北千住ポタリングで宿場町通り商店街とタカラ湯を巡る半日コース

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北千住の宿場町通り商店街から荒川、そして銭湯のタカラ湯へと続くコースは、自転車でのんびり巡るポタリングにちょうどいい距離感でまとまっています。江戸時代に日光街道の宿場として栄えた町並みが今も残り、そこに老舗銭湯の湯めぐりを組み合わせられるのが、このエリアならではの魅力です。上野や秋葉原からも10分前後というアクセスの良さもあって、思い立った休日にふらりと出かけられます。この記事では、商店街の見どころから銭湯の選び方、実際に回りやすいモデルコースまで、順を追って紹介します。

目次

宿場町通り商店街は旧日光街道の面影を今に伝える

宿場町通り商店街は、北千住駅西口から歩いて2分ほどの場所にあります。江戸時代、日本橋を起点とする五街道のひとつ、日光街道と奥州街道の最初の宿場として設置されたのが千住宿で、本陣や旅籠が立ち並んでいたのがこの通り一帯です。今でも南北に細長く伸びる道の両側には、乾物店や荒物屋といった昔ながらの個人商店と、新しく入った飲食店が並んで軒を連ねています。

道は石畳風に整備されていて、自転車を押しながらゆっくり歩くだけでも江戸から続く町の空気が伝わってきます。看板建築の残る店構えや、宿場町の由来を伝える案内板もところどころに設置されているので、通り過ぎるだけではもったいない密度です。惣菜店やスイーツ店での食べ歩きもしやすく、ポタリングの合間に自転車を停めて一息つくのにちょうどいい場所がいくつも見つかります。

千住はこの宿場町としての繁栄だけでなく、俳人の松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出発した地としても知られています。買い物や食べ歩きだけでは終わらない、歴史の厚みを感じられる町歩きができるのが、宿場町通り商店街を起点にするポタリングの強みです。

千住宿商店街エリアは複数の商店街が連なって広がる

宿場町通り商店街のまわりには、千住仲町商店街や千住本町商店街といった商店街が隣接して広がっています。このエリア全体は「千住宿」としてひとまとめに紹介されることも多く、買い物と食べ歩き、散策のすべてを一度に楽しめます。

北千住駅周辺では再開発が進み、大型商業施設や新しい飲食店が増えています。それでも一歩路地に入れば、昭和の面影を残す商店や住宅がそのまま残っていて、駅前の賑わいとの対比が際立ちます。この新旧の入り混じり方は、歩くよりも広く、車よりもじっくり見られる自転車での移動と相性がいいと感じます。気になる店の前で自転車を停め、また走り出す。この緩急のある動き方こそがポタリングの醍醐味です。

千住大橋は松尾芭蕉が奥の細道に旅立った地

宿場町通り商店街から自転車で数分の距離に、隅田川に架かる千住大橋があります。ここは松尾芭蕉が元禄2年(1689年)に「奥の細道」の旅に出発した地として知られる場所です。芭蕉は深川から船で隅田川を遡り、千住の地に降り立って、そこから陸奥への長い旅路を歩き始めたと伝えられています。

千住大橋の北詰、千住大橋公園には「奥の細道 矢立初の碑」が建てられています。矢立初とは旅の記録の書き初めという意味で、芭蕉が千住で「行く春や鳥啼き魚の目は泪」と詠み、旅立ちの感慨を記したことにちなんだ名前です。奥の細道の出発地については、足立区の千住大橋説のほかに、隅田川対岸の荒川区・南千住駅前説もあり、正確な資料が残っていないため今も決着はついていません。そのため現在は、千住大橋周辺と南千住駅前の両方にそれぞれ松尾芭蕉の銅像や石碑が建てられています。

商店街の賑わいから隅田川の川風が吹く橋のたもとへ。この切り替わりを自転車で数分のうちに味わえるのは、徒歩ではなかなか得がたい体験です。

千住宿歴史プチテラスは横山家の内蔵を移築した史跡

宿場町通り商店街から千住大橋方面へ向かう道すがらにあるのが、千住宿歴史プチテラスです。足立市場の正門から延びる旧日光街道沿いに位置し、京成線の千住大橋駅からも徒歩3分というアクセスの良さがあります。

ここに保存されているのは、江戸時代から千住宿の北のはずれで営業を続けてきた地漉き紙問屋・横山家の内蔵で、1993年に千住河原町へ解体移築されたものです。宿場町として栄えた千住宿の面影を伝える現存する貴重な蔵のひとつで、周辺は千住宿歴史プチテラスとして整備され、土日には区民ギャラリーとしても公開されています。入口には「千住宿歴史プチテラスとやっちゃば」と記された案内板があり、この一帯がかつて青物市場のやっちゃばとしてもにぎわっていた歴史を伝えています。

