横須賀は、よこすかルートミュージアム、ポタリング、軍港めぐりという3つの観光スタイルで楽しめる神奈川県の港町です。よこすかルートミュージアムとは、市内に点在する歴史的・文化的スポットを「サテライト」と呼び、それらをルートでつないで街全体を一つの大きな博物館として巡る新しい観光の形であり、ポタリングは自転車でのんびり散策するスタイル、軍港めぐりは日本で唯一の軍港クルーズとして、いずれも横須賀ならではの体験を提供しています。東京湾の入り口に位置する横須賀市は、幕末のペリー来航以来、日本の近代化を支えてきた歴史ある街であり、海上自衛隊やアメリカ海軍の基地がある「軍港の街」として知られる一方、美しい海岸線や豊かな自然、開国の歴史を感じられる文化遺産が数多く残されています。
この記事では、横須賀観光の柱となるよこすかルートミュージアムの仕組みと見どころ、自転車で海岸線を巡るポタリングコースの魅力、そして迫力満点の軍港めぐりクルーズについて詳しく解説するとともに、記念艦三笠や猿島などの主要観光スポット、海軍カレーやネイビーバーガーといったご当地グルメ、さらにはモデルコースやアクセス情報まで、横須賀観光を満喫するための情報をお届けします。

よこすかルートミュージアムとは何か
よこすかルートミュージアムとは、横須賀に点在する開国から近代につながる歴史や文化の見どころ、そして自然豊かなスポットを「サテライト」と呼び、それらを「ルート」でつなぐことで、市内全体を大きな「ミュージアム」としてとらえた新しい楽しみ方です。横須賀市は江戸時代末期にペリーの黒船が来航した開国の地であり、日本で初めて鎮守府が置かれ、軍港都市として発展してきました。この歴史的な背景を持つ街全体を、壁のない博物館として体験できるのが、よこすかルートミュージアムの魅力となっています。
従来の観光では、個々のスポットを単独で訪れることが多かったですが、よこすかルートミュージアムでは、それぞれのスポットをストーリーでつなぎ、点と点を線で結ぶことで、より深く横須賀の魅力を理解できるようになっています。歴史・文化系のサテライトとしては、記念艦三笠、猿島の砲台跡、観音埼灯台、ペリー上陸記念碑、横須賀美術館、郷土資料館、走水低砲台跡、千代ヶ崎砲台跡、愛宕山公園、燈明堂などがあります。また、産業遺産系のサテライトにはスチームハンマー、逸見波止場衛門、第三海堡、ヴェルニー記念館などが含まれ、体験・グルメ系のサテライトとしてはYOKOSUKA軍港めぐり、ドブ板通り、いちご よこすかポートマーケットなどが登録されています。
よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸の役割
よこすかルートミュージアムの総合拠点となるのが、「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」です。この施設は、フランス人技師「ジュール・セザール・クロード・ティボディエ」が住んでいた約150年前の本州最古級の西洋館を、横須賀本港沿いのヴェルニー公園内に再現したものです。ティボディエは横須賀製鉄所の副首長を務めた人物であり、日本の近代化に大きく貢献しました。
ティボディエ邸では、大きなタッチスクリーンでサテライト(観光スポット)を探すことができ、50種類以上のサテライトカードが配布されています。このカードを組み合わせながら、自分だけのマイルートを設計できるのが特徴です。アクセスは京浜急行「汐入駅」から徒歩5分、JR「横須賀駅」から徒歩5分と非常に便利な立地にあり、横須賀観光の出発点として最適な場所となっています。
