浅草から両国にかけてのエリアは、桜ポタリングを楽しむのに最適な下町コースです。隅田公園を中心に約1000本の桜が咲き誇る隅田川沿いを自転車でゆったりと巡りながら、東京スカイツリーとの共演や老舗和菓子、ちゃんこ鍋といった下町の魅力を一日で堪能できます。2026年の隅田公園の桜は3月20日頃に開花し、3月27日頃に満開を迎える見込みで、墨堤さくらまつりは3月20日から4月5日まで開催される予定です。
本記事では、浅草から両国へと続く全行程約10キロメートルの桜ポタリングコースについて、見どころやおすすめルート、グルメ情報から実用的なアドバイスまで詳しくご紹介します。隅田川沿いの桜並木、歴史ある観光名所、そして昔ながらの下町グルメが揃うこのコースは、春の東京を自転車で満喫したい方にとって理想的なルートとなっています。

桜ポタリングとは?自転車で楽しむお花見スタイル
桜ポタリングとは、桜を眺めながら自転車でゆったりと散歩するように走る花見スタイルのことです。ポタリングという言葉は英語の「potter」(ぶらぶらする)に由来するとされ、距離や速度を追い求めるサイクリングとは異なり、景色や街の雰囲気を楽しみながらのんびりと走るのが大きな特徴です。
ポタリングにはさまざまな楽しみ方があります。街をぶらぶら散歩したり、グルメを楽しんだり、季節の花を撮影しながら走ったりと、目的を持って走るのも気持ちのおもむくままにゆるゆる走るのも醍醐味です。テーマをもとに立ち寄る場所を決めれば、コースは自ずと決まってきます。「桜と下町」をテーマにした浅草・両国エリアのポタリングは、東京の春を満喫するのにふさわしいコースといえるでしょう。
桜ポタリングの服装と持ち物の準備
桜ポタリングを快適に楽しむためには、服装と持ち物の事前準備が大切です。
服装については、カジュアルで動きやすい格好がおすすめです。ゆるいペースのポタリングとはいえ、自転車に乗ると思ったよりも汗をかくため、吸湿速乾性の高いインナーを着ておくと快適に過ごせます。春先は朝晩と日中の気温差が大きいため、脱ぎ着しやすい薄手のジャケットやウインドブレーカーを一枚持っておくと安心です。なお、2023年4月から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となっていますので、ヘルメットの準備も忘れないようにしましょう。
持ち物としては、水分補給用の飲み物が欠かせません。コース上にはコンビニや自動販売機も多いですが、あらかじめ持参しておくと安心です。スマートフォンや財布、タオル、日焼け止めといった基本的なものに加え、カメラやモバイルバッテリーがあれば桜の写真撮影も存分に楽しめます。あらかじめ休憩場所を設定し、休憩時間を見積もっておくことも大切です。複数人で走る場合は、一番ペースの遅い方に合わせて無理のない走行距離で計画するのがコツです。
浅草・両国エリアでの自転車の調達方法
自分の自転車を持っていなくても、浅草・両国エリアではシェアサイクルサービスが充実しているため心配はいりません。
ドコモ・バイクシェアは、東京都内で最もポート数が多いシェアサイクルサービスのひとつです。浅草や両国周辺にも多くのポートが設置されており、スマートフォンアプリから簡単に利用登録と自転車の予約ができます。電動アシスト付き自転車なので、橋の上り坂や向かい風でも楽に走ることが可能です。LUUP(ループ)も都内で利用できるシェアサイクルサービスで、電動自転車や電動キックボードをアプリで手軽にレンタルできます。どこでも乗り捨て可能なのが特徴で、コースの途中で気が変わっても柔軟に対応できる点が魅力です。
いずれのサービスもアプリをダウンロードしてアカウント登録を事前に済ませておくと、スムーズに利用を開始できます。料金も15分あたり数十円程度からと手頃ですので、気軽に活用してみてください。
隅田公園の桜の歴史と見どころ
隅田公園は、隅田川を挟んで台東区浅草側と墨田区向島側の両岸に広がる東京屈指の桜の名所です。台東区側には約600本、墨田区側には約343本、あわせて約1000本もの桜が並木となって咲き誇ります。
