足利のポタリングで足利学校と鑁阿寺を巡る半日まち歩き

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栃木県足利市のポタリングは、足利学校と鑁阿寺を核に、渡良瀬川沿いの道と足利織姫神社の石段を組み合わせるコースが定番です。半日あれば主要スポットを一巡でき、レンタサイクルの拠点は太平記館とあし・ナビの2か所に用意されています。日本最古の学校といわれる足利学校、国宝本堂を持つ鑁阿寺、渡良瀬川の開放的な景観、山の中腹から街を見渡す織姫神社まで、自転車の速度でちょうどよく回れる規模に歴史と自然がまとまっているのが足利の特徴です。この記事では、コースの組み立て方から各スポットの見どころ、まち歩きで立ち寄りたいグルメまでを具体的にまとめます。

目次

足利のポタリングは半日で足利学校と鑁阿寺を回れる規模感

足利のまち歩きは、東武伊勢崎線の足利市駅かJR両毛線の足利駅を起点に組み立てます。足利市駅からは特急りょうもう号で浅草方面と結ばれており、JR足利駅は市の中心部に近く、足利学校や鑁阿寺までは徒歩でも15分ほどで着きます。車の場合は北関東自動車道の足利ICが最寄りです。

半日のモデルコースは、太平記館かあし・ナビでレンタサイクルを借りたあと、足利学校を40分から1時間ほど見学し、隣接する鑁阿寺で国宝本堂を30分から40分かけて参拝する流れが軸になります。そこから渡良瀬川沿いに出て中橋周辺の景観を楽しみ、体力に余裕があれば足利織姫神社まで足を延ばして、まちなかでそばや甘味を食べて解散、という組み立てです。ゆっくり走っても半日程度で完結するため、午後からの出発でも十分に楽しめます。もう少し時間を使いたい場合は、渡良瀬川サイクリングロードで上流や下流方向に足を延ばすプランも選べます。

足利市は栃木県の南西部、群馬県境に近い場所にあります。人口はおよそ13万5千人で、観光客の入込数は年間400万人を超え、栃木県内でも有数の観光地です。平安時代後期、八幡太郎源義家の孫にあたる源義康がこの地を拠点として足利氏を名乗ったことが、足利という土地と足利氏の結びつきの始まりとされています。足利氏はのちに室町幕府を開いた足利尊氏を輩出した一族で、その本拠地には国宝鑁阿寺をはじめ足利氏ゆかりの社寺が数多く残り、市内には300を超える寺社仏閣が点在しているといわれています。こうした武家の歴史と並んで町の根底に流れているのが学問のまちとしての気風で、中世に全国から学徒を集めた足利学校の伝統は、学び舎のまち足利という現在のキャッチフレーズにも引き継がれています。

産業の面では、足利は古くから織物業で栄えた町でもあります。その歴史は奈良時代までさかのぼるとされ、大正から昭和初期にかけては足利銘仙と呼ばれる絹織物の生産が盛んになりました。美しく斬新な柄でありながら手頃な価格だったことから全国で愛用され、戦後はトリコット生産に移り、昭和30年代には全国有数の産地に成長しています。現在はアルミ加工や機械金属、プラスチック工業なども加わり産業構造は多様化していますが、まちなかを歩くと、かつての織物産業を偲ばせる建物や小径に出会うこともあります。

主要スポットの位置関係と目安の滞在時間は次の通りです。

スポット足利市駅からの目安滞在時間の目安
足利学校徒歩約10分40分から1時間
鑁阿寺足利学校から徒歩数分30分から40分
中橋・渡良瀬橋駅前15分程度
足利織姫神社自転車で10分前後30分から1時間
あしかがフラワーパーク自転車で30分前後1時間以上

レンタサイクルは太平記館とあし・ナビの2拠点、電動アシストが坂道対策になる

足利でのポタリングを支えているのが、太平記館インフォメーションセンターと、東武足利市駅構内の観光交流館あし・ナビという2つのレンタサイクル拠点です。どちらも観光案内とレンタサイクル受付を兼ねており、通常の自転車に加えて電動アシスト付き自転車も用意されています。