なお、2025年2月7日から3月23日まで「日本遺産×よこすかルートミュージアム 開国と日本近代化の歴史をたどるデジタルスタンプラリー」が開催されました。スタンプスポットを巡り、スタンプを集めると豪華プレゼントが当たる抽選に応募できるイベントで、好評を博しました。このようなイベントは定期的に開催されているため、訪問前に公式サイトやSNSをチェックすることをおすすめします。
YOKOSUKA軍港めぐりの魅力と概要
「YOKOSUKA軍港めぐり」は、海上自衛隊やアメリカ海軍の艦船を間近で見られる、日本で唯一のクルージングツアーです。約45分間のクルーズで、横須賀港に停泊する日米の艦船を船上から眺めることができます。軍港めぐりの最大の魅力は、通常は近づくことのできない軍艦を、海上から間近に見られることにあります。
タイミングによっては、日米のイージス艦や潜水艦、巨大な米空母、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」や「かが」、さらには砕氷艦(南極観測船)「しらせ」が見られることもあります。2024年2月には累計乗船者数が250万人を超え、2025年で開始から15周年を迎えた横須賀を代表する観光アトラクションとなりました。
軍港めぐりでは、案内人(ガイド)による解説を聞きながらクルーズを楽しめます。艦船の名前や役割、歴史的なエピソードなど、専門的な知識がなくても楽しめるよう工夫されています。見られる可能性のある艦船としては、イージス護衛艦、護衛艦「いずも」「かが」、潜水艦、米海軍空母、補給艦、掃海艇、砕氷艦「しらせ」などがあります。ただし、軍港という性質上、停泊している艦船は日によって異なります。どの艦船が見られるかは当日のお楽しみとなりますが、それがまた軍港めぐりの醍醐味でもあります。
軍港めぐりの運航情報と料金体系
運航は年中無休で、1日5便から6便が運航されています。運航時間は11時便、12時便、13時便、14時便、15時便が基本で、不定期の臨時便として10時便が運航されることもあります。乗船料金は大人1,600円から2,200円で曜日や時期により変動し、小学生は約半額となっています。
お得な情報として、平日は土日祝日に比べて200円安く乗船できます。さらに、横須賀市民割引があり、住所を確認できる身分証明書を提示すると料金が半額になります。また、エポスカード会員は乗船券10%OFFの優待を受けられます。
乗船場所は「コースカ ベイサイド ストアーズ」2階にあるチケット発券所(汐入ターミナル)です。京浜急行線「汐入駅」から徒歩約5分、JR「横須賀駅」から徒歩約10分でアクセスできます。土日祝日は混雑することが多いため、公式サイトからの事前予約がおすすめです。予約は6カ月先分まで可能で、電話または(株)トライアングルのウェブサイトで受け付けています。
通常のクルーズ以外にも、季節限定の特別企画が開催されることがあります。例えば、クリスマスシーズンには「クリスマスナイトクルーズ」が実施され、夜の軍港を楽しむことができます。特別企画は人気が高いため、早めの予約をおすすめします。
横須賀がポタリングに最適な理由
横須賀は、海岸線沿いの平坦なルートから、丘陵地を走るコースまで、多彩なサイクリングルートが整備されています。「ポタリング」とは、自転車でのんびりと散歩するように走ることを指し、競技としてのサイクリングとは異なり、景色を楽しみながらゆっくり走るスタイルです。横須賀の東海岸は比較的平坦で、初心者でも安心して走ることができます。また、西海岸は相模湾を眺めながら走れる気持ちの良いルートが続いています。よこすかルートミュージアムのサテライトを巡りながら走れば、観光と運動を同時に楽しめます。
