飛騨里山サイクリングは、岐阜県飛騨市古川町の美しい里山を自転車でのんびり巡る、今注目の旅のスタイルです。古川町では、ガイド付きの里山サイクリングツアーに参加するほか、レンタサイクルを利用して自分のペースで里山ポタリングを楽しむことができ、途中で古民家を改装した個性豊かなカフェに立ち寄るカフェ巡りも大きな魅力となっています。飛騨高山からJRでわずか16分という好立地にありながら、日本の原風景ともいえる田園風景が広がるこの町は、自転車旅の目的地として国内外から注目を集めています。この記事では、飛騨里山サイクリングの概要からガイドツアー情報、レンタサイクルでの里山ポタリングの楽しみ方、サイクリング途中にぜひ立ち寄りたいカフェの詳細、そしておすすめのモデルコースまで、飛騨古川町の自転車旅を存分に楽しむための情報を詳しくお伝えします。

飛騨古川町とは?里山サイクリングの舞台となる歴史ある城下町
飛騨古川町は、岐阜県飛騨市に位置する、戦国時代に城下町として形成された歴史ある町です。何度か大火に見舞われながらも、住民の強い意志によって美しい町並みが守られてきました。現在でも伝統的な町家建築が残り、格子窓や白壁の土蔵が連なる風情ある街並みが訪れる人を魅了しています。
瀬戸川と白壁土蔵街が織りなす美しい景観
「瀬戸川と白壁土蔵街」は飛騨古川を代表する景観スポットです。町の中心部を流れる瀬戸川沿いには約500メートルにわたって白壁土蔵が連なり、4月から11月の間は1000匹あまりの色とりどりの鯉が優雅に泳ぐ姿を見ることができます。川辺では鯉へのエサやり体験も楽しめるため、サイクリングの出発前に立ち寄るのもおすすめです。冬季にあたる11月末から翌4月にかけては、雪対策のため鯉を近くの天神池へ引っ越しさせるという地域ならではの風物詩もあります。
古川町の周辺にはすぐそばに里山が広がっており、これが古川の最大の魅力です。朝に町並みを揃って登校する子供たち、昼夕に賑わう惣菜屋、ご近所のおしゃべりの輪、夜の静けさと格子窓に灯る明かりなど、飛騨の人々の日常の暮らしが垣間見えるところに、この町の本当の良さがあります。
飛騨古川へのアクセス方法
飛騨古川へのアクセスは非常に便利です。電車の場合、JR高山駅からJR飛騨古川駅まで約16分と近く、名古屋方面からは名古屋駅から特急ひだを利用して直通で約4時間20分程度で到着します。バスの場合は、高山濃飛バスセンターから飛騨古川まで約35分で、濃飛バスが高山から飛騨古川・神岡方面への路線バスを運行しています。飛騨古川駅に到着すると、駅から瀬戸川と白壁土蔵街までは徒歩約5分という近さで、コンパクトな町に見どころが集まっているのも古川町の魅力です。
ユネスコ無形文化遺産に登録された古川祭
飛騨古川を語るうえで欠かせないのが、約400年以上の歴史を持つ「古川祭」です。毎年4月19日から20日にかけて開催されるこの祭りは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。豪華絢爛な屋台が町を練り歩く姿は圧巻であり、サイクリング旅行の時期をこの祭りに合わせて訪れるのもおすすめです。
飛騨里山サイクリングの魅力とSATOYAMA EXPERIENCEのガイドツアー
飛騨里山サイクリングは、「暮らしを旅する」をコンセプトに掲げるSATOYAMA EXPERIENCEが運営するガイド付きサイクリングツアーです。2007年に代表の山田拓氏が飛騨古川の里山の魅力を国内外に発信するために設立したこの事業は、岐阜県飛騨市古川町を拠点に活動しています。観光名所を巡るのではなく、飛騨の人々の日常の暮らしや自然と一体となった里山の生活、古民家に凝縮された先人の知恵、受け継がれる文化を体感することを目的としています。
スタンダードツアーで巡る里山の風景
飛騨里山サイクリングの看板メニューであるスタンダードツアーは、全長約22キロメートルのルートを約3時間半かけてのんびりと巡る人気のクラシックツアーです。飛騨古川の気品ある古い町並みから出発し、白壁土蔵街を抜けると次第に農村集落が広がり、美しい里山の風景が目の前に現れます。地元野菜の並ぶマルシェや点在する巨大な古民家、広がる田んぼとそれを囲む山々など、一般的な観光スポットではなく飛騨の人々の暮らしそのものを体感できるのが特徴です。
