心とした町割りへと移行しています。これが現在の「陣屋町」としての倉吉の原型です。
廃城となった打吹山は、明治時代に入ると公園として整備が進められました。1904年(明治37年)には皇太子(後の大正天皇)の行啓に合わせて打吹山麓が本格的に整備され、現在の打吹公園の基礎が作られています。
現在の打吹公園は面積48.9ヘクタールに及ぶ広大な都市公園で、園内には博物館・茶屋・池・展望台が点在し、4,000本の桜と4万本のツツジが植栽されています。日本さくら名所100選・日本の都市公園100選・森林浴の森100選の三冠に輝く、山陰を代表する公園です。桜の見頃は例年3月中下旬から4月上旬で、この時期に訪れるポタリング旅は打吹公園を外せません。
倉吉ポタリングで立ち寄りたいカフェとグルメ
ポタリングのお楽しみのひとつが、立ち寄るカフェや食事処です。倉吉の白壁土蔵群エリアには、古い蔵を活かした個性豊かな飲食店が点在しています。
白壁土蔵群のベストフォトスポットに位置する「赤瓦五号館 久楽(くらく)」は、石臼でコーヒー豆を挽く珍しい体験ができる喫茶です。石臼で挽いた豆で淹れたコーヒーは香りが格別で、砂糖の代わりに小豆を添えるという倉吉ならではのスタイルも楽しめます。
「赤瓦一号館」では鳥取県が誇るジャージー牛のミルクを使ったアイスクリームや、鳥取の特産品である梨を使ったソフトクリームが人気を集めています。鳥取は梨の生産量が全国でも上位に入る梨の産地で、二十世紀梨をはじめとした多品種の梨が栽培されています。梨ソフトクリームはさわやかな甘さが特徴で、ポタリングの途中の休憩にぴったりです。
白壁マルシェ内の「Harukiya Cafe(はるきやカフェ)新町店」は、カラフルなクリームソーダやモンブランもなかといったスイーツが人気のおしゃれなカフェです。白壁土蔵群の古い街並みの中に溶け込む雰囲気があり、SNSでも話題を呼んでいます。
こうした食の楽しみは、車の旅では気軽に立ち寄りにくいものです。自転車を停めてふらりと入れる気軽さが、ポタリングの醍醐味のひとつといえます。
円形劇場くらよしフィギュアミュージアムも立ち寄りたい
白壁土蔵群の周辺にはもうひとつ、ユニークな観光施設があります。「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」です。
この施設は、日本最古の円形校舎として知られる建物を活用したミュージアムで、2018年4月にオープンしました。日本最古の円形校舎が日本最新のフィギュアミュージアムに生まれ変わったという逆説的なコンセプトが、多くの話題を呼びました。
館内2階の展示フロアには、人気アニメのキャラクター・動物・ミリタリー・特撮ヒーローなど、驚くほど精巧に作られた約2,000点のフィギュアがコーナー別に並んでいます。3階のコミュニケーションフロアでは、展示フィギュアを実際に手に取って楽しんだり、宇宙・太古の森・高層ビル群などのジオラマを背景にフィギュアを撮影する「特撮スタジオ」を体験したりできます。
白壁土蔵群からこのミュージアムまではおよそ800メートルと、徒歩や自転車でも無理なく移動できる距離です。「倉吉白壁土蔵群〜円形劇場くらよしフィギュアミュージアム お散歩チケット」という両スポットを組み合わせたお得なセット券も販売されており、ポタリングの立ち寄りスポットとして取り入れやすい施設です。
倉吉ポタリングの一日モデルプラン
倉吉のポタリングを丸一日かけて楽しむための参考プランを、時間帯別にまとめてみます。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 午前9時 | JR倉吉駅に到着。駅内の観光案内所でレンタサイクルを借り、観光マップを入手 |
