大洲城下町のおはなはん通りを自転車で巡るポタリングコース

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愛媛県大洲市には、江戸時代の町割りをほぼそのまま残す「おはなはん通り」があり、木造復元天守を持つ大洲城の足元に広がる城下町を自転車でめぐるポタリングの拠点になっています。坂の少ない平坦な道が中心なので、自転車に不慣れな人でも半日あれば主要な見どころを一巡できます。この記事では、大洲の城下町を自転車で楽しむために知っておきたいアクセス方法やレンタサイクルの借り方、おはなはん通りをはじめとする見どころ、モデルコース、宿泊の選択肢までをまとめました。

目次

大洲は肱川のほとりに広がる伊予の小京都です

大洲市は愛媛県のほぼ中央、南予地方の東端に位置し、四国最大級の川である肱川が市街地を貫いています。江戸時代には加藤氏6万石の城下町として栄え、この立地が「伊予の小京都」という呼び名の由来になりました。かつては手すき和紙や木蝋、製糸業が地場産業として発展し、現在も手すき和紙は大洲和紙、蚕糸は伊予生糸としてその名を残しています。肱川がもたらす肥沃な土地を活かした農業がまちを支えてきましたが、近年は第三次産業に従事する人の割合が全体の半数を超えるようになり、観光業もまちを支える柱に育っています。現在の大洲市は、2005年1月11日に旧大洲市と長浜町、肱川町、河辺村が合併して誕生した自治体です。

伊予大洲駅へは松山から特急でおよそ35分です

大洲へのアクセスは、鉄道と車、バスの3通りがあります。鉄道の場合、JR松山駅から予讃線の特急列車に乗ると、宇和島方面行きでおよそ35分でJR伊予大洲駅に着きます。伊予大洲駅は大洲観光の玄関口で、駅前の観光案内所ではレンタサイクルの手配や町歩きの相談ができます。車の場合は、松山市内から松山自動車道を宇和島方面へ進み、大洲インターチェンジまで約60分が目安です。大洲城や臥龍山荘、大洲まちの駅あさもやといった中心部を目指すなら、大洲南インターチェンジを使うルートも便利です。バスの場合は、宇和島自動車の路線バスで松山営業所から伊予大洲方面へ向かうと、所要時間はおよそ1時間29分、運賃は1,250円から1,480円ほどになります。

交通手段起点所要時間の目安備考
鉄道(特急)JR松山駅約35分伊予大洲駅で下車
松山市内約60分大洲IC・大洲南ICを利用
路線バス松山営業所約1時間29分運賃1,250円〜1,480円

いずれの手段でも、大洲の城下町エリアはコンパクトにまとまっているので、駅や駐車場に車や荷物を置いてから自転車を借り、ポタリングでまちを巡るスタイルが効率的です。伊予大洲駅にはJR四国が運行する観光列車「伊予灘ものがたり」も停車します。松山駅と伊予大洲駅・八幡浜駅を予讃線経由で結ぶこの臨時特急は1日4便のダイヤを組んでおり、そのうちの朝便が松山駅から伊予大洲駅へ向かいます。車窓から瀬戸内海の伊予灘を眺めながら大洲入りできるので、鉄道の旅を楽しみたい人にはこちらもおすすめです。

おはなはん通りは1966年放送のNHK連続テレビ小説がその名の由来です

おはなはん通りは、大洲城の南側に広がる旧城下町「肱南地区」の東端に位置する通りです。名前の由来は、1966年から1967年にかけて放送されたNHK連続テレビ小説「おはなはん」のロケ地になったことにあります。「おはなはん」は明治から昭和にかけてを生きたヒロイン「はな」の生涯を描いた作品で、お見合い結婚をした主人公が陸軍将校の夫と死別したのち、女手ひとつで子どもを育てながら困難を乗り越えていく姿を描きました。実在のモデルとなった女性の出身地は徳島だったといいますが、古い町並みが色濃く残る伊予大洲がロケ地に選ばれたことから、大洲と徳島の間でロケ地誘致をめぐる逸話も生まれたと伝わっています。放送から半世紀以上を経た今も、この通りは「おはなはん通り」という愛称で親しまれ、大洲を代表する観光地のひとつになっています。