ガイドは土地のことや畑で獲れる作物のこと、地域にまつわる話を丁寧に教えてくれます。ツアーの中盤では公園で休憩の時間が設けられ、お茶と地元の老舗菓子屋の味噌せんべいが提供されるなど、心のこもったおもてなしも魅力のひとつです。秋には稲刈りが終わった田んぼと冬野菜の畑が広がる道を走り、紅葉した山々が360度に見渡せる飛騨ならではの雄大な景色を堪能できます。遠くには雪をかぶった山々も見え、飛騨の自然の壮大さを肌で感じられるツアーとなっています。
2026年の営業情報と料金
スタンダードツアーの営業期間は3月から11月までで、午前の部は9時から12時30分、午後の部は14時から17時30分の二部制で運営されています。体験時間は3時間から4時間で、参加可能年齢は6歳から100歳まで、予約可能人数は1人から8人までです。
2026年はプライベートツアー料金が改定されました。1名参加で62,700円、4名以上で1人あたり19,800円となっています。参考として2025年の料金は、1名参加で57,000円、2名で1人あたり28,500円、3名で1人あたり19,500円、4名以上で1人あたり16,500円でした。2026年は繁忙期の期間も拡大され、4月1日から5月31日、7月16日から8月15日、10月1日から11月20日が繁忙期に設定されています。繁忙期は料金が異なるため、予約の際は公式サイトでの確認をおすすめします。
より手軽に楽しめるハーフツアー
スタンダードツアーのほかに、全長約12キロメートル、所要時間約2時間半のハーフツアーも用意されています。初心者やファミリー向けのコースで、スタンダードとハーフのどちらのコースも、普段ママチャリに乗ってお買い物に行く程度の体力があれば安心して参加できます。のんびりしたペースで進むため、体力に自信がない方でも心配なく楽しめるのが特徴です。
レンタサイクルで自由に楽しむ古川町の里山ポタリング
ガイド付きツアーだけでなく、レンタサイクルを利用して自分のペースで古川町を巡る里山ポタリングも人気の楽しみ方です。飛騨古川まつり会館ではレンタサイクルの貸し出しを行っており、料金は1時間300円、1日1,000円、2日間で2,000円と非常にリーズナブルです。貸出時間は9時から16時で最終貸し出しは15時まで、国内メーカーのクロスバイク4台、シティサイクル2台、お子様用自転車1台が用意されています。毎年4月1日頃からレンタサイクルが再開されるため、春以降の訪問が里山ポタリングには最適です。
クロスバイクが用意されているのは嬉しいポイントです。シティサイクルに比べて走行性能が高く、郊外の里山まで足を延ばすのに適していながら、ロードバイクほど前傾姿勢にならないため、のんびりとした里山ポタリングにぴったりの自転車です。
おすすめの里山ポタリングコース
飛騨古川駅周辺を出発点として、まず瀬戸川と白壁土蔵街を自転車でゆっくりと通り抜けるのがおすすめです。川沿いの道路は周辺の景観も白壁土蔵にマッチして美しく整備されており、段差や傾斜もないため自転車でも走りやすくなっています。
町並みを抜けたら郊外へと向かいましょう。古川町の魅力は、町中を出ればすぐそこに里山が広がっているところです。田んぼの間を抜ける農道を走れば、四季折々の美しい風景が楽しめます。春は桜と新緑、夏は青々とした稲田、秋は黄金色の稲穂と紅葉、冬は一面の雪景色と、同じ場所でも季節によってまったく異なる表情を見せてくれます。
途中には点在する古民家や神社、お寺も目に入ります。円光寺の山門はかつてこの地を治めた金森氏が築城した増島城の城門を移築したもので、歴史の重みを感じさせます。本光寺の本堂は木造建築では飛騨地域で最も大きく、市内随一の存在感を誇ります。里山ポタリングの途中で疲れたら、古川町のカフェに立ち寄って一休みするのが楽しみのひとつです。
四季折々の里山ポタリングの楽しみ方
里山ポタリングの大きな魅力は、四季それぞれに異なる楽しみ方ができることです。