隅田川沿いの桜の歴史は江戸時代にまでさかのぼります。江戸時代の初め、徳川4代将軍家綱の命により隅田川の両岸に桜が植えられたのが始まりとされています。その後、8代将軍吉宗が享保2年(1717年)と享保11年(1726年)に桜の手入れや植え足しを行い、花見の名所として整備しました。以来、向島の隅田川堤の桜は、王子の飛鳥山、玉川上水沿いの小金井、品川の御殿山、上野の寛永寺と並んで、江戸近郊の桜の五大名所のひとつに数えられるようになりました。
現在の隅田公園には、ソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラ、サトザクラなど、さまざまな品種の桜が植えられています。見頃は例年3月中旬から4月上旬で、2026年の開花予想は3月20日頃、満開は3月27日頃と予想されています。
墨堤さくらまつり 2026年の開催情報
墨堤(ぼくてい)さくらまつりは、墨田区側の隅田公園周辺で毎年開催される恒例のお花見イベントです。2026年は3月20日(金・祝)から4月5日(日)までの開催が予定されています。
期間中は18時30分から21時まで夜桜のライトアップとぼんぼり提灯の点灯が実施され、昼間とはまた違った幻想的な桜の姿を楽しむことができます。ライトアップされた桜が隅田川の水面に映る光景は息をのむ美しさで、毎年多くの花見客を魅了しています。また、台東区側では「隅田公園桜まつり」も同時期に開催され、屋台も出店してにぎわいを見せます。両岸のお祭りをはしごしながら楽しむのも一興です。
おすすめ桜ポタリングコース 浅草から両国への下町周遊ルート
浅草から両国への桜ポタリングコースは、全行程約10キロメートルで、寄り道や休憩を含めて3時間から4時間程度の所要時間です。雷門をスタート地点に、仲見世通りを散策してから隅田公園へ向かい、桜を堪能しながら両国方面へと走るルートとなっています。ここからは各ポイントの見どころを順番にご紹介します。
雷門・浅草寺からスタート
ポタリングのスタート地点は、浅草の象徴である雷門です。高さ3.9メートル、幅3.3メートル、重量およそ700キログラムの巨大な赤ちょうちんは、国内外の観光客を魅了し続けています。正式名称は「風雷神門」といい、右側に風神像、左側に雷神像が安置されています。
雷門をくぐると、日本で最も古い商店街のひとつとされる仲見世通りが約250メートルにわたって続きます。89もの店が軒を連ね、人形焼きや雷おこし、あげまんじゅうなどの伝統的な和菓子から最新のスイーツまで、食べ歩きを楽しむことができます。年間の観光客数は3000万人を超えるという、まさに日本を代表する観光スポットです。
仲見世通りの先にある浅草寺は、628年に創建された都内最古の寺院とされています。本堂や五重塔など見どころは数多くあります。自転車は境内に持ち込めないため、駐輪場に停めてから散策しましょう。朝の比較的空いている時間帯に参拝を済ませてからポタリングに出発するのがおすすめです。
隅田公園(台東区側)の桜並木と東京スカイツリーの共演
隅田公園台東区側の最大の魅力は、約600本の桜と東京スカイツリーの共演です。浅草寺から隅田川方面へ数分走ると台東区側の隅田公園に到着し、ここからが桜ポタリングコースのハイライトとなります。
吾妻橋から桜橋までの約1キロメートルにわたって桜のトンネルが続き、自転車を降りて桜の下をゆっくり歩きながら楽しむのもおすすめです。隅田川越しにそびえ立つ高さ634メートルのスカイツリーと、手前に広がる桜並木のコントラストは、まさに東京ならではの絶景です。特に吾妻橋から言問橋の間はスカイツリーが正面に見えるベストな撮影ポイントとなっています。
吾妻橋と桜橋の絶景スポット
吾妻橋は浅草と墨田区を結ぶ橋で、ここからの眺めは圧巻です。台東区側からは東京スカイツリー、アサヒビール本社ビル、そして聖火台の炎をモチーフにした金色のオブジェを一望することができます。桜の季節には、これらの建築物と桜が織りなす風景が格別の美しさを見せてくれます。橋の上は風が強いこともありますが、ここでしか見られないパノラマをぜひ堪能してください。
