奥多摩湖ポタリングで涼む夏、避暑にちょうど良い国立公園コース

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奥多摩湖は、東京都心から車で1時間30分ほどの距離にありながら、夏場の気温が都心より3℃から5℃ほど低い避暑地です。湖畔には全長約25キロメートルの周遊道路が整備されており、自転車でのんびり走るポタリングの舞台として親しまれています。しかもこの一帯は秩父多摩甲斐国立公園の一部にあたり、山と渓谷が織りなす本格的な自然景観を、特別な登山装備なしで楽しめるのが強みです。

連日の猛暑が続く東京で、日帰りで行ける涼しい場所を探している人は少なくないでしょう。奥多摩湖なら水辺の冷気と高原の涼風を同時に味わえるうえ、湖を一周するあいだに歴史あるダムや浮き橋といった見どころにも出会えます。この記事では、奥多摩湖でのポタリングを軸に、避暑地としての魅力や見どころ、アクセス方法、注意点までを整理しました。

目次

奥多摩湖は標高530メートルの水がめ、都心より最大5℃涼しい

奥多摩湖は、正式名称を小河内貯水池といい、多摩川の中流域をせき止めた小河内ダムによって生まれた人造湖です。所在地は東京都西多摩郡奥多摩町で、標高530メートルの高地に広がっています。集水域の面積は26,288ヘクタールにおよび、東京23区の約4割に相当する規模です。日本最大級の水道専用貯水池として、今も都民の生活用水を支え続けています。

標高が高く、水源地帯特有のひんやりとした空気が漂うため、都心の猛暑から逃れて一息つくにはうってつけの場所です。SNS上では、奥多摩駅周辺の気温が都心より約3℃低いという報告が見られ、山の上や稜線に近づくほど気温差はさらに広がる傾向にあります。エアコンの効いた室内で過ごす避暑とは違い、自然の涼風を全身で感じられるところが、奥多摩湖の避暑スポットとしての強みだと言えるでしょう。

秩父多摩甲斐国立公園は126,259ヘクタール、奥多摩湖はその東京側の玄関口

秩父多摩甲斐国立公園は、環境省が管轄する国立公園のひとつで、面積126,259ヘクタールという広さを誇ります。北奥千丈岳を最高峰とする奥秩父山塊を中心に、埼玉県、山梨県、長野県、東京都の4都県にまたがっており、多摩川や荒川、笛吹川、千曲川といった関東・中部を代表する河川の源流と分水嶺にあたります。1950年に秩父多摩国立公園として指定され、2000年に現在の秩父多摩甲斐国立公園へと名称が変更されました。

奥多摩湖は、この国立公園における東京都側の玄関口にあたる場所です。国立公園内には雲取山や三頭山といった名だたる山々、多摩川の源流域、深い森林地帯が広がっていますが、奥多摩湖周辺はダム湖ならではの穏やかな水面と、周囲を取り囲む山々の緑が織りなす景観を、気軽に楽しめる点が特徴です。国立公園というと登山やハイキングのイメージが先に立つかもしれませんが、湖畔をぐるりと囲む周遊道路が整備されているため、自転車でのポタリングにも向いています。本格的な登山装備がなくても、自転車一台で国立公園ならではの雄大な自然を味わえるところが、奥多摩湖の大きな魅力です。

周遊道路25キロのポタリングは初心者から中級者まで対応

ポタリングとは、自転車で目的地を決めずにのんびりと散策することを指します。競技的なロードバイクのように速さを競うのではなく、景色を楽しみながらマイペースで走ることに主眼が置かれています。奥多摩湖には、このポタリングに向いた条件がそろっています。

湖を一周する周遊道路は全長約25キロメートルで、平均的なペースなら休憩を挟みながら2時間から3時間ほどで一周できます。コースの大部分は平坦な道で構成されており、急な坂道や難所が少ないため、サイクリング初心者から中級者まで幅広く楽しめます。山間部特有のアップダウンは多少ありますが、本格的なヒルクライムを求める上級者向けのコースとは異なり、景色を眺めながらゆったり走れるところが支持されています。湖畔を走ると視界の先に青緑色の湖面と、それを取り囲む深い緑の山々が広がり、走行中の風は水面を渡ってくるため涼しく、真夏でも比較的快適にペダルを漕げます。都心のアスファルトの照り返しに苦しめられる夏場のサイクリングとは、体感がまったく違います。

