北海道オホーツク地域の流氷ファットバイクポタリング体験とは、極太タイヤを装着した特殊な自転車「ファットバイク」に乗り、流氷が押し寄せるオホーツク海の海岸線や凍結した湖の上をのんびりと走る、世界でもここだけの冬のアクティビティです。初心者でもガイド付きツアーで安心して参加でき、料金は1万円前後からと比較的リーズナブルに楽しめます。流氷の接岸するオホーツク海沿岸では、白一面の雪景色と青い流氷のコントラストの中をファットバイクで走るという、他では味わえない非日常の体験が待っています。この記事では、流氷ファットバイクポタリング体験の魅力から具体的なツアー内容、必要な準備、アクセス方法まで、冬の北海道旅行を計画している方に役立つ情報を詳しくお伝えします。

オホーツク海の流氷とは?北海道の冬を彩る自然の芸術
流氷が生まれるメカニズムとアムール川の関係
オホーツク海に毎年やってくる流氷は、ロシア極東部を流れるアムール川と深い関わりを持つ自然現象です。流氷の誕生には主に3つの要因が関係しています。
第一の要因は、シベリアからの厳しい寒気です。冬になるとシベリア大陸からマイナス40度以下にもなる強烈な寒気がオホーツク海の西側沿岸に吹き付け、海水を急速に冷却します。第二の要因は、全長約4,400キロメートルに及ぶ大河・アムール川から供給される大量の淡水です。海水に淡水が混ざると塩分濃度が低下し、通常の海水がマイナス1.8度程度で凍結するのに対してより高い温度で凍り始めるようになります。第三の要因は、風と海流による流氷の移動です。アムール川の河口付近で生成された氷は、北西の季節風と海流に乗って南下を始め、氷同士がぶつかり合い重なり合いながら成長し、巨大な流氷群となって北海道のオホーツク海沿岸に到達します。
2026年の流氷シーズンと北海道オホーツクの見頃時期
北海道のオホーツク海沿岸で流氷を見ることができるのは、例年1月下旬から3月下旬にかけてです。気象庁が発表する流氷に関する用語として、沖合に流氷が初めて視認された日を「流氷初日」、流氷が海岸線に到達して接岸した最初の日を「流氷接岸初日」、その年最後に流氷が視認された日を「流氷終日」と呼びます。
2026年シーズンの流氷については、知床・羅臼エリアでは流氷初日が1月下旬から2月下旬頃、接岸時期が2月中旬から下旬、ベストシーズンは2月下旬から3月上旬と予想されていました。網走エリアでは例年2月上旬から中旬頃に流氷が接岸し、3月上旬頃まで流氷を楽しめることが多くなっています。ただし流氷は自然現象であるため年によって到来時期や量に大きな差があり、温暖化の影響で近年は流氷の量が減少傾向にあるとも指摘されています。訪問前には最新の流氷情報を確認することが重要です。
流氷が育む豊かな生態系とクリオネの世界
流氷は単なる氷の塊ではなく、豊かな生態系を育む存在でもあります。流氷の底面にはアイスアルジーと呼ばれる植物プランクトンが付着しており、春に流氷が溶け始めるとこれが海中に放出されて植物プランクトンの大増殖(ブルーミング)を引き起こします。このプランクトンを起点とした食物連鎖により、動物プランクトン、小魚、そしてアザラシやオオワシ、オジロワシといった大型の動物たちが集まってきます。
流氷の中には「流氷の天使」と呼ばれるクリオネが生息していることでも知られています。クリオネは正式にはハダカカメガイという巻貝の仲間で、透明な体をひらひらと動かして泳ぐ姿が天使の羽のように見えることからその愛称がつきました。流氷ファットバイクツアーの中には、クリオネすくい体験がセットになったプランもあります。
ファットバイクとは?流氷ポタリング体験に最適な極太タイヤの自転車
ファットバイクが雪道や氷上を走れる理由
