両国は、江戸東京博物館やすみだ北斎美術館などの文化施設と大相撲の伝統が息づく東京の下町エリアであり、自転車でのんびり巡るポタリングに最適な街です。2026年3月31日には約4年間の大規模改修を経て江戸東京博物館がリニューアルオープンを迎える予定で、両国の下町散策はこれまで以上に注目を集めています。この記事では、両国を中心とした下町エリアのポタリングコースや見どころ、グルメ情報、季節ごとの楽しみ方まで、実際に自転車で巡る際に役立つ情報を詳しくお伝えします。平坦な地形に歴史スポットが程よい距離で点在する両国周辺は、歩くだけでは回りきれない広いエリアを効率よく、心地よい風を感じながら楽しめるポタリングの魅力を存分に味わえる場所です。

両国とはどんな街か?下町散策の出発点として知られる理由
両国は東京都墨田区に位置し、JR総武線と都営大江戸線の両国駅を中心に広がる街です。「両国」という地名の由来は、かつてこの地が武蔵国と下総国の境にあたり、隅田川に架かる両国橋が二つの国を結んでいたことにあります。
この街を特徴づけているのは、大相撲との深い結びつきです。両国国技館では年3回の本場所(1月場所、5月場所、9月場所)が開催され、場所の時期になると街全体が相撲一色に染まります。朝の稽古に向かう力士の姿を見かけることも珍しくなく、相撲部屋が点在する街並みはここでしか味わえない独特の雰囲気を醸し出しています。
JR両国駅の構内には大きな優勝額が飾られており、駅に降り立った瞬間から相撲の街であることを実感できます。駅前の国技館通りには歴代横綱の手形レリーフが並び、土俵入りをする力士の銅像が設置されています。雲龍型や不知火型など、それぞれ異なる土俵入りのポーズをした力士像の下には、北の富士、曙、朝青龍、若乃花、日馬富士、白鵬といった名横綱たちの手形が刻まれています。相撲ファンならずとも、この力士像通りを歩くだけで心が躍る体験ができるでしょう。
しかし、両国の魅力は相撲だけにとどまりません。江戸時代の歴史を伝える博物館や美術館、美しい日本庭園、隅田川沿いの風景、そして下町ならではのグルメなど、多彩な楽しみが凝縮されています。こうした見どころを効率よく巡るのに最適なのが、自転車でのんびり走る「ポタリング」というスタイルなのです。
江戸東京博物館が2026年3月31日にリニューアルオープン予定
両国を代表する文化施設である東京都江戸東京博物館は、建築家・菊竹清訓が設計した高床式の倉をイメージした独特の外観で知られています。宙に浮いているように見えるピロティが特徴的なこの建物は、両国のランドマーク的存在です。
2022年度から約4年間にわたる大規模改修工事のため休館していましたが、2026年3月31日にリニューアルオープンを迎える予定です。この待望の再開は、両国の街にとっても大きなニュースとなっています。
リニューアルの注目ポイントは、世界的な建築家である重松象平氏が監修する空間デザインです。特に3階ひろばでは、約4,000平方メートルの天井面と柱面に収蔵資料等をダイナミックに投影する演出が施される予定です。菊竹清訓の設計思想を尊重しつつ、最新のテクノロジーを駆使した空間に生まれ変わります。
江戸東京博物館は、江戸時代から現代に至る東京の歴史と文化を実物大の模型や豊富な資料を通じて体感できる施設です。江戸時代の日本橋を実物大で再現した模型や、当時の町並みを再現したジオラマなど、見て触れて楽しめる展示が数多く用意されています。江戸の暮らしぶりや文化を五感で体験できるこの博物館は、両国散策の中心的なスポットとして欠かせない存在です。