土蔵造りの建物を眺めながら、江戸時代の商家や問屋がどのように軒を連ねていたかを想像すると、宿場町通り商店街の散策がぐっと立体的になります。規模は大きくないので、自転車を停めてじっくり見て回るのに向いた休憩ポイントです。

氷川神社(千住大川町)は鎌倉時代創建のパワースポット

千住大橋やタカラ湯とあわせてコースに加えたいのが、足立区千住大川町にある氷川神社です。鎌倉時代の永仁年間(1293年)創建と伝わる歴史ある神社で、荒川に近い住宅街の中に静かに鎮座しています。日当たりと風通しの良い境内は自然を身近に感じられる落ち着いた雰囲気で、地元では古くからパワースポットとして親しまれてきました。

境内には「川田富士」と名付けられた富士塚があります。文化7年(1810年)に築造されたものが昭和43年(1968年)に現在地へ移築されたもので、高さは約3メートル。山頂には天保2年(1831年)の年号が刻まれた石祠が祀られていて、江戸期の富士信仰の名残を今に伝える貴重な遺構です。祭神は素戔嗚尊・倉稲魂命で、例大祭は毎年9月15日に執り行われています。

北千住駅出口から徒歩約15分とやや距離がありますが、自転車なら無理なく立ち寄れます。荒川河川敷へ向かう道の途中に組み込むと、商店街の賑わいから静かな境内へ、また河川敷の開放感へという流れがつながって、コース全体にメリハリが出ます。

荒川サイクリングロードは信号が少なく走りやすい

北千住駅西口を出てすぐの宿場町通り商店街から出発し、旧日光街道沿いを北上、荒川の土手まで足を延ばして河川敷でひと息つく。これが北千住ポタリングの定番の流れです。駅から荒川河川敷までは徒歩でも15分ほどとされていますが、自転車ならもっと短時間で着きます。天気の良い日には河川敷から東京スカイツリーが見えることもあり、都心の喧騒から離れた開放的な景色が広がります。

荒川沿いのサイクリングロードは信号がほとんどなく、地形もフラットなので、自転車に慣れていない人でも安心して走れると紹介されることが多いコースです。春と秋は河川敷の自然が特に美しく、休憩スポットや公園も豊富なので、家族連れでのポタリングにも向いています。

荒川沿いには都市農業公園があり、荒川サイクリングロードに直結しているため、多くのサイクリストが休憩ポイントとして利用しています。レストハウスでは飲食や休憩ができ、レンタサイクルの取り扱いもあるので、自前の自転車を持っていなくても、ここを経由してサイクリングロードに合流するプランを組めます。さらに足を延ばせば、荒川鹿浜橋緑地や岩淵水門周辺のバーベキュー場といった川沿いのスポットも点在していて、荒川サイクリングロードを北上すれば舎人公園や見沼代親水公園方面まで至る足立区一周のようなロングコースも組めます。短いポタリングから体力に応じたロングライドまで対応できる幅の広さは、このエリアの強みです。

レンタサイクルはホームテラス北千住のシェアサイクルが便利

北千住には複数のシェアサイクルポートが整備されているため、手ぶらで訪れてもポタリングを始められます。駅前の商業施設ホームテラス北千住には、HELLO CYCLING(ダイチャリ)のシェアサイクルポートがあり、スマートフォンのアプリで会員登録と決済を済ませれば、乗り捨ても可能な仕組みで気軽に利用できます。あらかじめアプリをダウンロードしてクレジットカード情報を登録しておくと、現地でのやりとりがスムーズです。

地元のパン屋やカフェ、荒川サイクリングロード沿いのレストハウスを巡るグルメ目的のライドも紹介されていて、レンタサイクルを使えば思い立ったその日に走り出せます。この手軽さも、北千住が初めてのポタリングにも選ばれやすい理由のひとつです。

タカラ湯は昭和13年築の宮造り建築と日本庭園が見どころ

北千住の銭湯巡りで筆頭格として名前が挙がるのがタカラ湯です。東京メトロ日比谷線の北千住駅からバスで千住桜木町下車、徒歩5分ほどの住宅街の中にひっそりと佇んでいます。

創業は昭和2年(1927年)で、現在の建物は昭和13年(1938年)に建てられたものです。千鳥破風を持つ堂々たる宮造り建築で、建築当時からほとんど手が加えられていない貴重な建物として知られています。外観だけでも一見の価値があり、寺社建築を思わせる重厚な佇まいは、初めて訪れる人を驚かせるほどの存在感です。

最大の見どころは、館内に設けられた広縁とその先に広がる本格的な日本庭園です。縁側からは四季折々の花や緑を楽しめて、その完成度の高さから「銭湯界随一の日本庭園と縁側を持つ銭湯」「キングオブ縁側」とまで称されています。テレビドラマ「昼のセント酒」で取り上げられたことをきっかけに、その名は全国的にも広く知られるようになりました。

