佐渡島一周ポタリングは、日本海に浮かぶ最大の島である佐渡島の豊かな自然と変化に富んだ地形を満喫できる、国内屈指のサイクリング体験です。東京23区の約1.4倍という広大な面積を誇る佐渡島は、海岸線約282kmの絶景ルートが魅力で、初心者から上級者まで幅広いサイクリストが楽しめる環境が整っています。
島内には風光明媚な海岸線だけでなく、歴史ある街並みや里山の自然、さらには野生のトキが暮らす田園風景まで、多彩な景観が楽しめます。国際トライアスロン大会や佐渡ロングライド210などの大規模イベントも開催され、サイクリングの聖地としての地位を確立しています。また、佐渡サイクルステーションやレンタサイクル「エコだっチャリ」など、サイクリストをサポートするインフラも充実しており、手ぶらでも気軽に島内ポタリングを楽しむことができます。

Q1: 佐渡島一周ポタリングの基本情報と魅力は?距離や所要時間について教えて
佐渡島一周ポタリング(サドイチ)のフルコースは約210kmで、獲得標高は2,218m、最大標高136mという本格的なロングライドコースです。平均速度15km/hで計算すると約13時間17分の走行時間が必要となりますが、観光や休憩を含めると丸一日では厳しく、多くのサイクリストは1泊2日での完走を選択しています。
初心者や体力に不安がある方には、大佐渡一周コース(約133km)がおすすめです。このコースは210kmコースのハイライト部分を楽しめる内容で、Z坂や大野亀などの絶景スポットに加え、トキが暮らす田園風景も満喫できます。本格派サイクリストなら1日での走破も可能ですが、観光を楽しむなら1泊2日が理想的です。
さらに初心者向けには、エコだっチャリで巡るショートコースも用意されています。加茂湖コース(20.9km)、小木海岸コース(17.8km)、あぜ道里山コース(22.7km)など、それぞれ2〜2.5時間程度で完走できる手軽なコースで、佐渡の魅力を気軽に体験できます。
佐渡島ポタリングの最大の魅力は、南国のような美しい海岸線、歴史ある集落、野生のトキとの遭遇機会、そして地域の人々との温かい交流です。宿根木の回船業で栄えた古い街並み、人面岩や夫婦岩などの奇岩、二ツ亀の透明度抜群の海など、写真映えするスポットが豊富で、サイクリング以外の楽しみも満載です。
Q2: 佐渡島へのアクセス方法は?自転車の持ち込み料金と注意点について
佐渡島へのアクセスは主に新潟港から両津港と直江津港から小木港の2つの航路があります。サイクリストには便数が多い新潟港⇔両津港航路がおすすめです。
新潟港⇔両津港のカーフェリーでは、自転車(完成車)の持ち込みに片道2,250円の軽車両運賃に加えて、運転者の運賃と燃料油価格変動調整金890円が必要です。事前予約が必須で、車両甲板では転倒防止のため毛布とロープで固定されます。所要時間は約2時間30分です。
ジェットフォイル(所要時間約1時間7分)には完成車の持ち込みはできませんが、輪行袋に入れた自転車なら手荷物として持ち込み可能です。3辺の合計が2mを超える場合は手荷物運賃520円が追加されます。2025年4月1日から6月30日の期間では大人片道6,390円です。
直江津港⇔小木港の高速カーフェリーは所要時間約1時間40分で、自転車(完成車)の持ち込みは2019年時点で大人1名の2等片道運賃を含んで5,760円でした。
重要な注意点として、佐渡汽船の乗船予約は往路乗船日の3ヶ月前から可能です。往復予約の場合、復路が3ヶ月を超えても往路含め10日以内なら同時予約できます。新潟港立体駐車場を利用する場合、佐渡航路利用者には1日最大800円の割引が適用されるため、「佐渡航路利用者料金適用カード」を佐渡汽船のきっぷ売り場で必ず入手しましょう。
Q3: 佐渡島一周ポタリングのおすすめルートと見どころスポットは?
