つくばりんりんロードは、茨城県にある全長約180kmのナショナルサイクルルートで、ポタリング愛好家にとって理想的な環境が整っています。旧筑波鉄道の廃線敷を活用した約40kmの区間と、霞ヶ浦を一周する約125kmの湖岸道路で構成されるこのコースは、起伏が少なく平坦で、初心者でも安心してサイクリングを楽しめます。都心から電車で約50分というアクセスの良さに加え、レンタサイクルサービスも充実しているため、手ぶらで訪れても本格的なポタリングが可能です。春には桜のトンネル、夏には青い湖面と緑の田園風景、秋には紅葉、冬には筑波山の雪景色と、四季を通じて異なる表情を見せる自然豊かなコースで、ゆったりとしたペースでのサイクリングを満喫できます。

つくばりんりんロードでポタリング初心者におすすめのコースと距離は?
つくばりんりんロードでポタリング初心者に最もおすすめなのは、旧筑波鉄道廃線敷を活用した土浦~岩瀬間の約40km区間です。このコースはほぼ直線で信号が少なく、車の通行がないサイクリング専用道路として整備されているため、交通を気にせずゆっくりとしたペースでポタリングを楽しめます。
初心者の方には、まず土浦駅を起点として片道10~15km程度から始めることをおすすめします。土浦駅から出発して旧小田駅跡まで約8km、旧筑波駅跡まで約12kmという距離設定で、体力に応じて折り返し地点を決められます。コース全体が平坦で起伏がほとんどないため、普段あまり運動していない方でも無理なく楽しめるでしょう。
体力に自信がある方は、土浦から岩瀬駅まで片道約20kmの区間を走破することも可能です。この場合、往復で約40kmとなりますが、途中には「虫掛休憩所」「藤沢休憩所」「真壁休憩所」などの休憩ポイントが充実しているため、こまめに休憩を取りながら進むことができます。
霞ヶ浦一周コース(カスイチ)は全長約125kmと長距離のため、初心者にはショートカットコースの約91.5kmがおすすめです。ただし、こちらは一般道を含むため、最初は廃線敷コースで慣れてから挑戦することをおすすめします。
ポタリングの魅力は、競技的な走行ではなく、景色を楽しみながらのんびりと走ることです。つくばりんりんロードには、旧駅舎の跡地や歴史的な見どころが点在しているため、気になる場所で自転車を停めて散策することも楽しみの一つとなります。
ポタリングに最適な季節と天候条件、風対策のポイントは?
つくばりんりんロードでのポタリングに最も適した季節は春(3月下旬~5月)と秋(9月下旬~11月)です。この時期は気温が穏やかで、長時間のサイクリングでも快適に過ごせます。
春のポタリングの最大の魅力は、桜の開花時期です。コース沿線には多数の桜の木が植樹されており、満開時には桜のトンネルの中をポタリングできる絶景が楽しめます。4月上旬頃が見頃で、この時期は多くのサイクリストが訪れるため、早朝の出発がおすすめです。
秋のポタリングでは、紅葉と澄んだ空気の中でのサイクリングが楽しめます。特に筑波山方面では美しい紅葉が楽しめ、霞ヶ浦では湖面に映る秋の景色が印象的です。
夏季(6月~8月)は暑さが厳しいため、早朝や夕方の時間帯を選び、十分な水分補給を心がけることが重要です。日中の気温が30度を超える日は、熱中症のリスクが高まるため、無理をしないことが大切です。
冬季(12月~2月)は寒さが厳しく、特に「筑波おろし」と呼ばれる強い北西の風が吹くことがあります。この時期のポタリングは上級者向けで、防寒対策が必須となります。
風対策は、つくばりんりんロードでのポタリングにおいて重要なポイントです。特に霞ヶ浦一周コースでは、遮るもののない堤防上を走るため、風の影響を強く受けます。出発前に風向きと風速を確認し、向かい風が強い場合は距離を短縮するなど、計画を調整することをおすすめします。
理想的な天候条件は、風速3m/s以下、気温15~25度、晴れまたは曇りの日です。雨の日は路面が滑りやすくなるため、安全を考慮してポタリングは避けるべきです。
つくばりんりんロードでポタリング中に立ち寄りたいグルメスポットと休憩場所は?
つくばりんりんロードのポタリングでは、地元の美味しいグルメと充実した休憩施設が楽しみの一つです。
おすすめグルメスポットとして、まず挙げられるのが松屋製麺所です。筑波山麓にあるこの店は「製麺所だけど有料で試食ができる」というユニークな形態で、作りたての手打ち麺がもちもちで絶品です。ポタリングで消費したエネルギーを美味しい麺で補給できます。
沼田屋本店の「かりんとう饅頭」は、表面がサクサクで中には甘さ控えめの自家製あんこが詰まっており、ポタリング中の補給食として最適です。持ち運びもしやすく、エネルギー補給にぴったりです。
霞ヶ浦方面では、道の駅たまつくりの「行方バーガー」が名物で、特にナマズを使った「なめパックン」は淡白で軽い食感が特徴的です。地域の特産品を使った珍しいグルメを味わえます。
かすみがうら市交流センターでは、1階の「かすみマルシェ」で地域食材の買い物を楽しみ、2階の「かすみキッチン」で地域食材を使った料理を味わえます。ポタリングの途中でゆっくりランチを楽しむのに最適な施設です。
休憩場所としては、旧駅舎跡を活用した休憩所が充実しています。「虫掛休憩所」「藤沢休憩所」「つくば休憩所」「真壁休憩所」「雨引休憩所」などには、トイレ、自動販売機、電動の空気入れが完備されており、安心してポタリングを楽しめます。
小田城跡は、国の史跡として整備されており、広々とした芝生広場で休憩できます。資料館も併設されているため、歴史に触れながらの休憩が可能です。
平沢官衙遺跡も同様に国の史跡で、奈良・平安時代の校倉、土倉、板倉が復元されており、歴史的な雰囲気の中でのんびりと休憩できます。
りんりんポート土浦は、サイクリストの拠点施設として、休憩スペース、メンテナンススペース、シャワー室(30分200円)を完備しており、ポタリング後のリフレッシュに最適です。
レンタサイクルでポタリングを楽しむ場合の料金と予約方法、おすすめの貸出場所は?