湯そのものへのこだわりも強く、井戸水を薪で沸かす昔ながらの製法を今も守っています。日替わりで薬湯やハーブ湯を実施しているため、訪れるたびに違う香りや雰囲気を楽しめます。営業時間は15時から23時30分まで、定休日は金曜日です。訪問前には最新の営業状況を公式情報や現地の掲示で確認しておくと安心です。縁側に腰掛けて庭を眺めながら過ごす時間は、都会の中の隠れた癒やしスポットと呼ぶにふさわしいひとときになります。

タカラ湯のサウナは追加料金なしで楽しめる

近年のサウナブームの影響で、タカラ湯はサウナ愛好家からも注目を集めています。追加料金なしで利用できるサウナが併設されていて、約80度に保たれた室内でセルフロウリュを楽しめます。日本庭園を望む縁側で外気浴に近い休憩を取りながら、薪炊きの湯とサウナを交互に楽しむのは、都内でも珍しい体験です。ポタリングで体を動かした後にこの流れで湯とサウナに入ると、一日の疲れがすっと引いていく感覚があります。

北千住には他にも、改栄湯のように約15度のとろりとした超軟水の水風呂で評判の銭湯や、アウフグースイベントを定期的に開催する施設があります。銭湯ごとに水質や温度、雰囲気が違うので、何軒か回って自分に合う一軒を見つける楽しみ方も広がっています。

大黒湯は東京のキングオブ銭湯と称される寺院風の外観

タカラ湯と並んで名前が挙がるのが大黒湯です。北千住駅の北西方向、北千住サンロード商店街を抜けて国道4号を越えた先にあり、寺院建築を思わせる重厚な外観が遠くからでもひときわ目立ちます。その堂々たる佇まいから「東京のキングオブ銭湯」とも呼ばれ、銭湯好きの間では聖地的な存在として知られています。

大黒湯もまた昭和の宮造り建築を今に伝える貴重な銭湯で、タカラ湯とは違う趣の湯船や浴室デザインを楽しめます。北千住で銭湯巡りをするなら、タカラ湯と大黒湯をあわせて訪れ、建築様式や雰囲気の違いを比べながら入浴するのが定番の楽しみ方です。

梅の湯は北千住駅東口徒歩1分で深夜まで営業

北千住駅東口から歩いて1分という好立地にあるのが梅の湯です。昭和2年創業の歴史ある銭湯で、駅からの近さから、ポタリングの出発前や帰り際に立ち寄りやすいのが特徴です。平日は深夜23時30分まで営業しているため、遅い時間まで自転車で街を巡った後でも湯につかれます。西口側のタカラ湯や大黒湯に、東口側の梅の湯を組み合わせると、北千住の銭湯巡りがより充実したものになります。

北千住周辺にはこのほかにも、ニコニコ湯や金乃湯といった銭湯が営業を続けています。それぞれ規模や設備、湯の温度、サウナの有無に違いがあり、駅の西側だけで複数軒をはしごできるほど密集しているエリアもあります。銭湯巡りが趣味の人にとっては、何度訪れても新しい発見がある町です。

銭湯巡りのモデルコースは商店街から荒川、タカラ湯へ続く半日行程

宿場町通り商店街と銭湯巡りを組み合わせた、半日から1日で楽しめるコースを紹介します。

まず北千住駅西口を出発し、ホームテラス北千住などでシェアサイクルを借ります。最初に宿場町通り商店街に入り、旧日光街道沿いの町並みを自転車でゆっくり流しながら、気になる商店や史跡があれば立ち寄ります。惣菜店やスイーツ店での食べ歩きを楽しみつつ、江戸時代から続く宿場町の雰囲気を味わいます。

次に北千住サンロード商店街方面へ向かい、大黒湯の堂々たる外観を見学します。時間に余裕があれば、ここで一風呂浴びてもいいですし、後半に回すのもいいでしょう。

続いて荒川方面へ自転車を走らせます。駅から徒歩15分ほどの荒川河川敷まで自転車ならもっと短時間で到達でき、天候が良ければ東京スカイツリーも見えます。都市農業公園まで足を延ばせば荒川サイクリングロードに直結していて、レストハウスで休憩も取れます。開放的な河川敷でひと息ついたら、来た道を戻ります。

日が傾いてきたら、千住桜木町方面へ向かってタカラ湯を目指します。宮造りの重厚な外観を眺めた後、館内に入り、縁側から日本庭園を眺めながら井戸水の湯にゆっくりつかります。薪で沸かした湯の柔らかさと庭園の四季の彩りを堪能したら、その日のポタリングの締めくくりです。