横須賀市では、初の公式サイクリングマップを作成しています。「ぐるっとスカイチ!68km」は横須賀市を一周する上級者向けのコースで、市内の見どころを網羅的に巡ることができます。「東海岸ルート26km」は京急横須賀中央駅スタート、京急津久井浜駅ゴールのルートで、ドブ板通りでアメリカンな横須賀を楽しみ、海沿いにヤシの木が続く「まぼちょく」(馬堀海岸の直線道路)を通り、うみかぜ画廊を抜けて観音崎灯台へ向かいます。浦賀では「浦賀の渡し」で休憩がてらショートカットでき、自転車もそのまま載せられます。
「西海岸ルート23km」は相模湾側の西海岸をメインに走るアップダウンの少ないルートで、ソレイユの丘がスタート地点です。基本的に海沿いを走るため、天気がいい日は富士山や伊豆半島を眺めながらサイクリングを楽しめます。走行時間は2.5時間から3.5時間程度、獲得標高155m、難易度は初心者向けとなっています。
おすすめポタリングコースの詳細
初心者に特におすすめなのが、三笠公園から観音崎灯台を目指すコースです。距離は約18km(片道約9km強)で、サイクリングだけなら1.5時間から2時間、観光や休憩を入れると半日から1日かかります。ほぼ平坦で初心者でも安心して走れるコースです。
横須賀中央駅を皮切りに、ヴェルニー公園や三笠公園、うみかぜ公園を通って馬堀海岸(通称まぼちょく)あたりまでなら、高低差もほとんどなく、海の景色を眺めながら爽快に走れます。まぼちょくはヤシの木が立ち並ぶ直線道路で、南国のような雰囲気を楽しめます。その先にはカラフルな「うみかぜ画廊」が約1km続き、アートを眺めながらのサイクリングが楽しめます。
レンタサイクル情報と利用方法
自転車を持っていない方でも、横須賀市内には複数のレンタサイクルスポットがあります。ソレイユの丘では大人向けから子供向けのスポーツ用自転車がラインナップされており、4時間と1日レンタルプランから選択できます。自転車以外にヘルメットと鍵も貸し出されます。MERIDAのレンタサイクルで、西海岸の風光明媚なルートを巡ることができます。
うみかぜサイクル(三浦海岸)は、三浦海岸海水浴場の目の前に位置するスポーツ自転車専門のレンタサイクル店です。クロスバイク(ジュニアサイズも有り)やロードバイク、電動アシスト付きなどが揃っています。京浜急行久里浜線「三浦海岸駅」から徒歩5分の好立地です。
SEA-Bikeでは、1日プランにお食事券がついたお得なプランもあります。約1km続くカラフルな「うみかぜ画廊」を眺めながら、三浦半島の東海岸線に沿って観音崎や三浦海岸へ向かうことができます。
横須賀市では、神奈川県タクシー協会横須賀支部と連携した「CYCLE RESCUE TAXI YOKOSUKA」というサービスがあります。横須賀市内を自転車で走行中に急なトラブル(パンク、体調不良など)が発生した場合、自転車と一緒にタクシーで自宅や駅などまで送迎してもらえます(有料)。初心者でも安心してサイクリングを楽しめる環境が整っています。
記念艦三笠と三笠公園の見どころ
三笠公園は、「日本の都市公園100選」「日本の歴史公園100選」に選ばれた横須賀を代表する公園です。「水と光と音」をテーマとし、音楽に合わせて舞う噴水や、ダイナミックな壁泉、高さ18メートルのモニュメントなどが点在しています。
園内に保存されている記念艦「三笠」は、明治35年(1902年)にイギリスで建造された戦艦です。日露戦争では東郷平八郎司令長官が乗艦する連合艦隊の旗艦として活躍しました。現存する世界最古の鋼鉄戦艦であり、日本遺産の構成文化財に認定されています。日本の「三笠」は、英国の「ヴィクトリー号」、米国の「コンスティチューション号」とともに「世界三大記念艦」として知られています。
艦内では当時の資料のほか、海事に関するさまざまな資料や模型が展示されています。VRを使って日本海海戦を疑似体験できる設備もあり、当時の様子をダイナミックに体感できます。長官室などの中に入ることもでき、東郷司令長官が歩いたその場所を、実際に自分の足で体験できます。指揮塔に上ると、日本海海戦の最中、東郷元帥が5時間立ち続けたといわれる位置に足跡が示されています。
