佐久穂の東町商店街で古民家とカフェを巡り、郊外はポタリングで

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佐久穂町の東町商店街は、古民家や昔ながらの商店が今も肩を並べる通りです。JR小海線の羽黒下駅で降り、この商店街から四ツ谷エリアまで歩いてカフェをめぐる散歩道を、長野県の観光情報を発信する「Go Nagano」というサイトが取り上げています。商店街は自分の足で歩き、郊外へは自転車でゆっくり走る、という回り方が合う町です。

通りの面白さは、新しく開いた店と古くからの店が入り混じっているところにあります。創業から100年を超える「森田屋」は、文具や日用品を売る古株の一軒で、地元の人がいまも通う店です。

町があるのは長野県南佐久郡で、八ヶ岳の東の麓、千曲川の上流部にあたります。

目次

東町商店街の散歩は羽黒下駅から歩いて始まる

散歩の出発点になる羽黒下駅は、JR東日本小海線の駅です。住所は佐久穂町大字平林で、東町商店街へは駅から歩いて向かえます。

駅のバリアフリー設備は、出入口から改札までと改札から先とで差があります。改札口までは地上の出入口から通れる経路がありますが、改札口からそれぞれのホームへ上がるには介助が要ります。

食事の当てを探すなら、駅から5分ほど歩いたところに仲好飲食店があります。

商店街を歩くときに気をつけたいのが車です。東町商店街は車の往来が多い通りなので、歩いて散策するときも、自転車で通り抜けるときも、車の動きから目を離さないでください。

ポタリングは行き先を決めずに自転車で散歩すること

ポタリングとは、自転車に乗って散歩するように気ままに走ることです。英語で「ぶらつく」を意味するPotterが語源で、1950年代にはもう使われていた言葉だそうです。縮めて「ポタ」と呼ぶ人もいます。

走る距離やスピードに決まりはありません。行き先を固めずに、気が向いた角で曲がったり、途中で寄り道したりするのが楽しみどころです。頑張りすぎない程度が目安です。

サイクリングとの違いは景色を楽しむか達成感を求めるか

サイクリングは、自転車で走ること全体を指す言葉です。ポタリングもその中のひとつで、長い距離を走るロングライドや、山道を登るヒルクライムも同じくサイクリングに含まれます。

ロングライドが完走の手応えや体力への挑戦を味わう走り方なのに対し、ポタリングの中心は景色や町並みを眺めることにあります。

もっとも、どこまでをポタリングと呼ぶかの感覚は人によって違います。何人かで一緒に走る日は、距離やペースのイメージを出発前にすり合わせておくと安心です。

自転車は道の駅八千穂高原のレンタルE-バイクで借りられる

自転車を持っていない人は、道の駅「八千穂高原」でレンタルE-バイク「YACHI WHEEL(やちホイール)」を借りられます。電動アシストが付いているので、坂の多いこの一帯でも走りやすい自転車です。

道の駅は2024年9月27日に開業しました。国土交通省は同じ年の2月16日付けで道の駅として登録しており、長野県内では54箇所目にあたります。長野県と佐久穂町が一体で整備しました。

場所は国道299号沿いの佐久穂町大字畑1190-1です。中部横断自動車道の八千穂高原ICを降りれば、車で1分ほどで着きます。

道の駅八千穂高原の駐車場とトイレ棟は県、地域振興施設とアウトドア活動施設は町が整備

県が受け持ったのは駐車場とトイレ棟です。トイレ棟には24時間使えるトイレのほか、情報提供施設とベビーコーナーも入っています。

町の担当は、地域振興施設とアウトドア活動施設の2つでした。地域振興施設には物販と飲食と休憩の場が、アウトドア活動施設には観光案内所と物販店がそろっています。

建物の2階は屋内型の公園で、キッズトイレもあります。有事のときには、100人以上が一時的に身を寄せられる避難所にもなります。

食事と買い物以外の主な設備は、次の表のとおりです。

設備の種類名称・内容
アウトドアショップmont-bell(開業時、東信エリアに初出店)
車中泊施設YACHI STATION
そのほかの設備コインシャワー、ドッグラン、EV充電スポット