ファットバイクとは、通常の自転車よりもはるかに太いタイヤを装着した自転車のことです。一般的な自転車のタイヤ幅が25ミリから50ミリ程度であるのに対し、ファットバイクのタイヤ幅は約4インチ(約100ミリ)前後と、およそ2倍から4倍もの太さがあります。北米の寒冷地で雪や砂地など通常の自転車では走行が困難な地形でも走れるようにと開発されました。
ファットバイクが雪道を走れる最大の理由は、太いタイヤによる接地面積の広さにあります。通常の自転車のタイヤでは雪に沈み込んでしまいますが、ファットバイクの太いタイヤは体重を広い面積に分散させるため雪面に沈みにくくなっています。これはかんじきやスノーシューが雪の上を歩けるのと同じ原理です。さらにタイヤには深い溝のあるトレッドパターンが刻まれており、雪や氷をしっかりとグリップします。空気圧を下げることでタイヤがさらに変形して接地面積が増え、グリップ力を高めることも可能です。
ただしファットバイクにも苦手な雪質があります。新雪が深く積もった場所や表面が凍結してツルツルになったアイスバーンでは走行が難しくなることもありますが、ツアーではガイドが路面状況を見極めて最適なルートを案内してくれるので安心です。
初心者でも安心のファットバイクの乗り心地と特徴
ファットバイクは一般的なマウンテンバイクと比べてもタイヤのエアボリューム(空気の量)が非常に多いため、サスペンションがなくても路面からの衝撃を十分に吸収してくれます。乗り心地は意外にも快適で、ふわふわとした感覚で走ることができます。空気圧の調整によって乗り心地を変えられるのも特徴で、ツアーでは路面状況に合わせてガイドが最適な空気圧に調整してくれます。
初心者や女性でも乗りやすいのがファットバイクの大きな魅力です。太いタイヤが安定感を生み出すため、通常のマウンテンバイクでバランスを取るのが難しいような場面でも比較的楽に走ることができます。ペダルを回しているだけで自然と前に進むため、自転車に久しぶりに乗るという方でも安心して楽しめます。
ツアーに参加する場合はツアー会社がファットバイクを用意してくれるので自分で購入する必要はありません。参考として、ファットバイクのフレーム素材にはアルミニウム、クロモリ(クロムモリブデン鋼)、カーボンなどがあり、ツアー用には丈夫で扱いやすいアルミフレームが多く使われています。タイヤサイズは26インチが主流で幅は3.8インチから5インチ程度、変速ギアは7段から12段程度のものが一般的です。購入する場合の価格帯はエントリーモデルで5万円から10万円程度、中級モデルで10万円から30万円程度、上級モデルでは50万円以上のものもありますが、流氷ファットバイク体験を目的とするならツアーへの参加で十分に楽しめます。
ポタリングとは?流氷ファットバイクでの自転車散歩の魅力
ポタリングという楽しみ方と流氷ファットバイク体験の相性
ポタリングとは、自転車でのんびりと散歩するように走ることを指す言葉です。英語の「Potter」(ぶらつく、ぶらぶらする)が語源で、日本では「自転車散歩」とも呼ばれています。通常のサイクリングが長距離走行や速さを追求することもあるのに対し、ポタリングは比較的短い距離をゆったりとしたペースで走り、途中で寄り道をしたり景色を楽しんだりすることに重点を置いています。目的地を厳密に決めず気の向くままに走るのがポタリングの醍醐味で、気になるカフェに立ち寄ったり、美しい風景を見つけたら自転車を止めて写真を撮ったりと自由な楽しみ方ができます。
流氷ファットバイク体験は、まさにポタリングの精神にぴったりのアクティビティです。速さを競うのではなく、オホーツクの冬の絶景をゆったりと楽しみながら走ります。途中で流氷の近くに自転車を止めて写真を撮ったり、ガイドから流氷や自然についての解説を聞いたり、ホットドリンクで身体を温めたりと、まさに「冬のポタリング」そのものです。一般的なポタリングは春や秋の穏やかな気候の中で楽しむことが多いですが、冬のオホーツクでのファットバイクポタリングはその常識を覆す体験です。氷点下の世界で白一面の雪景色と青い流氷のコントラストを眺めながら走る非日常感は、他のどんなポタリングでも味わえません。