営業時間は、4月から9月が9時から17時30分、3月と10月が9時から17時、11月から2月が9時から16時30分です。入場料は大人600円で、京急本線「横須賀中央駅」より徒歩約15分でアクセスできます。
猿島の歴史と楽しみ方
猿島は、東京湾に浮かぶ唯一の自然島であり、湾内最大の無人島です。かつては東京湾を守る要として砲台と弾薬庫のある「要塞の島」でした。現在では島内を自由に散策でき、当時のままの姿で残された歴史遺産と、ありのままの自然が融合した独自の風景を楽しめます。
猿島には少なくとも8000年の歴史があります。山頂にある展望台のエリアでは、約8000年前に使われたと思われる縄文式土器のカケラと石器が発見されています。明治時代には要塞として使われていた歴史があり、今もその遺構が残っている「まるでラピュタ」と話題のスポットです。かつて軍が実際に使用していた砲台や弾薬庫、兵舎などの跡があり、近代軍事遺産として初めて「国史跡」に指定された猿島要塞跡です。明治初期にできたレンガ造りのトンネルなど、見どころはたくさんあります。
アクセスは、三笠公園内の「三笠桟橋」から連絡船で約10分です。東京駅からJR横須賀線で約1時間10分、「横須賀駅」または京急「横須賀中央駅」へ向かい、「横須賀中央駅」から三笠桟橋までは徒歩約15分です。
料金については、横須賀市外在住の方は大人2,000円(乗船料1,500円+入園料500円)、中学生1,750円、小学生1,000円となっています。横須賀市民の方は割引があり、大人1,000円、中学生880円、小学生500円です。小学生未満は大人1名につき1名無料です。
猿島では自然が豊かで、釣りやバーベキュー、海水浴も楽しめます。島内でBBQ機材をレンタルでき、食材さえ持ち込めば手軽にBBQができます。ガイドツアーや磯遊びなど、さまざまなアクティビティを楽しめます。なお、猿島は宿泊ができないため、最終便の時間を必ず確認してください。天候により欠航となる場合があります。また、島内への火器(コンロ類)、燃料(炭・ガス等)の持ち込みはできません。
ヴェルニー公園とバラの見どころ
ヴェルニー公園は、横須賀港に面したフランス庭園様式の美しい公園です。かつては臨海公園の名で親しまれてきましたが、公園の対岸にフランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した横須賀製鉄所跡地が望めることから、フランス庭園様式を取り入れた公園として整備され、平成13年度末に完成しました。
日米の艦船が停泊する港を背景に、約1,300株のバラが咲き誇るフランス式庭園で、約130種ものバラが彩りを添えています。幾何学的な配置が特徴のフランス様式の庭園となっており、園内各所でバラの花を無料で観覧できます。バラの見頃は春季(ゴールデンウィーク明けから5月下旬)と秋季(10月中旬から11月中旬)の2回です。見頃の時期には「ローズフェスタ」が開催され、バラ苗販売やマルシェ、キッチンカーなども楽しめます。
園内には、ヴェルニーと当時の勘定奉行小栗上野介忠順の胸像や、広場を中心にフランス式花壇や噴水、洋風あずまやなどがあります。海沿いにはボードウォークがあり、潮風の中で散歩を楽しめます。また、公園内には「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」や「ヴェルニー記念館」があります。ヴェルニー記念館では、国指定重要文化財のスチームハンマーの展示や、横須賀の産業の歴史を見ることができます。
アクセスは京急電鉄「汐入駅」から徒歩5分、またはJR線「横須賀駅」から徒歩1分です。入園料は無料で24時間開放されています。
