広島県三次市の川西地区では、電動アシスト自転車を使ったガイド付きのポタリングツアーが体験できます。ツアー名は「川西Eバイクdeポタリングガイドツアー」で、里山の田園風景や古墳群をのんびり巡りながら、坂道の多い地形でも初心者が無理なく走れる点が特徴です。走行距離は約20キロメートル、所要時間はおよそ5時間以上というゆったりした行程で、石積みの田園、オオサンショウウオが棲む清流、牧場やカフェ、そして普段は自転車で立ち入れないみよし風土記の丘の古墳群まで、コンパクトなエリアに見どころが詰まっています。この記事では、ツアーの概要からコース、アクセス方法、参加時の注意点まで、公開されている情報をもとに紹介します。

三次市は江の川など三本の川が巴状に合流する盆地の街
三次市は、江の川と馬洗川、西城川という三本の川が巴状に合流する珍しい地形を持つ街です。この合流部は古くから「巴峡」と呼ばれ、高谷山や堤防の上から望む流れと、その背後に広がる街並みや山並みが一体となった景観は、地域の誇りになっています。全国的にも珍しいこの巴状の合流地形は、山陰と山陽を結ぶ交易の要衝として三次が古くから栄えてきた背景にもなりました。中国山地と吉備高原に挟まれた盆地に位置し、標高はおよそ150メートルから250メートルです。この地理的条件が、豊かな水資源と独特の濃霧、そして肥沃な農地を育んできました。川西地区の田園風景やオオサンショウウオが棲む清流も、三次市全体の水資源の豊かさの延長線上にあります。
川西地区は人口870人、三次インターから車で15分の里山
三次市川西地区は、中国自動車道の三次インターチェンジから南へ車で15分ほどの距離にある里山エリアです。江の川水系の豊かな水辺環境が広がり、絶滅危惧種であるオオサンショウウオが生息するほど清らかな川が流れています。周辺には牧場や果樹園、古墳群として知られる広島県立みよし風土記の丘があり、農村風景と歴史文化を同時に楽しめる場所です。地区内には小さなベーカリーやカフェも点在し、サイクリングの途中で立ち寄れるのも魅力のひとつになっています。三次盆地は古くから文化が栄えた地域で、広島県内にある古墳のおよそ3分の1にあたる4000基余りがこの三次エリアに集中しており、中国地方でも有数の古墳密集地です。川西地区はその歴史の中心地のひとつに位置しています。
三次市中心部から南へ約15キロメートルの場所にあるこの地区は、人口およそ870人の小さな中山間農村地帯です。三若町、海渡町、石原町、上田町、有原町という5つの町から構成されており、美波羅川沿いに広がる盆地部と、標高638.8メートルの岡田山を中心とした山あいの地形が特徴です。人口減少や高齢化が進む一方、住民自らが運営する拠点施設づくりや、Eバイクツアーをはじめとする交流人口を増やす取り組みが積極的に行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人口 | 約870人 |
| 構成する町 | 三若町、海渡町、石原町、上田町、有原町 |
| 主な川 | 美波羅川 |
| 主な山 | 岡田山(標高638.8メートル) |
| 三次市中心部からの距離 | 約15キロメートル |
| 三次ICからの所要時間 | 車で約15分 |
集合場所の川西郷の駅いつわの里は2017年開業の地域拠点
ツアーの集合場所であり出発拠点となる「川西郷の駅 いつわの里」は、2017年7月にオープンした地域生活交流拠点です。川西地区を構成する5つの町の住民が力を合わせて運営しており、地元農家が直送する新鮮な野菜や米、漬物、はちみつ、ジャムといった手作りの加工品が並びます。自転車の貸し出し拠点というだけでなく、地域の暮らしや農産物に触れられる場所でもあり、ツアーの前後に立ち寄って地元の味を楽しむのもおすすめです。この地区では「川西よりみちライド&ウォーク」というサイクリングとウォーキングを組み合わせたイベントも開催されており、初心者向けから中級者向けまで複数のコースが用意されています。自転車を活用した地域振興に日頃から力を入れているエリアだとわかります。
