北摂里山サイクリングの中でも、猪名川町は交通量が少なく自然豊かな道が続く、里山ポタリングコースの宝庫として多くのサイクリストに親しまれています。兵庫県南東部に位置する猪名川町は、大阪や神戸から約1時間というアクセスの良さを持ちながら、多田銀銅山遺跡や長谷の棚田といった歴史・自然スポットが点在する里山エリアです。この記事では、道の駅いながわを拠点とした猪名川町のおすすめポタリングコースや見どころ、季節ごとの楽しみ方、アクセス方法まで幅広くお伝えしていきます。ポタリングとは、自転車でのんびりと散歩するように走るアクティビティのことで、速さやタイムを競うのではなく、沿道の風景や地元グルメを楽しむことに重点を置いた自転車の楽しみ方です。北摂里山エリアでは、水田に映る空や山から吹き降ろす風、鳥のさえずりなど、自転車だからこそ感じられる里山の魅力を五感で体感することができます。

北摂里山エリアとは?猪名川町を含む自然豊かなサイクリングフィールド
北摂里山エリアは、兵庫県南東部の六甲山系の北側に広がる丘陵地帯で、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町から構成されています。京阪神の大都市圏からわずか1時間ほどの距離にありながら、日本一とも称される美しい里山景観が広がっている点が最大の特徴です。
この地域の里山は、農地やため池、草原、人が管理する森林など多様な自然環境で構成されています。森、草地、水田、小川、ため池といった多様な生態系がモザイク状に存在し、多種多様な動植物の生息地となっています。全国の希少種の集中分布地域の5割以上が里地里山にあたるとされており、生物多様性の観点からも非常に重要な地域です。
田園地帯の平坦路から高低差のある峠道まで、変化に富んだ地形が広がっているため、初心者から上級者まで幅広いレベルのサイクリストが楽しめるフィールドとなっています。歴史的価値のある社寺仏閣や都市公園も点在しており、サイクリングの途中で歴史や文化に触れることもできます。
猪名川町が里山ポタリングコースに最適な理由
猪名川町がサイクリストに選ばれる最大の理由は、交通量が少なく安全に走りやすい道が多い点にあります。兵庫県川辺郡に位置するこの町は、面積の約8割が山林で占められ、猪名川の清流が町の中心を流れる自然豊かな環境です。
町の北部には標高753.5メートルの大野山がそびえ、阪神地域の最高峰として知られています。山頂からはほぼ360度の視界が開け、北摂山系をはじめ六甲山、篠山や京都方面の丹波の山脈、遠くは瀬戸内海や大阪市街まで望むことができます。
サイクリングの拠点となる道の駅いながわをはじめ、休憩スポットも充実しているため、補給や休憩に困ることが少ないのも大きな魅力です。県道や町道を利用したルートは車の通行が少なく、のんびりとしたポタリングを安心して楽しむことができます。また、町内には多田銀銅山遺跡という国の史跡や、明治時代に造られた石造りのトンネル「くろまんぷ」、日本の棚田百選に選ばれた「長谷の棚田」など、歴史と自然が融合した見どころが豊富に点在しています。
猪名川町の主要サイクリングスポットと見どころ
道の駅いながわ:北摂里山ポタリングの拠点
道の駅いながわは2000年11月5日に開駅した、国土交通省に登録された道の駅です。年間約70万人の来訪者を迎えるこの施設は、猪名川町の観光情報の発信拠点であり、地元の特産品の販売や交通情報の提供を行っています。
施設内にはそば打ち体験ができるそば処があり、地元産のそば粉を100パーセント使用した十割そばを味わうことができます。自転車ラックも設置されており、サイクリストにとって使い勝手の良い休憩スポットです。多くのサイクリングコースの起点・終点として利用されており、駐車場も完備されているため、車で自転車を運んできてここからポタリングをスタートするという利用方法も人気があります。
多田銀銅山遺跡:歴史探訪ができるサイクリングスポット
多田銀銅山遺跡は、2015年10月7日に国の史跡に指定された鉱山遺跡です。旧摂津国(現在の兵庫県川西市、猪名川町および大阪府池田市)の広範囲にわたり坑道が開堀されてきた歴史を持ち、東大寺の大仏造営に伴い銅を献上したことが採銅のはじまりとする伝承があります。