2025年12月18日から21日にかけては、リニューアルオープン100日前を記念したイベントがJR両国駅3番線ホームで開催されました。イベント会場では、江戸の食文化を体験できる鴨南蛮の無料提供や、江戸時代の文化・慣習と現代を比較する「江戸と令和見比べ展」が行われ、多くの来場者で賑わいました。
リニューアル後の江戸東京博物館は、従来の展示に加えて新たな大型模型の設置も予定されており、これまで以上に充実した展示内容が期待されます。両国を訪れるなら、ぜひこのリニューアルされた江戸東京博物館を訪問プランに組み込んでみてください。
すみだ北斎美術館で葛飾北斎の世界に浸るポタリング
両国エリアのもう一つの重要な文化施設が、すみだ北斎美術館です。世界的に有名な浮世絵師・葛飾北斎は、現在の墨田区亀沢付近で生まれ、生涯のほとんどを墨田区内で過ごしたとされています。その縁から、2016年に開館したのがこの美術館です。
建物は世界的建築家・妹島和世の設計によるもので、アルミパネルで覆われた外観は近未来的な印象を与えつつも、下町の街並みに不思議と溶け込んでいます。館内には北斎の代表作「冨嶽三十六景」をはじめとする浮世絵の名作が展示されており、北斎の生涯と作品を体系的に学ぶことができます。
2026年の展示スケジュールも充実しています。2026年3月17日から5月24日までは「開く絵引き手帖 ── 北斎のスケッチ以上」が開催されており、北斎とその門人による木版画の手引きを紹介する展覧会を楽しめます。夏には「北斎と広重 ── 二人の絵師、二つの富士の見方」(6月23日〜8月30日)、秋には開館十周年を記念した「すみだ北斎美術館の至宝 ── 隅田川両岸景色図巻ほか傑作選」(9月15日〜11月23日)と、年間を通じて見応えのある企画展が続く予定です。
常設展示では、北斎の年齢ごとの画業の変遷を追うことができ、90歳で生涯を終えるまで絵を描き続けた北斎の情熱と進化を感じることができます。北斎のアトリエを再現した実物大模型は、当時の絵師の暮らしぶりを生き生きと伝えています。
すみだ北斎美術館は両国駅から徒歩約10分の距離にあり、ポタリングコースに組み込むのに最適な立地です。自転車を駐輪場に停めて、じっくりと北斎の世界に浸る時間を設けてみてはいかがでしょうか。
旧安田庭園は入園無料の都会のオアシス
両国国技館のすぐ隣に佇む旧安田庭園は、都会の喧騒を忘れさせてくれる静かな日本庭園です。入園無料という点も嬉しいポイントです。
この庭園の歴史は江戸時代前期にまで遡ります。元禄年間(1688〜1704年)に、常陸笠間藩主・本庄松平家の下屋敷として整備されたのが始まりです。安政年間(1854〜1860年)には隅田川の水を引き入れ、潮の干満によって池の水位が変化する「潮入りの回遊式庭園」として完成しました。
明治維新後は旧岡山藩主・池田侯爵家の邸宅となり、その後の明治22年(1889年)に安田財閥の創始者・安田善次郎の所有となりました。大正11年(1922年)に安田家から東京市に寄贈され、以降は市民に開放されています。
庭園の中心には心字池があり、小島が浮かび、周囲を老樹と散策路が取り囲んでいます。池には鯉や亀が悠々と泳ぎ、雪見灯篭が風情を添えています。かつて隅田川とつながっていた池は、現在はポンプによって水位を人工的に調節することで、昔ながらの潮入り庭園の風情を再現しています。
庭園内の見どころとしては、池の北端にあるお休み処「心字亭」や南端にある「駒止石」が挙げられます。駒止石には、1631年の隅田川の大洪水の際に旗本・阿部豊後守忠秋が馬を止めて休憩したという言い伝えが残されています。忠秋の徳を敬い、周辺の人々が建立したと言われる「駒止稲荷」も見逃せないスポットです。
営業時間は8時30分から16時30分までで、ポタリングの途中に立ち寄って一息つくのにちょうどよい場所となっています。
両国国技館と相撲文化の奥深い歴史