Eバイクは電動アシストで坂道の負担を軽くする自転車
Eバイクとは、電動アシスト機能を搭載した自転車のことです。ペダルを漕ぐ力をモーターがサポートするため、坂道や長距離の移動でも体力の消耗を抑えて走ることができます。川西地区のように起伏のある里山地形では、通常の自転車だと体力的にきついアップダウンも、Eバイクなら軽い踏み心地で進めます。実際に参加した観光アンバサダーのレポートでも、バッテリーパックを後部に搭載したEバイクは急な坂道でもペダルが軽く、風や花の香りを感じながら走行できたと紹介されていました。サイクリング初心者や体力に自信のない人、家族連れでも安心して里山ポタリングを楽しめる点は、Eバイクツアーならではの魅力です。
川西Eバイクdeポタリングガイドツアーは走行距離20キロ、所要5時間以上
このツアーは三次観光推進機構(みよしDMO)が企画・運営しており、地元の「ほしはら山のがっこう」が拠点となって電動アシスト自転車のレンタルとガイドを行っています。集合場所は「川西郷の駅 いつわの里」で、三次市三若町に位置しています。ツアー当日はここでEバイクの貸し出しが行われ、ガイドと合流してからスタートします。
走行距離は川西エリアを中心に約20キロメートル、所要時間はおよそ5時間以上とされており、休憩やカフェ立ち寄りを含めたゆったりとした行程です。予約可能な人数は2名以上4名以下で、少人数のグループでガイドと一緒に走るスタイルになっています。対象年齢はおおむね15歳から80歳までですが、身長145センチ以上、体重85キログラム以下、健康であることといった参加条件が設けられているため、体格や健康状態に不安がある場合は事前の確認をおすすめします。
レンタル用の電動アシスト自転車は5台用意されており、予約は3日前までの完全予約制です。予約はアソビューやじゃらん遊び体験といった予約サイトから申し込めます。料金については予約サイトや運営元への直接確認が必要で、公開情報だけでは具体的な金額が明記されていないため、申し込み前に最新の料金表を予約サイトで確認するとよいでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営 | 三次観光推進機構(みよしDMO)、ほしはら山のがっこう |
| 集合場所 | 川西郷の駅 いつわの里(三次市三若町) |
| 走行距離 | 約20キロメートル |
| 所要時間 | 5時間以上 |
| 予約人数 | 2名以上4名以下 |
| 対象年齢 | 15歳から80歳程度 |
| 参加条件 | 身長145センチ以上、体重85キログラム以下、健康であること |
| レンタル台数 | 5台 |
| 予約方法 | 3日前までの完全予約制。アソビュー、じゃらん遊び体験から申込 |
モデルコースは季節とテーマに応じて7種類から選べる
このツアーの特徴は、単一のルートだけでなく、参加者の興味や季節に応じて選べる複数のモデルコースが用意されている点です。公開されている情報では、次のようなテーマ別コースが設定されています。
| コース名 | テーマ |
|---|---|
| 三次の里山田園ポタリングコース | のどかな田園風景と石積みの景観 |
| 歴史と神話のフィールドコース | 地域に伝わる神話や史跡をたどる |
| 果樹園と棚田を巡るコース | フルーツテーマパークや棚田の景色 |
| 千本桜と里山グルメコース | 桜の名所と地元グルメの組み合わせ |
| 三次の町並み歴史散策コース | 歴史ある町並みを訪ねる |
| 川西リバーサイドコース | 川沿いの景色 |
| アートと自然を感じるコース | 自然と芸術作品 |