春にあたる4月から5月は、桜の季節に合わせてサイクリングで花見を楽しむのがおすすめです。飛騨市公式観光サイトでも「サイクリングで花見を楽しもう」というモデルコースが紹介されています。瀬戸川沿いの桜並木や郊外の農村に点在する一本桜など、自転車ならではの花見スポットを巡ることができます。
夏の6月から8月は、青々とした田んぼが広がり山々の緑も一層深まる季節です。早朝のサイクリングは涼しく快適で、朝もやの中を走る幻想的な体験ができることもあります。
秋の9月から11月は、里山ポタリングのベストシーズンともいえます。黄金色の稲穂が実る田んぼ、紅葉に彩られた山々、そして収穫を迎えた畑の風景は、まさに日本の原風景そのものです。
冬の12月から3月はレンタサイクルの貸し出しは行われていませんが、雪に覆われた古川町の町並みは格別の美しさがあります。この時期は徒歩での散策がおすすめです。
古川町カフェ巡りで出会える個性豊かなカフェ
古川町には古民家を改装した趣のあるカフェが点在しており、サイクリング途中のカフェ巡りも里山ポタリングの大きな楽しみです。地元の食材を使ったスイーツや飲み物で心も体もリフレッシュできる、おすすめのカフェを詳しくご紹介します。
FabCafe Hida(ファブカフェ飛騨)の魅力
FabCafe Hidaは、築100年以上の古民家をリノベーションして作られた、カフェ兼ものづくりスペース兼ゲストハウスというユニークなコンセプトの施設です。店内には3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械が設置されており、予約優先で使用することができます。カフェとしてだけでなく、クリエイティブな体験ができるのが大きな特徴です。
フード面では飛騨産トマトを使ったハヤシライスやベーグルサンドなどの食事メニューが充実しています。中でも人気なのが、地元の牛乳屋「牧成舎」の濃厚な牛乳を使用した「ひだカヌレ」です。外はカリッと中はもちもちの食感で、季節限定のバリエーションも用意されています。冷たいカヌレは特に人気が高く、頻繁に売り切れるほどです。
ドリンクでは、飛騨の森で採れる香木「クロモジ」とコロンビア豆を焙煎して作られたFabCafe Hidaオリジナルコーヒーが一押しです。クロモジのさわやかな香りがコーヒーと絶妙にマッチし、ここでしか味わえない一杯となっています。
蕪水亭 OHAKO(かぶすいてい おはこ)で味わう飛騨の薬草メニュー
蕪水亭OHAKOは、飛騨の薬草を使った料理とスイーツが楽しめるカフェです。レトロモダンな雰囲気の店内には自家焙煎コーヒーの良い香りが漂い、落ち着いた時間を過ごすことができます。
最大の特徴は飛騨の薬草を活用したメニューの数々です。「メナモミ」という薬草を使ったシフォンケーキやフレンチトーストは、他では味わえない独自のスイーツです。飛騨産のそば粉を使用した手打ちそばも提供しており、メナモミを練り込んだ自家製蕎麦は蕎麦好きにはたまらない一品です。ランチタイムには飛騨の薬草を少しずつ楽しめる人気ナンバーワンのランチプレートがおすすめで、様々な薬草料理を一度に味わえるため飛騨の食文化を深く知ることができます。ドリンクではピーベリー豆を使用したスペシャルティコーヒーが自慢で、高品質なクロモジコーヒーも提供されています。
壱之町珈琲店の1日12個限定メロンパン
壱之町珈琲店は、JR飛騨古川駅からほど近い岐阜県飛騨市古川町壱之町1-12に位置する、築100年以上の古民家を改装した喫茶店です。営業時間は10時から17時で、定休日は火曜日となっています(火曜日が祝日の場合は翌日が定休)。
こだわりのスペシャルティコーヒーとともに人気なのが、1日12個限定の自家製メロンパンです。サクサクの表面としっとりした中身のバランスが絶妙で、朝早くから売り切れてしまうことも多いため、早めの来店をおすすめします。コーヒーとの相性も抜群です。また、飛騨牛を使ったカレーライスも提供しており、ランチとしても利用できます。古民家の落ち着いた空間で味わう飛騨牛カレーは格別の味わいです。
カノコヤの飛騨素材ベルギーワッフル
