松江城下町のポタリングは、国宝松江城を中心に広がる歴史ある城下町を自転車でのんびりとめぐる、贅沢な旅のスタイルです。特に塩見縄手と呼ばれる約500メートルの通りは、「日本の道100選」にも選ばれた美しい道で、江戸時代の武家屋敷が軒を連ね、松江で最も城下町らしいたたずまいを残しています。平坦な地形とコンパクトにまとまった観光スポットが特徴で、レンタサイクルは1日300円からと大変リーズナブルなため、初心者でも気軽にポタリングを楽しめます。
この記事では、松江城下町をポタリングで楽しむための情報を、塩見縄手と武家屋敷を中心にお伝えします。国宝松江城の魅力から、塩見縄手の歴史的スポット、武家屋敷の見どころ、おすすめのモデルコース、そして出雲そばをはじめとする松江グルメまで、ポタリングで訪れたい見どころを網羅的にご紹介します。松江の城下町をめぐる旅の計画に、ぜひお役立てください。

ポタリングとは?松江城下町が自転車散策に最適な理由
ポタリングとは、目的地を厳密に決めず、気の向くままに自転車で街を散策する楽しみ方のことです。サイクリングのように速さや距離を追い求めるのではなく、気になるスポットがあれば自転車を止めて立ち寄り、写真を撮ったり、地元のグルメを味わったり、歴史的な建造物をじっくり眺めたりと、自分のペースで街を楽しむことができます。
松江の城下町がポタリングに最適な理由は、大きく3つあります。まず、平坦な地形が多いことです。松江城下町ポタリングのモデルコースは、約10キロメートルから11キロメートル程度の距離で、獲得標高は約20メートルから23メートルとほぼ平坦です。次に、主要な観光スポットがコンパクトにまとまっていることです。松江城、塩見縄手、カラコロ工房、京店商店街、宍道湖畔といった見どころが、自転車で無理なく回れる範囲に集中しています。そして、レンタサイクルが充実していることです。松江しんじ湖温泉駅では普通自転車が1日300円、電動アシスト付き自転車が1日500円と大変リーズナブルな料金で借りることができます。
国宝松江城の歴史と城下町ポタリングの起点
松江城が国宝に指定された理由と天守の特徴
松江城は、慶長16年(1611年)に堀尾吉晴によって築かれた近世城郭です。宍道湖に近い亀田山に城地が定められ、城の周囲には堀川がめぐらされ、城下町が整備されました。1638年からは徳川将軍家の親戚筋にあたる松平家の居城となり、明治時代の廃藩置県まで松平家が治めました。
松江城の天守は、2015年に国宝に指定されました。国宝に指定されている天守は全国でわずか5城で、姫路城、松本城、犬山城、彦根城と並び、松江城は山陰地方で唯一の現存天守として大変貴重な存在です。
天守の大きな特徴のひとつは、その独特の構造にあります。築城当時、木材が不足していたため、心柱を使わず、2階分の短い通し柱を配置して天守を支える構造が採用されました。標高29メートルの亀田山に建つ天守からは、宍道湖の美しい眺望を楽しむことができ、これから自転車でめぐる城下町の全体像を把握するのにも役立ちます。天守閣への入場料は大人680円です。
城下町としての松江は、武家地、町人地、寺社地が計画的に配置された典型的な城下町の構造をもっています。現在でも、その町割りの名残が街の各所に見られ、歴史好きにはたまらない散策スポットとなっています。
水の都・松江と堀川めぐりをポタリングで楽しむ
松江は「水の都」と呼ばれています。宍道湖と中海を結ぶ大橋川が市街地を東西に貫き、松江城の堀川が城の周囲をめぐっています。この豊かな水辺の景観が、松江の街に独特の風情を与えています。
堀川には「ぐるっと松江堀川めぐり」という遊覧船が運航されており、松江城の堀を約50分かけて周遊することができます。1997年の就航以来、大変好評を博している観光アクティビティです。遊覧船は大きく分けて3つのエリアを運航します。国宝松江城や石垣、武家屋敷など江戸時代の面影をそのまま残すエリア、レトロモダンな建物が立ち並ぶ現代的なエリア、そして松江城内に植えられた木々と光が織り成す静けさに包まれたエリアです。