季節やテーマに応じてルートが変化するため、何度参加しても違った表情の川西地区を楽しめます。走り出すと林の中の山道から牧場、池や川、田園風景、古墳、カフェへと風景が展開していく構成になっており、飽きることなく里山サイクリングを満喫できます。
見どころのみよし風土記の丘は176基の古墳が点在
このツアー最大の特徴のひとつが、普段は自転車での立ち入りができない広島県立みよし風土記の丘を、特別な許可を得て走行できる点です。みよし風土記の丘は、約30ヘクタールの丘陵地に、史跡・浄楽寺七ツ塚古墳群をはじめとする176基もの古墳が点在するフィールドミュージアムです。円墳、方墳、前方後円墳、帆立貝形古墳など多様な形式の古墳をめぐるウォーキングコースが整備されており、竪穴住居や高床倉庫を再現した復元建物、江戸時代初期の重要文化財である旧真野家住宅なども見学できます。園内には「ひろしまの原始・古代」をテーマにした常設展示を行う歴史民俗資料館(みよし風土記の丘ミュージアム)もあり、県内から出土した縄文時代をはじめとする様々な時代の遺物が展示されています。三次盆地はもともと古墳が非常に多い地域で、Eバイクでこの歴史的な丘陵地を巡る体験は、他の観光地では味わいにくいものです。
集合場所であるいつわの里も、旅の起点として押さえておきたいスポットです。地域の特産品や休憩スペースを備え、Eバイクを受け取りガイドの案内を受けてからツアーがスタートします。出発前や帰着後にひと息つける場所としても活用できます。
見どころの牧場とカフェで里山グルメに触れられる
川西地区には牧場や農園が点在し、のどかな放牧風景や果樹園の景色を楽しみながら走ることができます。地区内には小さなベーカリーやカフェも点在しており、ツアーの途中で立ち寄って休憩を取ることも可能です。約20キロメートル、5時間以上という行程の中でこうした地元グルメスポットに立ち寄れることは、運動としてのサイクリングにとどまらず、地域の食文化や暮らしぶりに触れる旅としての価値を高めています。
清流に棲むオオサンショウウオは1952年に特別天然記念物指定
川西地区を流れる川は、絶滅危惧種であるオオサンショウウオが生息するほど清らかな水質を保っています。石積みの田園風景と相まって、日本の原風景ともいえる景観が広がっており、都市部から訪れる観光客には特に新鮮に映る風景です。川沿いを走るリバーサイドコースでは、こうした自然環境をより身近に感じられます。
オオサンショウウオは日本固有種で、現存する両生類の中では世界最大級の大きさになる生き物です。1952年には国の特別天然記念物に指定されており、岐阜県以西の本州、四国、九州の一部にある河川の上中流域、それも山奥の薄暗く冷たい清流にしか生息できないほど環境の変化に弱いことで知られています。扁平な体と大きな口が特徴で、一生を川の中で過ごし、魚やカニなどを食べて暮らします。寿命は100年以上と推定され、その姿はおよそ7000万年前からほとんど変わっていないとされ「生きている化石」とも呼ばれています。こうした希少な生き物が生息できるほど水質が保たれているという事実そのものが、川西地区の自然環境の豊かさを表しています。ツアー中に姿を見られる保証はありませんが、こうした生態系の存在を知ったうえで川沿いの風景を眺めると、ただのサイクリング以上の学びと発見のある体験になるでしょう。
参加者レポートでは急坂でも軽いペダリングと紹介
三次観光アンバサダーによる体験レポートでは、2022年9月に実施されたモニターツアーの様子が紹介されています。参加者は、バッテリーパックを後部に搭載したEバイクが急な坂道でも驚くほど軽いペダリングで走行できたと述べており、秋の心地よい風や花の香りを感じながら里山を走行できたことが記録されていました。サイクリング未経験の人や体力に自信がない人でも、Eバイクのアシスト機能によって無理なく里山の風景を楽しめることが、この体験談からもうかがえます。