史料上の初見は長暦元年(1037年)頃の能勢採銅所設置の記事であり、万治3年(1660年)に大口間歩で銀の含有率の高い良好な鉱脈が発見されたことで本格的な鉱山経営が始まりました。寛文4年(1665年)には「銀山三千軒」といわれるほどの賑わいを見せました。
現在は「多田銀銅山悠久の館」として歴史を紹介する施設が整備されており、館内の展示スペースには多田銀銅山にまつわる絵図や古文書、鉱石や鉱山道具などの資料が展示されています。また、青木間歩は多田銀銅山遺跡の中で唯一坑道内を体験できる間歩(坑道)で、江戸時代に採掘されたと思われる手掘りの露頭掘りや坑道掘り、昭和になって削岩機などの機械を使って採掘された坑道など、さまざまな掘り方を見学できます。見学時間は9時から17時で照明設備があり、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)および年末年始は見学できません。
くろまんぷ(暗マンプ):明治時代の石造りトンネルを自転車で体験
くろまんぷは、木津から林田に通じる津坂トンネルのことで、明治14年(1881年)に柏原村の福井伊之助が工事費1,175円で請け負って建設されました。固い岩盤や軟岩の崩壊による難工事となりましたが、柏原の人々が私財を投げ打って完成させた明治時代の隠れた偉業です。
「マンプ」という名称は、鉱山などで坑道を意味する「間歩(まぶ)」から転化したもので、この地域ではトンネルのことをマンプと呼ぶようになりました。かつての岩肌はコンクリートで補強されていますが、明治時代の先人たちの情熱と技術を感じることができる歴史的なスポットです。石造りのトンネルは独特の雰囲気があり、自転車で通り抜ける体験は里山ポタリングならではの醍醐味といえます。
長谷の棚田:日本の棚田百選に選ばれた絶景スポット
長谷の棚田は、日本の棚田百選に選ばれた美しい棚田です。山の斜面に階段状に広がる水田は、日本の原風景ともいえる景観を作り出しています。春には水が張られた棚田に空が映り込み、夏には青々とした稲が風にそよぎ、秋には黄金色の稲穂が実り、冬には霜に覆われた棚田が静寂の中に佇みます。写真撮影スポットとしても人気が高く、多くのカメラマンが訪れています。
大野山と大野アルプスランド:阪神地域最高峰の絶景ヒルクライム
大野山は標高753.5メートルの阪神地域最高峰で、山頂付近には「大野アルプスランド」としてキャンプ場が整備されています。口径50センチの反射式望遠鏡を備える猪名川天文台「アストロピア」もあり、天体観測を楽しむことができます。
自転車での大野山へのアプローチは、杉生交差点からスタートする全長6.9キロメートルのヒルクライムコースが代表的です。平均斜度は7.55パーセントで、前半4キロメートルは平均斜度5パーセント未満ですが、後半2.9キロメートルは平均斜度11.28パーセントと急激に上がります。後半は10から13パーセントの間で緩急が繰り返されるだけで休める場所がほとんどなく、3キロメートル続く急坂を登り続ける体力が必要です。ポタリング派であれば、大野山のふもとまでの田園風景を楽しむルートを選ぶのもよいでしょう。猪名川町制施行70周年を記念して「大野山自転車ヒルクライム大会」も開催されており、猪名川町周辺のサイクリング文化の発展に寄与しています。
メープル猪名川:サイクリング後の温泉とカフェでリフレッシュ
サイクリングの疲れを癒すのに最適な施設が、高原ロッジ・メープル猪名川です。天然ラジウム泉を持つ温泉施設で、サイクリングで汗をかいた後に温泉で疲れを癒し、食事で体力を回復するという贅沢な時間を過ごすことができます。施設内のカフェレストラン「Villabli Garden Cafe」では、土日祝日にランチ営業を行っており、平日は5名以上からの予約制です。蓮の花が咲く池もあり、季節によっては美しい蓮の花を楽しむこともできます。
い~な!!さくら通り:春のポタリングに外せない桜の名所
猪名川沿いの町道原広根線は「い~な!!さくら通り」と呼ばれ、約2.3キロメートルにわたって約600本のソメイヨシノが植えられています。桜の見頃は例年3月下旬から4月上旬で、満開時には桜のトンネルの中を自転車で駆け抜けることができます。桜の時期には「いながわ桜まつり」が開催され、提灯による照明演出も行われます。春のポタリングには外せないスポットです。
猪名川町のおすすめ里山ポタリングコース
道の駅いながわ発 歴史・自然満喫コース(初心者向け)