通りの特徴は、江戸時代の町割りをほぼそのまま残している点です。北側には商家、南側には武家屋敷が並んでいたとされ、なまこ壁の土蔵や板張りの土蔵造りの建物が軒を連ねています。舗装も昔ながらの風情を意識してつくられ、電線類の地中化も進められているため、時代劇のセットに迷い込んだような景観に出会えます。この通りは江戸時代の商屋と武家屋敷の境界にあたり、大洲城から藩主の別邸があった臥龍の地へ向かう「お成道」でもあったため、ほかの通りより道幅が広く取られています。東端を曲がった先には明治時代の家々も残り、江戸から明治への時代の重なりを一本の通りの中で感じられます。端から端までは歩いておよそ5分の規模なので、写真を撮ったり軒先の意匠を眺めたりしながら、自転車でゆっくり通り抜けるポタリングに向いています。おはなはん通りは月9ドラマ「東京ラブストーリー」をはじめ、数々の映画やドラマのロケ地としても使われてきました。

如法寺は大洲藩2代藩主が禅僧を招いて再興しました

おはなはん通りから臥龍山荘へ向かう道すがらには、臨済宗妙心寺派の寺院である如法寺があります。如法寺はもともと室町時代に喜多郡の領主だった宇都宮氏が創建しましたが、一度は廃寺になりました。寛文9年(1669年)、大洲藩2代藩主の加藤泰興が、禅の高僧として知られる盤珪永琢を招いて再興したのが現在の姿の始まりです。境内の仏殿は近世禅宗仏殿を代表する遺構として評価され、平成4年(1992年)に国の重要文化財に指定されました。緑に囲まれた静かな境内は、城下町の喧噪から離れて一息つきたいときに立ち寄れる場所です。

大洲城は平成16年に日本最大級の木造復元天守として蘇りました

おはなはん通りから肱川に向けて少し北へ進むと、大洲のまちのシンボルである大洲城が見えてきます。大洲城の起源は古く、元弘元年(1331年)、鎌倉時代末期に伊予宇都宮氏の宇都宮豊房が築いたと伝えられています。その後、藤堂高虎や脇坂安治らによって近世城郭として大規模に修築され、江戸時代には加藤氏の居城として明治維新まで続きました。ところが明治21年(1888年)、老朽化を理由に天守は解体されてしまいます。天守が姿を消してから100年以上を経た平成16年(2004年)、市民からの寄付なども原動力となり、四層四階の天守が木造で復元されました。この復元事業では、江戸時代につくられた天守内部の木組みがわかるひな型や、解体前に撮影された古写真など豊富な史料が現存していたことが、史実に忠実な木造復元を可能にしました。現存する木造復元天守としては日本最大級の規模とされ、城郭建築を愛する人たちからも高い評価を受けています。

見どころのひとつが、1階から見上げたときに広がる吹き抜け空間です。江戸期のひな型どおり上階の床をあえて張らない構造になっているため、太い真柱をはじめとする木組みを間近に見上げられます。江戸時代から現存する台所櫓・南隅櫓・高欄櫓・苧綿櫓の4棟は国の重要文化財に指定され、城跡一帯は愛媛県指定史跡にもなっています。天守だけでなく現存する櫓もあわせて見学すると、大洲城の歴史の厚みをより実感できます。肱川越しに望む大洲城の姿は大洲を象徴する景観のひとつで、自転車で肱川沿いを走りながら天守を眺めるルートは、ポタリングの中でも人気の高い区間です。

臥龍山荘の借景庭園は2011年にミシュランの一つ星を獲得しました

おはなはん通りや大洲城とあわせて訪れたいのが、肱川のほとりに建つ臥龍山荘です。臥龍山荘は、明治時代に木蝋の輸出で財を成した貿易商の河内寅次郎が、構想10年、施工4年をかけて明治40年(1907年)に完成させた邸宅で、現在は建物が国の重要文化財、庭園が国の名勝に指定されています。主な建物は「臥龍院」「不老庵」「知止庵」の3つで、いずれも数寄屋造りの意匠が随所に見られます。なかでも自然木を活かした懸け造りの「不老庵」からは、肱川や対岸の富士山を借景に取り込んだ庭園の風景が広がります。山と川という自然の景観を人工の庭に取り込んだこの借景庭園は、2011年に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で一つ星を獲得しました。四季それぞれに異なる表情を見せるため、訪れる季節によって違う魅力を楽しめます。おはなはん通りから臥龍山荘までは自転車で数分の距離なので、城下町を巡るポタリングのコースに無理なく組み込めます。