カノコヤは、地元の素材にこだわったベルギーワッフルの専門店です。地元「牧成舎」の牛乳、岐阜県産小麦、国産バターを使用した原材料にこだわったワッフルは、素材の良さが存分に活きたシンプルで上質な味わいが特徴です。
おすすめは飛騨地方で古くから食されてきたエゴマ(地元では「あぶらえ」と呼ばれる)を使った「あぶらえワッフル」です。エゴマの香ばしい風味がワッフルの甘さと調和し、飛騨ならではの味を楽しめます。テイクアウトも可能なので、ワッフルを片手に瀬戸川沿いを散策するのも楽しい過ごし方です。
カフェ巡りを効率よく楽しむコツ
古川町のカフェ巡りを楽しむには、いくつかのポイントを押さえておくと安心です。まず各カフェの定休日を事前に確認しておくことが大切で、小さな町のカフェは定休日が設定されていることが多いため注意が必要です。また、壱之町珈琲店の1日12個限定メロンパンやFabCafe Hidaの冷たいカヌレなどの限定メニューは早い時間に売り切れてしまうことがあるため、午前中の早い時間に訪れるのがおすすめです。サイクリングの途中にカフェに立ち寄る場合は自転車の駐輪場所を確認しておくとよいでしょう。古川町の中心部は比較的コンパクトなので、カフェの近くに自転車を停められる場所が見つかりやすくなっています。
飛騨里山サイクリングと合わせて味わう古川町グルメ
カフェだけでなく、飛騨古川には地元の食材を活かした魅力的なグルメスポットが数多くあります。サイクリングでお腹が空いたら、ぜひ立ち寄ってみてください。
ブランド牛「飛騨牛」を堪能できるお店
飛騨地方を訪れたら外せないのがブランド牛「飛騨牛」です。「西洋膳処まえだ」は地元民からも人気の飛騨牛のお店で、大きなお椀に見事に盛り付けられたランチはボリュームがあり、希少な飛騨牛の肉質の良さが際立つ料理を堪能できます。「味処古川」は飛騨古川の人気店で、飛騨産の自家製味噌にこだわった飛騨牛朴葉みそステーキ定食が一番人気です。広々とした店内では飛騨中華そばや飛騨地鶏のメニュー、蕎麦、カレーなど多彩なメニューが楽しめます。
飛騨牛握り寿司は観光客の人気投票でグランプリに選ばれた逸品で、飛騨牛の旨味を最もダイレクトに感じられる食べ方のひとつです。食べ歩きにもぴったりなので、サイクリング途中の小腹が空いた時に最適です。
手打ち蕎麦と食べ歩きグルメ
飛騨地方は蕎麦の産地としても知られています。「蕎麦正なかや」は飛騨古川さくら物産館のすぐ近くにある手打ち蕎麦屋で、飛騨荘川産のあらびき粉を奥飛騨原水を使って打った本格手打ち蕎麦を提供しています。蕪水亭OHAKOでもメナモミを練り込んだ自家製蕎麦が味わえるため、カフェタイムとランチを兼ねて訪れるのもよいでしょう。
食べ歩きも古川町の楽しみのひとつです。飛騨コロッケ本舗では飛騨牛がごろっと入ったコロッケが人気で、サイクリングの途中に手軽に食べられるのが嬉しいポイントです。飛騨とらふぐや焼き鳥、寿司などバラエティに富んだグルメのお店が集まる複合施設もあり、昼はランチ、夜はにぎやかな飲み屋街として楽しめます。
レールマウンテンバイク「ガッタンゴー」で楽しむもうひとつのサイクリング体験
飛騨市でのサイクリング体験として、レールマウンテンバイク「ガッタンゴー」もぜひ体験していただきたいアクティビティです。これは廃線になった旧神岡鉄道のレール上を電動アシスト付きの自転車で走るというユニークな体験で、線路の上を自転車で走る非日常的な感覚は他では味わえない特別なものです。
電動アシスト付きなので体力に自信がなくても安心して楽しめます。レールの上を走るためガタンゴトンというリズミカルな振動と音が心地よく、トンネルや鉄橋を通過する際のスリルも味わえます。里山サイクリングとガッタンゴーを組み合わせれば、飛騨市の自転車体験を存分に満喫できる一日になるでしょう。
映画「君の名は。」聖地巡礼と里山ポタリングの組み合わせ
飛騨古川は、2016年に公開され社会現象となった新海誠監督のアニメーション映画「君の名は。」の舞台のモデルとなった地としても広く知られています。映画に登場する架空の町「糸守町」のモデルとして飛騨古川の風景が数多く描かれており、公開以降、国内外から多くの聖地巡礼ファンが訪れるようになりました。