観音崎エリアの魅力
東京湾に大きく突き出した観音崎の岬の上に広がる県立観音崎公園は、海と山の両方の魅力をあわせ持つ自然豊かな公園です。海岸沿いの遊歩道からは、変化に富んだ自然美あふれる岩礁を眺めたり、海水浴や磯遊びができる砂浜へアクセスできます。園内の随所から東京湾の海景色が広がり、浦賀水道を行き交う世界の船や、対岸の房総半島を一望できます。また、日本初の洋式灯台である観音埼灯台や砲台跡、戦没船員の碑、西脇順三郎の文学碑など歴史的、文化的な特色もある公園です。
観音埼灯台は、三浦半島の東端、浦賀水道に突き出した岬の突端に建つ灯台で、明治初期、日本初の洋式灯台として誕生しました。現在は3代目の灯台です。上部まで登ることのできる珍しい灯台で、船舶ウォッチングも楽しめます。観音埼灯台は、明治元年9月17日(新暦1868年11月1日)に起工、同年12月29日(新暦1869年2月10日)に竣工、明治2年1月1日(新暦1869年2月11日)に初めて点灯しました。フランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーの依頼により建設されました。
横須賀美術館は、緑豊かな神奈川県立観音崎公園の中に位置しています。屋上広場からは東京湾が一望でき、美術館の敷地内を散策するだけでも息抜きになります。春は山の広場や海の広場の桜が、梅雨の時期は園路に咲く紫陽花が美しいです。
くりはま花の国とソレイユの丘
くりはま花の国は、緑豊かな自然とのふれあいを満喫できる花をテーマにした公園です。春はポピー、秋はコスモスが咲き乱れ、シーズンになると市内外から多くの人が訪れます。園内のハーブ園では、5月から7月に見ごろを迎えるラベンダーをはじめ、ハーブの魅力を満喫できます。散策に疲れたら、ハーブを眺めながら入れる足湯「湯足里(ゆったり)」(無料)があります。首都圏の花の名所として有名なコスモス・ポピー園では、100万本の花々が咲き誇ります。ゴジラの滑り台がある冒険ランド、豊富なハーブと足湯「湯足里」のあるハーブ園には、子供が思いきり楽しめる大型遊具などがあります。24時間年中無休で入園無料です。アクセスはJR久里浜駅または京急久里浜駅より徒歩約15分です。
「長井海の手公園 ソレイユの丘」は、2023年4月にリニューアルオープンした「365日誰もが遊び愉しみ尽くせるエンターテイメントパーク」です。都心から車で約70分の距離にありながら、1年を通じてさまざまな表情を見せる相模湾、伊豆大島、富士山などの絶景と園内に咲き誇る四季折々の花々、アスレチックやVRスポーツなど、世代や天候を問わず楽しめる公園です。夏には約10万本のヒマワリが一斉に咲き誇り、フランス語で太陽やヒマワリを意味する「ソレイユ」にふさわしい壮観な真夏のヒマワリ畑を楽しめます。澄み渡る青空、相模湾、富士山とともに、夏らしい絶景を堪能できます。
うみかぜ公園と走水・馬堀海岸エリア
うみかぜ公園は、横須賀新港の南東約1.5kmの海沿いに位置する港湾緑地で、猿島や東京湾を間近に見ることができます。園内には、マウンテンバイクコース、壁打ちテニスコート、スケートボード、3on3バスケットコートのスポーツを楽しめるエリア、バーベキューができる広場、円形花壇、芝すべり台、水の丘噴水などの家族で遊べるエリアがあります。また、第三海堡の大型兵舎がうみかぜ公園に移設され、2006年3月1日から貴重な土木遺産として常設展示されています。2010年からは、手軽にBBQを楽しむことができる「うみかぜBBQ」(有料)もスタートしました。