船は17もの橋をくぐりますが、中には高さの低い橋もあり、そこでは遊覧船の屋根が下がるというユニークな仕掛けがあります。11月から4月の間はすべての船が「こたつ船」として運行され、冬ならではの情緒ある風情をこたつで暖まりながら楽しめます。1日乗船券は大人1,600円で、何度でも、どの乗船場からでも途中下船・途中乗船が可能です。
ポタリングの途中に堀川遊覧船に乗って、水上から城下町を眺めるのも松江ならではの贅沢な楽しみ方です。自転車と船という異なる視点から同じ城下町を楽しむことで、松江の魅力をより深く感じることができるでしょう。
塩見縄手とは?日本の道100選に選ばれた松江城下町の美しい通り
塩見縄手の歴史と名前の由来
塩見縄手(しおみなわて)は、松江城の北側にあるお堀端沿いの通りで、松江藩第7代藩主である松平不昧公ゆかりの古庵「明々庵」から「小泉八雲記念館」までの約500メートルの道を指します。この通りには武家屋敷風の家が堀に面して軒を接し、松江で最も城下町らしいたたずまいを残しているエリアです。
「縄手」とは、もともと縄のように細くまっすぐな道を意味する言葉です。「塩見」の名前は、この通りに住んでいた塩見小兵衛という武士に由来するとされています。
塩見縄手は松江市の伝統美観保存区域に指定されており、さらに「日本の道100選」にも選ばれています。堀川沿いには時を経た老松が連なり、四季折々にさまざまな表情を見せてくれます。春には桜が咲き、夏には緑が生い茂り、秋には紅葉が彩り、冬には静寂に包まれた凛とした美しさが漂います。
自転車でこの通りを走ると、江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。武家屋敷の長い塀と堀川の水面が織りなす景観は、松江を代表する風景のひとつであり、ポタリングの際にはぜひゆっくりと走り抜けたい道です。
塩見縄手の見どころ:明々庵と小泉八雲ゆかりの地
塩見縄手沿いには、いくつもの見どころが点在しています。自転車を止めて、ひとつひとつ立ち寄りながら散策するのがおすすめです。
通りの西側にある「明々庵(めいめいあん)」は、松江藩第7代藩主・松平治郷(不昧公)の好みで安永8年(1779年)に建てられた茶室です。高台に位置しており、松江城を望むことができます。明々庵に併設された百草亭では、枯山水の庭園を眺めながら抹茶をいただくことができ、ポタリングの休憩にぴったりです。明々庵のオリジナル銘菓「菜種の里」とともに、松江の茶文化をゆったりと体験してみてはいかがでしょうか。
通りの東側には「小泉八雲記念館」と「小泉八雲旧居(ヘルン旧居)」があります。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、明治時代に来日したギリシャ生まれの作家・ジャーナリストで、日本文化を世界に紹介したことで知られています。1891年6月に妻のセツとともにこの家に転居し、熊本に赴くまでの約5か月を過ごしました。八雲が住んでいた当時のまま保存されているのは、現在では松江のこの旧居だけです。
小泉八雲記念館は、武家屋敷風の建物が並ぶ塩見縄手の西端にたたずんでいます。第1展示室では「その眼が見たもの」「その耳が聞いたもの」「その心に響いたもの」というコンセプトのもとに八雲の生涯を編年で紹介し、第2展示室では「再話」「クレオール」「いのち」など8つの切り口から八雲の事績や思考の特色を描き出しています。
八雲は美しい庭を特に気に入り、帰宅すると和服に着替え、三方の庭を眺める至福の時を過ごしたと伝えられています。植物を愛で、虫や動物たちを慈しみ、五感で感じるこの庭の魅力を著作「日本の庭」の中で豊かに表現しました。ポタリングで訪れた際には、八雲が愛した庭をぜひご自身の目で確かめてみてください。
松江城下町の武家屋敷:280年以上の歴史を今に伝える貴重な文化財
武家屋敷の歴史と塩見小兵衛の足跡
塩見縄手のほぼ中央に位置する武家屋敷は、江戸時代初期から松江藩の500石から1,000石程度の中級から上級藩士が、屋敷替えによって入れ替わり住んだ場所です。280年以上の歳月を経た建物が昔の姿をよく残しており、松江市の文化財に指定されています。