坂の多い足利織姫神社周辺を回る予定があるなら、電動アシスト自転車を選んだほうが体力の消耗を抑えられます。借りる際は、返却場所と返却時間を先に確認しておくと安心です。多くの場合、借りた窓口へ戻して返却する仕組みになっています。春の藤や桜、秋の紅葉といった観光シーズンは自転車の台数に限りがあるため、早めの時間に借りるか、繁忙期であれば事前予約の可否を足利市観光協会の窓口で確認しておくとよいでしょう。自転車を借りたら、まずは足利学校と鑁阿寺のある中心市街地エリアを目指すのが、足利のまち歩きの基本的な流れになります。

足利学校の見どころは大成殿と入学証、拝観の目安は40分から1時間

史跡足利学校は、日本最古の学校として知られる史跡です。創建時期は奈良時代説や平安時代説など諸説あり、はっきりとはしていません。文献の上でその存在が明確になるのは室町時代の応永30年、西暦1423年ごろで、当時の関東管領であった上杉憲実が学田と書籍を寄進し、学規を定めたことで教育機関としての体裁が整っていきました。

応仁の乱以降の戦乱の時代にも、足利学校は学問の灯を絶やしませんでした。最盛期には学徒3000人ともいわれるほど隆盛し、天文18年、西暦1549年には、宣教師フランシスコ・ザビエルが足利学校を坂東の大学として海外に紹介したという記録も残っています。現存する建物のうち最も古いのは、寛文8年、西暦1668年に建てられた大成殿と学校門です。大成殿は儒教の祖である孔子を祀る廟で、日本最古の孔子廟とされています。江戸時代の建物は落雷で一度焼失しましたが、現在の建物群は史料をもとに復元されたものです。

境内には、足利学校に伝わる書籍を保存公開する足利学校遺蹟図書館も併設されています。大正4年、西暦1915年に建てられた近代和風建築で、市の重要文化財に指定されており、蔵書はおよそ3万2000冊にのぼります。孔子の坐像や平安時代の学者である小野篁の像を安置する孔子廟、北庭園と南庭園という2つの庭園も見どころです。

入場券売り場で来訪者に手渡される入学証は、足利学校ならではの記念品です。和紙に入学おめでとうございますの言葉が記されており、持ち帰る観光客も少なくありません。境内にある霊験稲荷社の御朱印は書置きで授与されており、学問の神として合格祈願の意味を込めて求める参拝者もいます。入口脇にはスタンプも設置されているので、まち歩き用のノートを持って回るのもよい記念になります。自転車は境内に入る前に指定の駐輪スペースへ停めるのがマナーです。

鑁阿寺は足利氏の館跡で本堂が国宝、境内は入場無料の大日苑

鑁阿寺は足利学校のすぐ隣にある真言宗大日派の本山寺院で、本尊は大日如来です。創建は鎌倉時代の建久7年、西暦1197年で、足利氏の2代目当主である足利義兼によるものと伝えられています。この地はもともと足利氏の館で、12世紀半ばに足利氏の祖とされる源義康が居館を構え、その子孫である足利義兼が敷地内に持仏堂を建てたことが鑁阿寺の始まりです。寺院でありながら足利氏館という武家屋敷の遺構としての性格を併せ持つ点が、鑁阿寺の大きな特徴になっています。

こうした歴史的価値の高さから、足利氏館は大正11年、西暦1922年に国の史跡に指定され、本堂は平成25年、西暦2013年に国宝となりました。境内は四方に門を構え、周囲には土塁と堀がめぐらされていて、鎌倉時代前後の武士の館としての面影を色濃く残しています。敷地はほぼ正方形で面積は約40000平方メートルにおよび、これほど明確な方形の区画と堀や土塁が残る例は全国的にも珍しく、日本の名城百選にも数えられています。

文化財としては、国宝の本堂に加え、国指定重要文化財の鐘楼と経堂があります。経堂の近くには国内最大級とされる多宝塔も建っています。栃木県指定文化財としては楼門、東門、西門、御霊屋、太鼓橋があり、境内には蛭子堂や大酉堂といった小堂も点在しています。堀にかかる太鼓橋を渡って楼門をくぐる導線は、武家屋敷らしい重厚な雰囲気を今に伝えています。

境内一帯は大日苑と呼ばれる都市公園として整備されており、入場は無料です。大きなイチョウの木や四季の花々が植えられ、春は桜、秋には黄金色に色づくイチョウが境内を彩ります。足利学校と鑁阿寺は徒歩数分の距離にあるため、自転車をどちらかの駐輪場に停めて、両方を歩いて回るのが効率的です。国宝鑁阿寺から続く石畳の通り沿いには、蔵や古民家をリノベーションしたカフェも点在しています。米蔵を改装した八蔵は足利駅南口から徒歩8分ほどの場所にあり、築70年の家屋を活かした茶房のの、通1丁目の度々など、休憩スポットには困りません。