誰でも参加できる流氷ファットバイクポタリング体験
流氷ファットバイクポタリング体験の大きな魅力は、特別な技術や体力がなくても楽しめることです。ツアーはガイド付きで行われ、走行ペースは参加者に合わせて調整されます。自転車に乗れる方であれば子どもから高齢者まで幅広い年齢層が参加可能です。
参加条件は各ツアー会社によって異なりますが、一般的には小学生以上で身長130センチ以上、体重110キロ以下程度が目安となっています。年齢の上限を設けているツアーもあり、74歳以下としているところもあります。走行距離は5キロから15キロ程度と無理のない範囲に設定されており、所要時間は移動や準備を含めて2時間から3時間程度が一般的です。
北海道オホーツクのおすすめ流氷ファットバイクツアーと料金比較
Connectrip(コネクトリップ)の流氷ファットバイクツアー
Connectripは北海道網走市を拠点に活動する体験型観光の拠点施設で、2019年7月に開設されました。地域産業や観光地をつなぐ旅のあり方を提案しており、流氷ファットバイクツアーは看板商品の一つです。
ツアーの特徴は、真冬のオホーツク海に押し寄せる流氷を間近に眺めながら極太タイヤのファットバイクで海岸線を走れることです。地元を熟知したガイドが案内してくれるので初めての方でも安心して参加できます。ツアー終了後にはホットドリンクが提供され、冷えた身体を温めることができます。また網走湖の湖面が凍結する時期には氷の上をファットバイクで走る体験もでき、凍った湖の上を自転車で走るという非日常の世界が広がっています。料金は大人(2名以上で参加の場合)が1人あたり10,000円、小学生以下が8,000円、1名で参加する場合は15,000円です。所要時間は約2時間となっています。
HEROES PARK(ヒーローズパーク)のファットバイク&ワカンツアー
HEROES PARKは北見市常呂町に位置する体験型アクティビティの提供施設です。冬季には流氷ファットバイクツアーを開催しており、このツアーの特徴はファットバイクだけでなくワカン(和かんじき)も組み合わせた体験ができることにあります。ファットバイクでアクセスできない場所にはワカンを装着して歩いて流氷に近づくことができ、オホーツク海の海辺で流氷が広がる神秘的な世界を間近で体感できるプランです。
ツアーはガイド付きの完全予約制で、最大5名までの少人数で実施されます。予約は2日前の16時までに行う必要があります。ツアー後にはガイド手作りの焙煎コーヒーを流氷を眺めながら楽しめる「流氷カフェ」の時間も設けられています。料金は大人(高校生以上)20,000円からで、開催期間は2月上旬から2月下旬頃です。流氷の接岸状況によって変動します。
知床エリアの流氷ファットバイクアドベンチャー
世界自然遺産に登録されている知床エリアでも流氷ファットバイクの体験ができます。知床エリアのツアーでは世界遺産の大自然の中で流氷を楽しむことができ、さらにクリオネすくい体験がセットになったプランもあります。知床の流氷は網走方面と比べてより荒々しく迫力がある場合が多く、知床半島の断崖と流氷のコントラストはまさに大自然のスケールを実感できる絶景です。キキ シレトコ ナチュラルリゾートなどの宿泊施設と連携したプランも提供されており、宿泊と流氷体験を組み合わせた旅行プランを組むこともできます。
JALパックのオホーツク流氷紀行ツアー
航空会社JALが企画するパッケージツアー「オホーツク流氷紀行」は、流氷ファットバイク体験を含む冬の網走・知床を巡る旅行プランです。2026年シーズンは2月12日出発の3日間コースと3月6日出発の4日間コースが設定されました。2月12日出発のコースはすでに催行されており、3月6日出発の4日間コースは間もなく出発を迎えます。