このコースは道の駅いながわを起点に、猪名川町内の主要な歴史・自然スポットを巡る周回コースで、初心者でも楽しめるルート設計となっています。道の駅いながわをスタートし、佐保姫伝説ゆかりの地、うませ、くろまんぷ(暗マンプ)、メープル猪名川、八幡神社、八坂神社、素盞嗚神社を巡って道の駅いながわに戻ります。
歴史的なスポットと自然の景観をバランスよく楽しめる点が最大の魅力で、特にくろまんぷを通過する区間では明治時代の石造りトンネルを自転車で体験できる貴重な機会です。メープル猪名川では温泉やカフェで休憩することもできるため、のんびりとしたポタリングを楽しみたい方に最適なコースです。
猪名川サイクリングロード 川沿いコース(初心者向け)
猪名川サイクリングロードは、大阪市内から北摂の山々へとつながるルートです。大阪梅田の中心からアクセスでき、ほとんどが川沿いを走るため初心者でも安心の交通量となっています。園田方面から猪名川を北上し、川西池田方面までのルートはほぼ堤防沿いを走ることができ、気候が良ければ快適なサイクリングを楽しめます。
道中には見どころも豊富で、伊丹空港周辺では飛行機の離着陸を間近で見ることができる「千里川土手」や「エアフロントオアシス下河原」があります。終点の池田市では「池田城公園」や「五月山動物園」、「カップヌードルミュージアム大阪池田」なども楽しめます。平坦な河川敷を走るコースのため、ポタリング初心者に特におすすめです。猪名川町まで足を延ばす場合は、池田からさらに北上して猪名川沿いに進むルートをとることになります。
長谷の棚田を目指すコース(初心者〜中級者向け)
池田の「池ロー」(ローソン池田新町店)をスタート地点とし、猪名川町や能勢町の田舎道を巡りながら日本の棚田百選「長谷の棚田」を目指す約54キロメートルのコースです。猪名川サイクリングロードを利用して池田までアクセスし、そこから猪名川町の山間部へと入っていきます。
道中は長閑な田園風景が広がり、初めて走る方にとっても「田舎に帰ったような」懐かしい気持ちを感じさせてくれるルートです。距離は約54キロメートルありますが、初心者から中級者が半日程度で完走できるルート設計となっています。棚田に到着した際の達成感と、目の前に広がる美しい棚田の景観はこのコースならではの魅力です。
ひょうご北摂里山ライドコース(上級者向け)
ひょうご北摂里山ライドのコースは、猪名川町、三田市、宝塚市、川西市を巡る約90キロメートルの本格的なサイクリングルートです。累積標高(上り)は1,008メートル、累積標高(下り)は981メートルという健脚向けの設定となっています。ポタリングというよりもロングライドの部類に入りますが、北摂里山エリアの全体像を把握するのに最適なルートです。体力に自信がある方は一度チャレンジしてみる価値があります。
各コースの距離と難易度を比較すると以下のようになります。
| コース名 | 距離 | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 歴史・自然満喫コース | 短距離周回 | 初心者向け | 歴史スポットと温泉を満喫 |
| 猪名川サイクリングロード | 中距離 | 初心者向け | 平坦な川沿いルート |
| 長谷の棚田コース | 約54km | 初心者〜中級者 | 棚田の絶景が目標 |
| ひょうご北摂里山ライド | 約90km | 上級者向け | 累積標高1,008mの本格派 |
北摂里山サイクリングで活用したいサイクルマップ
兵庫県が作成・配布している「北摂里山-新発見-サイクルマップ」は、北摂里山サイクリングを計画する際にぜひ活用したいマップです。地元のコラッジョ川西サイクリングチームの走行ルートを参考に、サイクリストの目線で4つのモデルコースが設定されています。
マップには見通しの悪いカーブなど走行時の注意箇所や、コース沿いのビュースポット、立寄りスポットなどが丁寧に記載されています。ポケットサイズで携帯可能なため、実際のサイクリング中にも活用しやすい点が特徴です。配布場所は、阪神北県民局(宝塚総合庁舎、三田分室)、各市町役場、観光協会、マップに掲載されている公園や休憩所などで、兵庫県のウェブサイトからPDF形式でダウンロードすることもできます。