渡良瀬橋と中橋は森高千里の楽曲で知られる夕景スポット

足利市は渡良瀬川によって南北に分かれており、12本の橋が両岸をつないでいます。中でも有名なのが渡良瀬橋です。渡良瀬川のほぼ中央に架かる下路平行弦6連のワーレントラス橋で、橋長は243.27メートル、幅員は5.5メートルあります。この橋は、歌手の森高千里が歌ったヒット曲渡良瀬橋の舞台としても知られています。橋から西側、群馬県方面を望むと、広い空と遠くの山並みが夕日に染まる景色が広がり、森高千里自身も作曲にあたって何度もこの場所を訪れたそうです。北側のたもとには歌碑が設置されていて、ボタンを押すと歌声とメロディが流れます。

渡良瀬橋のすぐ隣、足利市駅の目の前に架かるのが中橋です。中橋周辺は川面と町並み、遠くの山並みを一望できるビュースポットとして親しまれており、朝や夕方に自転車を停めて景色を眺めるだけでも、足利らしい時間の流れを感じられます。ポタリングの途中、日没前後にこのあたりを通るルートを組み込むと、まち歩きの記憶に残る一場面になります。

渡良瀬川サイクリングロードは桐生市から藤岡市まで続く堤防道

本格的なポタリングを楽しみたいなら、渡良瀬川サイクリングロードの利用がおすすめです。正式名称は桐生足利藤岡自転車道で、群馬県桐生市から足利市を経由して藤岡市方面まで続く長距離の自転車道になっています。渡良瀬川の堤防沿いに整備されているため信号が少なく、走りやすいのが特徴です。足利市内では足利市駅周辺からアクセスでき、周辺にはあしかがフラワーパークをはじめとする観光スポットも点在しています。

足利市が案内するおすすめ周遊ルートのひとつに、足利市駅から馬打峠を経て市西部を回り、渡良瀬川サイクリングロードを通って足利市駅へ戻るコースがあります。市街地から離れた峠道や里山の風景を楽しみながら川沿いに戻ってくる、健脚向けのルートです。走る際は、堤防道路のため日差しを遮るものが少なく、夏場は熱中症対策が欠かせません。増水後は河川敷の道が一部通行止めになる場合もあるため、事前の情報確認も必要です。歩行者やランナーと道を共有する区間もあるので、スピードの出しすぎには注意してください。

足利織姫神社は229段の石段の先にある縁結びの社

まちなかから少し足を延ばすと、山の中腹に鎮座する足利織姫神社に着きます。約1300年の歴史を持つとされ、機業地として栄えた足利の織物業を守護する神社として信仰を集めてきました。御祭神は機織をつかさどる天御鉾命と、織女である天八千々姫命の二柱です。宝永2年、西暦1705年に当時の足利藩主戸田忠利が、伊勢神宮ゆかりのこの二柱を通4丁目の八雲神社へ合祀したのが始まりで、明治12年、西暦1879年に機神山、現在の織姫山の中腹へ遷宮されました。

二柱の神が共同して織物を織り、天照大御神に献上したと伝えられることから、経糸と緯糸が織りあって一枚の生地になる様子になぞらえ、縁結びの神社として広く知られるようになりました。境内の七色の鳥居をくぐると、7つの良縁を得られるといわれています。朱塗りの社殿が緑の木々に映える境内は229段の石段を上った先にあり、天候に恵まれれば足利市街地や渡良瀬川の先に東京スカイツリーまで見渡せることがあります。石段は自転車を押して上ることになるので、体力に自信がない場合や暑い時期は電動アシスト自転車を選ぶと楽になります。石段の下に駐輪スペースがあるので、そこに自転車を停めてから参拝する流れです。夜のライトアップも行われており、昼間とは違う雰囲気を楽しめます。