開業から1か月で11万人が訪れた道の駅

来場者は開業から1か月で11万人に達し、約1年で70万人を超えました。営業時間は店ごとに異なります。

食事はBISTRO8とやちカフェ、買い物はみなさくマルシェで

レストラン「BISTRO8」は、川魚や蕎麦、高原野菜、佐久穂豚を筆頭に、地元でとれた旬の食材を出しています。

その隣にある「やちカフェ」で味わえるのは、八千穂高原オリジナルブレンドと、店のオリジナルのソフトクリームです。ブレンドには地元の八千穂高原の水が使われています。

直売所「みなさくマルシェ Bloomin」の棚には、地元の農家が育てた野菜や果物が並びます。開業した当時の報道で取り上げられたのは、長野県の名産品であるプルーンやリンゴ、ブルーベリー、きゅうりでした。高原野菜やきのこも買えます。

佐久穂町グルメ巡りコースは13.4キロの初級ルート

長野県の佐久地域振興局は、「佐久っとサイクルプロジェクト」のサイクリング情報ページで、13.4キロメートルの「佐久穂町グルメ巡りコース」を初級コースのひとつに挙げています。通るのは佐久穂町の中だけです。

このプロジェクトは、佐久地域の11市町村を対象にしたサイクルツーリズムの取り組みで、浅間山や八ヶ岳を見渡せる土地柄を生かしています。「日本一海から遠い駅」とされる海瀬駅を経由することも、コース名の説明でうたわれています。細かな道順は、同じページから開けるRide with GPSで追えます。

同じ一覧には、10.2キロメートルで小海町の松原湖高原をめぐるコースも載っています。

海瀬駅は日本一海から遠い駅で、羽黒下駅は3位

佐久穂町にある小海線の海瀬駅は、海からの遠さで全国1位とされる駅です。その距離は、新潟県糸魚川市の海岸まで直線で測って112.772キロメートルです。この順位づけは、日本で海からいちばん遠い地点が長野県佐久市の山の中だとわかったことをきっかけに行われた調査の結果です。

2位は群馬県を走る上信電鉄の南蛇井駅で、海岸からの距離は112.05キロメートルでした。3位には、商店街散歩の出発点にする小海線の羽黒下駅が入っています。

駅名にある「海」は、海岸とは関係がありません。平安時代の仁和3年(887年)、八ヶ岳の天狗岳で大月川岩屑流が起き、川がせき止められて巨大な相木湖が生まれました。海瀬はその湖の瀬にあたる場所だったことから、この名がついたといわれます。

自転車で足を延ばせる見どころは酒蔵と城跡と高原

羽黒下駅の周りには龍岡城五稜郭や黒澤酒造の蔵元ショップといった見どころがありますが、どれも駅から数キロ単位で離れています。歩いて回るより、自転車で回るのに向いた距離です。

公共交通で向かう場合の行き方と料金は、次の表にまとめました。

見どころ公共交通での行き方料金
黒澤酒造の蔵元ショップJR小海線の八千穂駅から徒歩5分ほど試飲コーナーは無料
龍岡城五稜郭JR小海線の龍岡城駅から徒歩15分ほど見学は無料
八千穂高原自然園千曲バス白駒線(麦草峠行き)に八千穂駅から約40分乗り、最寄りの「八千穂高原自然園」で下車入園料は小・中学生150円、大人300円
白駒の池麦草峠行きの千曲バスに八千穂駅から1時間5分乗り、「白駒池入口」から歩いて15分-

八千穂駅から出る千曲バスの麦草峠行きは毎日は走りません。八千穂高原自然園へ向かう白駒線は土曜と日曜を中心とした特定日、白駒池入口へ向かう便は5月から10月の特定日だけの運行です。

黒澤酒造は千曲川の最上流にある井筒長の蔵元

清酒「井筒長」で名の通った黒澤酒造は、千曲川のいちばん上流にある蔵元です。蔵元ショップは佐久穂町穂積にあります。ショップに付いている酒の資料館には、蔵人たちが明治から昭和の時代に使った道具が展示されています。