両国国技館は、大相撲の殿堂として知られる日本を代表するスポーツ施設です。現在の国技館は昭和59年(1984年)に完成し、約11,000人を収容できます。年3回の東京本場所(1月・5月・9月)が開催される他、プロレスやボクシングなどの格闘技イベント、コンサートなどにも利用されています。
相撲の歴史は非常に古く、奈良時代から平安時代にかけては「相撲節会(すもうのせちえ)」という天覧相撲が毎年七夕祭りに行われていました。江戸時代に入ると、武士のたしなみから庶民が見物する娯楽へと変化し、両国は相撲興行の中心地として発展しました。
1909年(明治42年)には、両国の回向院の境内に初代の「国技館」が誕生しました。約13,000人を収容できるこの建物は、日本初のドーム型鉄骨板張の洋風建築で、その独特の形状から「大鉄傘(だいてっさん)」の異名で親しまれました。その後、関東大震災や戦災を経て、国技館は蔵前に移転していた時期もありましたが、1984年に再び両国の地に戻ってきました。
本場所の時期でなくても、国技館周辺では相撲文化に触れることができます。国技館内にある相撲博物館は、相撲の歴史と文化を調査研究し後世に残すことを目的として設立された施設で、江戸時代から現代に至る化粧廻し、横綱、錦絵、番付など、貴重なコレクションを年3回の企画展に合わせて展示公開しています。本場所中は大相撲観覧チケットが必要ですが、場所以外の期間は無料で見学することができます。
回向院は両国の歴史を見守り続ける寺院
両国駅から徒歩数分の場所にある回向院(えこういん)は、1657年(明暦3年)の「明暦の大火」(振袖火事)の犠牲者を弔うために建立された浄土宗の寺院です。この大火は江戸の大半を焼き尽くし、10万人以上の死者を出したとされる大災害でした。
回向院は相撲の歴史とも深い関わりを持っています。江戸時代後期から明治時代にかけて、回向院の境内は勧進相撲の興行場所として使われ、初代国技館が建設されるまで事実上の相撲の聖地でした。境内には「力塚」と呼ばれる相撲の碑が建てられており、歴代の力士を偲ぶことができます。
回向院は動物の供養でも知られています。「犬猫供養塔」をはじめ、鳥類や魚類の供養碑も建てられており、生きとし生けるものすべてに対する慈悲の心が感じられます。歌舞伎の名作に登場する「鼠小僧次郎吉」の墓があることでも有名で、鼠小僧の墓石を削ってお守りにすると運が開けるという言い伝えがあり、墓石の前には削り用の小さな石が置かれています。ポタリングの途中に立ち寄れば、両国という街が歩んできた歴史の重みを感じることができるでしょう。
横網町公園と東京都復興記念館で歴史の記憶に触れる
両国駅周辺で忘れてはならないスポットが、横網町公園と園内にある東京都復興記念館です。都営大江戸線の両国駅から徒歩わずか2分という好立地にあり、ポタリングコースにも無理なく組み込めます。
横網町公園の敷地は、もともと陸軍被服廠(ひふくしょう)があった場所です。1923年(大正12年)に公園として整備が始まった矢先に関東大震災が発生しました。この場所には多くの人々が避難しましたが、火災旋風に襲われ、約38,000人もの犠牲者を出す大惨事となりました。
この悲劇を後世に伝えるため、1930年(昭和5年)に東京都慰霊堂が、翌1931年(昭和6年)に東京都復興記念館が建設されました。復興記念館の設計は、築地本願寺なども手がけた建築家・伊東忠太と構造学の権威・佐野利器によるもので、鉄筋コンクリート造2階建ての堅牢な建物です。
館内の1階には関東大震災の記念遺物や被害資料、被災地域の復興模型が展示されています。2階には絵画や図表のほか、1945年の東京大空襲による戦災関係資料も展示されており、東京が二度にわたる大災害から復興してきた歴史を知ることができます。屋外展示場には、震災の熱で溶解した建物の鉄骨や車両など、災害の凄まじさを物語る実物資料が並んでいます。