このツアーの魅力は流氷ファットバイク以外にも流氷砕氷船おーろらの乗船体験、流氷ウォーク、ワカサギ釣りなど冬のオホーツクの様々なアクティビティを組み合わせて楽しめることです。航空券と宿泊がセットになっているため旅行の手配が簡単です。ファットバイク体験の参加条件は小学生以上74歳以下、身長130センチから190センチ、体重110キロ以下となっています。
主要ツアーの料金と特徴の比較
| ツアー名 | 料金(大人) | 所要時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Connectrip | 10,000円〜 | 約2時間 | 海岸線&凍結湖体験、ホットドリンク付き |
| HEROES PARK | 20,000円〜 | ― | ワカン体験付き、流氷カフェ、少人数制 |
| 知床エリア | ― | ― | 世界自然遺産の中で体験、クリオネすくい |
| JALパック | パッケージ料金 | 3〜4日間 | 航空券・宿泊込み、複数アクティビティ |
流氷ファットバイクポタリング体験の一日の流れ
流氷ファットバイクツアーの典型的な一日をご紹介します。Connectripのツアーを例にした一般的な流れとして、まず集合は午前中が多く、網走市内や指定の集合場所でガイドとの顔合わせを行い、当日の天候や流氷の状況について説明を受けます。
次にファットバイクの使い方のレクチャーがあります。ブレーキのかけ方、ギアの切り替え方、雪道での走行のコツなどを丁寧に教えてもらえます。試走の時間もあり感覚をつかんでからスタートするので初心者でも安心です。
いよいよ出発するとガイドを先頭にゆったりとしたペースで走り始めます。海岸線に沿って走ると、やがて視界に白い流氷の世界が広がってきます。ガイドが適所で停車し、流氷の説明や写真撮影の時間を設けてくれます。流氷の接岸状況が良ければ海岸近くまで降りて流氷を間近で観察することもでき、安全が確認された場所では流氷の上での記念撮影も可能です。ただし流氷の上に乗ることはガイドの判断のもとでのみ行われます。
ツアーの終盤にはホットドリンクタイムが設けられます。流氷を眺めながら温かいコーヒーやココアを味わう時間は、冷えた身体だけでなく心も温めてくれます。HEROES PARKのツアーではガイド手作りの焙煎コーヒーが提供されます。
自然相手のアクティビティであるため、天候や流氷の状況によってツアー内容が変更になることがあります。流氷が接岸していない場合は海岸沿いの雪道コースに変更になることもあり、吹雪などの悪天候の場合はツアーが中止になることもあります。そのため旅行日程には余裕を持たせておくことをおすすめします。可能であれば2日以上の滞在期間を確保し、天候の回復を待てるようにしておくと良いでしょう。
流氷ファットバイク体験の服装と防寒対策
重ね着(レイヤリング)による防寒の基本
流氷ファットバイク体験は氷点下の屋外で行われるため、万全の防寒対策が必要不可欠です。オホーツク地域の2月の平均気温はマイナス5度からマイナス10度程度で、風が吹くとさらに体感温度は下がります。服装の基本は重ね着(レイヤリング)です。
インナーレイヤー(肌着)は吸湿速乾性のある素材のものを選びます。自転車を漕いで汗をかいた場合、汗が冷えると急激に体温が下がる原因になるため、ヒートテックなどの発熱素材よりもメリノウールやポリエステル素材の吸湿速乾インナーがおすすめです。ミドルレイヤー(中間着)にはフリースやダウンベストなど保温性の高いものを着用し、動きやすさも重視します。アウターレイヤー(外着)には防風・防水性のあるジャケットを着用します。スキーウェアやスノーボードウェアがあれば最適で、ダウンジャケットの場合は風を通さないシェルと組み合わせると良いでしょう。