飛騨古川の主な聖地スポット
飛騨古川駅は、映画の中で主人公の瀧が糸守町を訪れるシーンに登場する駅のモデルとなった場所です。駅の待合室や改札口、駅前のタクシー乗り場は映画そのままの風景が広がっています。特に駅の北側にある跨線橋からの眺めは映画の有名なワンシーンとして知られており、アニメと同じアングルで2番線に電車が停車するのは1日1回、9時57分からのわずか1分間だけです。
飛騨市図書館は、映画の中で瀧が糸守町について調べるために訪れた図書館のモデルです。館内での写真撮影を希望する場合は、受付にて許可申請が必要となっています。気多若宮神社は映画に登場する神社のモデルのひとつとされており、大きな鳥居と参道が印象的な神社です。24時間自由に参拝できますが、静かな神聖な場所であるためマナーを守って訪れたい場所です。
サイクリングと聖地巡礼を組み合わせたプラン
里山ポタリングのルートに聖地巡礼スポットを組み込むことで、映画ファンならより一層充実した時間を過ごすことができます。飛騨古川駅周辺の聖地スポットは徒歩圏内に集中しているため、朝のうちに聖地巡礼を済ませ、その後レンタサイクルを借りて里山ポタリングとカフェ巡りに出かけるというプランがおすすめです。
2024年には飛騨市を舞台にした映画「君の忘れ方」も公開され、新たな聖地巡礼スポットも生まれました。飛騨市公式観光サイトでは「映画やドラマの世界をめぐる旅」というモデルコースも公開されているので、参考にするとよいでしょう。
飛騨の薬草文化とカフェ巡りの深い関わり
飛騨市は森林が面積の9割以上を占める自然豊かな地域であり、245種類以上の薬草が自生する全国有数の薬草の宝庫です。山里に住む人々は昔から野山に自生する薬草を摘み、その薬効を暮らしの中に取り入れてきました。薬草は飛騨の人々にとって、まさに自然の薬箱のような存在だったのです。
薬草の宝庫としての飛騨市の歴史
飛騨市と薬草の関わりが公式に深まったのは、2012年に旧古川町が薬草研究の第一人者である村上光太郎先生に薬草の調査を依頼したことがきっかけでした。この調査により、飛騨市が全国的にも稀な薬草の宝庫であることが科学的に裏付けられました。現在は「飛騨市薬草ビレッジ構想推進プロジェクト」という取り組みが進められており、市民の健康づくりや町の活性化を目的として、薬草を地域資源として生かすまちづくりが展開されています。
飛騨古川のまちなかには「ひだ森のめぐみ」という薬草体験施設があります。常時体験できるワークショップや薬草商品の販売、薬草の展示、薬草茶の試飲などが楽しめるため、サイクリングの途中に立ち寄って飛騨の薬草文化に触れてみるのもおすすめです。
薬草がカフェ文化と融合する古川町の魅力
蕪水亭OHAKOは、飛騨の薬草文化をカフェメニューに取り入れた先駆的な存在です。メナモミをはじめとする地元の薬草を使ったシフォンケーキやフレンチトースト、薬草を練り込んだ自家製蕎麦など、薬草の魅力を気軽に体験できるメニューが揃っています。FabCafe Hidaで提供されるクロモジコーヒーも、飛騨の森で採れる香木クロモジを活用したもので、薬草文化の延長線上にある新しいカフェカルチャーといえるでしょう。
こうした薬草カフェの存在は、古川町でのカフェ巡りに独自の奥行きを与えています。単なるコーヒーやスイーツを楽しむだけでなく、飛騨の自然と文化、そして先人たちの知恵に触れることができるのが、古川町のカフェ巡りならではの魅力です。里山ポタリングで農村の風景を巡りながら、途中で薬草カフェに立ち寄り飛騨の自然の恵みを味わう旅のスタイルは、自然との共生の心を思い出させてくれるかけがえのない体験となるでしょう。
里山ポタリングを快適に楽しむためのアドバイス
里山ポタリングを快適に楽しむために、服装や持ち物、おすすめの時間帯、安全面での注意事項をまとめてお伝えします。
服装と持ち物の準備
服装は動きやすいカジュアルな格好で十分で、本格的なサイクリングウェアは必要ありません。ただし長時間屋外にいることになるため、日焼け対策として帽子やサングラス、日焼け止めを持っていくとよいでしょう。春や秋は朝晩の寒暖差が大きいため、羽織れるものを一枚持っていくのがおすすめです。靴はスニーカーなど動きやすいものを選び、サンダルやヒールのある靴はペダルを漕ぐ際に不安定になるため避けましょう。