レンタサイクルは奥多摩駅から徒歩1分、E-バイクなら坂道も安心

自分の自転車を持っていない人や、電車で訪れたい人には、レンタサイクルの利用がおすすめです。JR青梅線の奥多摩駅から徒歩1分ほどの場所に、レンタサイクルショップのトレックリングがあります。マウンテンバイクやクロスバイクなど約50台の自転車が用意されており、坂道の多い奥多摩エリアでも楽に走れる電動アシスト自転車、いわゆるE-バイクの取り扱いもあります。ヘルメットと鍵の貸し出しも無料で、手ぶらに近い状態で訪れてもサイクリングを楽しめる環境が整っています。

料金の目安は、電動アシスト自転車が4,400円程度からというケースや、ツアー形式で1台あたり3,900円(税込)というプランも見られます。奥多摩駅から奥多摩湖までは片道約22キロメートルの道のりで、湖畔を走る爽快さが魅力のコースとして紹介されています。坂道が不安な人や体力に自信がない人でも、電動アシストを使えば国立公園の自然を満喫しながら快適に走れるでしょう。レンタサイクル、特にE-バイクは事前予約が基本となっている店舗が多いため、訪問前に公式サイトで空き状況を確認しておくと安心です。

麦山の浮橋は全長220メートル、渡ると独特の揺れが名物

奥多摩湖ポタリングの目玉スポットのひとつが、麦山の浮橋です。地元ではドラム缶橋の愛称で親しまれているこの橋は、全長約220メートルにおよぶ浮き橋で、湖面の上に浮かぶようにして対岸へ渡ることができます。

この橋は、小河内ダムの建設によって集落が水没し、向こう岸まで歩いて行けなくなったことから架けられました。名前の由来のとおり、かつては実際にドラム缶を並べて浮力を得ていましたが、現在はポリエチレンや発泡スチロールを用いた浮体に置き換えられています。橋を渡ると独特の揺れを感じられるのが名物で、水面がすぐ近くに感じられる非日常的な体験ができます。ポタリングの途中で自転車を降り、歩いてこの橋を渡ってみるのも良い気分転換になるでしょう。

さらに、麦山の浮橋から山のふるさと村までは、奥多摩湖の南岸を歩く全長2.5キロメートルのハイキングコース、湖畔の小道が整備されています。こちらは4月第2週の金曜日から11月末まで開放されており、自転車を停めて少し歩いてみるのもおすすめです。木々に囲まれた遊歩道を進むと、湖面の煌めきと森の匂いが心身をリフレッシュさせてくれます。

小河内ダムは堤高149メートル、完成まで19年を要した

奥多摩湖そのものを生み出した小河内ダムも、外せない見どころです。堤高149メートルを誇るこのダムは、東京都水道局が管理する水源施設で、下流域に暮らす多くの人々の生活を支えています。ダムの建設は昭和13年(1938年)11月に始まりましたが、戦争による工事の中断を経て、昭和32年(1957年)11月、19年余りの歳月をかけて完成しました。戦中戦後の混乱期をまたいで作り上げられたこのダムは、今も首都圏の水がめとしての役割を果たし続けています。

ダムの上部は歩いて渡ることができ、眼下に広がる渓谷や、放水時には迫力ある水しぶきを間近で見学できます。ダムサイトには展望施設も整備されており、奥多摩湖の全景を一望できるビュースポットとして人気です。ポタリングの途中でダムに立ち寄り、その巨大な構造物を目の当たりにすると、この湖が単なる観光地ではなく、東京の水がめとしての役割を担っていることを実感できるはずです。湖畔を巡りながらこうした歴史的背景に思いを馳せてみると、観光地としての奥多摩湖とはまた違った奥深さを感じられます。

水と緑のふれあい館は入館無料、レストランでは地場食材の郷土料理

小河内ダムのそばには、奥多摩水と緑のふれあい館という東京都水道局のPR施設があります。入館料は無料で、館内は奥多摩の歴史やダムの仕組み、湖に生きる生き物や周辺の自然についてのテーマゾーンに分かれており、家族連れでも楽しく学べる展示になっています。

この施設内には、パノラマレストランのカタクリの花があり、奥多摩湖を眺めながら地場産食材を使った郷土料理を味わえます。営業時間は10時から17時まで(ラストオーダー16時30分)で、定休日は水曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始です。売店の横には軽食スペースも用意されており、ポタリングの休憩がてら立ち寄るのにちょうど良いスポットです。ダムを見学したあとに、湖を眺めながらひと息つく時間は、避暑を兼ねた旅の楽しみのひとつになるでしょう。