下半身は保温タイツの上にスキーパンツや防風パンツを履きます。ジーンズは汗を吸って冷えやすく動きにくいため避けた方が良いでしょう。足元は防水性と保温性を兼ね備えた冬用ブーツが必須で、スノーブーツやスキーブーツが適しています。ペダルを漕ぐため底が厚すぎないものが望ましく、靴下は厚手のウール素材がおすすめです。
手には防風・防水・保温性のあるグローブを着用します。インナーグローブとアウターグローブの二重にすると、写真撮影時にアウターだけ外して操作ができるので便利です。頭部はニット帽やバラクラバ(目出し帽)で覆い、耳や顔が冷風に直接さらされると凍傷のリスクがあるため、しっかりと防護します。ネックウォーマーやフェイスマスクもあると安心です。
持ち物と体調管理の注意点
流氷ファットバイク体験に持って行くと便利なものとして、防寒着一式のほかにカイロ(貼るタイプと持つタイプの両方)、サングラスまたはゴーグル(雪面の反射がまぶしいため)、日焼け止め(冬でも紫外線は強い)、カメラやスマートフォン(防水ケースに入れると安心)、スマートフォン用のタッチパネル対応グローブ、保温ボトルに入れた温かい飲み物、着替えのインナーなどがあります。なおファットバイクやヘルメットはツアーに含まれているため自分で用意する必要はありません。
氷点下での運動は普段とは異なる体への負担がかかります。冷たい空気を直接吸い込むと気管支や肺に負担がかかるため、フェイスマスクやネックウォーマーを口元まで上げて空気を温めてから吸うようにすると良いでしょう。また寒い環境では喉の渇きを感じにくいですが、運動による発汗で水分は失われているためこまめな水分補給を心がけることが大切です。飲酒後の参加は厳禁で、アルコールは血管を拡張させ体温の低下を早めるほか判断力の低下も危険です。持病のある方、特に心臓や呼吸器に疾患がある方は事前に医師に相談してから参加を検討してください。
オホーツク地域へのアクセス方法と交通手段
女満別空港へのアクセスと網走市内への移動手段
流氷ファットバイク体験の拠点となる網走市やその周辺へは、女満別空港を利用するのが最も便利です。女満別空港は大空町にあり、網走市街から車で約30分の距離にあります。女満別空港への直行便は羽田空港、新千歳空港、中部国際空港、関西国際空港などから運航されており、冬季は流氷シーズンに合わせて増便されることもあります。東京(羽田空港)からの所要時間は約1時間50分、札幌(新千歳空港)からは約45分です。
女満別空港から網走市内への交通手段として、空港連絡バス(網走バス)は各到着便に合わせて運行しています。網走駅や網走バスターミナルまでの所要時間は約35分、料金は910円です。2026年の流氷シーズンには1月17日から3月8日まで運行されています。レンタカーを利用する場合は空港から網走市街まで約20キロ、所要時間約30分です。冬道の運転に慣れていない場合はスタッドレスタイヤ装着車であっても注意が必要ですが、レンタカー会社は空港内にカウンターがあり冬季はすべてスタッドレスタイヤ仕様となっています。タクシーの場合は空港から網走市街まで約25分で到着できます。
知床方面・札幌方面からのアクセス
知床エリアで流氷ファットバイクを体験する場合は、女満別空港から知床(ウトロ地区)までの移動が必要です。期間限定(1月下旬から3月上旬)で運行される「知床エアポートライナー」を利用すると、女満別空港から知床ウトロまで約2時間10分、料金は3,300円でアクセスできます。レンタカーの場合は女満別空港から知床ウトロまで約100キロ、所要時間は約2時間ですが、冬道の状況により所要時間が大幅に変わることがあるため注意が必要です。