扱う銘柄は井筒長のほかに黒澤や八千穂などがあり、生もと造りの純米酒がたくさんそろっています。

生酛(生もと)造りとは、発酵の元になる酒母を、自然の乳酸菌の力で育てる昔ながらの酒造りです。ヨーグルトを思わせる丸みのある酸味と、しっかりした旨味が味わいの特徴だそうです。

自転車で来た日は試飲を控えて、気になった一本をお土産に持ち帰るほうが向いています。

龍岡城五稜郭は日本に2つしかない星形の城

佐久穂町の隣、佐久市田口にある龍岡城跡(龍岡城五稜郭)は国の史跡です。幕末に松平乗謨が、田野口藩(龍岡藩)の藩庁として建てました。日本にある西洋式の星形の城郭は、函館の五稜郭とここの2か所だけです。

完成は1867年(慶応3年)で、わずか4年後に廃城になっています。

廃城のあとは長く学校の用地になり、敷地も五稜郭の形のまま使われました。そのおかげで土塁や石垣が壊されずに残り、いまも当時の姿をとどめています。城の中にあった小学校は、2023年3月に閉校しました。

桜の季節には、満開の桜が星の形に城を縁どります。城から北東へ約500メートル入った山の中に五稜郭展望台があり、そこからは城を見下ろせます。

城跡の所在地は佐久市田口3000-1です。

八千穂高原自然園は色の名前がついた3本の小径を歩ける

道の駅から先へ足を延ばすと、八千穂高原自然園があります。園内の小径は3本です。白樺林の中を抜ける「白の小径」、滝や湖を望む「青の小径」、初夏のミズバショウと夏の草花が咲く「緑の小径」で、散策コースの長さは1キロメートルから2.5キロメートルあります。

初夏から秋にかけては、山野草やツツジの花も見られます。

紅葉の見頃は10月初旬から下旬ごろです。白樺とカラマツが黄金色に色づき、とくに白の小径と遊亀湖のまわりがきれいです。

駐車場は50台分あり、料金はかかりません。冬は休業期間があるので、営業しているかどうかは出かける前に施設へ問い合わせてください。

車なら八千穂高原ICから約20分です。

白駒の池は山歩きに慣れない人でも40分ほどで一周できる

八千穂高原から麦草峠のほうへ進むと、白駒の池にたどり着きます。池をぐるりと囲む遊歩道は、山道を歩き慣れない人でも一周40分ほどで歩き終えられます。

紅葉は9月下旬から10月上旬が見頃です。6月から7月にかけては、コバイケイソウやゴゼンタチバナが池のまわりに彩りを添えます。

車で行く場合は、国道299号沿いにある170台分の白駒の池駐車場(1回600円)から、山道を約15分歩きます。八千穂高原ICからは国道299号を通って約25キロメートル、時間にして30分ほどの道のりです。

8月から10月の混み合う時期には、渋滞を減らすためにシャトルバスが運行されます。

国道299号は冬期の11月中旬から4月中旬まで、車両通行止めになります。

佐久穂町は千曲川沿いの河岸段丘に市街地が広がる人口約1万人の町

佐久穂町が生まれたのは2005年3月20日で、旧八千穂村と旧佐久町がひとつになりました。人口は2015年の国勢調査で11,186人でしたが、2020年には10,218人となり、5年で8.7パーセント少なくなっています。

面積は188.15平方キロメートルあり、町の広がりは東西が約29.5キロメートル、南北が約14.8キロメートルです。

町の中央を清らかな千曲川が南北に流れていて、市街地はその川沿いの河岸段丘の上にできました。東と西の奥には森林が広がり、その中に二つの国定公園が含まれます。八ヶ岳側の八千穂高原も、八ヶ岳中信高原国定公園に含まれています。この町の自然を代表する名所として、白駒の池と苔の森の名前が挙がります。

交通の面では、町の真ん中を南北に貫くJR小海線に加えて、中部横断自動車道が町内を通っています。

佐久穂の東町商店街は歩いて、郊外はE-バイクで回るのが合う

東町商店街の古民家とカフェは歩いてめぐり、駅から離れた酒蔵や城跡、高原へは道の駅八千穂高原で借りたE-バイクで向かいます。佐久穂町は、この二本立てで一日を組める町です。

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