おおず赤煉瓦館は南予地方に唯一現存する明治期の煉瓦造銀行建築です

大洲の町並みの中でひときわ目を引く洋風建築が、おおず赤煉瓦館です。明治34年(1901年)に大洲商業銀行の本店として建てられた建物で、イギリス積みの煉瓦造りに瓦屋根を載せ、屋根瓦には「商」の文字が刻まれた和洋折衷の意匠を持ちます。愛媛県南予地方に現存する明治期の煉瓦造銀行建築としては唯一の存在とされています。銀行としての役目を終えたあとは警察署や商工会議所として使われ、現在はレンガ資料室を備えた観光施設として活用されており、館内では手作り雑貨や和小物、地元特産品も販売されています。所在地は大洲市大洲60番地、開館時間は9時から17時、入館は無料(併設施設は有料の場合があります)、駐車場は10台分が用意されています。おはなはん通りからも近く、ポタリングの休憩ポイントとして立ち寄りやすい場所です。

レンタサイクルは大洲まちの駅あさもやと伊予大洲駅観光案内所の2拠点で借りられます

城下町でのポタリングに欠かせないレンタサイクルは、大洲では主に2つの拠点で借りられます。ひとつは「大洲まちの駅あさもや」で、車で大洲を訪れる人に向いています。営業時間は9時から18時、年中無休で、施設内には観光案内所や特産品販売コーナーもあるため、自転車を借りる前後に観光情報を集められます。もうひとつは「伊予大洲駅観光案内所」で、電車で訪れる人に向いています。駅を降りてすぐに自転車を借りられ、そのまま城下町散策へ出発できる手軽さが特徴です。

貸し出される自転車は、まちなかをのんびり散策するのに向いたシティサイクルのほか、肱川沿いなど広い範囲を走りたい人向けに本格的なクロスバイクを用意している場合もあります。目的や体力、走行距離に応じて自転車のタイプを選べる点も、大洲のレンタサイクルの魅力のひとつです。料金体系や貸出条件は時期によって変わる可能性があるため、利用前に各施設へ確認しておくと安心です。

ポタリングのモデルコースは旧大洲街道ルートと肱川沿いルートの2本です

大洲の城下町を巡るポタリングは、坂の少ない平坦な道が中心で、自転車に不慣れな人でも無理なく楽しめるコース設計になっています。代表的なルートは2つあります。

ひとつ目は、伊予大洲駅から大洲城へ向けて町なかを通り抜ける「旧大洲街道ルート」です。大洲街道は、江戸時代に伊予国の松山と大洲を結んだ街道で、現在の国道56号の松山・大洲間にほぼ相当します。松山を出て松前を通過したあと犬寄峠と呼ばれる山間部を越え、門前町として栄えた内子を経て大洲に至るルートで、内子は大洲と松山のちょうど中間に位置する宿場町として、旅籠や商家が立ち並び、和蝋燭や和紙の生産で賑わったといいます。ポタリングでは、この街道の大洲側にあたる区間の面影をたどりながら、おはなはん通りなどの町並みを経由して大洲城を目指します。

ふたつ目は、肱川の川沿いを走りながら大洲城を眺める「肱川沿いルート」です。川面に映る大洲城の姿を楽しめるため、写真撮影のスポットとしても人気があります。開放的な川沿いの道を風を受けて走る心地よさは、城下町の細い路地をめぐる旧街道ルートとはまた違った魅力です。

ルート名主なポイント特徴
旧大洲街道ルート伊予大洲駅〜おはなはん通り〜大洲城旧宿場町の面影と町並みを楽しめる
肱川沿いルート肱川沿い〜大洲城川面に映る天守を眺められる

この2本のルートを組み合わせ、大洲城やおはなはん通り、おおず赤煉瓦館、臥龍山荘といった主要スポットを一筆書きのように巡るのが定番です。どのスポットも自転車で数分から10分ほどでアクセスできる距離感にまとまっているため、半日ほどあれば休憩を挟みながらすべてを巡れます。汗を大きくかくような本格的なサイクリングというより、少し汗ばむ程度の距離でまとまっている点が、気軽なポタリングにちょうど良い理由です。