広島市内からは車で約1時間、高速バスなら83分から
広島市内から川西地区を訪れる場合、車を利用するのが一般的です。広島インターチェンジから三次インターチェンジまでは高速道路で約49キロメートル、所要時間はおよそ49分、高速料金は普通車でおよそ2160円が目安です。三次インターチェンジから川西地区(いつわの里)までは、さらに車で15分ほどかかります。
公共交通機関を利用する場合は、広島バスセンターから備北交通の高速バスに乗車し、三次駅前まで向かう方法があります。所要時間はおよそ83分から87分ほどです。三次駅からいつわの里までは、タクシーなどの二次交通を利用する必要があります。備北交通の高速バスは予約不要で利用でき、全車両にフリーWi-Fiと充電用コンセントが搭載されているため、移動中も快適に過ごせます。三次と広島空港を結ぶ連絡バスも運行されているため、飛行機で広島入りする場合の選択肢にもなります。
| 移動手段 | ルート | 所要時間の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 車 | 広島IC→三次IC→いつわの里 | 約49分+15分 | 高速料金は普通車で約2160円 |
| 高速バス | 広島バスセンター→三次駅前 | 約83分から87分 | 予約不要、フリーWi-Fiと充電対応 |
服装は動きやすい格好、参加条件は身長145センチ以上
Eバイクでのポタリングツアーに参加する際は、動きやすい服装と、歩きやすいスニーカーなどの靴を用意するとよいでしょう。里山エリアを走行するため、季節によっては日差しや虫、天候の変化に対応できる羽織りものや帽子、日焼け止め、虫よけスプレーがあると安心です。みよし風土記の丘のように歴史的な史跡を走行するコースも含まれるため、ガイドの案内や注意事項を守って走行することが求められます。参加条件として身長145センチ以上、体重85キログラム以下、健康であることが挙げられているため、事前に体調を整えて参加しましょう。予約は3日前までの完全予約制ですので、日程が決まったら早めに予約サイトから申し込むことをおすすめします。
おすすめの季節は霧や猛暑を避けやすい春と秋
三次市は中国山地と吉備高原に挟まれた三次盆地に位置し、標高150メートルから250メートルほどの内陸性気候の土地です。盆地特有の地形のため夏の日中は気温が上がりやすい一方、猛暑日になることは比較的少なく、冬は東北地方の仙台や福島と同程度の寒さになることもあり、積雪が見られる年も少なくありません。晩秋から早春にかけては、市内を流れる複数の河川が合流する地形の影響で霧が発生しやすく、「霧の町」と呼ばれるほど幻想的な濃霧の風景で知られています。
Eバイクでのポタリングツアーを快適に楽しむなら、気候が安定しやすい春や秋がおすすめです。春は桜や新緑、田植え前後ののどかな田園風景を楽しめ、秋は紅葉や実りの季節ならではの里山風景に出会えます。真夏は気温が上がりやすいため、こまめな水分補給と日除け対策が必要です。真冬は積雪や路面凍結の可能性もあるため、開催状況を事前に確認しておくとよいでしょう。早朝からの行動であれば、霧の海として知られる幻想的な景色に出会えるタイミングと組み合わせて旅程を組むのもひとつの楽しみ方です。
三次市内には江の川沿いや湖畔を巡る姉妹Eバイクツアーも
みよしDMOでは、川西地区以外にも三次市内の別エリアでEバイクを使ったガイドツアーを企画しています。三次市作木町では「江の川Eバイクdeポタリング」というガイド観光ツアーが実施されており、江の川沿いの風景を楽しむ内容です。このツアーはスポーツタイプの電動アシスト自転車を使い、江の川カヌー公園さくぎから、JR旧三江線の「天空の駅」として知られる宇都井駅までを周遊するコースで、道中には秋に黄色い葉が一面に広がる「ふたご銀杏」といった名所にも立ち寄ります。料金はひとり4000円で、Eバイクのレンタル代、ヘルメット、ガイド料、ランチ、保険料、入浴券までが含まれており、1日あたり最大6名までという少人数制です。同じみよしDMOが手がける姉妹ツアーとして、料金や運営スタイルの目安にもなります。三次市三良坂町のハイヅカ湖畔の森では、自然豊かな湖畔をEバイクで巡るガイドツアーも用意されています。