復興記念館は入場無料で、開館時間は9時から16時30分まで(月曜休館)です。両国という街が経験した歴史の重みを感じながら、防災について考える貴重な機会を得ることができます。
ポタリングとは?両国下町散策に最適な自転車の楽しみ方
ポタリングとは、自転車でのんびりと散策することを指す言葉で、英語の「potter」(ぶらぶらする)に由来しています。目的地を決めてひたすら走るサイクリングとは異なり、気になるスポットがあれば自由に立ち寄り、写真を撮ったり、カフェで休憩したりしながら、自分のペースで楽しむのがポタリングの醍醐味です。
両国を中心とした下町エリアは、ポタリングに最適な条件が揃っています。平坦な地形で坂道がほとんどなく、見どころが程よい距離感で点在しているため、自転車でちょうどよいペースで巡ることができます。隅田川沿いの景色は開放的で、川面を渡る風を感じながら走る爽快感は格別です。
自分の自転車を持っていなくても、両国周辺ではレンタサイクルを手軽に利用できます。東京自転車シェアリング(旧ドコモ・バイクシェア)は都内11区で貸出・返却が可能なシェアサイクルサービスで、料金は30分165円から、1日パスは1,650円で利用できます。両国周辺にも複数のポートが設置されており、スマートフォンのアプリから簡単に予約・解錠が可能です。
第一ホテル両国でも自転車のレンタルサービスを提供しており、すべての自転車にかごが付いているほか、ハンドルにはスマートフォンホルダーも装備されているため、地図アプリを活用しながら快適にポタリングを楽しむことができます。
隅田川沿いには「隅田川テラス」が整備されていますが、テラスの一部区間は自転車の通行が禁止されているため注意が必要です。河口から両国あたりまでの下流域では、隅田川沿いを自転車で走ることはできません。一方、両国より北側の区間では隅田川を眺めながらのサイクリングが可能であり、スカイツリーを望む景色を楽しみながら走ることができます。
両国発のおすすめポタリングコース3選
両国を起点としたポタリングには、目的や体力に応じた複数のコースがあります。ここでは代表的な3つのコースをご紹介します。
両国歴史文化巡りコース(約5キロメートル・所要時間約3時間) は、初めて両国を訪れる方に特におすすめです。JR両国駅をスタート地点として、まず国技館通りの力士像を眺めながら北へ向かいます。旧安田庭園で庭園散策を楽しんだ後、江戸東京博物館を見学します。その後、すみだ北斎美術館へ移動し北斎の作品を鑑賞し、帰路には回向院に立ち寄り、ちゃんこ鍋の名店で昼食をとって両国駅に戻ります。両国エリアの主要スポットを効率よく巡ることができるコースです。
隅田川沿い下町周遊コース(約11キロメートル・所要時間約4〜5時間) は、両国駅を出発し隅田川沿いを北上して浅草方面へ向かうルートです。途中、東京スカイツリーの絶景を楽しみつつ、吾妻橋を渡って浅草寺・仲見世通りを散策します。浅草から蔵前方面へ南下し、おしゃれなカフェやショップが並ぶ蔵前エリアを楽しんだ後、両国に戻ります。このコースの見どころの一つが桜橋で、隅田川に架かる橋の中で唯一の歩行者・自転車専用橋であり、東京スカイツリーの撮影スポットとしても知られています。
日本橋〜両国〜上野 東京下町大周遊コース(約15キロメートル・所要時間約5〜6時間) は、東京駅や日本橋エリアをスタートし、人形町を経由して両国へ向かいます。両国で江戸東京博物館や国技館を見学した後、隅田川沿いを北上して東京スカイツリーを間近に望み、押上エリアから浅草へ移動して浅草寺を参拝します。その後、かっぱ橋道具街を通って上野公園でゴールするルートです。距離は約15キロメートルと長めですが、平坦なルートなので体力に自信がなくても無理なく走破できます。