桜橋は歩行者と自転車専用の橋で、X字型のユニークな形状が特徴です。橋の上からは東京スカイツリーと桜並木を同時に眺めることができ、車を気にすることなくゆっくり渡れるのがポタリングに嬉しいポイントです。この桜橋を渡って墨田区側の隅田公園へ移動すると、台東区側とはまた違った角度から桜とスカイツリーの景色を楽しめます。
向島エリアの老舗和菓子を堪能
墨田区側の隅田公園周辺では、向島エリアの老舗和菓子店への立ち寄りが欠かせません。墨田区側にも約343本の桜が咲き誇り、台東区側に比べて人が少なめで、ゆったりと桜を楽しめることが多いのも魅力です。
長命寺桜もちは、享保2年(1717年)に創業した300年以上の歴史を持つ桜もちの名店です。創業者の山本新六が隅田川の土手に植えられた桜の葉を塩漬けにして桜もちを考案し、長命寺の門前で売り始めたのが始まりとされています。塩漬けの桜の葉で包まれた桜もちは、桜の香りと甘さが絶妙で、花見の合間にいただくと格別の味わいです。
すぐ隣にある言問団子は、江戸時代の終わりに創業した老舗の菓子処です。串に刺さっていないころんとした団子が特徴的で、小豆あん、白あん、味噌あんの3種類が1セットになっています。長命寺桜もちと言問団子はお隣同士なので、両方をセットで楽しむのがおすすめです。さらに「志”満ん草餅」も加えた3店は「向島三大和菓子」と呼ばれており、和菓子好きにはたまらない下町グルメスポットとなっています。
山谷堀公園の隠れた桜スポット
山谷堀公園は「隠れた桜の名所」として知られる穴場スポットです。向島エリアから少し足を延ばすと辿り着くこの公園は、現在は埋め立てられて公園となっていますが、江戸時代にはかつて隅田川と吉原を結ぶ掘割(運河)だった場所です。
約700メートルにわたって桜並木が続き、東京スカイツリーを背景に桜の花を撮影できる穴場として人気があります。隅田公園ほど混雑しないため、ゆったりと桜を楽しめるのが大きな魅力です。自転車で走りながら江戸時代の情景に思いを馳せるのも、下町ポタリングならではの楽しみ方です。
蔵前エリアのおしゃれカフェで休憩
蔵前は近年「東京のブルックリン」として注目を集めているエリアです。浅草から両国方面へ向かう途中に位置し、かつての倉庫街をリノベーションした建物が立ち並んでいます。アーティストやクリエイターが多く集まることから、昔ながらの下町の雰囲気に新しい風が融合した独特の空気感を持っています。
蔵前には個性的なカフェが数多くあり、ポタリングの休憩にぴったりです。こだわりのコーヒーやスイーツを提供するカフェが軒を連ね、リノベーションされた倉庫を改装したおしゃれな空間で一息つくことができます。また、文具店「カキモリ」ではオーダーメイドのノートを作ることができ、お土産としても人気です。蔵前神社は蔵前駅から徒歩約3分の場所にあり、都会にありながらも落ち着ける観光スポットとなっています。隅田川を厩橋(うまやばし)で渡ると蔵前エリアに入りますので、少し寄り道をしてコーヒーブレイクを楽しむのもポタリングの贅沢なひとときです。
両国エリアでちゃんこ鍋を楽しむ
両国は相撲の聖地として知られ、ちゃんこ鍋の本場でもあります。蔵前から隅田川沿いをさらに南下すると到着します。
両国国技館は日本を代表する多目的ホールで、主に大相撲の興行が行われています。本場所が開催されていない時期でも、外観を眺めるだけで相撲の歴史と伝統を感じることができます。国技館の地下大広間では相撲観戦の合間にちゃんこ鍋をいただくこともでき、季節や日によって味付けが変わるのが魅力ですが、相撲観戦のチケットが必要となる点にはご注意ください。
両国周辺には数多くのちゃんこ鍋の名店があり、それぞれに個性があります。
| 店名 | 特徴 | 備考 |
|---|---|---|
| 川崎 | ミシュランガイド東京ビブグルマン常連の老舗 | 昭和12年創業 |