佐渡島のサイクリングルートは新潟県佐渡地域振興局が制作した「佐渡サイクリングマップ」で7本のコースが紹介されており、レベルに応じて選択できます。
サドイチ佐渡一周コース(210km)は上級者向けの本格ルートで、両津港を起点に小木宿根木、佐和田、相川を経由して大佐渡を一周します。主要な見どころには、回船業で栄えた宿根木の古い街並み、横を向いた人の顔に見える人面岩、七浦海岸線のシンボル夫婦岩があります。
特にZ(ゼット)坂(跳坂)は佐渡名物の坂で、下から見上げると「Z」の形に見え、頂上からは日本海の絶景が楽しめます。佐渡ロングライドでもおなじみのスポットで、多くのサイクリストがタイムアタックに挑戦しています。
大佐渡一周コース(130km)では、大野亀が最大のハイライトです。標高167mの一枚岩が海に突き出した景勝地で、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星を獲得しています。6月初めには一面に黄色いカンゾウの花が咲き誇り、絶好の撮影スポットとなります。二ツ亀も必見で、2匹の亀がうずくまっているように見える島で、海の透明度が非常に高い美しい海水浴場としても人気です。
トキのテラスでは、野生のトキを双眼鏡で探すことができ、入り口までの坂道はきついものの、トキが暮らす里山を一望できる素晴らしい景色が待っています。
山岳コースでは石名天然杉コースがおすすめで、大佐渡山脈を横断し、雪の重みと強い季節風によって独創的な形状に育った天然杉を見学できます。時間があれば林道駐車場からのトレッキング(約1時間40分)で間近に天然杉を観察することも可能です。
Q4: 佐渡島ポタリング中の補給・宿泊・レンタサイクル情報について
佐渡島でのポタリングでは、コンビニやスーパーは両津、佐和田、相川など限られた地域にしかないため、事前の補給計画が重要です。特に島の外周部や山越えルートでは自動販売機や売店がほとんどない区間があるため、食料と飲料は多めに準備することをおすすめします。
佐渡サイクルステーションが島内13ヶ所に設置されており、駐輪施設(バイクラック)や空気入れ、簡単な修理道具の無料貸し出しを行っています。大野亀ロッジ、めおと岩ドライブイン、相川観光案内所、南佐渡観光案内所などが主要なポイントです。
レンタサイクル「エコだっチャリ」では、電動アシスト付き自転車を借りることができます。スポーツタイプ(推奨身長159cm以上)とスポーツタイプ・ミニ(推奨身長146cm以上)は、2時間2,000円、24時間4,500円で利用可能です。南佐渡観光案内所(小木)と相川観光案内所で貸し出しており、取扱窓口間での乗り捨ても可能(1回2,000円)です。
佐渡アウトドアベース(両津港から徒歩4分)では、パナソニックEバイクなどのレンタサイクルを24時間4,000円から提供しており、シャワー室や荷物預かりサービスも充実しています。
宿泊施設では、「ホステルたつみや」が新潟県で初めて「新潟県サイクリストに優しい宿」に認定されており、自転車を客室に持ち込みや施錠可能な場所での保管、修理工具の貸し出し、自転車洗浄スペースの提供など、サイクリスト向けの充実したサービスを提供しています。
おすすめの食事スポットには、両津港近くの「キッチンよろこんで」での新鮮な魚介料理、虫崎の「メレパレカイコ」での島薬膳ランチ、旧西三川小学校を改装した「学校蔵Café」での酒粕や麹を活用したランチプレートなどがあります。
Q5: 佐渡島一周ポタリングの安全対策と準備すべき装備は?
佐渡島でのポタリングを安全に楽しむためには、十分な準備と安全対策が必要です。
必須装備として、食料、飲料、雨具、着替え、防寒具、修理キット(特にチューブ)を入念に準備してください。島内にはロードバイクの部品を多く揃えた自転車店が少ないため、チューブなどの消耗品は必ず持参しましょう。水分補給のためダブルボトルと小銭を多めに持参することも推奨されます。
ヘルメットの着用は2023年4月1日から全ての自転車利用者に努力義務化されており、レンタサイクル利用時も無料貸し出しが行われています(数に限りあり)。新潟県の着用率は全国平均を下回っているため、安全のために必ず着用しましょう。
交通ルールでは、自転車も「車両」として道路交通法を遵守する必要があります。車道左側通行、信号順守、夜間のライト点灯は基本中の基本です。特に佐渡島の海岸部には多くのトンネルがあり、中には2km近いものもあるため、日中でも必ずライトを点灯して走行してください。
自転車保険への加入は2022年10月1日から新潟県条例により義務化されており、県外からの利用者も含まれます。高額賠償請求事例も発生しているため、万一の事故に備えて必ず保険に加入しましょう。
路面状況にも注意が必要で、大佐渡スカイラインコースの一部区間ではコンクリート路面が亀甲型の凹凸が深く、下り走行時にパンクや振動でブレーキ操作ができなくなる恐れがあります。スピードを落とし、対向車に十分注意して走行してください。
道路情報として、山岳部の道路のほとんどは冬期間積雪等で閉鎖されるため、事前に道路交通規制情報を確認することが重要です。また、夜間の佐渡は街灯がほとんどなく真っ暗になるため、強力なヘッドライトがあると非常に役立ちます。
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