これらのツアーはそれぞれ異なる自然環境や地域資源を生かした内容です。川西地区のツアーが里山の田園風景と古墳群、牧場、カフェ巡りを組み合わせているのに対し、作木町のツアーは江の川沿いの景観、三良坂町のツアーは湖畔の自然を中心に構成されています。三次市を訪れる際には、こうした複数のEバイクツアーを比較しながら、自分の興味に合ったコースを選ぶのもおすすめです。
尾関山公園の桜と霧の海が周辺観光の見どころ
川西地区でのEバイクツアーだけでなく、三次市には他にも観光スポットが点在しているため、旅程に組み合わせることでより充実した滞在になります。
三次市を代表する桜の名所として知られる尾関山公園では、春になるとサクラが咲き誇り、大渦土手には約500メートルにおよぶ桜のトンネルが出現します。秋には紅葉の隠れた名所としても知られており、三次の四季を感じられるスポットです。
早朝に限定して見られる幻想的な絶景として有名なのが「霧の海」です。標高490メートルの高谷山にある展望台からは、川面から立ち上る深い霧が町全体をベールのように覆い、周囲の山々が霧の海に小島のように浮かんで見える光景を楽しめます。盆地特有の気象条件によって生まれるこの現象は、三次市を訪れるなら一度は見ておきたい絶景のひとつです。
広島三次ワイナリーでは、地下の貯蔵庫を活用した施設でワインの製造工程や試飲を楽しむことができ、地元産のぶどうを使ったワインをお土産に購入することもできます。Eバイクツアーで里山の風景を満喫したあと、こうしたスポットを巡ることで、自然、歴史、グルメがそろった三次市ならではの旅を組み立てられます。
三次観光案内所のレンタサイクルは市街地観光向け
三次市内には、川西地区のガイドツアー以外にも自転車で観光を楽しむ手段があります。三次駅にほど近い三次観光案内所でも、三次観光推進機構が運営するレンタサイクルサービスが提供されており、普通自転車が500円から900円、電動アシスト自転車が800円から1500円ほどで、レンタル時間に応じて借りられます。こちらは市街地の散策や尾関山公園、巴橋周辺など、駅から徒歩や自転車で回れる観光スポットを気軽に巡りたい人向けのサービスです。一方、川西Eバイクdeポタリングガイドツアーは、ガイドが同行しながら里山エリアの奥深くまで案内してくれる点や、通常は立ち入れないみよし風土記の丘を走行できる点が大きな違いになります。市街地は個人でレンタサイクル、川西地区はガイドツアーで、という組み合わせ方をすれば、三次市の異なる魅力を効率よく楽しめます。
レールマウンテンバイクさくらサイクルは西日本初の廃線アトラクション
三次市三次町では、廃線となった旧JR三江線の尾関山駅の線路跡を活用した「レールマウンテンバイク さくらサイクル」という新しいアトラクションも登場しています。電動アシスト付きのEマウンテンバイクを使い、線路の上を走行するという西日本初の体験で、コース距離は約1.5キロメートルです。廃線跡という独特のロケーションを生かしたこの乗り物は、三次市がEバイクや電動アシスト自転車を活用した新しい観光コンテンツづくりに力を入れていることを象徴する取り組みといえます。里山を走る川西地区のポタリングツアーと合わせて訪れれば、同じ三次市内でも全く異なる二種類のEバイク体験を楽しめるでしょう。
三次ピオーネとアカショウビンチーズが旅の楽しみに