札幌方面からはJR特急「オホーツク」で札幌駅から網走駅まで約5時間30分で到着します。車窓から見える北海道の大自然も魅力的で、鉄道旅行を楽しみたい方にはおすすめです。都市間バス(ドリーミントオホーツク号など)は札幌から網走まで約6時間で、料金はJRよりもリーズナブルです。車の場合は札幌から網走まで約330キロ、所要時間は約5時間から6時間で、途中は旭川や北見を経由するルートが一般的です。
流氷ファットバイク体験と合わせて楽しむ北海道オホーツクの周辺観光
流氷観光砕氷船おーろらと能取岬の絶景
網走港から出港する流氷観光砕氷船「おーろら」は、流氷の海を砕きながら進む迫力満点の観光船です。船上から流氷を間近に見ることができ、運が良ければ流氷の上に休むアザラシや大空を舞うオオワシ・オジロワシを観察できることもあります。運航期間は1月下旬から3月下旬頃で、1日あたり複数便が運航されています。所要時間は約1時間、料金は大人4,000円程度です。流氷ファットバイク体験と組み合わせれば、海の上からと陸の上からという二つの視点で流氷を楽しむことができます。
能取岬は網走市街から車で約20分の場所にある景勝地で、高さ40メートルから50メートルの隆起した断崖の上にありオホーツク海を一望できます。冬には一面が流氷で覆われた海を見渡すことができ、白い灯台と流氷の海のコントラストは写真撮影の絶好のスポットとして人気があります。東側には知床連山の山々も望むことができ、夕陽の時間帯には幻想的な風景が広がります。
天都山展望台・オホーツク流氷館と博物館網走監獄
天都山は網走市街の南西に位置する標高207メートルの山で、山頂には展望台とオホーツク流氷館があります。展望台からは網走市街、オホーツク海、知床連山、能取湖などを一望でき、国の名勝にも指定されています。オホーツク流氷館ではマイナス15度の流氷体験室で本物の流氷に触れることができるほか、流氷の仕組みや生態系についての展示、生きたクリオネを間近で観察できるコーナーもあります。
博物館網走監獄は明治時代の監獄を移築・復原した野外歴史博物館です。厳しい自然環境の中で北海道の開拓に従事した受刑者たちの歴史を学ぶことができます。建物の多くは国の重要文化財や登録有形文化財に指定されており、冬季も営業しています。雪景色の中の監獄建築は独特の雰囲気があり、流氷ファットバイク体験と合わせて網走の歴史と文化に触れることができます。
冬のオホーツクグルメを満喫
オホーツク地域の冬は海の幸が最も美味しい季節でもあります。オホーツク海で獲れる冬の毛ガニは身が詰まっており甘みが強く、網走や紋別の市場や飲食店で味わうことができます。サロマ湖産の牡蠣も有名で、冬の冷たい海水で育った牡蠣は濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。凍結した網走湖での氷上ワカサギ釣りも人気のアクティビティで、釣ったワカサギをその場で天ぷらにして食べることもできます。さらに北見市のご当地グルメ「オホーツク北見塩やきそば」は地元産のホタテや野菜を使った塩味の焼きそばとして知られています。
流氷ファットバイクポタリング体験をより楽しむためのコツと注意点
予約のタイミングと写真撮影のコツ
流氷ファットバイクツアーは流氷シーズンの中でも特に人気が高い2月中旬から下旬に予約が集中します。少人数制のツアーが多いため、希望の日程がある場合は早めの予約が重要です。遅くとも1か月前、できれば2か月前には予約しておくことをおすすめします。キャンセルポリシーも確認しておくと安心で、天候による中止の場合は無料キャンセルとなるツアーが多いですが、自己都合によるキャンセルには料金が発生することがあります。
流氷とファットバイクという組み合わせはSNS映えする写真が撮れる絶好の機会です。カメラやスマートフォンのバッテリーは寒さで急速に消耗するため、予備バッテリーを持参し使わない時はポケットの中で温めておくと良いでしょう。雪面は非常に明るいためカメラの露出がアンダー(暗め)になりがちですが、露出補正をプラス側に調整すると白い雪が美しく写ります。朝の光や夕方の光は流氷に美しい色合いを添えてくれるため、可能であれば午前中の早い時間帯のツアーを選ぶと柔らかい光の中で撮影できます。