この武家屋敷は、塩見縄手の名前の由来となった塩見小兵衛も住んだとされる屋敷です。享保18年(1733年)の大火で一度焼失しましたが、その後再建され、主屋はその後も幾度かの増改築を経て現在の姿になっています。
武家屋敷の見どころ:長屋門から庭園まで
武家屋敷に一歩足を踏み入れると、江戸時代の武士の暮らしを肌で感じることができます。約70坪の主屋をはじめ、長い塀や長屋門など、当時の姿がしっかりと残されています。
長屋門は武家屋敷の伝統的な造りの門で、武家奉公人である中間(ちゅうげん)の住居としても使われていた場所です。外をうかがうための物見窓が設けられており、防備のひとつとなっていました。門をくぐると、武士の生活空間が広がります。
主屋の内部には、武士の生活に必要な部屋が配置されており、座敷、台所、書院などが見学できます。当時の調度品や生活用品も展示されており、江戸時代の武士がどのような暮らしをしていたのかを具体的に知ることができます。
庭園もまた見どころのひとつです。武家屋敷の庭は、実用的な面と鑑賞的な面を兼ね備えており、当時の武士の美意識を垣間見ることができます。
ポタリングで武家屋敷を訪れると、自転車を止めてじっくりと見学する時間が取れるのが魅力です。車で訪れた場合は駐車場の心配がありますが、自転車ならば気軽に立ち寄ることができます。
不昧公と松江の茶文化:日本三大菓子処で味わうポタリングの休息
松江は京都、金沢と並んで「日本三大菓子処」のひとつに数えられることもある、和菓子が大変盛んな街です。その礎を築いたのが、松江藩第7代藩主・松平治郷(不昧公)です。
不昧公は大名茶人として知られ、「不昧流」という独自の茶道の流派を確立しました。不昧公の茶会で供された和菓子は「不昧公好み」として知られ、現在の松江でもその伝統が受け継がれています。
松江の街を自転車でめぐっていると、至るところに老舗の和菓子店を見つけることができます。彩雲堂をはじめとする伝統的な和菓子店では、不昧公好みの銘菓を購入することができ、ポタリングのお土産にもぴったりです。彩雲堂の「若草」や「山川」など、不昧公好みの銘菓は松江のお土産としても大変人気が高く、自転車で老舗の和菓子店をめぐるのも楽しいものです。
ポタリングの途中には、ぜひ茶室で一服する時間を設けてみてください。明々庵をはじめ、月照寺や文暴院の観望所、歓談院など、不昧公ゆかりの茶室が松江市内に複数あり、抹茶と季節の和菓子を楽しむことができます。自転車を止めて、静かな茶室で抹茶をいただく贅沢なひとときは、松江ポタリングならではの体験です。
松江城下町ポタリングのおすすめモデルコースとレンタサイクル情報
レンタサイクルの借り方と料金
松江でポタリングを楽しむなら、まずはレンタサイクルを利用するのが便利です。松江しんじ湖温泉駅のホーム内にレンタサイクルがあり、受付は駅窓口で行っています。JR松江駅周辺でも、ニッポンレンタカー松江駅前営業所やJR駅レンタカー松江営業所でレンタサイクルを借りることができ、どちらも駅から徒歩2分から3分ほどの場所にあります。
E-Bike(電動アシスト付きスポーツ自転車)のレンタルサービスもあり、おしゃれな電動自転車でポタリングや湖畔サイクリングを体験することもできます。E-Bikeは坂道でもらくらく走れるので、少し遠出したい場合にもおすすめです。
レンタサイクルの料金は以下のとおりです。
| 種類 | 料金(1日) |
|---|---|
| 普通自転車 | 300円 |
| 電動アシスト付き自転車 | 500円 |
城下町満喫ルート:塩見縄手と武家屋敷をめぐる約10キロメートルのコース
松江しんじ湖温泉駅を出発点とした城下町満喫ルートは、約10キロメートルから11キロメートル程度、獲得標高は約20メートルから23メートルとほぼ平坦で、初心者でも安心して楽しめるコースです。
まず松江しんじ湖温泉駅でレンタサイクルを借りたら、北へ向かい松江城の西側を通って城山公園へ向かいます。松江城に到着したら、自転車を駐輪場に止めて天守閣を見学しましょう。国宝の天守からは宍道湖や松江市街が一望でき、城下町ポタリングの最初のハイライトとなります。天守の最上階からは、これから自転車でめぐる城下町の全体像を把握することができます。