| ちゃんこ霧島 | 豚骨と柚子胡椒の独自「霧島味」スープ | 個性的な味わいが人気 |
| ちゃんこ道場 | リーズナブルな価格で本格ちゃんこ鍋 | ランチ限定1人前1000円 |
ポタリングで体を動かした後のちゃんこ鍋は、体も心も温まるご褒美になるでしょう。
旧安田庭園でポタリングの締めくくり
旧安田庭園は、ポタリングの締めくくりにふさわしい静かな名所です。両国国技館のすぐそばに位置し、元禄年間(1688年から1703年)に常陸国笠間藩主の本庄因幡守宗資により築造されたと伝えられる由緒ある大名庭園です。
この庭園は「潮入り回遊式庭園」という珍しい形式で、かつては隅田川の水を取り入れ、東京湾の潮の満ち引きを利用して眺めの変化を楽しむ仕組みになっていました。現在は地下貯水槽と循環浄化装置により人工的に潮入りが再現されています。小島の浮かぶ心字池を老樹と散策路が囲む構成で、雪見灯篭が配置され、池には鯉や亀が遊ぶ心安らぐ空間です。
1879年から安田財閥の祖である安田善次郎が所有し、1922年(大正11年)に彼の遺志にもとづいて東京市に寄贈されました。1923年の関東大震災でほとんど旧態を失いましたが、残った地割や石組を基に復元が行われ、1927年(昭和2年)に市民の庭園として開園しました。平成8年(1996年)には東京都の「名勝」に指定されています。入園料は無料で、開園時間は8時30分から16時30分までです。JR両国駅西口から徒歩5分ほどの好立地にあり、ポタリングの最後にこの静寂の庭園でゆったりと過ごすのは、下町コースの素晴らしい締めくくりとなるでしょう。
東京スカイツリーと桜のおすすめ撮影ポイント
桜ポタリングの醍醐味のひとつが、東京スカイツリーと桜を組み合わせた写真撮影です。ポタリングコース上には複数の絶好の撮影ポイントがあります。
隅田公園の台東区側は「桜とスカイツリー」の共演を楽しめる最も定番のスポットです。特に吾妻橋と桜橋の間のエリアではスカイツリーが正面に見え、満開の桜との組み合わせが絶景となります。桜橋の上からの撮影もおすすめで、X字型の橋の大胆な曲線と東京スカイツリーの直線的なシルエットのコントラストが印象的な写真を生み出してくれます。
隅田川テラスの台東区側からはスカイツリーを間近に眺めることができ、川面に映るスカイツリーと桜の組み合わせはここならではの一枚が撮れるポイントです。山谷堀公園は穴場的な撮影スポットで、約700メートルの桜並木の奥にスカイツリーがそびえる構図はSNSでも人気があります。夕暮れ時から夜にかけては、ライトアップされたスカイツリーと桜のシルエットが重なる幻想的な風景が広がります。夜桜ライトアップの期間中(18時30分から21時)は、昼間とはまったく異なる美しさを楽しめます。
隅田川の橋めぐりも楽しめる桜ポタリング
隅田川には自転車で通行できる橋が27橋もあり、橋を渡るたびに異なる桜景色を楽しめるのもポタリングの魅力です。
吾妻橋は浅草のシンボル的な存在で赤い欄干が特徴であり、隅田川沿いでも屈指の美しい眺めを誇ります。言問橋はその名の通り、在原業平の和歌「名にし負はば いざ言問はん 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」に由来する風情ある橋です。桜橋は歩行者・自転車専用のX字型の橋で、ポタリングには最適の橋といえます。厩橋は蔵前エリアへのアクセスに便利な橋で、両国橋は両国エリアへの入口となっています。各橋からの眺めはそれぞれ異なる趣があり、橋を渡るたびに立ち止まって景色を楽しむのもポタリングならではの贅沢です。
桜ポタリングのマナーと注意点
楽しいポタリングにするために、いくつかのマナーと注意点を守ることが大切です。
隅田川テラスは全域で自転車に乗って走行できるわけではなく、自転車の乗り入れが禁止されている区間もあります。案内板をよく確認し、禁止区間では自転車を降りて押して歩くようにしましょう。桜の時期は花見客で大変混雑し、特に土日祝日の隅田公園周辺は歩行者が多いため、自転車での走行は十分な注意が必要です。混雑が激しい場所では無理に自転車に乗らず、降りて押し歩きすることを心がけてください。