両国下町散策で味わいたいグルメの魅力
ポタリングの楽しみの一つが、走りながら出会うグルメスポットです。両国には下町ならではの味わい深い飲食店が数多く存在します。
両国といえば、やはりちゃんこ鍋は外せません。ちゃんこ鍋は本来、力士が日々の食事として食べる鍋料理のことで、各相撲部屋に伝わる独自のレシピがあります。引退した力士がその味を一般に提供するようになったのが、両国のちゃんこ鍋文化の始まりです。「ちゃんこ川崎」は昭和12年(1937年)創業の老舗で、両国のちゃんこ鍋の中でも特に歴史が古い名店です。伝統的な醤油ベースのちゃんこは、力士たちに長年愛されてきた素朴で深い味わいが特徴です。
ちゃんこ鍋には「手をつく=負け」を連想させることから鶏肉(二本足で立つ=手をつかない)を使う縁起担ぎの伝統があります。鶏ベースのちゃんこ鍋が多いのは、こうした相撲ならではの験担ぎに由来しています。本場所のシーズン(1月・5月・9月)にはちゃんこ鍋の人気店は予約が殺到するため、相撲観戦の後にちゃんこ鍋を楽しみたい場合は事前の予約を強くおすすめします。
両国周辺にはちゃんこ鍋以外にも魅力的なグルメスポットが多く、隅田川沿いのカフェでは水辺の景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。蔵前方面に足を延ばせば、こだわりのコーヒーショップやベーカリー、チョコレート専門店など、洗練されたグルメスポットが点在しています。国技館の地下には大きな焼き鳥工場があり、本場所開催中に販売される国技館の焼き鳥は、冷めてもおいしいと評判の名物です。
蔵前・浅草・押上への足の延ばし方
両国を起点として周辺エリアへ足を延ばすことで、下町ポタリングの楽しみは一層広がります。
隅田川を挟んで両国の西側に位置する蔵前は、近年最も注目されている下町エリアの一つです。かつては玩具問屋街として知られていましたが、現在はクリエイターやデザイナーが集まるものづくりの街として生まれ変わりつつあります。「東京のブルックリン」と称されるこのエリアには、自家焙煎のコーヒーショップやクラフトチョコレートの工房、レザーワークのアトリエ、個性的なセレクトショップなどが軒を連ねています。両国から蔵前へは自転車で10分ほどの距離であり、隅田川を渡る橋からの景色も楽しめます。
浅草は東京を代表する観光地であり、雷門をくぐり仲見世通りを歩いて浅草寺に参拝するのは東京観光の王道コースです。ポタリングで訪れる場合は、浅草寺周辺の駐輪場に自転車を停めて徒歩で散策するのがおすすめです。浅草から両国にかけての隅田川沿いには水上バスの発着場もあり、自転車を返却した後に水上バスで移動するという楽しみ方もできます。
両国から隅田川沿いを北東に進むと、東京スカイツリーがそびえる押上エリアに到着します。高さ634メートルの東京スカイツリーは両国周辺からもその姿を望むことができますが、間近で見上げるとその迫力は圧倒的です。スカイツリーの足元に広がる商業施設「東京ソラマチ」には、すみだ水族館をはじめ多彩なショップやレストランが入居しており、ポタリングの休憩スポットとしても最適です。
季節ごとの両国ポタリングの楽しみ方
両国周辺のポタリングは四季を通じて異なる魅力を楽しめます。
春(3月〜5月) は両国ポタリングのベストシーズンの一つです。隅田川沿いの桜が満開になる3月下旬から4月上旬は花見ポタリングが楽しめる絶好の時期です。旧安田庭園の桜も美しく、庭園内でのんびりと花を愛でることができます。5月には大相撲夏場所が開催され、街全体が活気づきます。2026年の春は、3月31日の江戸東京博物館リニューアルオープンという特別なイベントもあり、例年以上に注目が集まるでしょう。