松江城の北側に出ると、塩見縄手が東西に延びています。この約500メートルの通りをゆっくりと自転車で走りましょう。堀川沿いの老松を眺めながら、江戸時代の風情に浸ることができます。明々庵で不昧公ゆかりの茶室を体験し、武家屋敷で江戸時代の武士の暮らしを見学し、小泉八雲旧居で八雲が愛した庭園を鑑賞し、小泉八雲記念館で八雲の生涯と作品について学ぶ、というコースがおすすめです。これらのスポットをすべて回ると1時間半から2時間程度かかりますが、ポタリングの醍醐味はのんびりと時間をかけて楽しむことです。
塩見縄手を離れたら、松江城の東側を通って南下し、カラコロ工房へ向かいます。カラコロ工房は、登録有形文化財である旧日本銀行松江支店を利用した施設で、昭和13年に建てられた荘厳な建物です。地下1階を含む4階建てで、ショップ、工房、飲食店、ギャラリーなどがバラエティ豊かに入っています。アクセサリー作りやキャンドル作りなどの体験教室も開催されており、ポタリングの途中にちょっとした体験を楽しむこともできます。館内にはカフェもありますので、自転車で走った疲れを癒すのにも最適です。
カラコロ工房から京橋を渡ると、京店商店街があります。レトロでおしゃれな雰囲気が漂うこの商店街は、松江の特産品を扱うショップと隠れたハッピースポットが集まる場所です。商店街の中央にある石畳が並ぶ小道「紺屋小路」には、ハートが描かれた石畳が大小ひとつずつ隠れており、「縁結びスポット」として人気の観光名所となっています。毎月第2日曜日には「京店カラコロマルシェ」が開催され、商店街や市内の飲食店の美味しいグルメの販売やパフォーマンスなどで多くの人でにぎわいます。
ポタリングの最後は、宍道湖の夕日を楽しみましょう。京店商店街から西へ向かい、宍道湖畔に出ると、日本有数の夕日スポットが待っています。宍道湖の夕日は「日本の夕日百選」にも選ばれている絶景です。湖面に浮かぶ嫁ヶ島のシルエットが夕焼けに染まる湖面に映える姿は、まさに息をのむ美しさです。嫁ヶ島は宍道湖に浮かぶ唯一の島で、南岸から約200メートルの場所に位置し、長さ約150メートル、幅約27メートルの小さな島です。約1,200万年前の火山活動で形成された玄武岩でできています。夕日のドラマティックな瞬間は日没の約30分前から始まり、空が真紅に染まり、嫁ヶ島のシルエットが夕焼け色の湖面に浮かび上がるクライマックスは必見です。
夕日を堪能したら、松江しんじ湖温泉駅に戻ってレンタサイクルを返却しましょう。駅周辺には日帰り温泉施設もありますので、ポタリングの疲れを温泉で癒すのもよいでしょう。
出雲そばと松江グルメをポタリングで味わう
日本三大そばのひとつ「出雲そば」の特長と割子そばの食べ方
松江でのポタリングに欠かせないのが、出雲そばです。出雲そばは、日本三大そば(他にわんこそば、戸隠そば)のひとつに数えられ、玄そばの挽きぐるみのそば粉を使うため、色が黒っぽく、香り高いのが特長です。
割子そばは出雲地方独特の食べ方で、丸い3段の器にそばが盛られ、のり、ネギ、大根おろしなどの薬味と、つゆの入った土瓶が添えられます。上の段からつゆをかけていただき、残ったつゆを次の段に移していくという独特のスタイルです。
松江市内でポタリングの途中に立ち寄りたい出雲そばの名店
松江市内には、ポタリングの途中に立ち寄りたい出雲そばの名店がいくつもあります。
神代そば(かみよそば)は、松江城から徒歩3分ほどのところにあり、つなぎを一切混ぜない十割そばが楽しめるのが最大の魅力です。そばの実は3台の石臼を使って3回挽かれ、コシが強い上に風味・香りともに豊かです。松江城の見学後に自転車で立ち寄るのに絶好のロケーションです。
八雲庵は、歴史ある武家屋敷を改装した趣のある蕎麦店で、割子そばや鴨南蛮そばなど、本格的な蕎麦料理を提供しています。武家屋敷の雰囲気の中でいただく出雲そばは格別です。塩見縄手からも近いので、武家屋敷見学の後に立ち寄るのもよいでしょう。
手打ちそば東風(こち)は、自家製粉による十割そばと二八そばが特徴で、香り豊かでしっかりとしたコシが自慢です。特に人気の釜揚げそばや割子そばは、そばの香りと風味を堪能できる逸品です。