歩行者優先の意識を常に持ち、ベルを鳴らして歩行者をどかすような行為は厳禁です。速度を落とし、声をかけて通過するなど周囲への配慮を忘れないようにしましょう。公園内でのゴミの持ち帰りは基本であり、桜の木の根元への立ち入りや枝を折る行為もマナー違反です。美しい桜を次の世代にも残すために、ひとりひとりの心がけが大切です。
隅田川の屋形船で楽しむ水上からの桜見物
ポタリングとは少し趣向が異なりますが、隅田川の屋形船から桜を楽しむという選択肢も魅力的です。自転車で走りながら眺める桜とは一味違った、水上からの桜見物は格別の体験となります。
2026年の屋形船お花見プランは、各社とも3月中旬から4月上旬にかけて運航が予定されています。料金は業者やプランによって異なりますが、昼便で大人1人あたり10000円前後、夜便で11000円前後が目安です。食事付きのプランが一般的で、天ぷらや刺身などの江戸前料理を楽しみながら両岸の桜並木を水上から眺めることができます。
予約のピークは満開予測に近い3月下旬から4月初旬の週末で、乗合船も貸切船も早めの予約が必要です。特に人気の日程は数か月前から埋まり始めるため、計画が決まり次第早めに予約することをおすすめします。浅草発着の屋形船であれば、午前中はポタリングで下町を巡り、午後は屋形船でゆったりと桜を楽しむという贅沢なプランも実現できます。
浅草の人力車で桜を巡る体験
桜ポタリングの前後に、浅草ならではの人力車体験もおすすめです。人力車は歩くより速く自転車ほどの速さはない絶妙なスピードで、目線が高くなることで普段とは違った景色の見え方が楽しめます。
浅草には複数の人力車業者があり、料金は1名から2名利用で10分から20分のコースで約4000円から7000円、30分コースで約8000円から10000円が相場です。桜の季節には桜を巡るコースを案内してくれることもあります。老舗の「時代屋」は厳しい訓練を受けた俥夫(しゃふ)が知識や技術を常にアップデートしており、観光コースは自由に変更やカスタマイズができます。「えびす屋」は30年以上の歴史を持つ人力車業者で、町の魅力を知り尽くした俥夫たちが、普通に歩いているだけでは見つけられない場所やストーリーを教えてくれます。
着物を着て人力車に乗り桜の名所を巡るというのは、まさに日本ならではの贅沢な体験です。浅草周辺には着物レンタル店も多数ありますので、ポタリングの日とは別に人力車と着物で桜見物を楽しむ日を設けるのもよいでしょう。
下町グルメを満喫するポタリングコース
ポタリングコース沿いには、ちゃんこ鍋や和菓子以外にも魅力的な下町グルメが数多くあります。
浅草の仲見世通りでは、焼きたての人形焼きがまず外せません。餡入りのものと餡なしのものがあり、焼きたてのカリッとした食感と甘い香りは食べ歩きの定番です。雷おこしは浅草土産の代表格で、米を膨らませて飴で固めた昔ながらのお菓子です。あげまんじゅうは外側がカリッと揚がった衣の中にしっとりとした甘いまんじゅうが入っており、食べ歩きにぴったりのサイズです。
蔵前エリアではこだわりのコーヒーショップやベーカリーが人気で、古い倉庫をリノベーションした店内で丁寧にハンドドリップされたコーヒーを味わう時間は、ポタリングの疲れを癒してくれます。両国エリアではちゃんこ鍋以外にも、相撲部屋の近くにある和菓子店や昔ながらの定食屋など、下町ならではの温かみのある食事を楽しめます。
桜の時期に楽しめる浅草周辺の春のイベント
桜ポタリングの日程を決める際には、浅草周辺で開催される春のイベントに合わせて計画を立てるのもおすすめです。2026年の主な春のイベントは以下の通りです。
| 日程 | イベント名 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 3月18日 | 金龍の舞 | 浅草寺境内 | 長さ約18mの金龍が練り歩く |