持ち物としては水分補給用の飲み物、カメラ、スマートフォン、財布があれば十分です。リュックやサコッシュなど両手が自由になるバッグに入れて持ち運ぶのが便利です。
おすすめの時間帯とプラン
ポタリングにおすすめの時間帯は午前中の早い時間です。朝の澄んだ空気の中を走るのは非常に気持ちがよく、限定メニューのあるカフェにも早い時間に立ち寄れるというメリットがあります。午前中にサイクリングとカフェ巡りを楽しみ、午後は古川町の町並みをゆっくり歩いて散策するというプランが、一日を有効に使える過ごし方です。
安全面での注意事項
里山エリアの農道は交通量が少なく走りやすい一方、道幅が狭いことがあるため対向車や歩行者に注意が必要です。特に農作業の車両が通ることもあるので、周囲の状況に気を配りながら走りましょう。飛騨地方は山に囲まれた地形のため天候が変わりやすい特徴があります。出発前に天気予報を確認し、雨具を持参するか天候が怪しい場合は無理をせず町中での散策に切り替えるのが賢明です。携帯電話の電波が届きにくい場所もあるため、事前にルートを確認しておくとよいでしょう。飛騨市公式観光サイトでは散策マップやモデルコースが公開されているので、出発前にダウンロードしておくことをおすすめします。
古川町の里山ポタリングとカフェ巡りおすすめモデルコース
最後に、里山ポタリングとカフェ巡りを組み合わせたおすすめのモデルコースをご紹介します。
半日で楽しむ里山ポタリングコース(約3時間から4時間)
9時に飛騨古川まつり会館でレンタサイクルを借りたら、まず瀬戸川と白壁土蔵街を自転車でゆっくりと通り抜けます。9時30分頃に壱之町珈琲店に到着し、限定メロンパンとコーヒーで朝のひとときを過ごしましょう。10時15分頃に町並みを抜けて里山エリアへ出発し、10時30分から11時30分にかけて田園風景の中をのんびりポタリングしながら古民家や神社仏閣を巡ります。11時45分にはFabCafe Hidaで「ひだカヌレ」とオリジナルコーヒーを楽しみ、12時30分に飛騨古川まつり会館にレンタサイクルを返却して終了です。半日でも里山の風景とカフェ巡りの両方を堪能できる充実のコースとなっています。
一日たっぷり満喫する里山ポタリングコース(約6時間から7時間)
9時に飛騨古川まつり会館でレンタサイクルを借り、瀬戸川と白壁土蔵街を散策した後、9時45分に壱之町珈琲店でモーニングコーヒーを楽しみます。10時30分に里山エリアへ出発して田園風景のポタリングを満喫し、11時30分に蕪水亭OHAKOで薬草ランチプレートを堪能します。13時から午後の里山ポタリングに出かけ、少し遠くの集落まで足を延ばしてみましょう。14時30分にカノコヤであぶらえワッフルを味わい、15時にFabCafe Hidaでひだカヌレとクロモジコーヒーで一日の締めくくりを楽しみます。15時45分にレンタサイクルを返却した後は、古川町の町並みを徒歩で散策しながらお土産探しを楽しむのがおすすめです。複数のカフェを巡りながら里山の風景も存分に楽しめる、飛騨古川を一日まるごと満喫できるコースです。
飛騨古川町での里山ポタリングとカフェ巡りは、日本の原風景ともいえる美しい里山の風景と個性豊かなカフェ文化が見事に融合した、唯一無二の旅の体験です。SATOYAMA EXPERIENCEのガイド付きツアーに参加するもよし、レンタサイクルを借りて自分のペースでのんびり巡るもよし、どちらのスタイルを選んでも飛騨の人々の温かさ、里山の穏やかな空気、そして地元食材を活かした美味しいカフェメニューが、心に残る旅の思い出を作ってくれるでしょう。都会の喧騒を離れ、自転車のペダルを踏みながら里山の風を感じ、途中でお気に入りのカフェに立ち寄って地元の味を楽しむ。そんなゆったりとした時間の過ごし方こそが、飛騨古川町での里山ポタリングの最大の魅力です。









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