大洲城キャッスルステイは2020年に始まった日本初の城泊です

大洲城には、木造復元天守そのものに宿泊できる珍しい体験プログラムがあります。2020年7月に始まった「大洲城キャッスルステイ」は、天守を改装せず歴史的価値を保ったまま、昼間は通常どおり観光客に公開し、夜間だけ宿泊施設として使う仕組みで運営される、日本で初めての城泊です。宿泊できる日数は年間およそ30日に限られており、希少な体験になっています。宿泊プランでは、藩主が初めて城に入る様子を再現した入城式が用意され、旗隊や鉄砲隊の歓迎の中、甲冑や衣装を身にまとって天守へ入城できます。夕食には地元の旬の食材を使った料理が振る舞われ、翌朝の朝食は重要文化財の臥龍山荘で楽しみます。宿泊時間は17時から翌朝9時まで、2名1泊132万円(税込)という価格が、これが単なる宿泊ではなく城主体験そのものを提供するプログラムであることを物語っています。日中に自転車で城下町のポタリングを楽しみ、夜は大洲城そのものに泊まるという組み合わせは、大洲でしか味わえない体験です。

NIPPONIA HOTEL 大洲城下町は全26棟が城下町に点在する分散型ホテルです

大洲の城下町を語るうえで近年欠かせない存在が、NIPPONIA HOTEL 大洲城下町です。このホテルは、大洲のまち全体を一つのホテルに見立てる分散型ホテルというコンセプトを掲げ、客室やフロント、レストランがまちなかに点在しているのが特徴です。大洲城の城下には全26棟の宿泊棟が点在し、江戸・明治・大正・昭和という異なる時代に実際に使われていた蔵や商家を修繕して客室に生まれ変わらせています。日本最大級の規模を誇る分散型ホテルとされ、宿泊客はチェックイン後、まちなかに点在する客室棟まで歩いたり自転車で移動したりしながらまちそのものを体験します。この取り組みは、空き家や遊休不動産だった歴史的建造物を保存・活用しながら地域経済の活性化につなげるまちづくりの一環でもあります。地元のショップやレストランとも連携しているため、宿泊を通じて大洲の歴史や文化、食を丸ごと味わえます。ポタリングで町なかを巡ったあと、こうした宿に泊まることで、大洲での一日をより深く味わえます。

おおず赤煉瓦館と大洲まちの駅あさもやはポタリング休憩の定番スポットです

おはなはん通りの周辺には、古民家や土蔵を改装したカフェ、地元産品を扱う土産物店が点在し、ポタリングの合間の休憩に立ち寄りやすくなっています。おおず赤煉瓦館では、レンガ資料室の見学とあわせて、手作り雑貨や地元特産品の買い物を楽しめます。大洲まちの駅あさもやには特産品コーナーが併設され、地元の農産物や加工品、土産物を購入できるため、レンタサイクルを借りる前後に立ち寄るのに便利です。大洲は肱川の恵みを受けた食文化も豊かで、川魚料理や地元の郷土料理を出す飲食店も点在しています。ポタリングの計画を立てるときは、気になる店舗の営業時間をあらかじめ確認しておくと、休憩や食事のタイミングを組み込みやすくなります。

季節ごとに桜、鵜飼い、紅葉、肱川あらしと違う表情を楽しめます

大洲の城下町を巡るポタリングは一年を通じて楽しめますが、季節ごとに異なる表情を見せてくれる点も魅力です。

季節見どころ
大洲城周辺の桜と木造復元天守の組み合わせ
肱川の川風を受けながらのポタリングと鵜飼い見学
臥龍山荘の庭園や城下町の紅葉、河原の芋炊き
澄んだ空気に映える天守と煉瓦建築、肱川あらし

肱川では夏に鵜飼いが行われ、伝統的な漁法を間近で見学できます。ポタリングで日中に町並みや城郭を巡り、夕方から鵜飼いを楽しむ一日の組み立てもできます。夜には大洲城がライトアップされ、光に浮かぶ天守が宙に浮いているかのような存在感を放ちます。肱川沿いでは「大洲川まつり花火大会」が夏(8月上旬)と冬(1月上旬)の年2回開催され、大洲城を背景に約3,000発の花火が夜空を彩ります。秋には河原で里芋を使った郷土料理を味わう芋炊きも楽しめ、四季を通じてさまざまな行事が用意されています。