桜は例年4月上旬から中旬に見頃、紅葉は秋に人気

奥多摩湖は夏の避暑地としての魅力が際立つ一方で、季節ごとにまったく異なる表情を見せてくれる場所でもあります。春には、ソメイヨシノや山桜、大山桜、大島桜など約3000本もの桜が、例年4月上旬から中旬にかけて湖畔一帯を彩ります。周囲の山々もピンク色に染まり、湖面に映り込む桜と山の景色が重なり合う様子は、ポタリングで巡ってこそ味わえる光景です。特に麦山の浮橋の上からは、湖上を渡る風を感じながら、水面越しに桜を楽しむという体験ができます。

秋には紅葉の名所としても知られており、山々が赤や黄色に染まる時期には、多くの観光客やサイクリストが湖畔を訪れます。夏の涼しさを求めて訪れるのも良いですし、春の桜や秋の紅葉に合わせて訪れるのも良いでしょう。奥多摩湖は一年を通じてポタリングの目的地になり得る場所です。

奥多摩むかし道は10キロの旧街道、道祖神や馬頭観音が残る

自転車だけでなく、徒歩でこのエリアの歴史をたどりたい人には、奥多摩むかし道というハイキングコースもおすすめです。かつての青梅街道の旧道にあたる道で、奥多摩駅から奥多摩湖までを結ぶ、約10キロメートルの古道です。現在の国道411号と並走するように続いており、車の往来を気にせずのんびりと歩を進めることができます。

このむかし道の魅力は、歴史的な見どころの多さにあります。峠や橋のたもとには、江戸時代の信仰を今に伝える道祖神や馬頭観音が当時のまま残されており、街道沿いには羽黒三田神社や白髭神社といった古社、いろは楓と呼ばれる巨樹なども点在しています。かつて使われていたトロッコの廃線跡も残っており、静かな里山の風景の中に、歴史の断片が随所に散りばめられています。春夏は新緑、秋には紅葉と、季節ごとに違った表情を見せてくれるのも魅力のひとつです。

一般的には、奥多摩駅からバスで奥多摩湖まで向かい、そこからむかし道を歩いて奥多摩駅まで戻るというコース取りが定番になっています。ポタリングで湖畔を満喫した翌日や、自転車を降りて少し違った角度から奥多摩の自然と歴史を味わいたいときに、こちらのハイキングコースを組み合わせてみるのも良いでしょう。

アクセスは電車なら奥多摩駅からバス15分、車なら駐車場3カ所が無料

奥多摩湖へのアクセスは、電車・バスを利用するルートと、自家用車で向かうルートの2通りがあります。

電車・バスの場合、JR青梅線の奥多摩駅で下車し、駅前から発着する西東京バスの奥多摩湖行きなどに乗車します。奥多摩駅から奥多摩湖停留所までは、バスでおよそ15分ほどの道のりです。都心からであれば、JR中央線と青梅線を乗り継いで奥多摩駅まで向かうのが一般的なルートになります。輪行袋を利用すれば、自分の自転車を電車で運び、奥多摩駅から直接ポタリングをスタートすることも可能です。

自家用車で訪れる場合、奥多摩湖周辺にはいくつかの駐車場が整備されています。

駐車場名営業時間収容台数料金
小河内ダム駐車場6時から21時約70台無料
大麦代駐車場24時間約90台無料
山のふるさと村駐車場9時から16時30分普通車36台(宿泊者用は別途91台)無料

小河内ダム駐車場には屋根付きの駐車スペースがあり、隣接する水と緑のふれあい館内にはトイレも完備されています。いずれも無料で利用できるのは嬉しいポイントです。都心からクルマで向かう場合の所要時間は、道路状況にもよりますが、おおむね1時間30分から2時間程度を見ておくとよいでしょう。

カヌーとわかさぎ釣りも楽しめる、白丸湖は初心者向け

奥多摩湖周辺は、サイクリングだけでなく水辺のアクティビティも豊富にそろっています。奥多摩湖に流れ込む多摩川上流部には、白丸湖と呼ばれる穏やかな水面のエリアがあり、ここではカヌーやカヤックの体験ツアーが数多く開催されています。白丸湖は流れがほとんどない湖であるため、初心者でも安全にゆったりとパドリングを楽しめます。カヌーは1隻あたり最大3名まで利用でき、ライフジャケットとパドルが付属したレンタルプランも用意されているため、手軽に水上散策を楽しめます。