また、大阪府からも「大阪北部サイクリングマップ」が発行されており、サイクリングのプロがおすすめする7つのモデルコースや観光スポットが掲載されています。北摂エリアでのサイクリングを計画する際には、両方のマップを入手しておくと便利です。
里山ポタリングの準備と装備ガイド
北摂里山サイクリングに適した自転車の選び方
里山ポタリングに最も汎用性の高い自転車はクロスバイクです。軽量で扱いやすく、舗装路での走行に適しており、里山の平坦路から緩やかな坂道まで幅広く対応できます。ミニベロ(小径車)は小回りが利き、折りたたみ式であれば電車での輪行も容易なため、猪名川町までのアクセスの幅が広がります。
坂道や長距離に不安がある場合は電動アシスト自転車が心強い選択肢となります。猪名川町の山間部を走る場合にも安心して楽しめます。ロードバイクは大野山へのヒルクライムやひょうご北摂里山ライドのようなロングコースに挑戦する場合に最適です。
服装と持ち物の基本
ポタリングでは動きやすく快適な服装が基本で、速乾性のあるTシャツやパンツ、季節に応じたジャケットなどが適しています。靴はスニーカーなど歩きやすいものがおすすめです。里山エリアでは日差しや虫、急な天候の変化に備えて、帽子やサングラス、薄手の上着を携帯しておくと安心です。なお、2023年4月の道路交通法改正により、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となりました。安全のためにもヘルメットは必ず着用しましょう。
飲み物と補給食は必須で、特に夏場は十分な水分を携帯する必要があります。猪名川町内にはコンビニや自動販売機が少ない場所もあるため、出発前にしっかりと準備しておくことが大切です。パンク修理キットや携帯用空気入れも持っておくと安心で、里山エリアでは近くに自転車店がない場合も多いです。スマートフォンは地図の確認や緊急連絡に必要で、北摂里山サイクルマップのPDFをダウンロードしておけばルート確認にも活用できます。日焼け止め、雨具、鍵、小銭なども併せて携帯しておくとよいでしょう。
猪名川町ポタリングの季節ごとの楽しみ方
猪名川町でのポタリングは四季を通じてそれぞれ異なる魅力があります。
春(3月〜5月)は最も適した季節の一つです。「い~な!!さくら通り」では約600本のソメイヨシノが咲き誇り、桜のトンネルの中を自転車で走り抜ける体験は格別です。棚田には水が張られ、空を映す水面が美しい景観を作り出します。気温も穏やかで、サイクリングに最適な気候となります。
夏(6月〜8月)は早朝や夕方のポタリングがおすすめです。猪名川の清流沿いは涼しく、大野山の山頂付近は標高が高いため気温が下がります。初夏にはホタルが見られるスポットもあり、幻想的な光景を楽しむことができます。ただし、熱中症対策として十分な水分補給と休憩を心がけることが大切です。
秋(9月〜11月)は、長谷の棚田の稲穂が黄金色に実り、収穫期の美しい風景が広がります。紅葉の時期には山々が赤や黄色に色づき、里山の景観がさらに鮮やかになります。気温も適度で、ロングライドにも適した季節です。「ひょうご北摂里山ライド」のイベントも秋に開催されており、多くのサイクリストで賑わいます。
冬(12月〜2月)は、空気が澄んで遠くまで見渡せるため、大野山山頂からの展望が特に美しい季節です。ただし、山間部は気温が低く路面の凍結にも注意が必要です。防寒対策を万全にした上で、冬ならではの静寂の里山を楽しむのがよいでしょう。
猪名川町へのアクセス方法
猪名川町へは複数のアクセス方法があり、サイクリストのスタイルに合わせて選ぶことができます。
電車の場合は、阪急宝塚線「川西能勢口駅」が最寄りの主要駅で、ここから能勢電鉄に乗り換えて猪名川町方面へアクセスできます。大阪梅田から川西能勢口駅までは約25分で、自転車を輪行袋に入れれば電車内への持ち込みも可能です。
車の場合は、阪神高速11号池田線「池田木部出口」から国道173号線を北上するルートが一般的です。道の駅いながわには駐車場が完備されているため、車で自転車を運んで道の駅を起点にポタリングをスタートすることができます。
自走の場合は、猪名川サイクリングロードを利用して大阪市内から北上するルートがあります。園田方面から猪名川沿いを走り、伊丹、川西を経由して猪名川町に至るルートで、平坦な河川敷を走る区間が多いため自走でのアクセスも十分に現実的です。