時間や体力に余裕があれば、帰り道に東口側の梅の湯にも立ち寄り、自転車を返却する前にもう一湯楽しむという贅沢なコースも組めます。宿場町通り商店街での町歩き、荒川河川敷でのサイクリング、複数の老舗銭湯での入浴。この3つを組み合わせることで、北千住の歴史と自然、文化を一日で味わえるコースが完成します。

グルメは宿場町通り商店街の食べ歩きとせんべろの大衆酒場

北千住は下町らしく、庶民的な飲食店が多い町です。宿場町通り商店街や隣接する商店街には、老舗の惣菜店や揚げ物店、団子や大福といった和菓子店が点在していて、自転車を停めて少しずつつまみ食いをしながら進むスタイルが楽しめます。もつ焼きや大衆酒場も多く、銭湯上がりに軽く一杯という楽しみ方をする人も少なくありません。北千住は「せんべろ」の聖地としても知られていて、昼間から気軽に立ち寄れる大衆酒場が多いのも、下町散策の楽しみを深めてくれる要素です。

新旧が交差する駅前は再開発と昭和の商店街が同居する

北千住は宿場町としての歴史を残す一方で、駅前は近年大きく様変わりしています。西口にはルミネ北千住と北千住マルイという2大商業施設が並び、日々多くの買い物客でにぎわっています。東口には東京電機大学のキャンパスがあり、学生の姿が目立つ学生の街としての顔も持っています。東口には大型商業施設こそ少ないものの、学園通り沿いには約100店舗が軒を連ねていて、昔ながらの惣菜店や手作りの弁当店、焼きたてのパン屋など、日常の暮らしを支える個人商店が多く残っています。

北千住駅前は北街区・南街区に分かれて再開発準備組合が組織されていて、狭隘な駅前道路の拡幅や木造住宅密集地域の防災性向上、5路線が乗り入れるターミナル駅にふさわしい都市機能の整備が進められています。北街区では、駅前道路を7メートルから12メートルに拡幅し、再開発ビルと東口駅舎を直結させる27階建ての商業・住宅複合施設の整備構想が公表されています。

こうした再開発が進む一方で、宿場町通り商店街や千住仲町商店街のような昭和以前からの町並みは今も健在です。駅前の近代的なビル群から一歩路地に入ると、江戸と昭和の面影が色濃く残る対照的な景色が広がります。この新旧の交差こそが、自転車でゆっくり北千住を巡る醍醐味であり、駅前の賑わいと下町の静けさの両方を一度に味わえる理由です。

季節ごとの楽しみ方は春の桜と冬の澄んだ空気

北千住のポタリングと銭湯巡りは、季節によって表情が変わります。春は荒川河川敷の桜並木や土手の緑が美しく、自転車で走り抜けるだけでも気持ちがいいものです。タカラ湯の日本庭園も春には花が咲き誇り、縁側から眺める景色が一段と華やかになります。

夏は日中の暑さを避け、夕方から夜にかけてポタリングを楽しみ、汗をかいた体を銭湯で冷やすという涼を求める楽しみ方が向いています。秋は紅葉した庭園を眺めながらの湯浴みが格別で、冬は空気が澄んでいるぶん河川敷からのスカイツリーの眺めがくっきりと見えます。冷えた体を薪炊きの湯でじっくり温められるのも、冬ならではの魅力です。

訪れる際の注意点は営業時間の事前確認とマナー

商店街や住宅街を自転車で走る際は、歩行者や他の自転車との接触に十分注意し、狭い路地では押し歩きをするなど周囲への配慮が求められます。シェアサイクルを利用する場合は、事前にアプリでの会員登録や利用規約の確認を済ませておくとスムーズです。

銭湯を利用する際は、各施設の営業時間や定休日が異なるため、訪問前に最新情報を確認しておきたいところです。タカラ湯は金曜定休、梅の湯は深夜まで営業と、施設ごとに特色があるので、複数軒を回る銭湯巡りを計画するなら、あらかじめ営業時間を調べてルートを組み立てるとよいでしょう。老舗の銭湯は地域住民の生活の場でもあるので、静かに、マナーを守って利用することも忘れずに。タオルや着替えなど入浴に必要な道具は事前に準備するか、施設によっては貸し出しや販売がある場合もあるので、あわせて確認しておくと安心です。

北千住は、宿場町通り商店街に残る江戸時代からの歴史と、タカラ湯をはじめとする老舗銭湯群の湯、そして荒川の開放的な河川敷という3つの要素が、自転車で無理なく回れる距離にまとまっている町です。都心からのアクセスの良さを生かして、次の休日にシェアサイクルで宿場町通り商店街から荒川、そしてタカラ湯へと続くコースを走ってみてください。

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