釣りを楽しみたい人にとっても、奥多摩湖は見逃せないスポットです。生息する魚種はヘラブナ、コイ、わかさぎ、ヤマベ、ハヤなど多岐にわたり、一年を通して釣りを楽しめます。中でもわかさぎ釣りは人気が高く、最盛期は紅葉のシーズンと重なる10月中旬から11月ごろがベストシーズンとされています。カヌーに釣り具を持ち込んで、湖上でのんびりと釣りを楽しむスタイルも人気です。

ポタリングで湖畔をひと通り巡ったあとに、水面に近いところでカヌーや釣りを楽しむというプランを組み合わせれば、同じ奥多摩湖でもまったく違った角度からその魅力を味わえるでしょう。自転車では見えなかった湖面からの景色には、また格別なものがあります。

風張峠ヒルクライムの最高地点は標高1146メートル

のんびりとしたポタリングだけでなく、もう少し体を動かしたい人には、奥多摩湖からさらに足を延ばして風張峠を目指すヒルクライムという選択肢もあります。風張峠は奥多摩周遊道路の途中にある峠で、標高1146メートルという東京都の一般道における最高地点として知られています。

定番となっているコースは、JR五日市線の武蔵五日市駅をスタート地点とするもので、距離は片道32.8キロメートル、最大標高差は967メートルにおよびます。平均斜度は全体で2.8パーセント、上りは5.3パーセント、下りは2.9パーセントとなっており、獲得標高は上りが1063メートル、下りが148メートルというデータもあります。路面状態が良く走りやすいことから、本格的なヒルクライムのトレーニングコースとしてロードバイク愛好家に親しまれています。

奥多摩湖周辺からもこの風張峠へアクセスできるルートがあり、湖畔の穏やかな景色から一転して、本格的な山岳コースに挑戦できます。ポタリングで湖畔を満喫したあと、体力と時間に余裕があれば、少し足を延ばして東京都内最高地点からの絶景に挑戦してみるのも面白いでしょう。ただし急勾配が続く区間もあるため、体力や自転車の準備状況を踏まえたうえで、無理のない範囲で挑むことをおすすめします。

もえぎの湯は源泉100パーセント、3時間制で大人1050円

自転車で汗を流したあとは、温泉でしっかり体を休めるのも旅の楽しみのひとつです。奥多摩駅から徒歩10分ほどの場所には、奥多摩温泉もえぎの湯という日帰り温泉施設があります。奥多摩の地下深く、日本最古の地層のひとつともいわれる古生層から湧き出る、源泉100パーセントの温泉が自慢の施設です。

もえぎの湯の魅力は、多摩川の清流を見下ろす露天風呂からの眺めです。内風呂の窓からも周囲の緑を望むことができ、爽快な湯浴みを楽しめます。内風呂に加えて足湯や露天風呂も用意されており、奥多摩の山々や木々、清流を眺めながらゆったりと疲れを癒やせます。

営業時間は10時から19時まで(閉館20時)で、12月から翌3月にかけては18時まで(閉館19時)と、季節によって変動する点には注意が必要です。入浴料は3時間制で、大人1050円、小学生600円と、日帰り温泉としては手頃な価格です。館内には約42畳の広さを誇る大広間や食堂も用意されており、湯上がりには奥多摩根っ辛うどんやそば、川魚の塩焼きといった、奥多摩ならではのご当地メニューも味わえます。ポタリングで火照った体を、清流を望む露天風呂でクールダウンさせながら、地元の味覚も楽しめる、避暑を兼ねたサイクリング旅の締めくくりにふさわしいスポットです。

ポタリングの注意点はクマ対策とバッテリー残量の2点

最後に、奥多摩湖でポタリングを楽しむ際に気をつけておきたい点を挙げておきます。周遊道路とはいえ山間部の道であるため、一部区間ではアップダウンや見通しの悪いカーブが存在します。対向車や他のサイクリスト、歩行者との接触に注意しながら、安全な速度で走ることが欠かせません。夏場であっても山間部は天候が変わりやすく、急な雨に見舞われることもあるため、レインウェアや防寒着を一枚持参しておくと安心です。水分補給用のドリンクや、日差し対策の帽子・サングラスも忘れずに準備しましょう。飲食できる場所は湖畔に点在しているものの、区間によっては商店や自動販売機が少ない箇所もあるため、あらかじめ飲み物や補給食を用意しておくと安心して走れます。電動アシスト自転車を利用する場合は、バッテリー残量にも注意を払っておきたいところです。特に往復で長距離を走る場合や、周遊コースを一周する場合には、途中で充電スポットが少ないことも想定し、余裕を持ったバッテリー残量で出発することが望ましいでしょう。