安全に楽しむための注意点
流氷ファットバイク体験では必ずガイドの指示に従うことが最も重要です。流氷の状態は常に変化しており、安全に見えても実は薄くなっている場所や割れやすい場所があります。勝手にコースを外れたりガイドの許可なく流氷の上に乗ったりすることは絶対に避けてください。
氷点下の環境での長時間の屋外活動では低体温症と凍傷のリスクがあります。低体温症の初期症状は激しい震え、手足のしびれ、判断力の低下などで、これらの症状を感じたらすぐにガイドに申し出ることが大切です。凍傷は手先、足先、耳、鼻など末端部分に起こりやすく、しびれや痛みを感じなくなったら要注意です。定期的に手足の指を動かし血行を促進させることが予防につながります。
雪道や氷の上での走行では転倒のリスクもありますが、ヘルメットの着用は必須でツアーでは必ず貸し出されます。転倒した場合は慌てずにまず身体の状態を確認し、痛みや違和感がある場合は遠慮なくガイドに申し出てください。
オホーツク流氷ライドイベントと他のアクティビティとの組み合わせ
毎年冬に開催される「オホーツク流氷ライド」は、ファットバイク愛好者が集まる冬のサイクリングイベントです。流氷が押し寄せるオホーツク海の海岸線を走り、条件が良ければ流氷の上を走行するという世界でもここだけの特別なイベントとなっています。日中のファットバイクライドだけでなく、凍結した湖上でのサイクリング体験、ワカサギ釣り、夜には屋外での寒中焼肉大会なども行われ、冬のオホーツクを丸ごと楽しめるプログラムが組まれています。イベントへの参加は自分のファットバイクを持ち込む一般参加とレンタルバイク付きのツアー形式の参加があり、初めての場合はツアー形式で参加するのが安心です。一般のポタリング体験ツアーはイベントほどのハードさはなく、家族連れやカップル、自転車に不慣れな方にも対応しており、まさにポタリングの名にふさわしいゆったりとした体験ができます。
流氷ファットバイク体験を含む冬のオホーツク旅行では、他のアクティビティと組み合わせることでより充実した旅になります。流氷ウォークは専用のドライスーツを着用して流氷の上を歩いたり流氷の間の海に浮かんだりする体験で、ファットバイクとはまた違った視点で流氷を体感できます。氷上ワカサギ釣りは凍結した網走湖の上に穴を開けてワカサギを釣る体験で、テントの中で暖を取りながら釣りを楽しめ、釣ったワカサギはその場で天ぷらにしてもらえます。流氷観光列車「流氷物語号」は2月上旬から3月上旬にかけて網走駅と知床斜里駅の間を運行する臨時列車で、車窓からオホーツク海の流氷を眺められる鉄道旅として人気があります。
まとめ
北海道オホーツク地域で体験できる流氷ファットバイクポタリングは、世界でもここだけの特別な冬のアクティビティです。ロシアのアムール川から遥かな旅をしてきた流氷を間近に眺めながら、極太タイヤのファットバイクで雪原や海岸線をのんびりと走るこの体験は、北海道の冬の魅力を凝縮したものといえます。
初心者でも安心して参加できるガイド付きツアーが複数用意されており、料金も1万円前後からと比較的リーズナブルです。流氷観光砕氷船や流氷ウォーク、ワカサギ釣りなどの他のアクティビティと組み合わせれば、冬のオホーツクを存分に満喫できる旅行プランが組めます。
流氷は毎年同じように来るとは限りません。温暖化の影響で年々変化しているともいわれています。白い大地と青い流氷の中をファットバイクで走る感動は、一生の思い出になるはずです。









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