出雲そばきがるは、自家製粉で挽きたてのそばを提供し、挽きぐるみと丸抜きの2種類から選べます。特に割子そばやそばがきが人気で、そばの産地が日替わりで楽しめるのも魅力です。
中国山地蕎麦工房ふなつは、奥出雲町で自家栽培し、石臼で自家製粉した、こだわりの十割そばが魅力です。「千鳥割子」は粗挽きそばの上にエビや穴子、ウズラ卵など、彩り豊かな具材が盛られた見た目にも美しい一品です。
ポタリングでお腹がすいたら、これらの名店で出雲そばをいただき、エネルギーを補給してから次のスポットへ向かいましょう。自転車でめぐるからこそ、複数のそば店をはしごする「そばポタリング」も可能です。
宍道湖シジミと松江のグルメポタリング
松江の代表的なグルメとして、出雲そばのほかに宍道湖で獲れるシジミを使った「しじみ汁」もぜひ味わいたい一品です。宍道湖は全国有数のシジミの産地として知られ、その味わいは格別です。自転車でめぐりながら地元の味を楽しむ「グルメポタリング」は、松江の食文化を満喫する旅のスタイルとしておすすめです。
松江城下町ポタリングの楽しみ方:歴史探訪と写真撮影
歴史探訪ポタリングで城下町の奥深さを知る
松江の城下町には、塩見縄手や武家屋敷以外にも数多くの歴史的スポットがあります。松江城の城山公園には松江神社や興雲閣(明治期の洋風建築)があり、自転車で気軽に立ち寄ることができます。松江城の南側にある松江歴史館では、松江の歴史や文化について詳しく学ぶことができます。歴史好きの方は、これらのスポットを組み合わせた歴史探訪ポタリングを計画してみてはいかがでしょうか。
写真撮影ポタリングで松江の四季を切り取る
松江の城下町は、写真映えするスポットが数多くあります。塩見縄手の堀川沿いの景色、武家屋敷の長い塀、松江城の天守、宍道湖の夕日など、季節や時間帯によってさまざまな表情を見せてくれます。自転車ならではの機動力を活かして、ベストアングルを探しながら走るのもポタリングの楽しみのひとつです。
特に、早朝の塩見縄手は観光客が少なく、静かな雰囲気の中で美しい写真を撮影することができます。朝もやに包まれた堀川と武家屋敷の景色は、日中とはまた違った幻想的な美しさがあります。
季節ごとの松江城下町ポタリングと服装の準備
松江の城下町は四季折々の魅力がありますが、季節によって気温が大きく異なるため、服装の準備が大切です。
春(3月から5月)は、日中は暖かくなりますが朝晩は冷えることがありますので、薄手の上着を持っていくと安心です。堀川沿いの桜が美しい季節でもあり、ポタリングには最適な時期です。夏(6月から8月)は日差しが強くなりますので、帽子やサングラス、日焼け止めは必須です。水分補給もこまめに行いましょう。秋(9月から11月)は紅葉が美しい季節で、塩見縄手の木々が色づく様子は格別です。気温も過ごしやすく、ポタリングを楽しむには最高の季節と言えるでしょう。冬(12月から2月)は日本海側の気候の影響で曇りや雨の日が多くなります。防寒対策をしっかりとして、天候を確認してからポタリングに出かけましょう。冬の松江は観光客が少なく、静かな城下町をゆっくりと楽しむことができます。
持ち物としては、カメラ(スマートフォンでも可)、飲み物、タオル、雨具(折りたたみ傘やレインコート)があると安心です。また、各観光施設の入場料や飲食費用として、現金を多めに持っていくと便利です。
春のお城まつりに合わせた松江城下町ポタリング
松江城下町では四季を通じてさまざまなイベントが開催されており、イベントに合わせてポタリングを計画するのも楽しい方法です。
毎年3月下旬から4月上旬にかけて、松江城では「国宝松江城 お城まつり」が開催されます。2026年は3月25日から4月8日まで開催される予定で、「桜と武者のシーズン2026」と題されています。この期間中、松江城の桜がライトアップされ、ぼんぼりが灯されます。本丸の開放時間が21時まで延長され、桜木ライトアップ、ぼんぼり、武者大行燈が18時から21時に点灯します。
松江城山公園は桜の名所としても有名で、約180本のソメイヨシノが城を彩ります。自転車で城山公園に駆けつけ、桜の下でお花見を楽しむのは、春のポタリングの醍醐味です。