もうひとつ、奥多摩エリアを訪れるうえで見過ごせないのがツキノワグマへの対策です。奥多摩町周辺の西多摩地域では、近年クマの目撃情報が数多く報告されており、氷川、日原、海沢といった周辺地域では夜間から昼間にかけての目撃も見られます。クマは行動圏が広いため、目撃情報が出ていない地域であっても遭遇の可能性はゼロではありません。国立公園の豊かな自然は、そのままクマをはじめとする野生動物の生息域でもあるということを、頭の片隅に置いておく必要があります。

対策としては、クマ鈴などを携帯し、自分の存在を音で知らせることで、出会いがしらの事故を防ぐことが有効とされています。山に入る際にはできるだけ単独行動を避け、複数人で行動することも推奨されています。万が一クマに遭遇した場合は、走って逃げたり背を向けたりせず、様子をうかがいながら静かにその場を離れるのが基本です。カメラを向けるなどの刺激を与える行為も、クマを興奮させる危険があるため避けるべきです。ポタリングは基本的に舗装された道路を走るため過度に恐れる必要はありませんが、周辺のハイキングコースへ立ち寄る際などは、こうした注意点を頭に入れておくと安心です。

三頭山と都民の森はさらに涼しい標高1531メートルの世界

体力に余裕があり、もう少し山深いエリアまで足を延ばしたい人には、奥多摩湖の奥、檜原村と山梨県上野原市の境に位置する三頭山もおすすめです。標高1531メートルを誇るこの山は、奥多摩三山の中でも最高峰にあたり、美しいブナ林と、富士山や奥多摩の山々を望む眺望で知られています。落差約35メートルの三頭大滝も見どころのひとつで、涼をとるのに絶好のスポットです。

三頭山の登山口周辺には、東京都が整備した都民の森が広がっています。1973年に奥多摩周遊道路が開通したことをきっかけに、1990年には東京都によってこの一帯が都民の森として整備され、森林館やウッドクラフト館といった施設も設けられました。登山道の途中には見晴し小屋と呼ばれる休憩スポットがあり、東峰には小さな展望テラスも用意されているため、大岳山や御前山といった奥多摩三山の他の峰々を一望できます。

奥多摩湖でのポタリングだけでは物足りない、より本格的な自然を味わいたい人は、こうした周辺の山岳エリアまで訪問の範囲を広げてみるのも良いでしょう。標高の高いこのエリアは平地よりもさらに気温が低く、真夏でも涼しさを実感できる貴重なスポットです。

奥多摩湖は国立公園の涼と歴史を一日で味わえる避暑地

奥多摩湖は、東京都心から日帰りで訪れられる距離にありながら、都心より数度涼しい気候と、秩父多摩甲斐国立公園ならではの雄大な自然景観を兼ね備えた避暑地です。全長約25キロメートルの周遊道路を利用したポタリングは、初心者から中級者まで幅広く楽しめる手軽さがありながら、麦山の浮橋や小河内ダムといった見応えのあるスポットを巡ることができ、達成感と癒やしの両方を味わえます。

電車派にはレンタサイクル、車派には複数の無料駐車場と、それぞれのスタイルに合わせたアクセス方法が整っているのも心強いところです。体力があれば風張峠へのヒルクライムや三頭山、都民の森への足を延ばす楽しみ方もありますし、水辺ではカヌーやわかさぎ釣り、汗を流したあとにはもえぎの湯での日帰り温泉もあります。春は桜、夏は避暑、秋は紅葉とわかさぎ釣り、冬は静かな湖面の美しさと、訪れる季節ごとに違った顔を見せてくれるのもこの場所の魅力です。

猛暑の夏、都心の暑さに疲れたときは、自転車を相棒に奥多摩湖へ足を運んでみてはどうでしょうか。秩父多摩甲斐国立公園という、東京都民にとって身近でありながら本格的な自然を抱えるこのエリアは、日帰りでも十分に非日常を味わえる避暑地です。

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