| 3月20日〜4月5日 | 墨堤さくらまつり | 隅田公園(墨田区側) | 夜桜ライトアップ・ぼんぼり提灯 |
| 4月19日 | 浅草流鏑馬 | 隅田公園 | 馬上から的に矢を射る伝統武芸 |
| 5月15日〜17日 | 三社祭 | 浅草神社 | 約100基の町内神輿が練り歩く |
3月18日に浅草寺境内で奉演される「金龍の舞」は、長さ約18メートルの金龍が境内を練り歩く迫力満点の行事で、桜の季節の始まりを告げる華やかな催しです。4月19日に隅田公園で開催される予定の「浅草流鏑馬(やぶさめ)」は、馬上から的に矢を射る伝統的な武芸を間近で見ることができる貴重な機会です。桜が散り始める頃の隅田公園で、日本の伝統文化に触れることができます。
そして5月15日から17日にかけて浅草神社で開催される「三社祭」は、東京を代表する祭礼のひとつです。約100基の町内神輿が浅草の街を練り歩く勇壮な光景は、下町の活気と伝統を体感できる一大イベントです。桜の時期からは少しずれますが、春の浅草を訪れるなら見逃せない祭りです。
両国の歴史スポット 忠臣蔵ゆかりの地を巡る
両国は相撲だけでなく、日本史に残る「忠臣蔵」の舞台としても知られています。ポタリングの途中で立ち寄れる歴史スポットをご紹介します。
吉良邸跡(本所松坂町公園)は、元禄15年(1702年)12月14日に大石内蔵助ら赤穂浪士47人が討ち入りを行った吉良上野介の屋敷があった場所です。現在は小さな公園として整備されており、吉良上野介の像や事件の経緯を記した案内板が設置されています。両国駅から徒歩で数分の場所にあり、ポタリングの寄り道スポットとしても気軽に立ち寄ることができます。
回向院(えこういん)は、明暦3年(1657年)の「明暦の大火」(振袖火事)の犠牲者を弔うために幕府が建立した寺院です。赤穂浪士が討ち入りを果たした後、泉岳寺へ向かう途中でこの回向院で休息しようとしましたが、巻き添えを恐れた寺側に拒否されたという逸話が残っています。境内には力塚と呼ばれる相撲に関する石碑もあり、かつてはこの地で勧進相撲が行われていた歴史も持ちます。
赤穂浪士たちは討ち入りの後、両国から隅田川沿いを南下し、主君浅野内匠頭の墓がある泉岳寺まで歩いたとされています。この道のりを自転車でたどるのも、歴史好きにはたまらない体験です。毎年12月14日には両国周辺で義士祭が行われ、赤穂浪士に扮した行列が街を練り歩きます。
浅草・両国桜ポタリングコースへのアクセス情報
スタート地点の浅草駅へのアクセスは非常に便利です。東京メトロ銀座線、都営浅草線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスの4路線が利用できます。
ゴール地点の両国駅はJR総武線と都営大江戸線が乗り入れています。シェアサイクルを利用する場合は、両国駅周辺のポートで返却すれば電車でスムーズに帰路につくことができます。自分の自転車で来る場合は、浅草駅周辺のコインパーキング式の駐輪場を利用しましょう。事前に場所を確認しておくと安心です。
春以外の季節も楽しめる浅草・両国ポタリングコース
桜の季節を中心にご紹介しましたが、このポタリングコースは春以外の季節も十分に楽しめます。夏は隅田川花火大会の会場となり、約2万発の花火が夜空を彩ります。秋は紅葉が美しく、隅田公園の銀杏並木が黄金色に染まる光景は見事です。冬は空気が澄んで東京スカイツリーがくっきりと見え、屋形船からの眺めも格別です。ただし、やはり桜の季節が最も華やかで、ポタリングの醍醐味を最大限に味わえる時期であることは間違いありません。
2026年の隅田公園の桜は3月20日頃に開花し、3月27日頃に満開を迎える見込みです。墨堤さくらまつりは3月20日から4月5日まで開催されます。この期間に合わせて、浅草から両国への下町桜ポタリングの計画を立ててみてはいかがでしょうか。春の東京で最も美しい景色が待っています。









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