期間中には松江城馬溜ステージでさまざまなイベントも開催されます。忍術(大道芸)ステージ、次世代デジタルチャンバラ体験、安来節ステージ、松江武者行列出陣式など、伝統芸能や武者によるパフォーマンスを楽しむことができます。露店も出店され、地元グルメを味わいながらお祭りの雰囲気を満喫できます。
松江城下町から足を延ばす周辺エリアのポタリングコース
松江の城下町を中心としたポタリングに慣れたら、少し足を延ばして周辺エリアへ出かけてみるのもおすすめです。各コースの特徴を以下の表にまとめました。
| コース名 | 距離 | 獲得標高 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 城下町満喫ルート | 約10〜11km | 約20〜23m | 松江城・塩見縄手・カラコロ工房をめぐる定番コース |
| 大橋川沿い | 約25.3km | 約27m | 宍道湖と中海を結ぶ川沿いの爽快コース |
| 宍道湖北岸 | 約22km | 約42m | 湖畔の公園をつなぐ夕日が美しいコース |
| 橋北編 | 約10.3km | 約20m | 神社仏閣テーマの歴史探訪コース |
| 橋南編 | 約11.2km | 約20m | 商店街・飲食店が充実のグルメコース |
大橋川沿いポタリングは、「水の都・松江」の大橋川沿いをクロスバイクで走るコースで、川の流れを感じながら走ることができます。大橋川は宍道湖と中海を結ぶ川で、その両岸には遊歩道が整備されており、サイクリングやポタリングに適しています。
宍道湖北岸ポタリングは、宍道湖の北岸に点在する複数の公園をつなぐコースで、宍道湖の美しい水面を眺めながら走ることができます。特に夕方に走ると、宍道湖に沈む夕日を間近で楽しむことができます。
橋北・橋南エリアポタリングは、松江の市街地を大橋川を境に「橋北」と「橋南」に分けて楽しむコースです。「神社仏閣の町・松江」をテーマにしたコースで、どちらも獲得標高が20メートル前後と平坦で、初心者向けのコースです。
松江城下町ポタリングの自転車マナーと注意点
松江の城下町をポタリングする際には、いくつかのマナーを守ることが大切です。
塩見縄手や城山公園周辺は歩行者も多いエリアですので、歩行者を見かけたら速度を落とし、十分な距離を保って走行しましょう。観光スポットに立ち寄る際は、指定された駐輪場に自転車を止めることが重要です。歩道や建物の入口付近に自転車を放置すると、歩行者の通行の妨げになります。
自転車も車両の一種ですので、信号を守り、左側通行を徹底しましょう。夜間にはライトを点灯することも忘れずに行ってください。また、塩見縄手の武家屋敷風の民家の中には実際に住民が暮らしている家もあります。プライバシーに配慮し、個人の敷地内を無断で撮影しないようにしましょう。
まとめ:松江城下町ポタリングで塩見縄手と武家屋敷の歴史に出会う旅
松江城下町のポタリングは、歴史、文化、自然、グルメを一度に楽しめる贅沢な体験です。国宝松江城を中心に、塩見縄手の武家屋敷群、小泉八雲ゆかりの地、不昧公の茶文化、そして宍道湖の絶景と、見どころが尽きません。
特に塩見縄手は、「日本の道100選」にも選ばれた美しい通りで、江戸時代の城下町の風情を今に伝える貴重な場所です。自転車でゆっくりと走りながら、280年以上の歴史をもつ武家屋敷や、小泉八雲が愛した庭園を訪ね、不昧公ゆかりの茶室で抹茶をいただく、そんな贅沢なポタリングが松江では気軽に楽しめます。
レンタサイクルは1日300円からと大変リーズナブルで、電動アシスト付き自転車でも1日500円程度です。平坦な地形と、コンパクトにまとまった観光スポットが、ポタリング初心者にも優しい環境を提供してくれます。
水の都・松江の魅力は、車では見落としてしまうような路地裏の風景や、堀川のせせらぎ、老松の木漏れ日など、自転車だからこそ感じられる繊細な美しさにあります。次の旅の目的地に、松江城下町のポタリングを選んでみてはいかがでしょうか。きっと、江戸時代から続く城下町の深い魅力に出会えるはずです。









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