走水海岸は、春はお花見、潮干狩り、夏は海水浴とシーズンを通してバラエティに遊べるエリアです。馬堀海岸駅から観音崎に至る、景色のよい海岸線のコースには、古代から近代にいたるまでのさまざまな史跡も残っています。走水道路(国道16号)の坂上では、晴れた日に富士山を望み、春秋には山頂に夕日が沈むダイヤモンド富士を見ることができ、「関東の富士見百景」に選ばれています。馬堀海岸の国道16号線沿いの海岸線は綺麗に整備され、国道より1段高い場所に遊歩道「うみかぜの路」があります。天気の良い日に散歩すると気分が良く、富士山が遠くに見えます。
ペリー公園と開国の歴史
久里浜海岸のペリー公園内にはペリー上陸記念碑があります。この碑は、ペリーが嘉永6年6月9日(新暦1853年7月14日)に久里浜海岸に上陸したことを記念して建てられたものです。碑文の「北米合衆國水師提督伯理上陸紀念碑」は伊藤博文の筆によるものです。
ペリー記念館では、ペリー来航に関する歴史的資料や模型などが展示され、当時の絵巻物や瓦版などから、人々の驚きや動揺を知ることができます。ペリーが長崎ではなく浦賀を選んだのは、江戸幕府に開国を迫るには、江戸に近い浦賀の方が幕府への圧力をかけるには効果的と考えたからです。江戸時代の浦賀には「浦賀奉行所」という幕府の機関が置かれ、江戸湾に入る船は浦賀に入港して様々なチェックを受けなければなりませんでした。
横須賀3大グルメを堪能する
横須賀には「横須賀3大グルメ」と呼ばれるご当地グルメがあります。海軍カレー、ネイビーバーガー、チェリーチーズケーキの3つです。
海軍カレーの由来は、日露戦争時、海軍内の脚気の解消のために海軍当局が1908年「海軍割烹術参考書」に掲載して普及させたことにあります。現在でも海上自衛隊では毎週金曜日の昼はカレーライスを食べる習慣があります。海軍カレーの特徴は、必ずサラダと牛乳がセットになることです。これは当時の栄養バランスを考慮したスタイルが受け継がれています。
ヨコスカネイビーバーガーは、1940年代後半、米海軍から横須賀に様々なアメリカ文化が広がっていく中で誕生しました。ハンバーガーは汐入駅近くにあったEMクラブでビッグバンドジャズの演奏とともに提供され、日本でこの新しい食べ物を一般市民が初めて味わう機会となりました。2009年からヨコスカネイビーバーガーの公式販売が開始されました。牛肉本来の味を損なわないシンプルな味付けとフレッシュな野菜のトッピングが特徴です。
「どぶ板通り」という名前は、昔、商店街の間にあったどぶ川を、海軍から提供してもらった鉄板でふさいでもらったことに由来しています。スカジャンを売っているお店やアメリカンな雑貨を売っているお店など、独特な雰囲気がある商店街です。
おすすめのグルメスポット
TSUNAMI / TSUNAMI BOXは、横須賀のどぶ板通り沿いにあり、横須賀ネイビーバーガーをはじめ、海軍カレーやチェリーチーズケーキの横須賀3大グルメを堪能できます。バーガーはアメリカ海軍から提供された伝統的なレシピに基づいて作られており、牛肉100%のパテは直火焼きグリラーで香ばしく焼き上げられます。バンズは三浦の海洋酵母で発酵させ、溶岩窯で焼いたオリジナルのものです。
HONEY BEE(ハニービー)は、創業1968年当時から続くアメリカの空気と変わらない味を忠実に守り続けています。ネイビーバーガー認定の1号店で、横須賀市民なら誰でも知っている老舗です。
どぶ板食堂PERRYでは、横須賀の3大グルメ「海軍カレー・ネイビーバーガー・チェリーチーズケーキ」の全てが食べられます。「よこすか海軍カレー」は、海上自衛隊で食べられている海軍カレーのレシピを忠実に再現している本格派です。
イベント情報と季節の楽しみ方
毎年春に開催される「日米親善 よこすかスプリングフェスタ」は、米海軍横須賀基地の一部を一般開放して開催される毎年恒例の春祭りです。2026年は3月21日(土)に開催される予定です。アメリカン屋台やステージショー、艦船見学等を楽しむことができ、普段は入ることのできない米軍基地内の雰囲気を体験できる貴重な機会です。