夏(6月〜8月) のポタリングは暑さ対策が重要です。早朝や夕方の涼しい時間帯を選んで走るのがおすすめです。7月には隅田川花火大会が開催され、両国周辺は夏の風物詩で賑わいます。すみだ北斎美術館では「北斎と広重」展が開催される時期でもあり、涼しい館内で浮世絵を鑑賞するのもよいでしょう。熱中症に注意し、こまめな水分補給を心がけてください。
秋(9月〜11月) は気候が穏やかで、ポタリングには最も快適な季節です。9月には大相撲秋場所が開催され、相撲ファンにとっては見逃せない時期となります。旧安田庭園では紅葉が色づき始め、風情ある庭園散策が楽しめます。すみだ北斎美術館では十周年記念の特別展示が予定されており、文化的にも充実した秋となりそうです。
冬(12月〜2月) は空気が澄んで、隅田川からの東京スカイツリーの眺望が一段と美しくなる季節です。1月には大相撲初場所が開催され、新年の熱気に包まれた両国を体感できます。寒い季節にはちゃんこ鍋がひときわ美味しく感じられ、体を温めながら下町の味覚を堪能できます。防寒対策をしっかりとして、手袋やネックウォーマーなどを装備して出かけましょう。
ポタリングで気をつけたい安全面とマナー
自転車での散策を安全に楽しむために、いくつかの注意点を守りましょう。自転車は道路交通法上の軽車両であり、原則として車道の左端を走行します。歩道を走行する場合は歩行者を最優先とし、徐行することが求められます。
両国周辺は観光客や地元の歩行者が多いエリアであるため、特に国技館通りや商店街では速度を落として安全運転を心がけてください。寺社仏閣や庭園の敷地内は自転車の乗り入れが禁止されている場合が多いため、入口付近の駐輪スペースを利用しましょう。
ヘルメットの着用は2023年4月から全年齢で努力義務化されており、安全のためにも着用をおすすめします。レンタサイクルを利用する場合は、ヘルメットの貸し出しがあるかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。
下町エリアは住宅街と観光地が混在しているため、住民の生活への配慮も大切です。早朝や夜間の走行ではベルを不必要に鳴らさないよう注意してください。駐輪は必ず指定された場所に行い、路上への無断駐輪は避けましょう。両国周辺の主要スポットには駐輪場が整備されているので、そちらを利用するのが安心です。
両国の下町ポタリングで東京の新たな一面を発見しよう
両国を中心とした下町エリアは、江戸時代から続く歴史と文化、大相撲の伝統、最新の博物館やアートスペース、そして下町ならではの温かい人情とグルメが融合した唯一無二の魅力を持つエリアです。2026年3月31日にリニューアルオープン予定の江戸東京博物館は、この街の新たなランドマークとしてさらなる注目を集めるでしょう。
すみだ北斎美術館の充実した展示プログラム、無料で楽しめる旧安田庭園の静かな美しさ、国技館周辺に漂う相撲文化の息吹、そして隅田川沿いの開放的な景色。これらすべてを自転車というちょうどよい速度で巡るポタリングは、両国の魅力を最大限に味わう最良の方法です。
歩くには広すぎ、車では通り過ぎてしまう下町の風景を、自転車でのんびりと流しながら楽しんでみてください。気になる路地があれば曲がり、おいしそうな店を見つけたら立ち寄り、美しい景色に出会えば足を止める。そんな自由気ままなポタリングで、東京の新たな一面をきっと発見できるはずです。









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