| 午前9時30分 | 倉吉駅を出発し、自転車で東へ。市街地の通りを走り抜け、旧市街へ |
| 午前10時〜正午 | 玉川沿いをのんびりポタリング。石橋で写真撮影、赤瓦各号館で立ち寄り |
| 正午〜午後1時 | 赤瓦近くの食事処でランチ。蕎麦・日本料理・洋食など選択肢が豊富 |
| 午後1時〜2時30分 | 打吹公園へ自転車で移動(土蔵群から約5分)。公園内を散策 |
| 午後2時30分〜4時 | 旧国鉄倉吉線廃線跡のサイクリングロードを往復約8キロ |
| 午後4時 | 倉吉駅に戻り、レンタサイクルを返却 |
このプランは無理なく回れるコンパクトな内容ですが、電動アシスト自転車があれば三朝温泉や東郷湖方面まで足を伸ばすことも可能です。自分のペースで寄り道を楽しみながら倉吉ポタリングを満喫してみてください。
倉吉ポタリングの持ち物と注意点
倉吉でのポタリングを快適に楽しむために、いくつか準備しておくと良いものがあります。
まず、日焼け止めと飲み物は必携です。山陰でも夏は日差しが強く、長時間自転車に乗ると想像以上に体力を消耗します。玉川沿いなどの日陰を活用しながら、こまめに水分補給を心がけてください。
スマートフォンに観光マップをダウンロードしておくか、倉吉観光情報のウェブサイトから「白壁土蔵群まち歩きマップ」のPDFを印刷して持参すると便利です。現地の観光案内所でも無料で配布されています。
自転車の鍵についても確認しておきましょう。レンタサイクルには鍵が付属していますが、立ち寄りが多いポタリングでは自転車を停める機会が増えます。施錠の習慣をつけておくと安心です。
雨天の場合は石橋の石畳が滑りやすくなることがあるため、濡れた石橋の上での走行には注意が必要です。山陰は曇りや雨の日が比較的多い地域なので、雨具をひとつ携帯しておくと安心して旅を続けられます。
倉吉ポタリングをより深く楽しむために
倉吉の白壁土蔵群や玉川沿いのポタリングをより深く楽しむためには、事前に少し予習しておくと旅の質が格段に上がります。
倉吉観光情報の公式ウェブサイトには、まち歩きマップのPDFや各観光スポットの最新情報が掲載されています。出発前に確認しておくと、見落としを防げます。
観光ガイドサービスも活用する価値があります。白壁土蔵群には地元ボランティアガイドが常駐しており、事前申し込みで案内してもらえます。建物の細かい意匠や歴史的なエピソード、地元の人しか知らない路地の見どころなど、独自の視点で紹介してもらえるのがガイドツアーの醍醐味です。自転車に乗りながらガイドの話を聞くという、移動式のまち歩きは倉吉ならではの特別な体験となります。
2026年以降も「グランフォンド倉吉」などの自転車イベントが開催されており、イベント参加をきっかけに倉吉ポタリングに目覚めるサイクリストも少なくありません。
まとめ ── 玉川沿いをゆっくり走る山陰の旅へ
倉吉の白壁土蔵群と玉川の景色は、急いで見る観光地ではありません。ゆっくりと時間をかけて、石橋のひとつひとつを渡り、壁の漆喰の質感を手で確かめ、せせらぎの音に耳を澄ませながら過ごす──そうした体験の積み重ねこそが、この町の魅力の本質です。
ポタリングはそのための最良の手段といえます。歩くより少し速く、車より格段に自由。玉川沿いの石橋を自転車で渡り、赤瓦の蔵の前で立ち止まり、打吹公園の桜並木をのんびりこいでいく──倉吉の「山陰の小京都」を全身で体感できるポタリングの旅を、ぜひ一度試してみてください。
春の桜、秋の澄んだ空気、冬の雪景色、それぞれに違う表情を持つ倉吉。何度訪れても新しい発見があるこの町は、ポタリングをこよなく愛する旅人を、きっと何度も呼び寄せてくれるはずです。









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