つくばりんりんロードでは、茨城県と沿線9市町が連携した広域レンタサイクルサービスにより、手ぶらでポタリングを楽しむことができます。
2025年の利用料金(2024年7月1日改定)は以下の通りです:
- クロスバイク: 2,500円/1日
- ロードバイク: 3,000円/1日
- Eバイク(電動アシスト付クロスバイク): 3,500円/1日
- ジュニアクロスバイク: 1,000円/1日(保護者同伴の場合のみ)
- タンデム自転車(2人乗り): 4,000円/1日
乗り捨て利用の場合は、追加で500円/1日がかかります。この乗り捨てシステムにより、12ヶ所の施設からどこでも貸出・返却が可能という便利さがあります。
予約方法は、利用日の3日前までのWEB予約が必要です。個人での予約は5台までで、6台以上の団体予約は別途問い合わせが必要です。ヘルメットは無料で貸し出されます。
ポタリング初心者におすすめの貸出場所は以下の通りです:
つくば駅前観光案内所は、つくばエクスプレスでアクセスする方に最適で、都心から約45分でアクセス可能です。駅前立地のため、到着後すぐにポタリングを開始できます。
りんりんスクエア土浦は、JR土浦駅直結の施設で、特急「ひたち」や「ときわ」でアクセスする方におすすめです。シャワールームやコインロッカーも完備されており、ポタリング後の着替えにも便利です。
かすみがうら市交流センターは、霞ヶ浦湖岸からのポタリングを楽しみたい方に最適で、湖岸の景色を楽しみながらのスタートが可能です。
筑波山ゲートパークは、筑波山方面からのポタリングを楽しみたい方におすすめで、山の景色を背景にしたスタートが可能です。
レンタル自転車には傷害保険と賠償責任保険が付帯していますが、適用範囲に限りがあるため、利用者自身での保険加入も推奨されています。また、盗難や故障に対する保険はないため、自転車から離れる際は必ず施錠することが重要です。
ポタリング用途であれば、クロスバイクまたはEバイクがおすすめです。クロスバイクは扱いやすく、Eバイクは電動アシストにより楽に走行できるため、初心者や体力に自信のない方でも安心してポタリングを楽しめます。
ポタリング初心者が知っておくべき持ち物と安全対策、コースの注意点は?
つくばりんりんロードでのポタリングを安全に楽しむためには、適切な持ち物の準備と安全対策の理解が重要です。
必須の持ち物として、まずヘルメットは安全のために必須アイテムです。レンタサイクルでは無料で貸し出されますが、自分の自転車を持参する場合は必ず着用しましょう。グローブは手の保護と滑り止めの効果があり、長時間のポタリングでは手の疲労軽減にも役立ちます。
水分補給は特に重要で、500ml以上の水分を持参することをおすすめします。夏季は1リットル以上の水分補給が必要です。エネルギー補給食として、バナナやエネルギーバーなどの軽食も持参すると良いでしょう。
パンク修理キットは、万が一のトラブルに備えて携帯しておくと安心です。携帯用の空気入れも合わせて持参することをおすすめします。ただし、コース上の休憩所には電動の空気入れが設置されているため、基本的には安心です。
安全対策として、明るい色の服装を心がけ、視認性を高めることが重要です。反射材付きのベストやライトも、早朝や夕方のポタリングでは必須です。
天候への対策として、雨具は必ず携帯しましょう。つくばりんりんロードは開けた場所が多いため、急な雨に対応できる場所が限られています。日焼け止めとサングラスも、長時間の outdoor 活動では必要です。
コースの注意点として、旧筑波鉄道廃線敷区間では、車止めが多数設置されているため、高速走行は避け、ゆっくりとしたポタリングペースを心がけることが重要です。また、一般道との交差点では、必ず一時停止し、安全確認を行いましょう。
霞ヶ浦湖岸道路では、多くの区間が狭い一般道のため、車との接触に注意が必要です。左側通行を厳守し、後方から来る車に注意しながら走行してください。
風の影響を強く受けるコースのため、出発前の天気予報確認は必須です。風速5m/s以上の日は、初心者は避けることをおすすめします。
緊急時の対応として、携帯電話は必ず持参し、緊急連絡先を事前に確認しておきましょう。コース上には携帯電話の電波が届かない場所もあるため、単独でのポタリングよりも複数人での行動が安全です。
体調管理も重要で、無理をしないことが最も大切です。疲労を感じたら無理をせず、休憩所で十分な休息を取りましょう。自分の体力に合わせたコース選択が、安全で楽しいポタリングの鍵となります。
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