あしかがフラワーパークは春の藤と冬のイルミネーションが見頃

体力とスケジュールに余裕があれば、渡良瀬川サイクリングロード沿いにあるあしかがフラワーパークまで足を延ばすのもおすすめです。春は藤の花が見頃を迎え、うす紅藤、むらさき藤、白藤、きばな藤など開花時期の異なる品種が順番に咲きます。例年4月上旬から5月中旬にかけてが見頃で、600畳敷きの大藤棚や長さ80メートルの白藤のトンネルは特に有名です。秋から冬にかけては、日本三大イルミネーションのひとつに数えられる光の花の庭が見どころとなり、関東最大級とされる約500万球のイルミネーションが園内を彩ります。開催時期は例年10月中旬から2月中旬ごろまでで、日没後にポタリングの締めくくりとして立ち寄るのもよい過ごし方です。

まちなかには美術館も充実しています。本庁地区には足利市立美術館や、日本画家田崎草雲ゆかりの草雲美術館があり、富田地区には陶磁器のコレクションで知られる栗田美術館があります。ポタリングやまち歩きの合間に美術鑑賞を組み込むのも、足利ならではの楽しみ方です。史跡や美術館が本庁地区と富田地区に分かれて点在しているぶん、自転車があれば徒歩よりも無理なく両エリアを行き来できます。

まち歩きのグルメは足利のそばとソースかつ丼

ポタリングの合間には、足利ならではのグルメも楽しめます。足利は昔からそばの産地として知られ、市内には十割そばや石臼挽きそばにこだわる店が点在しています。織姫神社の近くにある人気店では、開店直後から行列ができることもあります。

そのほか、ソースかつ丼はとんかつにソースだれを絡めた栃木県内でも人気のご当地グルメで、足利シュウマイは地元で長く愛されてきた惣菜シュウマイとしてテイクアウトにも向いています。渡良瀬川の恵みを活かしたうなぎ料理を出す老舗も市内に複数あります。自転車での移動なら、複数の店を少しずつ回って食べ歩きをするのも楽しく、まちなかには甘味処やカフェも点在しているので、走ったあとの休憩場所には困りません。

足利花火大会は8月第1土曜に2万発が上がる夏の風物詩

足利のまち歩きを語るうえで欠かせないのが、夏の足利花火大会です。1903年、明治36年に始まった歴史ある大会で、毎年関東一円からおよそ50万人が訪れます。例年8月第1土曜日の午後7時15分から午後8時50分にかけて、田中橋下流の渡良瀬運動公園と田中橋下流河川敷を会場に開催されます。スターマインや尺玉、5号玉の連続打ち上げなど約2万発の花火が夜空を彩り、近年はドローンショーが組み合わされることもあります。総延長400メートルにおよぶ大ナイアガラとワイドスターマインの競演がフィナーレを飾り、前夜には足利商工会議所周辺でヤングヤング夏祭りという前夜祭も開かれます。夏に足利を訪れる機会があれば、日中はポタリングで足利学校や鑁阿寺、織姫神社を回り、夜は河川敷で花火を楽しむという一日を通したプランも組めます。

ポタリングの注意点は熱中症対策と石段区間の体力配分

足利のポタリングを快適に楽しむための注意点をいくつか挙げます。真夏は日差しが強いため朝早めのスタートが安心で、渡良瀬川沿いや織姫神社の石段など体力を使う区間もあるので、こまめな水分補給と休憩を心がけてください。動きやすく汗をかいても対応できる服装を選び、石段を歩く場面もあるため歩きやすい靴を用意しておくとよいでしょう。まちなかは細い路地も多いので、大まかなルートを事前に把握したうえでスマートフォンの地図アプリを併用すると安心です。太平記館やあし・ナビでは最新のイベント情報や道路状況も教えてもらえるので、出発前に立ち寄って情報収集することをおすすめします。

足利のポタリングは、日本最古の学校である足利学校、国宝本堂を持つ鑁阿寺、渡良瀬川沿いの開放的な道、山の中腹から街を見渡す織姫神社まで、自転車の速度で歴史と景観を味わえる組み立てになっています。半日のコンパクトなコースから、渡良瀬川サイクリングロードを使った本格的な周遊まで、体力や時間に応じてプランを選べるのも足利らしさです。奈良時代からの織物業、室町幕府につながる足利氏の歴史、江戸時代に整えられた足利学校の建物群といった何層もの時代が同じ市街地に重なっているので、一度のポタリングでも見る場所を変えるたびに違う時代の足利に触れられます。レンタサイクルを活用しながら、歴史ある町並みとグルメ、季節ごとの景色を自分のペースで回ってみてください。

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