フェリーでの「よこすか周遊キャンペーン」では、対象のフェリーを利用した方に「YOKOSUKA軍港めぐり」クルーズチケットと「いちご よこすかポートマーケット」で使えるお買物券がプレゼントされます。フェリーが発着する横須賀には、よこすかルートミュージアムの観光拠点「近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」や、ヴェルニー公園、記念艦三笠、猿島などがあり、フェリーと組み合わせた観光を楽しめます。
ヴェルニー公園では、バラの見頃に合わせて「ローズフェスタ」が開催されます。春は5月頃、秋は10月から11月頃の開催で、約130種・1300株のバラが見ごろを迎える時期に、バラ苗販売やマルシェ、キッチンカーなども楽しめます。
横須賀観光のモデルコース
半日コース「軍港と歴史を巡る」は、約4時間から5時間で回ることができます。京急「汐入駅」またはJR「横須賀駅」からスタートし、まずヴェルニー公園を散策してティボディエ邸を見学します(約45分)。続いてYOKOSUKA軍港めぐりに乗船し(約45分)、ドブ板通りでランチとして海軍カレーまたはネイビーバーガーを楽しみます(約60分)。その後、三笠公園と記念艦三笠を見学し(約90分)、京急「横須賀中央駅」からゴールとなります。
1日コース「猿島と横須賀満喫」は、約8時間で横須賀を存分に楽しめます。京急「横須賀中央駅」からスタートし、三笠公園から猿島へ連絡船で渡ります(約10分)。猿島では散策やBBQなどで約3時間から4時間を過ごします。三笠公園に戻って記念艦三笠を見学し(約60分)、YOKOSUKA軍港めぐりに乗船します(約45分)。最後にドブ板通りでディナーを楽しみ(約60分)、京急「汐入駅」からゴールとなります。
ポタリングコース「東海岸絶景ライド」は、休憩・観光込みで約5時間から6時間のコースです。京急「横須賀中央駅」付近でレンタサイクルを借り、ヴェルニー公園、三笠公園、うみかぜ公園を経由して馬堀海岸(まぼちょく)とうみかぜ画廊を通り、観音崎公園と観音埼灯台を訪れます。横須賀美術館で休憩・カフェを楽しんだ後、帰路につきます。
横須賀へのアクセス方法
電車でのアクセスについては、東京方面からはJR横須賀線で東京駅から横須賀駅まで約70分、京急本線で品川駅から横須賀中央駅まで快特利用で約50分です。横浜方面からはJR横須賀線で横浜駅から横須賀駅まで約45分、京急本線で横浜駅から横須賀中央駅まで快特利用で約30分です。
車でのアクセスは、横浜横須賀道路を利用し、横須賀ICまたは馬堀海岸ICで下車します。都心から約1時間から1時間30分程度です。
フェリーでのアクセスとして、東京湾フェリーを利用すれば、千葉県の金谷港から久里浜港まで約40分で渡ることができます。車ごと乗船できるため、房総半島と三浦半島を組み合わせた観光も可能です。
横須賀は、幕末の開国から現代まで、日本の近代化を支えてきた歴史ある街です。よこすかルートミュージアムという新しい観光スタイルを通じて、街全体を一つの博物館として楽しむことができます。軍港めぐりでは日本で唯一、海上自衛隊やアメリカ海軍の艦船を間近で見られるクルーズを体験でき、ポタリングでは美しい海岸線や歴史的なスポットを自転車でのんびり巡ることができます。海軍カレーやネイビーバーガーなどのご当地グルメ、猿島や観音崎などの自然豊かなスポット、記念艦三笠やティボディエ邸などの歴史的建造物など、見どころは尽きません。東京から日帰りで十分楽しめる距離にありながら、非日常的な体験ができる横須賀を、ぜひ訪れてみてください。









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