また、猪名川町ではシェアサイクル(HELLO CYCLING)のステーションも設置されているため、自転車を持っていない方でもサイクリングを楽しむことができます。
猪名川町のグルメスポットで里山の味覚を堪能
ポタリングの楽しみの一つは地元のグルメを味わうことです。道の駅いながわのそば処では、地元産のそば粉を100パーセント使用した十割そばが人気で、そば打ち体験も可能です。自分で打ったそばをその場で食べるという特別な体験ができます。
町内にはログハウスのペンションやベーカリーカフェ、古民家を改装した食事処など個性的な飲食店が点在しています。グループでのポタリングの際にはBBQスポットも楽しいランチタイムを演出してくれます。メープル猪名川のカフェレストラン「Villabli Garden Cafe」では土日祝日にランチを楽しめ、サイクリング後に温泉で汗を流してからカフェでゆっくりと食事をするという贅沢なプランも可能です。
道の駅いながわでは新鮮な野菜や果物、加工品なども販売されており、サイクリングのお土産として持ち帰ることもできます。
ひょうご北摂里山サイクルツーリズムの取り組み
兵庫県では「ひょうご北摂里山サイクルツーリズム」として、北摂里山エリアのサイクリング振興に力を入れています。公式ウェブサイト「ひょうご北摂里山ライド」を通じて、コース情報やイベント情報を発信しています。
代表的なイベントである「ひょうご北摂里山ライド」は、2021年に第1回が開催されて以降、毎年多くのサイクリストが参加しています。2024年には10月27日に開催され、猪名川町、三田市、宝塚市、川西市を巡る約90キロメートルのコースが設定されました。タイムを競うレースではなく、交通ルールを遵守しながら北摂里山の魅力を楽しむサイクリングイベントで、ガイドライダーを先頭に5人1組のグループで走行し、コース上の休憩ポイントでは地域の特産品を味わうことができます。参加資格は、健康で制限時間内に完走できる脚力を有し、安全な走行が可能と自己判断できる18歳以上の方です。
猪名川町では町制施行70周年記念事業として「大野山自転車ヒルクライム大会」も開催されるなど、サイクリング文化の発展と自然豊かな里山の魅力発信に積極的に取り組んでいます。こうした取り組みにより、北摂里山エリアはサイクリストの間で注目度が高まっており、関西圏のサイクリングスポットとしての地位を確立しつつあります。
北摂里山サイクリングを安全に楽しむための注意事項
里山でのポタリングを安全に楽しむためには、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。
まず、交通ルールの遵守は基本中の基本です。自転車は車両であり、車道の左側を走行することが原則です。一時停止や信号の遵守はもちろん、歩行者への配慮も忘れてはなりません。里山エリアの道路では見通しの悪いカーブや農作業車両との遭遇に注意が必要で、特に県道や町道では対向車線からはみ出してくる車両もあり得るため、カーブでは十分に減速することが重要です。
山間部では携帯電話の電波が届きにくい場所があります。万が一のトラブルに備えて、事前にルートを確認し、同行者や家族にルートと予定時間を伝えておくことが望ましいです。野生動物との遭遇にも注意が必要で、猪名川町の山間部ではイノシシやシカなどが出没することがあります。特に薄暮時や早朝は遭遇の可能性が高まるため、注意して走行しましょう。
天候の急変にも備えが必要です。山間部では平地よりも天候が変わりやすく、急な雨や霧が発生することがあります。雨具や防寒具を携帯し、天候が悪化した場合には無理をせず引き返す判断も大切です。
北摂里山エリア、とりわけ猪名川町は、京阪神の都市部からのアクセスに恵まれながら、豊かな自然と深い歴史を持つポタリングの好適地です。道の駅いながわを拠点に、多田銀銅山遺跡の歴史探訪、くろまんぷの明治時代のトンネル体験、長谷の棚田の絶景、大野山の大パノラマなど、見どころは実に多彩です。メープル猪名川の温泉で疲れを癒し、地元のそばやグルメを味わう至福の時間もまた、里山ポタリングの醍醐味といえます。自転車に乗って風を感じながら里山の四季を巡る体験は、日常の喧騒から離れて自然の中でリフレッシュできるかけがえのない時間となるはずです。









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