冬場に大洲を訪れるなら、「肱川あらし」にも注目です。これは初冬の早朝、大洲盆地で発生した霧が肱川の流れに沿って河口へ下り、白い霧を伴った冷たい強風となって伊予灘へ吹き抜ける現象です。冬型の気圧配置がゆるんだ晴天の日、大洲盆地と瀬戸内海側との気温差によって盆地の地表が放射冷却で冷え込み、発生した霧が、川の両岸に山裾が迫る肱川下流域の特異な地形を伝って海側へ流れ出すことで生じるとされています。発生時期はおおむね10月頃から翌年2月頃までで、規模の大きい日には霧が沖合数キロメートルまで達し、可動橋として知られる長浜大橋付近では風速15メートルを超える風が観測されることもあります。まちが白い霧に包まれ、その先を強風が吹き抜ける光景は、大洲盆地ならではの冬の風物詩です。早朝に肱川沿いへ足を延ばし、ポタリングの合間にこの現象に出会えるかを天候と合わせて確認してみると良いでしょう。

ガイド付き体験プログラムは2時間から6時間で選べます

自分のペースで走るポタリングも魅力的ですが、大洲では地域DMOによる観光まちづくりの一環として、プライベートガイドと一緒にまちを巡る体験プログラムも用意されています。NIPPONIA HOTEL 大洲城下町を起点に、自転車や徒歩での移動を組み合わせ、自然・建築・文化といったテーマ別にまちを案内してもらえるプログラムで、所要時間は2時間から6時間まで滞在時間に応じて選べます。国の重要文化財である臥龍山荘を開館前に貸し切って見学しお呈茶体験を楽しむプランや、大洲と隣接する内子町の伝統的な町並みをあわせて歩くプラン、地元の飲食店での昼食、大洲和紙の里での工場見学やクラフト体験を組み合わせたプランなど、自転車散策にとどまらない内容が通年で開催されています。ポタリングで自由に町を回ったあとにこうしたプログラムへ参加すると、建物の由来や職人の技、地域の暮らしにまつわるエピソードなど、より深い大洲の魅力に触れられます。

大洲から内子町へ足を延ばせば重要伝統的建造物群保存地区が広がります

時間に余裕があれば、大洲から隣接する内子町まで足を延ばすのもおすすめです。内子町は江戸時代から和紙や木蝋の生産で栄えた商家町で、白漆喰の壁や格子戸、石畳が織りなす町並みが今も残り、大洲と同じく重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。旧街道沿いには江戸末期から明治・大正時代にかけて建てられた商家や土蔵、町家が軒を連ね、展示用に整備された町並みではなく、実際に住民が生活を営む生きた町並みであることが大きな魅力です。

内子町の見どころのひとつが大洲和紙の里です。大洲和紙は平安時代から作られてきたとされる歴史ある和紙で、清流小田川の水を用いた流し漉きの技法によって、地元の伝統工芸士や職人が手作業で丁寧に生産しています。書道用紙や障子紙のほか、五十崎地区に伝わる伝統行事「大凧合戦」で使う凧紙も手がけており、工場では製造工程の見学や紙漉き体験ができ、大洲和紙会館では和紙を使ったメモ帳や小物も購入できます。近年は大洲と内子をE-BIKEで巡る1泊2日の旅の楽しみ方も紹介されており、レトロな町並みと豊かな自然を組み合わせたコースは、城下町でのポタリングをさらに発展させた楽しみ方といえます。

半日あれば大洲城下町のポタリングで主要スポットを一巡できます

愛媛県大洲市には、日本最大級の木造復元天守を持つ大洲城、江戸時代の町割りを色濃く残すおはなはん通り、ミシュランの一つ星を獲得した庭園を持つ臥龍山荘、明治期の面影を伝えるおおず赤煉瓦館など、コンパクトなエリアに見どころが凝縮されています。伊予大洲駅や大洲まちの駅あさもやでレンタサイクルを借りれば、坂の少ない平坦な道を活かして、これらの見どころを無理なく一日で巡れます。

旧大洲街道ルートで町なかの風情を楽しみ、肱川沿いルートで川面に映る天守を眺め、おはなはん通りでは昭和の朝ドラゆかりの町並みをゆっくり歩きます。この組み合わせが、大洲の城下町を巡るポタリングの中心です。NIPPONIA HOTEL 大洲城下町のような、まちそのものを味わう宿泊体験も生まれており、日帰りだけでなく宿泊を伴ってじっくり大洲を楽しむ旅のスタイルも広がっています。歴史情緒あふれる伊予の小京都で、ペダルを漕ぎながら江戸から続く城下町の時間の流れを感じてみてください。

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