Eバイクで里山を巡ったあとは、三次市ならではのグルメも旅の楽しみのひとつです。三次市を代表する特産品として知られるのが「三次ピオーネ」です。カノンホールマスカットと巨峰をかけ合わせて生まれたこの高級ぶどうは、三次地域特有の昼夜の寒暖差によって糖度が高く粒も大きく育ち、その黒々とした美しい見た目から「黒い真珠」とも称されています。販売時期は毎年8月中旬から10月上旬ごろまでで、この時期に三次を訪れれば直売所などで新鮮なピオーネを味わえます。三次ワイナリーからは、この三次ピオーネや広島県産の柑橘を使った「ひろしまサングリア」も販売されており、地元産の果実を生かした加工品としても人気です。
チーズの分野でも三次市は全国的に高い評価を得ています。三良坂地区にある三良坂フロマージュが手がけるチーズ「アカショウビン」は、世界最大級のチーズコンテストのひとつである「ワールドチーズアワード2023」において、世界中から集まった4502品の中からベスト100に選出され、最高位に近い「スーパーゴールド」を受賞しました。里山の恵みを生かした本格的なチーズづくりが行われていることも、三次市の食文化の奥深さを示しています。
このほか、地元では「ステーキ丼」を提供する食事処が、地元住民だけでなくドライバーやツーリング客からも親しまれており、Eバイクでひと汗かいたあとの食事としてもぴったりです。里山の風景を楽しむサイクリングと、こうした地元グルメを組み合わせることで、三次市の自然と食の両方を満喫する旅程を組み立てられます。
サイクルツーリズム市場は年間1315億円規模に拡大
自転車を使って地域をゆっくりと巡る「サイクルツーリズム」は、近年国内観光の中でも注目度が高まっている分野です。国内のサイクルツーリズム市場は年間1315億円規模に達すると推計されており、コロナ禍前の2018年と比べても市場が拡大しています。自転車での移動は、観光名所を効率よく回るだけでなく、地域住民の暮らしぶりや、小さなカフェ、地元の食材店、個人経営の民宿といった、車では通り過ぎてしまいがちな小規模事業者に直接お金が落ちる仕組みをつくれる点も特徴です。広島県内では、愛媛県と結ぶしまなみ海道が国内屈指のサイクリング聖地として知られ、年間およそ30万人のサイクリストが訪れ、年間約150億円もの経済効果を生み出しています。
こうした流れの中で、電動アシスト自転車であるEバイクの普及は、体力に差がある参加者同士でも同じツアーを一緒に楽しめる手段として広がっています。三次市川西地区のEバイクポタリングガイドツアーも、しまなみ海道のような本格的なロードバイク志向のサイクリングとは異なり、里山の暮らしや歴史、食文化にゆっくり触れる「暮らし観光」に近い性格を持つ取り組みです。地域住民が運営するいつわの里を拠点にすることで、観光客の消費が地域に還元される仕組みができている点も、サイクルツーリズムが目指す地域活性化のモデルケースといえます。
宿泊は三次駅周辺のホテルや温泉宿が便利
日帰りでの参加も可能なツアーですが、朝の集合時間に余裕を持たせたい場合や、霧の海など早朝の絶景も合わせて楽しみたい場合は、三次市内での宿泊もおすすめです。三次観光推進機構の公式サイトでは、エリアごとにゲストハウス、ビジネスホテル、温泉宿、体験型の宿泊施設、旅館などがまとめて紹介されています。三次駅周辺には、駅から徒歩圏内でありながら人工ラジウム温泉や無料Wi-Fi、朝食サービスを備えたホテルもあり、Eバイクツアーの前後の拠点として利用しやすい立地です。宿泊先を三次駅周辺にすれば、市街地の尾関山公園や霧の海展望スポットなど、他の観光地への移動もしやすくなります。
石積みの田園、古墳群、清流、牧場、カフェ、そして地元グルメと、川西Eバイクdeポタリングガイドツアーには広島県北部の里山らしい魅力が凝縮されています。予約は3日前までの完全予約制なので、日程が決まった段階で早めに予約サイトをチェックしてみてください。








